パイロットが足りないスカイマーク
パイロット不足、長引く低空飛行 スカイマーク異例の大量運休
□外国人頼み、争奪戦も激化
パイロット不足で今月の運航計画の約1割に当たる168便を運休する異例の事態となったスカイマーク(SKY、東京都港区)。航空業界は新規参入会社を中心に慢性的なパイロット不足に陥っており、アジア各国で次々と誕生する格安航空会社との争奪戦も激化。パイロットの自社養成が需要に追いつかず、外国人機長頼みの不安定な運航が広がっている。(水野拓昌)
■小型機への移行
国土交通省によると、パイロット不足によるこれほどの大量運休は、「極めて異例の事態」という。
大量運休は機長2人の退職が引き金だった。背景には、ボーイング767型機から同737型機への移行を進めていたことがある。中型機から消費燃料が少ない小型機へ切り替え、運航便数の増加と原油高に対応する戦略だった。
だが、パイロットはそれぞれ操縦できる機種が限定されており、新機種導入の際には対応可能な乗員の確保が必要だ。SKYでは5人が737型機への移行訓練を受けていたが、「予想しない退職があった」(同社)。退職した2人は737型機の機長だったため、要員が回らなくなった。
■機長確保に焦る
スカイネットアジア航空(SNA、宮崎市)は5月、パイロットの資格に必要な航空身体検査証明を取得する際、外国人機長の病歴を隠す不正が発覚した。不正があった17年7月、SNAは羽田-長崎の新路線のため機長確保を急いでいた。当時の同社幹部が病歴を申告しないよう指示していたという。
ある航空会社の乗員組合関係者は「新規航空会社はアジアやロシア、中南米などの外国人機長を多く採用している」と指摘する。高い賃金を求めて会社を渡り歩き、個別に契約。交渉が決裂すれば、より好条件の会社へ移るというわけだ。一般に日本人機長より高給だが、自社で訓練を重ねて養成するよりも、会社にとっては安上がりという。
アジア各国で誕生している格安航空会社も、他社から引き抜いて人員を確保。慢性的なパイロット不足に拍車を掛けている。
■危険な価格競争
SKYはここ数年、順調に業績を伸ばし、4月には羽田-旭川に新路線を就航させた。同社は「これまで人手不足が問題になったことはない」と説明するが、ギリギリの人員での運航が一気に表面化した形だ。
大手航空会社の社員も、「パイロットは病気などの欠員を想定して計画するのが当然で、2人の欠員でこれほど多数の便に影響することはあり得ない」と、驚きを隠さない。
航空評論家の秀島一生氏は「2人辞めただけで運航を維持できなくなるのは、これまで綱渡りをやっていた裏返し。乗員の安定確保は当たり前で、これを大ざっぱにやっていては大きな問題」と、SKYの体質を厳しく批判。外国の格安航空会社との価格競争に巻き込まれ、過度のコスト削減で安全確保がおろそかになる危険性を指摘している。
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【用語解説】スカイマーク
航空規制緩和による新規航空会社の第1号として、平成8年11月設立。当初の社名は「スカイマークエアラインズ」。10年9月、羽田-福岡便で運航を開始、「大手航空会社の半額」という低価格路線で利用客を増やした。現在は羽田-福岡(1日10往復)をはじめ羽田と新千歳、旭川、神戸、那覇を結ぶ計5路線を運航。保有機はボーイング767-300ER型機4機(265~309席)と同737-800型機6機(177席)。従業員1075人(19年7月現在)。2008年6月4日(水)08:15 産経新聞
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日本のお姉さん。↓
このニュースは、テレビでも放送していたが、
不思議なニュースだと思ったので、紹介しておきます。
パイロットは、それぞれ操縦できる機種が決まっているとは
知らなかったなあ。