人民解放軍が、救援NGO活動を妨害 | 日本のお姉さん

人民解放軍が、救援NGO活動を妨害

ようちゃん、おすすめ記事。↓

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)5月26日(月曜日)弐
通巻第2202号  

 
人民解放軍が、救援NGO活動を妨害
  即席NGOに反政府団体やスパイの疑いを抱く軍のメンタリティ
************************

四川大地震の救援活動が各地で展開されている。
中国のメディアは、「犠牲者の一割が小学生などで、学校の倒壊原因は手抜き工事、エリート校は幼稚園でも崩れなかったのに」(NYタイムズ、26日付け)などの暗部をえぐる記事は一切掲げず、ひたすら救援活動のことばかりを報道している。「中国人の心はひとつになった」というアングルの情緒的、同情をあおる書き方は、共産党中央がマスコミに指令している。18日からの三分間の黙祷と国家を挙げての喪に服す行事は、じつに十一年前のトウ小平死去いらい、なかった。

英誌『エコノミスト』(5月24日号)は、救援に向かうNGOが、各地で足止めされ、とりわけ即席の小さな団体を反政府組織の偽装ではないかと疑っている実態を報じている。テントや救援物資が公平に分配され、外国人医療チームが精神のケアにあたり、ボランティア団体と軍の絶妙な共同作業が全面に報じられるばかりで、舞台裏の出来事を隠蔽しているようだと示唆しつつ同誌は続ける。『政府が認定済みのNGOの活動だけをマスコミが伝えているが、政府がまだ認定していないNGO団体を反政府団体の偽装と疑っており、活動には多くの支障がでている』と。
     
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪(読者の声1)貴誌で紹介のあった張超英氏の『国際広報官 張超英』(まどか出版)を読みましたが、日本人について誤りが見逃されています。237ページに大河原良雄氏が国連大使も務めたとの記述がありますが、事実ではありません。アメリカ大使を務めた人物が格下の国連大使を務めるわけがありません。1954年以来、19人の国連大使が居りますが、大河原氏が国連大使だった事はありません。大河原氏は最初、オーストラリア大使でした。当時(1979)事務次官の有田圭輔氏が次期アメリカ大使と目されていましたが、問題があって海外勤務は無理と辞退、JICA総裁に転じ、大河原氏に白羽の矢が立ちました。外務官僚がなりたいのは駐米大使、国連大使は格下です。(RW生、東京)

(宮崎正弘のコメント)早速、およみ頂いたようで有り難く感謝申し上げます。この本は台湾のジャーナリストが、故人の談話をまとめたもので、詳しい日本の知識がありませんから、随所に事実誤認があり、翻訳チームはあちこちに問い合わせて、相当箇所を訂正しつつ、原著者とも連絡をとり、関係者へ国際電話をかけて事実の照合にあたりました。しかしながら、灯台もと暗し、日本のことはチェックがおろそかになったのかも。

♪(読者の声2)貴誌2200号にあった、機密報告でなされてゐたといふ地震の予知はどのやうになされてゐたのでせうか?
もし今回の地震がプレート間の断層で起きた自然現象としての地震であり,それをしかるべき根拠に基いて予知・警告したのであるとすれ,支那の地震学は世界の最先端を行く,と言ふことになります。
しかしそんなことがあり得るのか.日本でもいつどこそこで地震が発生するとか,いつ富士山が噴火する,とか言ふ”予言”はよく聞きますが,すべて科学的根拠のないものです.今回の警告もその手のものであるなら,支那政府あるいは四川省の当局が無視したのも当然で,実際に地震が起きたのは単なる偶然,まぐれ中りにすぎません。
それとも今回の地震は人為的な原因があり,それ故に予知ができたと言ふことなのでせうか?(NN 生,横浜市)

(宮崎正弘のコメント)専門的な詳細は分かりかねますが、小誌が紹介したのは、そういう地震学者がいて、アジアウィークリー(亜州週刊)が、これをスクープ扱いで報じた、というのが大筋。当該雑誌にも詳細は書かれておりませんでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)5月27日(火曜日)
通巻第2203号  (5月26日発行)

 モンゴルが参加する新グレードゲーム
  ロシア、中国、米国との三角関係を均衡感覚で生き延びる智慧
************************


メドベージェフ(ロシア大統領)が四川省大地震直後に北京を訪問し、協力関係を確認したことが大きく報じられた。メドベージェフ大統領は、初の外遊=中国歴訪の前に、じつはカザフスタンの首都アルマトゥへ四日間立ち寄った。ロシアによってカザフスタンの石油とガスのほうが中国関係より大事だから?

じつは、その四日前、モスクワを訪問したのは、モンゴルのエレンバヤル大統領である。メドベージェフが就任後初の外賓はモンゴルの元首だった。ロシアのグレードゲーム感覚は、冷戦終了後に突如米国との関係強化に踏み切った、この嘗ての保護国=モンゴルを、ふたたびロシア影響圏へ戻すことであり、その戦略の一環としてロシアはモンゴルに石油を特別価格で提供している。1バーレル89ドルという(「ユーラシア・ディリー」、5月24日付け)。

ロシアからの石油は鉄道輸送が主だが、その主役「ウランバートル鉄道」も49%の株主はロシア。ついでに言えばエレンバヤル大統領もバヤル首相(人民党党首)も、モスクワ留学組である。しかし経済のひ弱さと流通システムの欠落からモンゴル経済は猛烈なインフレにあえぎ、インフレ率は前年同月比で15%を記録した(08年4月)。国民の不満は高まっている。ジェーコフ元帥の記念館がウランバートル市内にいまも残存し、大きな銅像が立つ公園もある。ロシアの軍事的プリセンスは消滅したとはいえ、この国がロシアのメンタリティから完全に抜け出すことは難しいだろう。街の看板も白鳳、朝青龍だが、モンゴル文字はなく、ロシア語に英語が併記されている。大学でこそ、英語を教えているが、町中では英語は通じない。

 ▲モンゴル重視の米国外交はポーズだけ?
5月21日、ウランバートルのチンギスハーン国際空港は、ときならぬ大型代表団を二組むかえた。一組は、クレムリンが派遣した国防大臣以下のロシア軍幹部の表敬訪問団。大型使節団だった。モンゴルはロシア、中国主導の「上海シックス」にオブザーバ加盟をしている。

 もう一つの賓客。
それは米国海兵隊太平洋司令官ジョン・グッドマンの訪問で、モンゴルはイラク戦争で、米国に協力し、モンゴル軍人173名を派遣している関係もある。だが地政学的条件から言えば、ロシアと中国に挟まれ、原油はロシアから、物資は中国から輸入し、かわりに地下資源を鉱区ごとロシアと中国に売却しているモンゴルとしては、遠い米国との関係は、バランス緩衝材いがいの何物でもないのではないか。  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪宮崎正弘の新刊
『北京五輪後、中国はどうなる?』(6月15日発売。並木書房)。

 宮崎正弘の最新刊  特典付き予約募集を開始しました!
 『北京五輪後、中国はどうなる?(中国崩壊これだけの理由)』
(並木書房、定価1680円)
@@@@@@@@@@
<内容>
チベット虐殺をめぐる中国非難の声が全世界に巻き起こり、中国を見る目は完全に変わった。国内的にも華南を襲った大雪害と未曾有の四川大地震で政情不安が高まり、大規模な暴動がいつ起こっても不思議ではない。上海株式市場は07年秋をピークに半値に大暴落し、不動産バブルもはじけた。国威発揚をかかげた北京五輪の開催すらあやぶまれるなか、共産党王朝の終焉がいよいよ始まった。
 ♪<< 本誌読者に特典 >>
 四大特典つきで、この本の予約を版元の並木書房のご好意により募集します。
(1)著書サイン入り(ただし先着300名様。301名様からはサインがありません)
(2)送料無料(メール便です)
(3)発売日前に到着(店頭発売は6月15日ごろ。予約の方には早ければ6月6~10日ごろに届きます。)
(4)振込手数料も無料!(到着後、封入された「振替用紙」をご利用下さい)。
 
宮崎正弘新刊『北京五輪後、中国はどうなる?』(並木書房、定価1680円)の御予約はいたって簡単です!
  「宮崎新刊」とだけ書かれ、(1)お名前、(2)御住所(郵便番号を併記)、(3)電話番号(宅配便なので)を下記へメールしてください。
eigyo@namiki-shobo.co.jp
◎手続きはこれですべて終了です!
◎お支払いは書籍に同封される郵便振替用紙にて到着後に支払い(振込手数料も版元負担)。
◎予約は6月4日午前10時に締めきります!
   ♪(( 新刊 ))
  宮崎正弘・黄文雄共著
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
  
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html   
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~