頂門の一針 未曾有の規模の地震被害の前には、中国批判は吹き飛んでしまう。
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「福田降ろし」が出ない理由
━━━━━━━━━━━━━花岡 信昭
福田内閣の支持率は20%を割り込むほどの低迷状態が続いている。国会 は機能不全状態に陥っている。それにもかかわらず、自民党内には 「福田おろし」の動きはない。そこが政治のおもしろいところと言って しまっては不謹慎のそしりを免れないが、政治力学から見ると、この政 権の党内基盤は意外に強固なのだ。通常国会の与野党攻防戦は、13日の道路整備財源特例法改正案の衆院再可決で大きなヤマを越えた。民主党は参院で首相問責決議案を提出しなかった。これによって、福田首相は当面の危機を乗り越えたといっていい。
未成立の法案が相当に残されてはいるが、これ以上の無理はしないとハ ラをくくれば、国会の波乱要因はほとんどない。民主党は国民に評判の 悪い後期高齢者医療制度の廃止を求め、野党多数の参院で廃止法案を可 決する構えだが、代案は用意されていない。だから福田首相としては放 っておけばいい。
中国の胡錦濤国家主席の訪日、これに先立つ長野での聖火リレーなどを 巡って、中国擁護とも見える福田首相の態度に批判も出たが、四川省で 起きた巨大地震がすべてを押し流した。これが「政治のアヤ」というものだろう。未曾有の規模の地震被害の前には、チベット問題や毒ギョーザ事件などを巡る中国批判は吹き飛んでしまう。
福田首相にとっては、これで党内外の保守派からの攻撃も気にしないで すむ。これまた不謹慎な言い方になるが、中国巨大地震が福田政権を助 けているという側面を見逃すべきではない。通常国会は6月15日までだが、法案の未処理を覚悟しさえすれば、大幅延長はしなくてもいい。延長したところで、7月の洞爺湖サミットや8月の盆休みの前後は休会になるのだから、9月に臨時国会を開くのであれば、閉幕しようが延長しようがほとんど変わりはないという見方も可能だ。
衆参ねじれによる「再可決」もこれだけ繰り返せば常態化していくわけ で、「参院送付後60日たっても結論が出ない場合、否決とみなす」とい う憲法規定を使うことへの抵抗感は薄れる。ということは常に60日の余 裕を持って衆院で強行可決すれば国会は乗り切れるわけだ。これが自民 党内に妙な安心感を生んでいる。
☆自民党内の力学から見た安定
福田首相は安倍前首相の突然の退陣に伴う総裁選で、党内9派閥のうち 8派の支持を得た。派閥の締め付けが緩くなっているから、対立候補の 麻生太郎氏に予想以上の票が流れたが、麻生派を除く全派閥が支持した という構図にその後も基本的変化はない。そのうえ、古賀派と谷垣派が合併した。伝統の宏池会は3派に割れていたが、麻生派を除く2派が一緒になって、町村派(86人)、津島派(69人)に続く第3派閥・古賀派(61人)が誕生したのだ。
この2派の合同に当たって、「谷垣禎一氏が派の総裁候補」を前提とは しないという暗黙の了解があったことを指摘しておかなくてはならない。これは福田首相の党内基盤にとって重要な意味を持つ。出身派閥の町村派では当面、福田首相の足元をおびやかす存在はいない。町村信孝官房長官が意欲は持っているものの派内の大勢にはなっておらず、町村氏を牽制する意味もあって小池百合子氏擁立論が出ている。津島派では総裁候補として額賀福志郎蔵相がいるものの、石破茂防衛相ら次の世代が台頭してきている。
そうした党内事情に加えて、新生・古賀派には「総裁候補はいない」と いうのであれば、当面、派閥次元での福田首相の「敵」は存在しないこ とになる。かつての自民党の「お家芸」だった派閥抗争を懸念する必要 はまったくないという僥倖(ぎょうこう)に恵まれた首相なのだ。
麻生太郎氏や与謝野馨氏らが登場する局面は、党内力学を脇に置いて、 国民的人気にすがる以外にないというところまで自民党が追い込まれた 場合だ。
改めていうまでもないが、最大派閥の町村派(こういう呼称になってい るが、実態は町村、中川秀直、谷川秀善3氏の代表幹事制という集団指 導体制だ)は、派閥全盛時代の福田派が前身であり、現在の福田首相は 派閥創業者の直系である。そこに自民党ならではの党内秩序の美学とでもいっていい感覚が作用している。安倍前首相退陣で「福田一本化」がスムーズに進んだのもそうした背景があった。さらにいえば、自民党の伊吹文明幹事長は政局に強いタイプではない。最近も「税制改正を争点に解散、総選挙を」といった発言をして、党内に疑問の声が飛んだ。
来年度税制改正は基礎年金の国庫負担分を生み出すため消費税の税率に 触らないわけにはいかないといわれているときに、税制を争点とした総 選挙はいかにも考えにくい。むしろ税制改正とは切り離した時点での解 散時期を模索するのが常道だ。実態としては、自民党4役のうちの最高実力者は古賀誠選挙対策委員長である。伊吹氏には申し訳ない言い方になるが、「非力幹事長」であるからこそ、福田首相は党内対策に腐心しなくてすむ。かつては、党内を抑えるために「次」を狙う実力者を幹事長に配して、常に緊張を強いられた首相が少なくなかったことを思い出したい。
☆一貫性のない民主党にも助けられている
国民レベルの支持率は低落していても、自民党内の力学から見れば、福 田首相の基盤は想像以上に安定しているともいえるのだ。世論調査の政 党支持率で、自民党が民主党に逆転されたことも、党側の動きを封じ込 めている。とてもではないが、この状況では自民党内から解散を求める 声など出ようがない。
民主党の国会対応が一貫していないことも、結果的に福田首相を助けて いる。首相問責決議で政権を追い込むとしていた民主党だが、結局は提 出を見送った。問責決議を参院で可決してしまうと、「問責した首相を相手に審議はできない」ことになってしまい、長期の審議拒否に入らざるを得なくなる。このごろは、審議ボイコットは国民の批判を招くだけに終わる。民主党はそれを恐れたのであろう。
以上は福田首相を巡る政治力学の解析であって、福田政権の評価とは別 の次元の話である。政治展開に予断は禁物だ。解散にしろ総辞職にしろ、大方が予期しない局面で断行するのが最も効果的である。かつては「死んだふり解散」などというのもあった。国民に不人気な政権が意外に長続きした例もある。小泉、安倍両政権という「劇場型政治」を見せられてきた国民としては、メリハリに欠ける福田政権にあきたりない思いを抱く向きも多いのだろう。その「不完全燃焼感」のレベルを注意深く見ていく必要がある。
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後期高齢者の次は裁判員
━━━━━━━━━━━山堂コラム 216
小泉劇場というか、純ちゃんの「猫騙し」に引っかかって国民のほとん どが知らないままに成立したいくつかの法律―――「後期高齢者医療」 では、実施された今頃になって野党もマスコミも「悪法だ、悪法だ」と 大騒ぎしているがあとの祭りよ、アホみたい。ずっと以前に当コラムで問題点を指摘(楢山節考)したころは、マスコミも野党も白川夜船、怠慢の極み。「後期って一体なんだべ」だ。記事にも社説にもなっていなかった。
「後期高齢者医療」の続編は間違いなく「裁判員制度」である。オラは そう思う。平成16年5月21日に成立した「裁判員の参加する刑事裁 判に関する法律」。5年を経て来年の5月21日から実施される。この「裁判員制度」について、問題点を指摘するマスコミはなかったし、今も「一部の雑誌」を除いてほとんどない。「後期医療」と違って今度の場合は、無知による怠慢ではなくして故意による怠慢だ。
サクラを多数動員した「タウンミーティング」なるインチキ集会を、電 通や朝日広告社といった大手マスコミの広告代理店におろし、国は何十 億という宣伝費(元は税金)を使った。それで成立させた法律―――毒饅頭食っちゃってる朝日以下、反対記事を書けば「金返せ」だはな。
最高裁の事務総長は案の定、「裁判員になるのは国民の義務」だと言い 始めた。そんな国民の義務は憲法のどこにも書いてないぞ。そう言わな いと、普通の国民なら誰も裁判員になどならないからだ。
NHKはこの13日、「裁判員制度に参加したいと答えた人18%、参加し たくないと答えた人77%」という世論調査結果のニュースを放送した。
参加したいという人の割合は福田内閣の支持率より低い。NHKにはさ すがにタウンミーティングといった国のゼニが降りていないとみえる。
来年5月から何が何でも実施されようとする「裁判員制度」。こんなも の、本当は国民の誰もやって欲しいなどと思っていない代物。司法官僚 だけが、自分たちの天下りを含めた権益の拡大のためだけでつくった制 度。であるからして、もともと重大な欠陥や無理があるのは当然なのだ。国民を赤紙一枚で動員して(なぜか公務員はしない)、参加を拒否すれば「ふん縛るぞ」の内容。専門家同士で「憲法違反か否か」の論争があって(その論争も、国民の権利に関わることより陪審制度の違憲合憲論争だが)その決着もつかないうちの施行強行。司法権力のひとり歩き、星亨(押し通る)。
政治家もこの制度に口を閉ざしている―――脛に傷のない政治家なら平 気だが、たいていは傷はあるから「弁慶の泣き所」が検察。選挙区の有 権者以上に司法権力には弱い。阿部文男さんは死んじまったが、そう村上正邦さん、鈴木宗男さん、村岡兼造さん・・・こういう苦労人の政治家に聞いてみたまえ、それ分かるから。野党・民主党もだらしがない。野党幹事長の弟が現職の法務大臣だで。兄弟で2束の草鞋を履いてうまいことやってんだ。「後期医療制度」といっしょで、本気で国民が怒らなければ野党も全然頼りにはならんということ。
ま、オラはそれでも一縷の望みはもっている。この裁判員制度は実施出 来ない。実施してもすぐに行き詰まると思うから。堅気の人間ならば仕事や育児ほったらかして「死刑か」「死刑でないか」といった裁判に付き合ってはいられないのだ。プロの裁判官や司法事務官ならば、国民が税金払ってプロの裁判官にこれを委ねている意味、もう一度よく考えてみてちょ。(了)
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中国各地で異常気象相次ぐ
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【大紀元日本5月16日】四川省大地震が発生した12日前後、中国の多くの 省・市でも異常気象が観測された。湖北省の多くの市・鎮では竜巻、暴 雨、雹に見舞われ、地元の農業に深刻な被害をもたらした。また、山西 省五台県は大地震の前日に大雪と霜に見舞われ、地震が発生した日の朝 方には河北省森林公園で大雪となった。
大陸のメディアによると、湖北省荊門、天門、仙桃、襄樊、鐘祥など多 くの都市は大型竜巻、暴雨、強い雹(ひょう)に見舞われ、それぞれ約 20~30分続いた。一部の場所では、ピンポン玉の大きさの雹が降り、農 作物に深刻な損失をもたらしたという。
*天門市で60年ぶりの雹
報道によると、湖北省天門氏岳口、彭市両地では30の村が雹に見舞われ、多くの家屋の屋根が倒壊し、直径30センチの樹木が根こそぎ倒れたという。雹、竜巻に見舞われた19の村、3500ヘクタールの農地が深刻な被害を受け、強風で2万5千本の樹木が折れ、家屋42棟が倒壊、54棟が損害を受けた。経済損失額は約5億5000万円相当に上るという。目撃者の楊山清さんによると、5月12日朝5時頃、強風に伴い指のつめと同じくらいの大きさの雹が一気に降り始め、道は雹で真っ白になったという。棉花の苗や油菜の種も瞬く間に叩き落されたという。竜巻に伴う雹は20数分間ほど続いた。彭市鎮壇村の熊栄華さんは、生まれて六十数年間、これほど大きい雹は見たことがないと語った。
*鐘祥市の6郷・鎮で突然の雹
12日、鐘祥市の洋梓、長寿、豊楽、東橋、九里、官庄湖の6郷鎮、特に恩 施咸豊楽山鎮の龍坪村は強風に伴った雹に見舞われ、農作物は深刻な被 害を受けたが、幸いに死傷者は出なかった。一方、鐘祥市では、朝方に降った雹で76の村8万3千人が被害を受け、耕地1万8千ヘクタールが損害を受けた。その内、1万1千ヘクタールの農作物は全滅で収穫不能になったという。家屋は7棟が倒壊し、89棟に亀裂が入ったという。
また、午後5時ごろ、咸豊県高楽山鎮の龍坪村も雹に見舞われ、二十数分 の短い間に、14本の電柱が倒壊し、1482本の樹木が毀損され、4万3728軒 の家屋が損害を受けた。また、作付面積は約2000ヘクタールの茶畑、水稲等の農作物の内、約1200ヘクタールは収穫不能で全滅した。
*襄樊市周辺:異常気象による被災者11万人、経済損失15億円
報道によると、11日の夜、襄樊市内および周辺の県・市の一部郷鎮も雹 に見舞われたという。当日夜10時頃に、強風・暴雨に伴いバケツをひっ くり返したような強い雹が降り出した。中心風速は7級に達し、一部の場所で降った雹は直径2センチ以上で、ピンポン玉と同じくらいの大きさだったという。強風・雹は約20分間続いた。
今回の異常気象による全市の被災人数は10万9千人、農作物作付面積は1 万3千ヘクタールで、その内、収穫不能となった面積は約2600ヘクタール。被害による経済損失は14億7千万円で、農業への経済損失は14億7750万円に達した。
*仙桃市:4万1千人が被災
一方、12日午前6時ごろ、仙桃市三伏潭、胡場鎮で強風、直径4センチの 雹に見舞われた。幸い死傷者は出なかった。仙桃市民政局は、雹は20分間も降り続けたため、道路は一時真っ白になり、10センチ以上の雹が積もったことを明らかにした。両鎮18村は深刻な被害を受け、漢江沿岸の樹木すべてが折れ、家屋9棟が倒壊し、多数の家屋が損害を受けた。農作物の殆どが強風と雹で倒された。関係者の統計によると、仙桃市の被災者は4万1千人、家屋の倒壊は19棟、家屋損害は83棟。被害を受けた農地面積は5600ヘクタールで、農作物の収穫不能面積は1800ヘクタール。1万1千株の樹木が折れた。
*山西省五台県で、大雪・霜
四川省大地震の発生とほぼ同じころ、山西省五台県では珍しく大雪およ び霜に見舞われた。5月中旬、五台県北部地区の農地では作物の芽が出て いるときに、大雪に見舞われた。農地に降った雪は割りと早く解けたが、山間地区では白い雪がそのまま残った。
一方、5月12日夜、広範囲にわたり霜が降りた。特に如春鎮では、霜の被 害が大きいとみられ、五台山が位置する台懐鎮が最も深刻だという。豆 村鎮でも霜の被害が深刻で、今後の収穫に影響が出るとみられている。
地元の老人たちは、これまでに、この季節で雪を見みたことはなく、こ の季節にここまで寒くなったことはないと話し、この異常気象は何かが 起こる前兆ではないかと嘆いた。
*河北省森林公園、5月に雪
中新ネットは河北省?水県観光部門の発表を引用し、5月11日朝方に、県 内の国家級重要観光名所の野三坂百草畔森林公園では、立夏後には珍し い大雪が降り、公園は一瞬銀の世界に変身したという。関係者によると、この時期に降雪するのは非常に珍しいという。