中国では、なぜ被災地に“武装警察”が派遣されるのか? (曙機関)重要な記事なので再掲。
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★中国では、なぜ被災地に“武装警察”が派遣されるのか? (曙機関)再掲。
今回の四川省大地震に関する報道では、被災地に救援に駆けつけているのが人民解放軍と『武装警察』であることに違和感を感じた日本人は多いのではないかと思います。どこの国でもまず、こういった災害現場へ急行するのは“消防隊”ですよねぇ。
なぜ中国では、それが消防ではなく“警察”なのでしょうか?
いえ、中国でも被災地にかけつけるのが消防隊であることは変わりません。中国では日本のように消防署、消防隊が独立した組織としては存在せず、武装警察の一部門になっているんです。
ですから、こういった大規模災害のときも、現地へ出動するのは『武装警察』の部隊ということになり、その幹部は拳銃を携行しています。どうかすると下士官や兵は、79式短機関銃というサブマシンガンで武装していたりします。もちろん、武装警察が消防組織を兼任しなければならない理由は、被災地での略奪行為が日常茶飯事であり、時には略奪そのものを目的とした放火なども珍しくないからです。
心配していたら、四川省の各地で既に略奪事件が発生しているようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080514-00000062-yom-int
■被災者が支援物資奪い合い、運搬中の車に殺到…四川大地震■
5月15日3時14分配信 読売新聞【綿竹(中国四川省)=牧野田亨、都江堰(同)=竹内誠一郎】
中国の四川大地震から3日目となる14日午後、多数の死傷者が出た四川省綿竹市の農村地区で住民たちが支援物資を積んだトラックを止め、荷台の物資を奪い合う事態が発生した。地震後、停電と断水が続き、食料が不足するなか、政府の支援が遅れていることに被災者の不満が高まっている。14日午後3時ごろ、この地区の幹線道路沿いに住民約100人が集まり、「災害支援」と書かれた横断幕をつけたトラックを無理やり停車させ、荷台に積んであった飲料水を箱ごと奪った。住民たちは、その後も車を止めては物資を奪おうとした。一部は支援のトラックが停車したすきに荷台に入り、支援関係者から引きずり下ろされた。制止に入った公安車両の窓ガラスを飲料水の容器でたたく住民もいた。住民の一人は「被災者なのに誰も助けてくれない。(奪って)何が悪い」と怒りをあらわにした。当局は、道路沿いに武装警官約30人を配置し警戒を始めた。数キロ離れた別の地区では、この日初めて到着した支援物資に住民たちが殺到。支援者の制止を振り切り、ゆで卵や飲料水などを奪った。
(後略)
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救援のために出動した日本の救助隊も、暴徒の襲撃を受ける可能性があります。日本政府は中国のやり方に倣って、救助隊員達に護身用の拳銃を支給するべきではないでしょうか。
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★人民解放軍が“災害支援”を口実に、日本に上陸してくる恐怖 (曙機関) 再掲。
前回このブログでは『中国には独立した消防組織が存在しない』という事実を紹介した。中国では、火事の消火や災害の救助に出動するのは、準軍事組織である武装警察の任務なのである。このことは、日本ではご存知ない方が多かったようで、多くの方から『意外だった』というメールをいただいた。ミャンマーのサイクロン被害や四川省の大震災で、国際社会ではあたかも『大規模災害が発生した場合には、すぐにでも外国の援助隊を受けいれなければならない』というコンセンサスが出来上がったような感がある。まず被災者を救援する事が重要で、全てのことは二の次だといった、いわば“救援至上主義”だ。確かにその正義は尊重されるべきなのだが、しかし世の中には中国のように、災害の救援をもっぱら軍隊やその眷属がやっている国があることも、考慮の内に入れておかなければいけない。
このブログを書いている5月下旬、四川省大震災の被災地に自衛隊機を飛ばして救援物資を届けるかどうかが政治的に問題になっている。幸い、というかなんというか、中国側の反発によってこの件は沙汰止みになったようだが、石破防衛大臣の発言を始め、ネット上の議論にはイケイケの論調が多い。飛行が中止になった事についても、『中国政府は心が狭い』、『礼儀知らずだ』というような書き込みが掲示板などで散見される。しかし本当に自衛隊が災害支援のために中国に行った方が良かったのか? あまりにも安全保障上の危機感が足りなさぎるのではないか、と我々は思う。いや日本は、自衛隊どころか緊急援助隊すら、中国に派遣するべきではなかったのかもしれない。
こういった国際支援とか微妙な外交問題は、“相互平等”が原則なのだ。これはつまり、日本が中国の災害に援助部隊を派遣する以上、逆に日本に大災害が発生した場合には、中国が自国の援助部隊の派遣を申し出た時、「それを断ることができない」という事を意味する。もし仮に今度、日本で大規模な震災や伝染病の蔓延など、大規模な災害が起こった時、中国政府がそれに『緊急援助隊の派遣』を申し出たら、日本はどうするのか。中国が派遣しようとするその“援助部隊”は、間違いなく武装警察の隊員であったり人民解放軍の兵士であったり、あるいはその混成部隊なのだが。大災害が発生して一人でも人手が必要な時に、外国からの支援の申し出を断ることは難しいだろう。ましてや日本がかつて緊急援助隊を派遣した国から、『あの時のお礼に』と言われたら、なおさら断ることは出来ない。
だとすると日本政府は、中国の武装警察や人民解放軍を、国内に受け入れるのか?その時、彼らが武装してやってこないという保証は無い。自動小銃だの機関銃だのを持ってくれば、もちろん日本政府としては抗議するだろうが、そのくらいのことは平気でやってくる連中だ。『日本だって、イラクに“復興援助”で自衛隊を派遣した時、自動小銃や装甲車で武装して行ったではないか。』と主張してくるかもしれない。(伝染病の発生などの場合、強制的に患者達を隔離したりする必要があるため、防疫の現場に携わる人間がある程度の武器を持つ事は、まんざら理不尽な事でもない)チベットで僧侶達を弾圧した武装警察や、北京の長安街でデモ隊を無残に撃ち殺した人民解放軍が、災害支援を口実に日本にやってきて、傍若無人に振る舞う事態を許してはならない。この件については、6月末に発売されるオークラ出版の雑誌『激論』に依頼されて小文を書いているので、皆さんにも是非お読みただきたい。
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