関西零細企業経営のオッサン 悔し涙を流すの記(甦れ美しい日本)
ようちゃん、おすすめ記事。↓甦れ美しい日本
◎関西零細企業経営のオッサン 悔し涙を流すの記 (12)
------------------------------------
イザベラバードは18世紀の英国人女性旅行家であるが、彼女の旅した軌跡をたどってみると先ず誰でも、あの時代に本当か、ホラ男爵の冒険旅行じゃないのか、と疑ってかかるに違いない。当時の日本がどれ程旅行者にとって困難な環境であり道路事情であったかと想像できる人は明治維新後間もない奥日本、北海道、西日本さらには朝鮮、満州、清国奥地を、西洋人の然も女性が現地調達の従卒数名(時にはたった1名)のみ道連れに歩き廻った事が信じられない筈だ。彼女は全ての行程を詳細な旅行記に記録しており、その動物、植物、鉱物、美術等目や耳にする物全てへの細かい観察力と博識には驚かされる。また彼女は限られた旅装の中に多量の撮影機材、フイルム、おまけに簡単な現像装置まで携えており、当時の貴重な写真を沢山残している。
僕はたった今彼女の「朝鮮紀行」(講談社学術文庫)を読み終えたばかりであるが、たかが100年余り前の話と思いきや、その内容の新鮮さに最後まで引込まれた。彼女が朝鮮を訪れたのは1894年62歳の時であり、其の後3年余り4度に亙り各地を旅行している。丁度日清戦争が始まり、李朝末期の混迷期でもあった。日本が朝鮮に存在を濃くし始めた時期である。当時朝鮮在住の数少ない外国人として、彼女は日本公使大鳥圭介、井上薫や其の後継者で閔妃暗殺の首謀者三浦梧楼、其の又後継者小村寿太郎などとも面識があったらしく彼等のなまの人物評が出てくるのも面白い。
それは兎も角、僕が彼女から始めて知った当時の朝鮮に関し、次の興味深いものがある。
・都市も含め朝鮮全土に亙り虎が出没し住民は夜間の外出を極端に恐れていた事。
・高級官僚、両班の腐敗は極限状態にあり、少しでも財産があると思われると彼等の搾取略奪の対象となる為、一般民衆には労働、勤勉の意欲が全く失われていた事。
・其のせいか官庁のある街は例外なく他よりも更にすさんでいた事。
・集落は何れも貧しく、庭や街路はぬかるみ、汚物やゴミであふれ、これ以上の不潔は無いと言われていた清朝北京を更に上回る状態であった事。
・然しロシア領内に移住した朝鮮人地区は非常に豊かで住宅も清潔に保たれており、不潔、怠惰は朝鮮人の特質でなく前述の度を越した官僚腐敗に原因があると考察出来る事。
・朝鮮独立を主導した日本の官僚、軍人は非常な誠意を以って朝鮮国の腐敗を取除き近代的制度を作る為の努力をしていた事。
・各地に配備された日本兵は規律正しく騒ぎを起こさず、物を手に入れる際必ず正当な現金を支払い、現地人との接触にも朝鮮人の尊厳を傷つけぬよう十分注意を払っていたこと。
・それでも朝鮮人は3世紀前に受けた侵略のトラウマを引継いでおり、日本人に激しい嫌悪感を抱いており、どちらかと言えば宗主国である清国人には親しみを抱いている事。
其の為、外国人即ち日本人として理解され各地で彼女が宿を頼んでも断られる事が頻繁であった事。・王宮クーデター後、朝鮮独自の信頼できる軍隊が育つまで日本軍が王宮を占拠し事態を収拾するよう各国公使が勧めたにも拘らず、然もロシア公使が最もそれを強く勧めたにも拘らず、日本政府は国王の身の安全を守る為とは言え王宮占拠は前述の国民感情からして深刻な誤解を招きかねないと介入を避けた為、結局後にロシアが朝鮮に対して圧倒的影響力を持つような事態になった事。
まだまだ挙げればキリがないほど僕にとって新鮮な事柄が彼女の朝鮮紀行には書き残されていて興味は尽きない。しかも彼女の文物に対する正確な描写や観察力には感心させられているだけに僕にこれ等の記述は十分説得力がある。で、なにわのオッサン一体何に涙しとんのや、と野次が飛びそうだが、この歳になってバード女史に色々教えられ目から鱗が落ちている自分に涙しているのであります。了 2008.06.05
------------------------------------
◎投稿 シナ人留学生に騙された(実話をもとに一郎と花子の対話形式とした)
------------------------------------
花子:何浮かぬ顔してはるん?
一郎:踏んだり蹴ったりや!わしが育ててきたマオ(シナ人留学生)の野郎夜逃げしやがって、ゴミ箱に布団と鍋がほってあったわ。
花子:一体なんやのん?詳しく話して!
一郎:いやはや騙される方が悪いといえば悪いんやがなあ!今IT技術者不足してるやろ。そいで4年くらい前か、マオって奴をバイトで会社に雇ってプログラムさせとったんや。こいつなかなか筋がよくて、なんとか電子学院っていう日本の専門学校出とってなあ。
そいで勉強したゆうて、国立地方大学の修士課程に行く時、入学論文を作ってやったんや。それに色々アパートやら借りんとあかんゆうて金貸したんや!
花子;うっそお!シナ人に金貸した?貸す方が悪いわ!
一郎:そやけどこいつを一流にして会社で頑張ってもらおうと親心でなあ。わしも子供おらへんからなんやら情が移ってしもたんや。そいで在学中には月々お小遣いまで渡してたんや。
花子:なんぼくらいつぎ込みはったん?
一郎:お恥ずかしいことに600万円くらい貸してるわ。あげたもんはしゃないとしてもなあ。そいで卒論までワシが作って無事卒業しよってなあ。
花子:そいで会社に引き取ったん?
一郎:ところがなあこいつに連絡とろうと思って電話してもかからへん。留守電やあ。そいでワシアパートまで行ったんや!そしたら呼び鈴押しても出てこやへんわ。そやから警察呼んで、なかで自殺してるかもしれんゆうて鍵開けさせようとおもったんやけど真夜中で、明日の朝にしなはれゆうから一晩まってなあ。
花子:ほんまひとのええ一郎さん変わらんなあ!
一郎:そいで鍵開けて警察とはいったらもぬけの殻。夜逃げやああ!そいで警察もシナ人と聞いて長野と同様シナ人様さまでなんもやってくれへん。逃げの一手。そやからもうワシの好意を踏みにじった、恩を仇で返したこのシナ人徹底的に締め上げてやろうと思って弁護士と相談してるんや。
花子:無い袖はふれへんから泣き寝入りちゃうんかあ?弁護士費用がまた100万円以上かかってまうわ。
一郎:こうなったらあのシナ野郎を豚箱にぶち込むまでたたきのめしてやるよ。そうでなければ日本人はシナ人に泣き寝入りということになりますますゴキブリみたいなシナ人が日本に繁殖するからなあ。ワシはやるからなあ!
花子:一郎さんえらいわあ!
一郎:このシナ野郎今度は博士課程を狙っているに違いないので、こいつのやったことを全部暴露して主要大学にばらまいてやる!
花子:日本でやりたい放題、犯罪までやって技術は盗み、捕まえても刑務所の食事の方がシナにいるよりええからのさばる。まさにゴキブリとおないやんかあ!シナ人にビザなしって一体政府や官僚の馬鹿ども!こいつらに参政権とんでもないわよ!
一郎:それにシナ人を受け入れている大学研究室あるやろ。全部ノウハウをコピーされて持ち帰り蒸発やあ。やりたい放題でっせ。いったい何時になったら日本はスパイ防止法案作ってスパイを極刑にできるようになるんやあ!
------------------------------------
------------------------------------
「賢い国」づくりが日本の方途
冷戦が終結し、グローバル化がIT革命により加速されて進展している。各国の国益と思惑が錯綜する中で、国際競争力が、国家、企業そして個人の生存に厳しく問われる大競争時代である。しかるに日本は、OECD加盟三十カ国中、国民一人当たりのGDPは十八位、世界経済フォーラムの調査で情報技術の国際競争力は十九位、また別の調査では労働生産性十六位など、各種の調査結果は日本の競争力の顕著な低落傾向を示している。元凶は二つ指摘できよう。一つはゆとり教育や悪平等を主張するイデオロギーであり、もう一つは改革を阻む抵抗勢力である。前者についてはやや改善の兆しが見られるが、後者についてはむしろ勢いを強めており、成長路線から既得権益擁護への逆行による日本の政治経済の劣化は、海外メディアからJAPAiN(ジャペイン)と名付けられた。
国際競争力は世界共通のテーマだが、天然資源に乏しい日本としては、長期的な安定と繁栄を享受するために格別の努力が必要である。一つには、高度の付加価値を創出する「科学技術立国」であろう。それは知恵の結晶にほかならない。それに加え、グローバル化により、優れて洗練された賢さを海外に示すことがより強く求められるようになって、「インテリジェンス(知恵を働かせる賢い)立国」すなわち、知恵を資源とした、信頼され尊敬される国づくりが、日本の目指す方途でなければならなくなったのだ。どこの国の人々から見ても魅力のある国づくりである。「インテリジェンス立国」とはいえ、核兵器を保有しているとされ、暗殺で高名な秘密機関モザドが活躍する、ハードパワーのイスラエルは、目指すべきモデルではない。ノーベル賞という人類の知恵を評価して発出したり、戦略的思考の頂点をゆく研究機関を有するスウェーデンが、日本にとっての有力な国家モデルであり、それを上まわるソフトパワーを目指すことが日本の方途であろう。
日本の現状はどうか。まるで正反対に、知恵のなさ、知的水準の低さが海外から指摘されている。かつてはナイーブ(物事がわかっていないで無邪気でいられる)といわれていた日本人だが、イノベイティブな能力のひとかけらもないのに日本の社会では高い地位を得ている大銀行のトップなどは、インコンピタント(手のつけられない無能な)と烙印を押されている。政治家とジャーナリズムの内向きな狂騒と、それに無邪気に振り回される一般国民の姿にも、また、連日のように頻発する凶悪異常な犯罪の原因にも、知的水準の低下が如実に表れている。知的水準を高め、知恵を働かせる賢い人間にするには、どうしたらよいのであろうか。
最も肝要なポイントは、己の実力を知り、自ら考える力を高めることにある。知恵を働かそうとしても、誰もがすぐに知恵の働く人間にはなれない。いかなるゲームや武芸にも、下から上まで実力には大きな格差があり、実力を向上させて上位に至るのには容易ならざる努力が要る。物事を理解する能力や、知恵を働かせる能力を高めるにも、一人ひとりの日常不断の研鑽が欠かせない。その基本は、不確かな情報を鵜呑みにせず、自分の頭で物事を考えることに尽きるのだ。テレビのコメンテーターの浅薄な弁舌に一喜一憂したり、イデオロギーの思惑を隠した一部新聞の情緒的な歪曲誇張記事に他愛なく怒りを燃やして投票行動に走ったりする、愚かな己の姿に一刻も早く気付くことである。グローバル化を速める大競争時代の今、一日も早く内向きで縮みゆく日本から脱却を果たそう。それは、日本国民一人ひとりの自覚と、知恵を磨く努力にかかっている。(初代内閣広報官)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
------------------------------------------------------------------
◎『中国新聞』連載コラム
「今を読む:裁判員制度は家族の問題」 池内ひろ美著
-----------------------------------------------------------------
「まったく、なんでこんなことを始めるんでしょうね」。初老の男性が
ため息をついた。来年五月に始まる裁判員制度のこと。来所したのは夫
婦関係の相談のためだが、裁判員制度へのスタンスでも夫婦喧嘩になっ
たという。「妻は、人を裁くのなんか嫌、行かないですむ方法を考えろって。私 だって凶悪犯を見るのは怖いから参加したくない。でも、無茶でしょ う?」確かに無茶な話だ。選ばれたら、嫌だから怖いからと拒否はできな い。七十歳以上なら辞退できるが、この男性は六十七歳。正当な理由な く呼び出しに応じなければ十万円以下の過料を払わなければならない。父母の葬式は正当な辞退理由となるが、兄弟やいとこでは駄目。男性 のご両親はすでに鬼籍にある。国会議員や自衛官、警察、弁護士は裁判 員になれないが、彼は民間企業の役員。裁判員になる資格がある。男性とその妻のような人々は多い。四月、最高裁が発表した全国意識 調査では、八割以上が「参加したくない」と回答。それに、裁判を忌避 するのは洋の東西を問わない。アメリカでも陪審員に選ばれない方法を 書いた本がロングセラーだ。少なくとも日本の場合、忌避の感覚は「面倒だから」ではないと思 う。日本の裁判員制度は陪審制とまったく異なるのだ。有罪か無罪かだ けでなく、量刑もみずから判断する。死刑か、それとも無期懲役かとい う、究極の判断まで迫られることがあるのだ。最高裁の調査に、四分の 三が「被告の運命を決めるため責任を重く感じる」と答えたのも納得で きる。ひとたび裁判員となり公判や評議に出ると、少なくとも数日間拘束さ る。しかし、私がこだわるのは法律論ではなく、家族に「秘密」を抱 えなければならない点だ。
刑事裁判制度としての問題は法律家がさまざ まに提起しているが、私は家族問題の専門家として、ここで反対を唱え ざるをえない。裁判で話し合われたことは生涯他言してはならない。もしもしゃべっ たら六月以下の懲役か五十万円以下の罰金に処せられる可能性がある。 これはいわゆる「前科がつく」ということだ。かりに夫が裁判員となったら、彼は「人を裁く」ことに大きなストレ スを抱えるだろう。扱うのは、殺人や放火といった非日常の世界にある 凶悪事件なのだから。
負担を軽くしてあげたいと、妻は夫の胸の内を聞く。話を聞くことで ストレスを解消してあげるのは、家族にできる大切なことだ。しかし、 それが罪に問われるのだ。優しい気持ちで尋ねてあげたばかりに、夫に は前科がつき、妻は共犯者とされるかもしれない。これは夫婦だけの問題ではない。たとえば、連続女性暴行殺人事件の 裁判員に若いお嬢さんが選ばれたとしよう。彼女はむごたらしい殺害現 場の証拠写真を見なければならないだろう。そのショックはいかばかり だろう。母親は傷ついた様子の娘にどう対処したらいいのか。しかも、 娘はなぜ傷ついたのかさえ明かせないのだ。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負う可能性を考え、国は裁判 員への「心のケア」を予定している、という。だがそれは違うのではな いか。多大なストレスを抱えるという前提で、なぜ家族を送りださなけ
ればならないのか。私の娘も今年二十歳。裁判員に選ばれる資格を得てしまう。一人の母 親としての立場から、あるいは家族問題の専門家の立場からも、裁判員 制度が施行されないことを望んでいる。そうでなくても夫婦のきずなが 問われ、家族が壊れやすい時代を迎えているのに、家族の間で秘密を持 てと国から強制されるのは、とうてい納得できない。
六月十三日、日比谷公会堂で二千人規模の「裁判員制度はいらない!
全国集会」が開かれる。今まで市民運動に関わってこなかった私だ が、この集会には出席し、壇上で発言する。裁判員制度は法律だけでな く家族の問題でもあるからだ。お一人お一人が、自分と家族の問題とし
て考えてほしい。
------------------------------------