軍事情報 米が北鮮に要員送り込み
◎◎◎ 最新軍事情報 ◎◎◎
■米が北鮮に要員送り込み
十六日、米国際開発庁(USAID)は、核の監視範囲拡大の
ため、朝鮮語を理解する要員を受け入れることに北鮮が
合意したと発表しています。
監視にあたるのは、世界食糧計画(WFP)、非政府組織の
要員で、公式には米政府当局者は含まれないといわれ
ています。
要員送り込みは、食糧支援(来月から。五十万トン)と並行
して行なうとのことです。
⇒WikipediaによればUSAIDは以下のような機関です。
<米国国際開発庁(べいこくこくさいかいはつちょう、
United States Agencyfor International Development ,
USAID)は1961年に設置されたアメリカ合衆国のほぼ
すべての非軍事の海外援助を行う政府組織である。
大統領に直属した連邦部局であったが、1998年以降は
国務省の監督下に置かれ米国の外交政策を反映し、
「より良い生活をたてるためにもがいたり、災害からの復興、
自由で民主的な国で生活できるように努力するなどの
海外の人々へ援助の手を広げて」いる。
USAID はグローバル開発アライアンス、経済成長・貿易振興・
農業開発、保健、紛争予防及び人道援助を4つの柱としている。
公安局 (OPS) は1957年に設置され対象国の警察に
訓練や機材を提供していたが、1974年の対外援助法改定で
廃止された。海外災害援助局は災害援助を担当する。
1986年以降飢饉早期警戒システムネットワークが食料
危機を監視している。USAID は CIA と深い関係があると
して批判されている。>
USAIDといえば、米軍アフリカ集団司令官のワード大将が
部隊新編時に、USAIDとも協力して任務を遂行してゆく、
と述べた印象が強いです。
少なくとも中共がシナにいるかぎり朝鮮が核を捨てることは
絶対にありません。
米の立場に立ってみれば、中共の足元に爆弾を置ける
「核武装した朝鮮」ほどおいしい存在はないので、何とかして
取り込もうとするのは自然な姿と思いますね。直接矛先を
向けられるわが国とはその点で意識が違います。
核武装論議がわが国で盛り上がらない理由は、その危険を
強くわきまえ、何とか阻止しようと考える中共の影響力が、
想像以上の深さまでわが国に巣食っている証左といえ
ましょう。
北鮮は十二日時点で米に対し「テロ支援国家指定の解除」
「対敵国通商法適用除外」を「核施設の完全な無能力化」の
代償として求めていたとされます。
北鮮労働党や金正日、人民軍は、マルクス主義と金日成の
どちらに忠誠を誓っているのでしょうね?
■ブッシュ大統領の中東訪問
1.十四日から始まった中東歴訪の最初の訪問国イスラエルで、
米のブッシュ大統領は、ペレス大統領、オルメルト首相と
会談しました。イスラエル訪問は一月につづいて今年二回目
です。
「イスラエルと共存できるパレスチナ国家の樹立」を最終目標
とするパレスチナ和平交渉は、昨年十一月に約七年ぶりに
再開されていますが、その後、イスラエルとパレスチナの対立
が続いています。
今年一月時点で「年内の和平交渉妥結は可能」としていた
ブッシュ大統領は「来年一月の任期終了までに『パレスチナ
国家』の定義をすることが目標」と軌道修正しています。
翌十五日には、建国六十年を迎えたイスラエルの国会で
演説しています。エッセンスは以下のとおりです。
・あらゆる形の反ユダヤ主義を非難する
・イスラエルがテロの脅威に直面したときは米が味方につく
・両国の同盟関係は壊せない
・イランや同国の支援を受けるテロ組織と対抗し、イスラエルと
共闘する決意を表明する
・戦後日本の例に見られるように、将来の中東民主化は可能
演説に先立ってブッシュ大統領は、古代ローマ時代にローマ人と
の戦いでユダヤ人が玉砕したことで有名な「マサダ要塞」を訪問。
米が二度とユダヤ人の悲劇を繰り返させないとする姿勢を
アピールしています。
演説の中では以下が具体的脅威として取り上げられています。
イスラム原理主義組織・ハマス、レバノンのシーア派民兵
組織ヒズボラ、イランのアハマディネジャド大統領
なお、イラン核武装については「次世代への許せない背信」と
断言しています。
2.イスラエル訪問後、エジプト訪問前日の十六日には、サウジを
訪問しており、アブドラ国王と会談しています。両国は今年で
外交関係樹立七十五周年を迎えます。
合意されたのは以下のことです。
1.大量破壊兵器移転を阻止するために米が主導する核拡散
防止構想(PSI)、および核テロ対策強化に向けた国際的な
枠組みにサウジが新たに加わる
1.ブッシュ大統領はサウジに対し原油増産の要請を行なった。
これに当たって米は、サウジによるエネルギーの安定供給を
護るため、基幹石油施設、国境警備での協力関係を推進する。
また、大統領に同行しているライス国務長官とサウジのサウド
外相はサウジの民生用原発開発を支援する了解覚書に署名
しています。
PSIは、イランや北鮮、中共などによる大量破壊兵器移転を
念頭に、60カ国以上が共同で海上阻止訓練などを実施して
いるもので、ブッシュ政権による対テロ戦略の柱の一つです。
エジプトは中東の大国で、サウジと並んで無視できない
重要な国といえましょう。
特に、パレスチナ問題を考える上で絶対に落としてはなら
ないプレーヤーです。
十七日、中東歴訪中の米ブッシュ大統領がエジプトを
訪問し、シャルムエルシャイクでムバラク大統領と会談。
パレスチナ和平やレバノン情勢について協議しています。
パレスチナのアッバス議長とも会談しています。
先に訪れたイスラエルでは和平問題に関する言及はほと
んど行なわれなかったそうですが、米国家安全保障会議の
ジョンドロー報道官は、「アッバス議長とはより詳細なやり
とりが交わされることになろう」と十七日時点で述べています。
⇒クリントン前大統領も、任期の最後に中東和平に取り組み
失敗しています。中東和平は米大統領にとって永遠に
解けない知恵の輪なのかもしれません。
■シナへの人的支援に関する疑問
どなたかご存知でしたら教えていただきたいのですが、
今回のシナ地震に対し、国として人的支援を行なうことを
表明している国、実行している国は、わが国以外ではどこ
なのでしょうか?台湾が行なっているとは聞いていますが、
その他については耳にしません。
ロシアのような物的支援(30トン)、米のような資金支援
(五千万円)は除きます。
メディアがわいわい騒いでいるそうなので、「また中共の手に
引っかかってるんじゃねえの?」と思えてなりません。
サイクロン被害を受けたミャンマーとの対応比較に利用さ
れるのは明々白々ですのにね。
「日本が手を挙げ中共が入国を許可したことで、チベット問題
で窮地にあった中共は「ミャンマーとは違い民主的」との
好イメージを獲得することに成功した。天安門事件のときと
同じことを日本政府はしている。はたしてこれは偶然なのか?」
と捉える海外の人も多いです。困ったことです。
今回の支援は官邸主導で行なわれたのでしょうか?
党主導で行なわれたのでしょうか?
官僚主導で行なわれたのでしょうか?
ちなみに米のブッシュ大統領は十三日、中共への支援
申し入れにあたって「ミャンマーのサイクロン被害への米の
援助を拡大する」ことを中共主席に受け入れさせています。
■ナイジェリアで石油パイプライン爆発
アフリカ最大の産油国ナイジェリアでは、一九九〇年以降
石油パイプラインの爆発が後を絶ちません。二〇〇六年
十二月には二百名以上が死亡する事故が、
昨年十二月には四十五名以上が死亡する事故が、
それぞれラゴスで起きています。
この十五日、またもやラゴスで石油パイプラインが爆発し、
少なくとも一〇〇名以上が死亡しています。
爆発要因は道路工事にあたっていたブルドーザーが
パイプラインを壊してそれに引火したものと見られています。
原因は不明です。
■元は過小評価されすぎ
十五日、米財務省は半期に一度発表する外為報告書を出し、
そのなかで中共の人民元について「依然として著しく過小
評価されており、最近の速い上昇ペースを維持すべき」と
指摘しています。
報告書はあわせて、
1.人民元の対ドル上昇は歓迎すべき進展であるが、
同時に対ユーロでは下落している
1.人民元改革は不十分で、その影響によりアジア新興国
の通過の柔軟性が抑制されている
としています。
■マケイン氏、「二〇一三年一月までに撤収させる」
次期米大統領選挙の共和党候補者であるマケイン
上院議員は十五日、オハイオ州で行なった演説で、
「自分が政権に就いた場合、イラク駐留米軍の撤退は大
統領一期目の任期満了となる二〇一三年一月までにほぼ
実現させたい」との意向を表明しています。
これは、『ニューズウィーク』ですっぱ抜かれた「マケイン
陣営の幹部が経営する企業がミャンマー政権と契約を結び
報酬を得ていた。同氏の企業はミャンマー政権の対米宣伝
や米・ミャンマー関係改善に向けた活動に従事していた」
とする記事により同幹部が辞任したことへの対処でしょう。
⇒国内報道のほぼすべては、なぜかいつも民主党候補
ばかりを取り上げます。この偏った姿勢は、わが国民の
正当な米理解を妨げる有力な要因になっています。
米は都会の国から田舎の国に回帰しつつあるように思います。
華はあるけど実のない人でなく、泥臭いけど実のある人を
好む傾向が出ているようです。
有名な投資家のバフェットさんが世界一の大富豪になった
のも、偶然とは思えません。氏は中西部の田舎オマハに住む、
泥臭いおじいちゃんです。
大統領候補者の中で最も泥臭い人。
いうまでもなく、マケインさんですよね。
それ以前に、候補者の中で白人男性はこの方だけです
よね。笑
■韓国大統領、中共訪問
韓国大統領府は十三日、李大統領が今月二十七日から
三十日にかけて中共を訪問し、胡主席らと会談すると発表
しました。就任後初の中共訪問です。
予定として挙げられているのは
・首脳会談では首脳外交の活性化、経済協力拡大、
北鮮核問題に関する協議
・温首相との会談
・北京大学での演説
・山東省青島訪問(韓国の中小企業が多く進出しているとされる)
です。
⇒四日間の訪問というのはやけに長いですね。そういえば、
福田首相がはじめて中共を訪問したときも確か四日間でした。
北鮮核に関するなんらかの話があるのでしょうね。G8環境相
会議が行われている最中でもあります。注意したいです
■レバノン内戦の危機
1975年から15年間続いた内戦以来、最悪の衝突が発生した
レバノンですが、欧米に近い現在の与党勢力とイラン・シリアが
支援するシーア派原理主義組織ヒズボラを中核とする野党
勢力の衝突は、アラブ連盟の介入で一時的に回避されました。
一年半前のヒズボラによる閣僚辞任以来ずっと続いている
レバノン国内の衝突に対しアラブ諸国は、「非アラブの
イランが、レバノン等アラブ諸国で影響力を拡大している」
ことに懸念を深めています。
そのためアラブ連盟は11日、レバノンでの衝突終結のため、
ベイルートに代表団を派遣することを明らかにしました。
ロイター等によれば、アラブ諸国の外相は緊急会談を行い、
カタールのハマド首相を団長とし、ムーサ同連盟事務局長、
8カ国の外相らからなる大型代表団を派遣することを決定
しました。
当初アラブ連盟は、ベイルートに対し即時代表団を派遣する
としていましたが、記者会見でムーサ事務局長は、「派遣の
日程はレバノン指導者らに接触した後になる」との考えを
示していました。
その後、アラブ連盟加盟国の外相らが事態の打開を図り、
アラブ連盟(21カ国1機構加盟:本部カイロ)代表団は、
14日にベイルート入りしました。
代表団は、レバノン国内の全政治勢力代表をカタールの
ドーハに招待し、昨年11月以来続いている大統領不在
状況を打開するための話し合いを行うよう提案するのが最大
の目的で、今回の衝突激化の一因となった「政府による
一連の対ヒズボラ(イラン系イスラム教シーア派武装過激派
組織)政策の撤回」と「ヒズボラによる空港への道を含む
全道路の封鎖解除」についても提案されたといわれます。
同日レバノン政府は、ヒズボラら野党勢力の主要な要求を
受け入れると発表しました。十日に軍が発表した「一連の
政府による措置を凍結する」とする決定を追認するもので、
「アラブ連盟の交渉を円滑にし、国家の結束と市民の安全
を守るため」との説明がされています。
先日お伝えしましたとおり、レバノンでは、今月五日「ヒズ
ボラが秘密に設置した軍事通信網」を違法として、閉鎖に
向けて政府が捜査を開始したことにヒズボラが反発。
7日から政府側と反政府側との銃撃戦を含む衝突が発生
しました。
武力に勝るヒズボラは軍を圧倒。政府側指導者の1人で
あるハリリ未来党党首の自宅を含むベイルートの大半を
一時制圧するなどし、内戦の再発が懸念される事態に
なっていました。
十四日時点でヒズボラは、制圧部分を軍に委譲しつつも、
空港に続く道路や一部道路の封鎖を続けています。
AFPによれば、野党側のある高官は政府の決定を受けて、
15日朝にもヒズボラらが行なっているベイルート国際空港に
続く道の封鎖が解かれるとの見方を示しています。
アルジャジーラが伝えるところによれば、十五日にヒズボラ
副司令官のカッセム氏がアラブ連盟代表団と会談し、
その後コメントを出しています。
「ヒズボラは、今回の衝突のきっかけとなったわが秘密
軍事通信網の摘発を政府が撤回する決定を下したことを
評価する。われわれは空港向け道路の封鎖等を解き、
通常の状態に戻すであろう」
とのことです。
アラブ連盟代表団はヒズボラとの会談で、レバノンの国内
政治勢力全代表が参加する会議をカタールのドーハで
開催することで合意しています。
⇒レバノンという国は本当に
惨めで哀れです。こういう国に
だけはなってはいけません。
■パキスタン閣僚が辞任
ムシャラフ大統領が罷免した判事の復職を下院にかける
ことに関する協議が決裂したことを受け、下院第二党の
「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」代表の
シャリフ元首相は十二日、連立内閣の党所属閣僚全員が
辞任すると発表しました。
当該閣僚は翌十三日に辞任しています。
反ムシャラフ連立政権を組む与党第1党の人民党との間で、
話し合いがつかなかったものです。九日から十一日に
かけてロンドンで行なわれた人民党共同総裁のザルダリ氏
とシャリフ氏の話し合いには、米のバウチャー国務次官補も
同席しましたが、両者は最後まで歩み寄りを見せず、
協議は決裂しました。
この二月の国政選挙で圧勝した両党が立ち上げた
反ムシャラフ連立政権ですが、発足後四十日で早くも
ほころびを見せ始めました。
昨年、ムシャラフ大統領の立候補資格を問い直し、同大統
領の当選を無効とする判決を下した判事がムシャラフ
大統領に罷免されました。
このことを非民主的と断じ、この問題を焦点に先の選挙で
大勝したのが現在の連立与党です。国際社会も「パキス
タン民主制」の回復を、象徴的に示すものとして今回の
判事復職問題は注目していました。
ここで躓いたことで、連立与党の危機は確実になったと
いって過言ではないと思います。
国政レベルでの両党の協力関係は閣外協力に
留まる見込みです。
■スーダンがチャドと断交
スーダンの報道によれば、同国西部ダルフール地方に
所在する反政府武装勢力が十日、首都ハルツーム近郊の
オムドゥルマンに進撃し、政府軍と激しい戦闘を繰り
広げたそうです。
これを受けたスーダンのバシル大統領は、「反政府
武装勢力はわが軍が撃退した。チャド政府が反政府
勢力を支援している」と国営テレビで非難し、「チャドとの
国交を断絶する」と宣言しました。
これまでも同様の非難合戦を繰り返していた両国ですが、
今年三月に関係を正常化させることで合意していました。
⇒ちなみに反政府勢力の最前線がここまで首都近くに
来たことはこれまでなかったそうで、スーダン政府は
今回の攻撃で大打撃を受けたと伝えられています。
スーダンといえばわが将校のUNMIS派遣が本決まりに
なったようですね。
当該作戦(ミッションということばを使うのはやめます)は、
以下の安保理決議1663に基くものです。
国連の御旗があるので、軍駐留にあたっては地位協定に
関わる厄介な作業が不要です。特に欧州諸国が軍派遣に
あたって国連決議を求める理由は、その一点です。
歴史上すねに傷を持つところに行くことが多いですからね。
そういえば、隣国チャドではEU軍部隊が民間人保護の
名目で国連から部隊展開を承認されています。これは
以前お伝えしましたね。
■北鮮、シリア核開発を支援
十一日のワシントンポストが、欧米情報機関筋の話として
以下のようなことを伝えていました。
1.北鮮の貿易会社「南川先端技術奉仕会社」社員が
二〇〇二~二〇〇三年にかけて北京支店を拠点に、
欧州とうで工業製品を調達してシリアの核開発を支援し
ていた。
1.当該社員は駐ウィーン国連代表部大使を務めた
ホ・ジンユンなる人物である。
1.米政府関係者は、欧米での不審な取引、同社がシリアの
ダマスカスに支店を開設したことなどからシリアの核開発が
発覚し、昨年九月にイスラエルが核施設の空爆を行なった
と見ている
1.ホ・ジンユンはドイツの会社からウラン濃縮に使える
アルミ管二十二トンを購入した。二〇〇三年四月に
ドイツ当局は、アジア向けの船で搬送されていた当該
アルミ管を押収している
⇒北鮮の核といえば、米に提出された開発計画に関する
文書「寧辺にある実験用黒鉛減速炉と放射化学研究所
(再処理施設)の稼動記録」は一九八六年分からと
のことですね。
北鮮の核兵器開発の簡単な経過を時系列表示します。
1950年代後半:旧ソ連の支援で核兵器開発をスタート
80年代半ば:実験用黒鉛減速炉を稼働させるなど核兵器
開発を本格化94/10:米朝枠組み合意で一時は核開発を
凍結。
98年:パキスタンが数回行った核実験のうち、1回は
北朝鮮と共同で実施との元北鮮高官の証言あり。
02/10:ひそかにウラン濃縮による核開発を行っていた
ことが判明。
03年:黒鉛炉を再稼働。約8000本の使用済み核燃料棒の
再処理を完了したと発表。
05/02:「自衛のための核兵器製造」を明言
06/07:弾道ミサイル連続発射に伴う国連安保理制裁決議
を拒否
06/10:「地下核実験に成功」と発表
米国のシンクタンクは「北朝鮮は核兵器4~13個分のプルト
ニウムを保有している」と分析しています。
(おき軍事情報部)
-----【アマゾンレビュー】---------------------------
<本著は「一介の平凡な若者が夢を実現してゆく
「ビルディングロマンス」としての楽しさ」「最前線を体験した
日本人による、日本人向けの貴重なイラク戦争の
記録・報告」「米軍の最新軍事用語や作戦の実情、武器評価、
豆知識などを、初心者にも「すらっ」と頭に入る形でうまく
表現し、あまり知るところのない海兵隊の姿を内部からの
視点で分かりやすく面白く表現した、現代軍事を知るうえで
必読の軍事教科書」という三つの味わいを一冊で楽しむこと
のできる稀少な本といえる。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎◎◎ 高志さんのコラム 「国民年金の花柳な生活」◎◎◎
■2008/05/17 (土) 幻想
四川大地震の後でもオリンピックを口にしていた北京
政府は、それどころか自分達の首が危うい事に漸く気が
ついた様だ。得意の捏造を止め、生のニュースを流し
始めている。
阪神大震災の時、このままずっと地震が続けば良いと
思った事がある。不謹慎の様だが、ある事柄について
そう感じたと言えば誰でも納得するだろう。震災地に出入り
した人は身をもって体験した筈だ。あの大地震の後被災地
とその周辺では、人々は皆、とても優しくなったのである。
高速道路が傾き橋桁が落ちていた。新幹線の橋梁も
落ちた。巨大な電柱が折れている。倒壊した建物が延々と
続き、平屋かと思ったアパートは、よく見ると1階が完全に
潰れて2階だけが残っているのだった。1階で下敷きに
なった人々の「合同通夜」の張り紙があり、20名位の
名前が見える。
地震当日から「救援隊」になった私は運転中もヘルメット
を被り、助手にも被らせていた。余震の続く中で壊れかけた
家の中に入るのである。トラックの荷台には資材を積める
だけ積んでいる。そんな時、1車線だけになってしまった
道路で大型車と鉢合わせになる事がよくあった。
普段なら大型車は尊大で、こういう場面では道を譲ろう
とはしない。仕方なくこちらがバックして道を空けるの
だが、あの時は違った。交差点で車が鉢合わせになると
我先に道を譲ろうとするのだ。物々しい姿の私の車を
乗用車が避けてくれるのは分かるが、ダンプカーまでが
道を譲るのだった。
6千人もの命が失われた大震災である。あの悲惨な
現場を見ただけで人は皆魂を揺さぶられるのだろう。
私は見知らぬ人と出会う度に相手の目を見た。皆一様に
優しい眼差しであった。
生き方の変わった人もある。或る金持ちのボンボンは
何時もぶらぶらしていたが「俺は生き方を変える」と宣言。
それ以来人が変わった様に忙しく働き続けている。自然の
大惨事を目の当たりにすると誰でもカルチャーショックを受
けるらしい。
日本の救援隊の姿を見てチャイナのネット上には「有難う
日本」の書き込みが溢れ、反日は姿を消した。「歴史は
動いた」などと、かなりノー天気なニュースも見られるが、
チャイナのネットがこのまま「親日」になるなどという甘い
幻想は持たない方が良い。
震災後の優しい眼は1~2ヶ月で普通になり、3ヶ月も
経った頃、ダンプと鉢合わせすると「オンドリャア、
退かんかいっ」に変わっていた。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20080517
■2008/05/11 (日) 不思議な作品
《映画「靖国 YASUKUNI」の一般公開が10日、大阪市
淀川区の第七芸術劇場でも始まった。東京に続いて全国で2
館目の上映。「自分の目で作品を見たい」「話題になった
から」と早朝から行列ができ、入りきれない観客のために
臨時会場も設けられた。(朝日)》
「靖国」が各地で封切られた事はメディアが一斉に取り上げ、
今も宣伝は続いている。昨日も今日もテレビで取り上げられて
いるが、新聞記事と合わせてこれだけ繰り返し報道されたら
広告効果は何十億円にもなるだろう。
この映画が始めて記事になった時は、中立性の高いドキュ
メンタリー映画で、毎年8月15日の社頭風景を淡々と撮影した
作品と紹介された。現在では上映に反対した自民党議員の
政治介入で言論、表現の自由が侵され様とした、などとあらぬ
方向に視点が変えられてしまった。
製作者の李纓監督と配給会社「アルゴ・ピクチャーズ」は
記者会見を開いて「政治介入」を非難した。一方、靖国神社
は許可もとらずに撮影した場面や、史実を誤解させる様な
部分があるから、削除せよと言っている。
また、映画に登場する「靖国刀」の刀鍛冶は李監督の
説得で単純に自分の生活を記録されるものと思っていたが、
説明と異なる為にやはり削除を要求している。しかし
李監督からは連絡すらないという。
この映画を話題にする時、新聞やテレビに使われるのは
軍服と思しき服装の老人が両手を大きく広げた姿の
ポスターだ。題名も「靖国神社」ではなく「靖国」だから、
作品の狙いが何処にあるのか容易に見当がつく。
映画の中心になるのは靖国刀を打つ老刀匠だという。
最後にシナ人の首を斬る怪しげな写真が出て来るという
から彼等の意図するところは明白だ。
この映画を見た人の感想がどの新聞のも出ているが、
代表的なのは「万歳する人も抗議する人も映し、事実のみを
示す良質のドキュメンタリー」と言う評価が出ている。
メディアの取り上げる庶民の声など恣意的なもので決して
世論ではない。世論を誘導するものだ。
私は見ない。見る価値もないし、それにビタ一文儲けさせ
たくないからだ。
それよりも今各地で上映されている映画「南京の真実」
(3部作の第1部 7人の死刑囚)が全く報じられないのは
何故だろう。こちらこそ本物の日本映画だ。
話題として取り上げられれば宣伝効果がある。
それを知ってかマスコミはシカトしているのだ。
( http://www.nankinnoshinjitsu.com/blog/
)
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20080511
【「国民年金の花柳な生活」より
http://www5.diary.ne.jp/user/514369/
】
-----【アマゾンレビュー】---------------------------
<この値段で本当に大丈夫なのだろうか?と思わず心配して
しまうほどです。「これ一冊でOKという総合性」「見たい項目を
自分で選べる自由度の高さ」「信頼できる執筆者の解説」と
いう三点で、「現在の」わが自衛隊を理解したい方すべてに
お薦めできます。本著の発行元の防衛弘済会は、自衛隊の
広報誌『セキュリタリアン』を製作発行していたところです。
本著の作成に当たったライターとカメラマンは長年に
わたって『セキュリタリアン』に関わってきたベテランの
方々です。おススメです。>
http://okigunnji.com/s/jforce100/
◎◎◎ 編集雑記 ◎◎◎
冷戦は「ソ連共産党によるロシア支配の終焉」をもって
終結したとされます。
しかしながら、ソ連共産党健在当時から、より獰猛で世界
革命志向だった「中共」は、以前と変わることなく、いや
以前より強力に、より好環境になった状況下で世界革命へ
の道を邁進しています。
冷戦構造崩壊を通じても、中共はその本質をまったく変え
ていません。
すなわち、共産主義の危険性は冷戦崩壊以後もまったく
変わることなく残っているということです。欧米ではその
危険度が一時低減したようですが、その他の地域では
危険度を増すばかりといって差し支えないと思います。
中共が推し進めている世界革命の第一歩は、あらゆる
人々から国家、民族への帰属意識を奪い去り、最も危険な
敵とみなす米への反感を植え付け、それに代わる世界
統一幻想への帰属意識を作り出すことです。
そのためにあらゆる思想・行動をわがものとして操作
しているようです。
その点で徹底度の甘かったソ連共産党がロシア支配に
すら失敗したため、中共の確信と統制は、ソ連崩壊後、
より強まったと思われます。
中共を見ればお分かりのとおり、共産主義者には国家
意識や国益などという感覚はありません。
すべての行動・思考・感情は、世界革命を達成する
ための手段に過ぎません。
人為的に創られた理論に基いて人間を支配するため、
落ち着きどころは存在せず、永遠の闘争が彼らの宿命です。
感情を含めた人間そのものを獰猛冷酷な共産主義者に
改造する。それができない人間は処分する。
これがソ連共産党やその他の共産党が徹底できなかった
中共特有の共産主義原理主義的傾向です。その一端が
顕れているのが、朝鮮戦争介入時の人海戦術、
文化大革命や天安門事件、チベット殲滅、ポルポトの
カンボジアなどです。
諸国と違って人々の生活レベルが極めて低かったシナ
大陸で中共はそれをほぼ完璧に徹底できました。
そのことが彼らに自信を持たせました。
ある地域を支配するのは、その地域にあるすべての資源を
利用して世界革命を進展させるためです。彼らにとっては
「支配可能で資源のあるところならどこでもいい」んです。
中共が支配する地域の人々、経済、鉱物等あらゆるものは、
すべて中共が目指す世界革命のため利用される「中共の
ための資源」にすぎません。
在中の共産主義者は現在、国連安保理の常任理事国と
いうおいしい地位をむさぼることのできるシナ大陸に拠点を
置いていますが、シナの支配が難しくなったり資源を使い
切ってしまったら、あっさりシナを捨てて別の拠点に移ること
でしょう。たぶんそれはアフリカだろうと思います。
いたちの最後っ屁でシナで核を使うことも大いにありうると
考えます。
共産主義者が支配する地域と通常国家を同列に考えては
いけないのはそのためです。彼らには国家観も国益も
何もありません。あるのは世界革命への強烈な意志のみ
です。
中共支配下半世紀を超えたシナでは、もはや古きよき
シナ的なるものはほぼ絶滅したと見てよいと思います。
わが国はその点の認識にきわめてゆるい気がします。
中共がのっとる以前と以後のシナはまったく異なる存在です。
中共には、対国家ではなく対国際テロ組織としてのより
強固な封じ込め対応が必要と思います。
人物が有能、誠実であれば頭の中が赤くても許される。
そういう誤った自由の風潮が第1次大戦以降のわが国
世論を一貫して覆っていることに疑念を覚えます。
時代の変化に合わせてその行動・手法を柔軟に変えて
いる中共の本質を、見極められない人が増えつつあると
感じられることにも懸念を覚えます。
あわせて、わが国は「シナにゆるい」という本質的な欠点を
持ちます。
せめて国家中枢部に影響力を持つ人だけでいいので、
中共の危険性の本質とわが国が持つシナへのゆるさだけ
は常に意識していただきたいと思います。
共産主義をほぼ正確に理解し対処してきたのは米国のみ
であったように思います。
戦後のドイツはまだましですが、欧州主要国は致命的な
失敗を数々繰り返しています。
その点からも、日米同盟は極めて重要と考えています。
いまのまま手をこまねいてみていれば、わが国は昭和
初期と同じ形で赤化してゆくことでしょう。
大正期と現在の状況はあまりにそっくりです。
(エンリケ航海王子)
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