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それでは、サレタンの二日分の話のさわりをご紹介しましょう。
なお、私は一人の人間の書いたものだけに拠ってコラムを書くことは原則としてしないのですが、なかなか本格的なコラムを書く時間がとれないことと、サレタン自身が資料を広汎に渉猟して本コラムシリーズを書いていることから、ご容赦いただきたいと思います。

米国の黒人はアフリカの黒人よりIQが15高い。これは、米国の黒人に白人との混血が多いからだ。実際、米国の黒人の中で最もIQが低いのは、最も混血が少ない南部の黒人だ。同様、南アフリカの黒人と白人の混血は同じ南アフリカの黒人と白人のIQの中間値を示す。良い環境はIQに良い影響を及ぼす。母親は父親よりも子供に及ぼす環境的・生物学的影響が大きい。ただし、ここで言う生物学的影響とは、ホルモン的または栄養学的影響であって遺伝的影響ではない。

 現時点で、言えることは次のとおりだ。

一、個々人のIQを人種のIQから予想することはできない。
二、部分集合のIQを人種のIQから予想することはできない。例えば、米軍兵士は、一定以上のIQの者を選別して採用されることから、白人兵士と黒人兵士との間にIQ差はない。
三、白人のIQは世界の人種の中でトップではない。
四、人種差別は情報不足に由来する選良主義だ。個々人のIQを公開すれば、人種による十把一絡げ的差別は雲散霧消する。
五、人種間婚姻は格差を縮める
六、環境要因も重要
IQの違いの20%から50%は環境要因に起因する。とりわけ大きいのは栄養不足、疾病、教育不足であり、これらは、白人とアフリカの黒人の間にIQ差30ポイントをもたらした大きな要因だ。
七、IQは富のようなもの金持ちはけしからんと貧乏人は次第に言わなくなった。IQの大小についてもやがて人々は問題にしなくなるだろう。しょせんIQは人間の価値の指標などではなく、現代における社会的経済的成功を予測させる指標にすぎないからだ。
八、人生はIQを超えている。たとえIQは低くても、勤勉であるならばそれはそれで立派なことだ。
九、子供は投資対象ではないIQが低い子供だって人権がある。
十、遺伝上のハンデは克服可能遺伝病であるフェニケルトン病(phenylketunuria=PKU)は治癒可能だ。また、環境を変えることである程度ハンデを克服することも可能だ。しかし、白人の女性は黒人の女性の3倍母乳で乳児を育てるところ、黒人ももっと母乳で育てるようになれば黒人のIQも上がると主張されたこともあるが、最新の研究によれば、母乳で育った乳児は、そうでない乳児よりIQが7ポイント高いところ、中には母乳で育ってもIQが高くならない乳児がいるし、特定の遺伝子を欠いているためにかえってIQが低下する乳児もいることが分かってきた。ちなみに、この遺伝子を欠いている割合は、支那人や日本人は2.2%、欧州系米国人は5%、ナイジェリア人は10%だ。

 3 感想
まだご存じなかった方々は、朝鮮半島の住民と日本人が、平均IQにおいて世界有数の高さを誇っていることを覚えておいてくださいね。
(完)
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1 世界平和度指数と日本
2008年の「世界平和度指数=Global Peace Index(GPI)」が20日、発表され、日本は昨年と同じ5位で 主要国(G8)の中ではトップであり、10位以内に入っているのは日本だけです。ちなみに、カナダは11位、ドイツは14位、イタリアは28位、フランスは36位、英国は49位で、米国は軍事費の支出や犯罪者の収監率が高いために97位(同96位)であり、韓国は32位(昨年32位)でした。また、上位10カ国は、北欧を中心に8カ国が欧州の国であり、1位はアイスランドでした。最下位は2年連続のイラクであり、何かと評判の悪い、中国は67位(同60位)、ロシアは131位(同118位)、イランは105位(同97位)、ミャンマーは126位(同108位)となっています。GPIは、オーストラリアの実業家スティーブ・キレリー氏が考案したもので、近隣諸国との関係、戦争による死者数、軍事費の対GDP比、政治的不安定度、犯罪者の収監率、テロの危険性など24項目について分析し、各国がどれだけ平和であるかを数値化したものです。GPIの発表は今年で2回目で、対象国は昨年の121カ国から140カ国に増えました。GPIは、政治の安定性やテロの危険性、犯罪の発生率や武器取引など24項目の要素を、英エコノミスト誌の調査部門とシンクタンクが連携して分析、数値化したものです。アイスランドは軍隊を保有せず、140カ国中犯罪者の収監率が最も低いことから1位となったものであり、捕鯨(しかも商業捕鯨)を行っている(典拠省略)という点も含めて日本と似ていますが、アイスランドの人口は30万人しかない(同)ことを忘れてはならないでしょう。アイスランドなら軍隊を保有しなくても許されるけれど、日本がまともな軍隊を持たずに平和を享受しているというのは誉められた話ではありません。日本人は、米国や韓国の軍事努力にただ乗りしていることを恥ずべきでしょう。

 (以上、事実関係は、特に断っていない限り
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008052101000097.html
http://www.chosunonline.com/article/20080521000020
http://www.guardian.co.uk/world/2008/may/21/4
http://en.wikipedia.org/wiki/Global_Peace_Index
(いずれも5月21日アクセス)による。)

2 四川大地震と核
「中国の周生賢・環境保護相は20日、四川大地震の被災地視察のため訪れた四川省成都で、「32個の放射性物質ががれきの下に埋もれたが、うち30個は回収した」と語った。残る2個については、位置を特定し、周囲を立ち入り禁止にして回収作業を進めており、近く安全な場所に搬出するという。」(
http://www.yomiuri.co.jp/feature/200805122403370/news/20080520-OYT1T00668.htm 。5月21日アクセス)くわばらくわばら。(コラム#2553(未公開)参照。)

3 ナポリ・ゴミ・ジプシー迫害
ナポリのゴミ問題の背景にマフィアの存在があるということは日本でも報じられていますが、イタリアでのジプシー迫害(コラム#2552)に火をつけたのもマフィアであるというコラムがガーディアンに載っていました。筆者は、以前(コラム#2535「国際犯罪の脅威」(未公開)に)登場した、グレンニー(Misha Glenny)です。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/may/21/italy.race
(5月21日アクセス)による。)
こんなマフィアの国のイタリアのGPIが、何で28位と高いんでしょうね。計算違いか?

4 米国の属国・日本
「・・・在日米軍基地で、米兵やその家族に軍のレンタカーを貸し出す際、高速道路の通行料が無料となる「軍用車両有料道路通行証明書」が手渡されていることが分かった。2007年度、防衛省が負担した通行料は延べ99万5,000台分、8億8,400万円に上った。米軍車両であっても、レジャーなど公務外の使用は肩代わりしない。米側は「米兵がレンタカーを使用するのは公務の福利厚生に当たる」と解釈しているもようだ。・・・」(
http://www.tokyonp.co.jp/article/national/news/CK2008052102013018.html 。5月21日アクセス)

米兵の犯罪について、日本が事実上裁判権を放棄している話(コラム#2556)といい、このところ、東京新聞の電子版は読み応えありますね。
法令上明文の根拠のない行政指導がまかり通る日本は、官僚「主権」国家であると思いませんか。同じ理屈で、米国に対して、条約上明文の根拠がない、義務を負い便宜供与を行っている日本は、米国の権力に服する属国・・半主権国家・・以外の何物でもないのです。
 
5 すべては軍事から始まった
「<日本で医学部が増設された>明治、大正10年頃、昭和20年頃の医学部増設時期は、いずれも戦争、あるいは軍備増強の時期です。戦争と医療の密接な関連については、我が国だけでなく、世界の全ての国に当てはまる現象です。近代戦争が外科学と細菌学の進歩に貢献したことは有名ですし、ベトナム戦争はヘリ搬送、湾岸戦争は兵士の外傷後ストレス性精神障害(PTSD)、イラク戦争は医療機器・チーム搬送の研究の発展のきっかけとなりました。ちなみに、厚生省の前身には陸軍省が含まれます。東京の戸山にある国立国際医療センターは旧陸軍病院ですし、築地の国立がんセンターは旧海軍兵学校、旧海軍病院です。都内の便利なところに、広い敷地をもつ病院の前身は軍隊と関係があるというのは、近代医学のあり方について示唆に富みます。」(JMM [Japan Mail Media] No.480 Extra-Edition2『絶望の中の希望~現場からの医療改革レポート』 上昌広 第5回 日本の医師不足~第一回 医師養成の歴史)

日本の近代な原価計算は、陸海軍の経理学校に始まったと拙著『防衛庁再生宣言』(185頁)に記したところですが、近代医学は陸海軍病院に始まったのです。