クライン孝子の日記 ・ 太田述正 有料メルマガ | 日本のお姉さん

クライン孝子の日記 ・ 太田述正 有料メルマガ

ようちゃん、おすすめ記事。↓クライン孝子の日記 
■2008/05/26 (月) 日本は諜報+国防骨抜きで手も足も出ない (1)
■2008/05/26 (月) 平和ボケ国民思考を変えるには時間が掛かるが(2)
■2008/05/26 (月) 皇室も自衛隊を訪問し,その努力に言葉を掛けて!
■2008/05/26 (月) 祖国への愛情と誇りと多数意見に与しない勇気

中国四川地震では、核施設にかなりの被害があったようで、中国両トップが、慌てて現地へ駆けつけた。中ロ会談も行って、その対策に関し、ヒソヒソと話し込んでいる。ロシアとしては中国の弱みを掴む好機とみて内心ほくほくしているに違いない。把握した中国情報を今度は欧米にちらつかせながら、うまく取り込んで外交カードとして使ってみせる。その様子を欧米諸国は見てみぬふりをしつつ、さて次の手はどう打つべきか思案しながら観察している。一方で欧米諸国は国連を通し、軍政ミャンマーのサイクロン欧米救済拒否をこじあけ人道支援という名で被害者救出をしつつ情報路を確保しつつある。。そんな欧米の暗躍にオリンピックを前にしてこのところ中国政府は、手も足も出ないで顔面蒼白!本来なら日本にとってこんな状況は中国に付け入る絶好のチャンスなのに、何も出来ない。情報+国防骨抜きの日本だからどうしようもないのだ。何だかなあ、日本、だらしがないですねえ。まあ、せいぜいうさ晴らしに親米政治家がこの時期米大使とゴルフに興じ、中国牽制=デモンストレーションにするしか手はないのかもね。

国防に関して奥中 正之氏より
<<防衛省改革、自衛隊の軍紀粛正、士気高揚に関する基本的提言  防衛費の利権化、前事務次官の収賄事件、イージス艦の秘密漏洩事件、護衛艦「しらね」の戦闘司令室からの出火等の不祥事に関連して、防衛省の組織改革、自衛隊の軍紀粛正、士気高揚の必要性が叫ばれている。その重要性は論を俟たない。しかしそれらは建物に例えるならば、建造物をいかに強固・堅牢にするかの領域の議論である。強固且つ堅牢な建物を支える基礎・土台をいかに固め整備するか、この面の改革を併せ実行する必要がある。

表題に掲げた課題を支える土台とは何か?この点について私は提言を試みたい。さて、先ず筆頭に挙げたいのは「自主憲法」の制定である。米占領軍の対日政策に基づいて策定/制定された現行憲法が土台にあって、その上にコミンテルンの対日謀略を忠実にフォローした国内左翼勢力が主導する教育とマスコミによって、我々の大多数は愛国心を失い、国防の重要性を見失ってしまった。「占領憲法」とも言える「現行憲法」は一日も早く無効にし、愛国心を理念に据え、国防の義務を国民に課す「自主憲法」を発布する必要がある。

■2008/05/26 (月) 平和ボケ国民思考を変えるには時間が掛かるが(2)
このように主張すると、確信的反日左翼は「日本を戦争に導く危険な考え」と誹謗するだろう。また長年にわたる反日教育と反日論調により洗脳された多くの人たちも過激な民族主義を煽る恐れがある」として、私の提言を忌避する可能性はある。しかし過激と思えるくらいに熱い民族感情を持つ近隣諸国と接する日本人が、愛国心を失い、国防の重要性を見失っていることの方が異常であり且つ危険である緊密な国際経済関係が我が国の存立に不可欠となっている日本、そして民主主義と言論の自由が確保された我が国において、日本人が侵略戦争を引き起こす可能性は全く考えられない。

その点私は我が同胞を強く信じたい。愛国心に裏打ちされた国防意識とそれに支えられた軍事力が他国の侵略野心をくじき、且つ恫喝外交を抑止して前向きの建設的な外交の推進を可能とし、真に平和を守る力になることを、自主憲法を土台にした教育によって国民に周知徹底して行かねばならない。ということで、二番目に挙げたいのは、新しい「国民教育」の実現とその推進である。安倍内閣の時に改正された教育基本法により、愛国心教育への道は開かれた。

しかし教育現場には愛国心反対の確信左翼狂師が存在する。彼らは少数だが声が大きく、声の小さな良識派教師を自己主張で圧倒する。
そして戦後教育でマインドコントロールされた多くの常識派教師は 無批判に左翼の言動に引きずられてしまう。その流れをマスコミと進歩的知識人がかき混ぜ促進する。このように混乱した現状を、「快刀乱麻を断つ」が如くに、是正し愛国心教育と国防教育を推進する原動力となるのは前述の「自主憲法」である。そして教育基本法の精神と規定をフルに生かして教育現場に徹底し、実施するには、文部科学省をはじめとして、各地の教育委員会を監督・指導する政治家の信念と発言・行動が決め手となる。敗戦後一世紀近くにわたる教育と、マスコミや進歩的知識人たちの言論による洗脳ですっかり平和ボケした国民の考え方を変えるには時間がかかる。だからこそ早急に舵を切り、我が国の衰退・衰亡を食い止めなければならない。表題のテーマは国の在り方の根幹と密接に関連しているのである>>

■2008/05/26 (月) 皇室も自衛隊を訪問し,その努力に言葉を掛けて!
東大での最高武官の講演、大好評だったそうですね。!
“関係ない”発言の田母神航空幕僚長が講演
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080524/plc0805241642009-n1.htm
東大では初の自衛隊武官の講演だそうで、いかに日本は国というものを疎かにしているか!チベット国民の爪の垢でも呑んでほしい!
最も日本では防衛大臣すら、国家感喪失だそうですから仕方がないか。
さて私も日ごろ、感じていたこと、英国を始め欧州の王家では当然の行事が日本では戦後タブーになっている。その一件について、ニュージーランド在住の正畑浩之氏が以下のように指摘して下さいました。少しずつ日本も変わりつつあるので、これも時間の問題と私は思っているのですが。
<<皇室と自衛隊
私は、日本の皇室は、全く悪を知らない善意の固まりだと思っています。併し、皇室がただ一つ差別しているのが自衛隊です。敗戦以来、皇室のだれも自衛隊を訪問し、また自衛隊の努力に感謝され た事も無いのは何故ですか。自衛隊は既に国民に認められ,無くてはならない存在になっています。災害時の救援国体,駅伝、マラソン等スポーツの大会、相撲の優勝式 博覧会を始め大きな催し物の準備,運営,後片付け 等

自衛隊は今、本来の仕事である国防のみに限らず,日本人の日常の生活 の中に、しっかりとその必要性、存在感を示す様になっています。素直に、彼らの誠実さと努力を認め、感謝したらと思うのは、私だけで ありません。 此の現実を認めないのが一部のジャーナリストと野党の政治家達と、そ れに加えて日本の皇族す。

高円宮妃殿下が今回初めて海上保安隊を訪問されましたが,敗戦後今日まで、皇室の一人も,自衛隊を訪問されていない。皇族の一 人も自衛隊に感謝の言葉、励ましの言葉をかけられていない。是は、決して私達が望んでいる皇室の姿ではないと思います。
皇族の方々が、時には非難されてもかまわない。失敗されてもかまわな い。もっと自分の意見を示し、行動し、見える皇族である事を期待して います。例えばゴラン高原から帰ってきた自衛隊員。インド洋から帰ってきた海上自衛隊。災害出動している自衛隊員。南極に出航する観測船。には一言,慰労の言葉をかけていただきたいものです。  NZの隠居 正畑浩之>>

■2008/05/26 (月) 祖国への愛情と誇りと多数意見に与しない勇気
目下私は「小説ノン」
http://www.shodensha.co.jp/n-non.html
にて連載4回目のニュルンベルグ裁判と東京裁判に挑戦していますが、日本はさておき、ドイツの弁護団の愛国精神を垣間見て、このドイツ根性が今日のドイツの礎になったなと・・・今回のチベット人権問題でのドイツの姿勢がそう。 「東アジア黙示録」より
カルマパ17世の大航海…中共を揺さぶる同時外遊
http://dogma.at.webry.info/200805/article_9.html

そこで、五月十九日、横浜市の鈴木敏明氏よりの貴重な投稿
「石破防衛大臣の歴史観」に関し、早速、以下のメールが届きました。

広島県下の大嶋 登氏より
<<初めてメールを差し上げます。いつも明るくて健康的なお考えを聞かせていただき、大変勉強になります。普段から、われわれは自虐的な歴史観からどうして脱却できないのであろうかと思いあぐねていました。今回のメールマガジンではそれについてひとつの解答が得られ、感謝しています。健全な歴史観を日本において得るには
1)歴史のセンスを持っていること
2)身内に大東亜戦争での戦死者がいる、
あるいは戦死して靖国神社へ祀られる者がいることとう趣旨が述べられていたと思います。

これにあえて加えれば、祖国への愛情と誇り、正確な基本的な 歴史の知識、それに多数意見に与しない少数意見に甘んじる勇気でしょうか。どうしたら、相手国への尊重を踏まえた自国への誇りを日本人が持てるのか、どうしたら当たり前の国民になれるのか、いつも考えています。人が向かうべき考えを変えていくにはどうしたらいいのか、ときに匙を投げます。

こうしたとき、クラインさんのメールマガはひとつの情報源であり、また清涼剤のように感じられます。引き続き、よき情報をご提供ください。なお、クリスチャンとして渡部昇一さんと曽野綾子さんを挙げておられましたが、この二方はいずれもカトリック信徒です。これに対して石破さんはプロテスタントの日本基督教団に所属しています(Wikipedia)。ご存知のように歴史の長いカトリックは酸いも甘いも知った保守主義的な傾向のお考えの信徒が多い思われます。他方、プロテスタントはよく言えば純粋、悪く言うと青臭いときに「進歩的な」考えを持つ傾向のが信徒が多いように思われます。ご参考まで>>
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■ 2008/05/26 (月)[ 皇室も自衛隊を訪問し,言葉を掛けて!]に訂正メールです。 (TK生氏)より

早速「皇室も自衛隊を訪問し,言葉を掛けて!」に以下の事実をお送りいただきましたので、訂正メールとしてお届けいたします。
ただ、私クラインは、数年前、二度ほど、防衛大学の卒業式の式典に参列させて頂きましたが、そのとき、将来国を守る若者たちのこの晴れの祝典に、天皇陛下がご無理なら、皇太子殿下にご出席いただき、激励の言葉を一言、彼らにお贈りいただけたなら、どんなに心の励みになるか、と心底思ったものでした。

<<ー皇室と自衛隊
私は、日本の皇室は、全く悪を知らない善意の固まりだと
思っています。併し、皇室がただ一つ差別しているのが自衛隊です。敗戦以来、皇室のだれも自衛隊を訪問し、また自衛隊の努力に感謝され た事も無いのは何故ですかー

下記の記事をご覧下さい。
サマワ帰りの自衛隊員ら180人に両陛下が接見
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/special/iraq/
両陛下、柏崎避難所などご訪問。両陛下は新潟空港で自衛隊ヘリに乗り換え・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/bietaro/49413781.html
天皇陛下のお話
自衛隊や民間で援助にあたる人々のお陰で、一人、また一人と救い出されていきました。
硫黄島と御製
平成7年元旦の新聞に掲載されていた御製(ぎょせい=天皇陛下の歌)。これは前年2月に硫黄島を訪問された際に詠まれた歌でした。
それまで硫黄島は絶対に行けない場所だと思い込んでいた彼女は「天皇陛下が行かれたのなら、島を訪れる方策があるはず」と思い、いろいろと調べた結果、遺族や元兵士が自衛隊機を使って慰霊に訪れていることを知ったというのです。(愛知・TK生)以上>>
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━─━─━[太田述正 有料メルマガ]━─━─━─
5 感想
米国人のローゼンバウムもトーマスも、そしてイギリス人のヘースティングスも、ことごとくハセガワの本の存在を見て見ぬふりをしていることからくるイライラを、バードがまとめて断罪してくれたようなものであり、溜飲が下がりました。ハセガワの本やバードの共著の(オッペンハイマーについての)本等をめぐって、日本の論壇ではいかなる議論が出ているのでしょうか、それとも出てないのでしょうか。日本の論壇を全くフォローしていない私には分かりません。それにしても私には、日本の原水爆禁止運動団体は何をしているのだという思いを禁じ得ません。
広島や長崎の市長だって、彼らから何も聞こえてきませんし、広島の場合は平和記念資料館があるというのに、そのサイト(
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/ )を見ても、このような米国での論争の類など全く関心の埒外にあるように見受けられます。広島市も、その平和記念資料館も核の廃絶を訴えているわけですが、核が現実に用いられたのは広島と長崎においてだけであり、この原爆投下が正当であった、意味があったという米国の公定史観を紹介、批判するとともに、この公定史観が誤っていると指摘する説の紹介に努めることは、核廃絶運動にとって極めて意義が大きいことを考えると、首をひねらざるをえません。それにしても、対日戦だけではなく、原爆投下に関しても、米国において、先の大戦正戦論から脱する兆候がみられることは慶賀の至りです。

6 付け足し
イギリス人ヘースティングスの日本に対する底意地の悪い物の言い様は、私が何度も指摘しているところの、日本によって大英帝国を瓦解させられた憾み(例えばコラム#805)・・イギリスのまともなエリート達は克服済み・・の産物であると考えればいいでしょう。ここでは付け足し的に、原爆投下問題そのものから離れ、彼の主張を紹介するとともに、私のコメントを付したいと思います。ヘースティングスは要旨次のように記しています。

 この戦いは人種戦争的様相を帯びていた(注2)。
(注2)ダワー(John Dower)が'War without Mercy: Race and Power in the Pacific War’(1986年。邦訳あり)で詳述している。

(太田)
英軍のスリム(Sir William Slim)将軍は、日本の兵士は「史上最も恐るべき戦闘昆虫だ」と述べた。また、硫黄島の戦いからハワイに戻った米海兵隊員の中には、日系米人達の前でのパレードの際、日本人の頭蓋骨を振りながら「これが杭に乗っかったお前らの叔父さんだぞ」と呼ばわった者達がいた。しかし、こんなことより、日本側が英米側に施した蛮行の方がはるかにひどい(前出)。
しかも、日本は自分達の兵士の扱いだってひどかった。日本海軍は、米海軍とは違って、不時着したり撃墜された航空機の乗員の捜索・救難を行わなかった。そのため、何百人という熟練した操縦士達を失うことになった。
また、日本の軍国主義者達は、古の武士道の規範を死の病的カルトへとねじ曲げた。日本人は降伏するより死を願うべきものとされ、戦争が進行するにつれ、米側もこのことに順応して行った。日本の捕虜達が自分達を救出した米艦艇でサボタージュ活動を試みることを米側が周知すると、米艦艇は海中の日本兵を救出しなくなり、時々「諜報サンプル」用に拾い上げるだけになった。日本側においては、降伏することは恥だと考えられていたがゆえに、降伏した米兵は不名誉を犯したとみなされ、基本的な人間としての尊厳を放棄したものとみなされた。(以上、ニューヨークタイムス前掲による。)

しかし、英米側が日本側に対して行った蛮行の方がはるかにひどいと言うべきでしょう。いわゆる南京事件は、降伏しなかった国民党軍の国際法違反が引き金となり、それに日本軍兵士達の個人的規律違反が加わって引き起こされたものであり、日本軍の「制度的」蛮行の例証にはなりません。(いずれにせよ、支那派遣日本軍の規律が弛緩していたことは厳しく咎められなければなりません。)(コラム#253、254、256~259)
シンガポールの支那系壮年男子住民の大量殺害は、過剰なゲリラないし諜報工作予防措置ではあったけれど、国際法違反であったかどうかは微妙なところではないでしょうか。(いずれきちんと論じたいと思います。)英米兵捕虜に労働させたこと自体は国際法違反ではありませんが、彼らの死亡率が監督した日本兵や同様の労働に従事した日本人よりはるかに高かったのは、日本兵並みの食事しか与えられず、しかも彼らが亜熱帯の環境下において日本人より脆弱であったことによる部分もあるとはいえ、国際法違反と言わざるをえません。(コラム#805、806) 
他方、いわゆるフィリピンにおけるバターンの死の行進は、米兵の捕虜が、劣悪であった日本兵と同等の処遇を受けた結果生じたものであり、国際法違反であるとは言えません。(コラム#830、1433)
 いずれにせよ、ここでも、日本が兵士の命を、給養面でも作戦においても大事にしなかったことは厳しく咎められなければなりません。)
大事なことは、これらは戦後ことごとく英米側によって国際法違反と断じられ、BC級戦犯が数多く処刑されたのに対し、英米側が犯した同等の行為(コラム#1433)は、戦時中に日本側によって処断されたもの以外は、放任されたまま現在に至っているという事実です。これに対し、米国による日本の都市に対する戦略爆撃と原爆投下は、もっぱら文民の大量殺害を意図した「制度的」(組織的計画的)な行為であり、明白な国際法違反です。特に原爆投下は、化学兵器使用を禁じた国際法違反にも該当すると言うべきでしょう。戦略爆撃そのものについては、コラム#520、521、523、日本に対する戦略爆撃の違法性については、コラム#213、258、423、805、806等参照。) これらの蛮行の責任者達すら、放任されたまま現在に至っていることはご存じのとおりです。(完)
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