西 村 眞 悟 の時事通信 ・ クライン孝子の日記 | 日本のお姉さん

西 村 眞 悟 の時事通信 ・ クライン孝子の日記

最前線になった日本と政党政治の機能不全
                 No.346 平成20年 5月21日(水)
                      西 村 眞 悟

五月十八日に堺の泉ヶ丘で金美齢さんを招いて国政報告会が開かれた。その際、演壇に立った金美齢さんの次の言葉が印象的であった。
「台湾はもう最前線ではありません。日本が最前線になったのです」
会場を埋めた参加者はすぐ理解し納得した。
昨日二十日に台湾の総統に就任した馬英九氏とその政党である「中国国民党」は、台湾と大陸は「一つの中国」としている。つまり、北京の中国共産党政府と同じ考えである。台湾は台湾という国家ではなく、中国の一部であると台湾の政権が言うのであるから、もはや台湾は中国に対する最前線ではなくなった。したがって、我が国は中国に対して直接一衣帯水の距離で接することになる。
この我が国周辺に起こりつつある国際環境の変化は、台湾の総統選挙の結果がもたらしたが、我が国の政界は、この総統選挙の帰趨に無関心であった。そして、ひたすら北京のご機嫌をうかがっていたのである。
金美齢さんの冒頭の発言は、失ってから分かる台湾という友邦のありがたさを日本人に突きつけたものである。

台湾の位置。それは、我が国のシーレーンの中心である。
そして、ここ数カ月間、我が国の国内では、ガソリンの値段が一リットルあたり25円下がったり上がったりの衆参ねじれの政争をしていたのであるが、そもそも、ガソリンが今まで通りのレーンで我が国に運ばれるのか否かについて無関心だったことになる。
このシーレーンに関する直近の歴史は、ここを塞がれれば、我が国は「油の一滴は、血の一滴」の状況に陥ることを教えてくれているのに。
これからは、コンビニで買う一リットルの水よりもガソリンが安いのが当たり前という思い込みは通用しなくなる。

さて、中国共産党と中国国民党のもう一つの共通点は、尖閣諸島のみならず、沖縄本島も日本に帰属するとは認めていないことである。これは要注意である。尖閣諸島という共通の課題を掲げて香港と北京は仲良く共闘した。台湾を支配する中国国民党と北京が尖閣もしくは沖縄を道具にして仲良く対日共闘を組む事態も考えられる。
オリンピックの聖火が来た4月26日の長野が、実験場とすれば、中国は、五千人の在日中国人を結集すれば、長野が中国の「解放区」になることを実証してみせたのである。沖縄本島でこれをやられれば、どうなるか。長野には地続きで他府県の警察が応援に行けたが島である沖縄には時間がかかる。沖縄県民が丸ごと人質にされる事態が生じかねない。

次に、最前線は何も南の海だけではない。対馬と韓国釜山の間の玄界灘も最前線と見ておくべきであろう。
どういうことかと言えば、北朝鮮が崩壊したらどうなるかを考えればわかる。その時、韓国はただちに東ドイツを背負って立った西ドイツのように巨額な資金を注ぎ込んで北朝鮮の面倒をみるであろうか。
巷間言われているように、韓国が北朝鮮の「国連管理」を望むとすれば、当然38度線まで国連管理となる。では、北朝鮮国連管理の実態はなにか。それは、国連の常任理事国で歴史的に朝鮮は自分の領域と思い込んでいる中国共産党の管理に他ならない。そして、朝鮮半島の38度線まで中国が南下して来れば、韓国は中国の圧倒的影響下に入る。これが朝鮮半島の歴史の必然だ。つまり、我が国の対馬沖が最前線になる。

以上の通り、我が国を取り巻く国際環境に大きな変動要因が表れてきているのであるが、我が国国政は「衆参ねじれ」で国内政争に熱中しながら、対中国融和・弱腰では奇妙に一致し、台湾に関心を示さず、北朝鮮に拉致された同胞の救出は忘れたかのようである。
国際環境を見つめることなく国家を維持し国民を守ることはできないとするならば、これは政党の使命を果たすものではない。つまり、今ある二大政党らしきものは、すでに「幻想」にすぎないのである。政界再編と真の政党の創設が急務である。

ところで、中国四川省の地震の被害は多くの学校が倒壊しており誠に悲惨であるが、温家宝首相や胡錦涛主席の災害視察の映像は、プロパガンダの匂いがして辟易する。そして、我が国のマスコミは連日第一面で報道を続け、中国のチベット弾圧問題も取り上げられなくなった。また、同時期のミャンマーにおけるサイクロン被害の報道はないのである。しかし、中国の地震被害を毎日知らされるのならば、親日国であるミャンマー国民の被害も日本人は知るべきではないのか。次にその被害を書き留めておきたい。中国のみ連日報道する我が国のマスコミは、偏っているのが分かるであろう。
5月19日23時時点のサイクロンによる被害は以下の通り。
死者77738名、行方不明55917名、負傷者19359名
なお、国連人道問題調査事務所は、最終的に、死者は10万人を超え、行方不明者は22万人に達するとの見通しを発表している。
…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─

■2008/05/21 (水) ダライ・ラマ14世は欧州で歓迎責め、一方中国は?

チベット問題は四川地震で、すっかり陰を潜めたかに見えますがどうしてどうして。先週木曜から今週月曜まで4日間、ドイツで歓迎責めに遭った氏、ドイツはキリスト教民主・社会同盟(保守)と社民党と意見がわかれ、政府サイドでどう対応するかメルケル首相はこの間、南米訪問で留守だから仕方がないとしても、シュタインマイヤー外相(社民党)は乗り気でない。社民党はシュレーダー時代から中国政府と緊密な関係にあるからです。そこで社民党だが、閣僚の一人開発相が手を挙げた。彼女、女性ですから、メルケル首相と共通する正義感がある。”何よ、だらしがない”と思ったかどうか。

女性には男性にないもの(余計なしがらみがない)があり、それを活用すると、思い切ったことが出来るし、許される。今回もその手で、ドイツはバランスよく中国外交を切り抜けて見せました。日本の女性国会議員にこういう豪傑がいると日本国の評価も挙がるのになあ。

されはさておき、市民サイドでは氏の行くところ、まるでポップスター
を出迎えるかのように、大盛況だったようです。独開発相:ダライ・ラマと会談 中国の反発など押し切り
http://mainichi.jp/select/world/news/20080520k0000e030019000c.html
その直後にベルリン・フィル本拠地で火災、聴衆・楽団員ら千人が避難
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080521-OYT1T00104.htm
で一瞬、嫌がらせテロかなとヒヤリとしましたが・・・

このあと英国へ移動してダライ・ラマがロンドン到着 皇太子や首相と会談へ
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080521/chn0805211224007-n1.htm
だそうで、中国にとっては当分チベット問題は頭痛の種になりそう。

さても四川地震では核のメッカやらダムまで被害続出で、慌てて中国の巨頭二人が、被災者見舞い名目で現地を訪れ、情報隠蔽に躍起になっている。
「四川省は原爆のメッカ」 石原都知事、台北で吠える
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080519/lcl0805192234012-n1.htm

この件に関しては、東アジア黙示録が激震地に核施設と労働改造所…権力の空白生じた北京
http://dogma.at.webry.info/200805/article_7.html

疫病蔓延も取り沙汰されている折柄、オリンピックの行方だって、どうなるものやら・・・罪のない被災者の方々には誠に申し訳ないけれど、これって、「天命」ではないのかなあ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)5月21日(水曜日)弐
     通巻第2194号  
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 成都から地震被災者の「大脱走」が始まった
   107元の汽車賃が1200元に大暴騰しても
********************************
被災地から逃げ出す動きが加速した。阪神淡路大地震のときに富裕層は大阪のホテルへ避難した。親戚をたよって他府県への移住も多く見られた。四川省大地震で機能を停止していた鉄道、バス、空港が再開されるや、昨日あたりから数万、数十万が駅を取り巻いた。とくに鉄道の成都駅には数万人が屯している。親戚をたよって他省へ移動する群れである。
貴州省貴陽までの料金は107元。ダフ屋がはびこり、1200元をふっかけても、争うように切符を手に入れようと阿鼻叫喚。成都空港も同じで、北京へ帰るジャーナリストたちもチケットが取れないという。おなじ現象は重慶でもおきている(多維新聞網、5月21日付け)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪(読者の声1)『竹島』について、文部科学省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書で「わが国固有の領土」と2012年度から明記するよう検討しているが、「解説書に法的拘束力はない」とか。
えっ、どういうこと?「わが国固有の領土」なら検討等と悠長なことを言わずに法的拘束力を持たせるのは当然だろう、と思えるのに「法的拘束力はない」とは何とお粗末。隣から苦情が出たら「それは出版社の意志です、『日本国』では政府が教科書作成に介入することはできませんので」、と体面を繕うつもりでしょうか。いじましいですね。そんな姑息な教育をしたら教わる生徒は可哀想ですし、日本国を軽蔑する様な育ち 方をするかも知れません。独立国家なら、毅然とした態度で将来の日本国を担う青少年の教育に当ってもらいたいものです。ところで、「北京オリンピックを支援する議員の会」には衆参合わせて228名の国会議員がいますが、「えっ、何で此人達が」と目を疑いたくなる様な保守系の議員がいます。此連中の心意が解りません。それにしてもアルピニストの野口氏が「チョモランマ」を汚したらきっと禍が起こる、と予言しておられましたが、真逆チベット族の多い四川省でその禍が起きようとは。チベット族女性の顔の引き攣った、恐怖を予感させる様な征服シ-ンは印象的でし た。10年位前迄は、今時は、在所の空は「紺碧の空に輝くはぐれ雲」で、平野は花咲き乱れ小鳥の囀る長閑な田園風景でしたが、「黄砂」のお蔭で連日どんよりとして見通しの悪い薄曇。車は「黄砂」で汚されるし、鼻は「黄砂」が運ぶ公害で多くの人が悩まされている。『奸国』(中国)には心底腹が立ちますが、そんな『奸国』にこびている宦官議員達にはもっと腹が立ちます。(九州素浪人)

(宮崎正弘のコメント)前に出した拙著『崩壊する中国、逃げ遅れる日本』というタイトルですが、小生の企画段階での仮題は、『黄砂に埋まる北京、泥海に沈む上海』だったのです。
あまりの比喩ですので改題しましたが、いまとなっては元の題名で良いかも。

♪(読者の声2)「楠公祭」のご案内です。
日時  5月25日(日)午後5時から
会場  乃木神社社務所2階「尚武館」
(東京メトロ千代田線「乃木坂」下車。千代田区赤坂8の11の27)
玉串料 1人2000円
※祭典に先立ち、午後4時から同所にて「楠公精神に学ぶ」勉強会を行います。受付は午後3時からです。当日は日曜日にて結婚式が多いため、乃木会館での直会は行いません。祭典終了後、希望者のみで別途に懇親会を行います。
楠公祭世話人 犬塚哲爾
お問い合わせ先 090-2622-4242(三澤浩一)

♪(読者の声3)台湾研究フォーラム勉強会のお知らせ
日本に最も近い国・台湾では5月20日より新たなリーダー・馬英九に国の舵取りが委ねられた。政権が交代し、親日国家・台湾は今後どうなっていくのか。在日20年余り、医師として日本の地方医療に貢献する一方で、台湾独立建国運動を強く推し進める林建良先生が台湾と日本の今後について語ります。
-----------------------------------------------------------------
講師  林 建良(りん けんりょう)先生
1958年(昭和33年)台湾・台中市生まれ。1987年、戒厳令が解除される直前に日本交流協会奨学生として来日し、東京大学医学部博士課程を修了。栃木県で地域医療に携わる傍ら、世界台湾同郷会副会長、台湾団結連盟日本代表、メールマガジン「台湾の声」編集長、台湾独立建国聯盟日本本部国際部長、日本李登輝友の会常務理事として活動。また、在日台湾人の外国人登録証の国籍記載を「中国」から「台湾」に改める「正名運動(自らが名付け親)」も、2001年より展開中。台湾独立建国運動の若手リーダーである。著書『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』『母親e名叫台灣』(出版於台湾)
-----------------------------------------------------------------

 とき     6月8日(日) 17時45分~19時30分(開場:17時30分)
ところ    「牛込箪笥地域センター」(都営大江戸線 牛込神楽坂駅 隣)
4階洋室・バラA・B
        (東京都新宿区箪笥長15番地 03-3260-3677
        交通:都営地下鉄大江戸線 牛込神楽坂駅 A1出口より徒歩0分
         
http://www2.odn.ne.jp/~hak34780/

 参加費     500円
 懇親会    19時30分~21時30分。参加費:3500円
         会場は講演会場より徒歩1分
 *会場の都合により、懇親会参加者は必ず事前にお申し込みください。
【申込み】 6月6日までにメールまたはFAXにて(当日受付も可)
    ***会場の設定上、事前申込を頂けますと助かります***
      FAX:050-3027-1486
      メール:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主 催】 士気の集い・青年部(担当 千田昌寛)  TEL 090-3450-1951