宮崎正弘の国際ニュース・早読み
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)5月17日(土曜日)
通巻第2190号 (5月16日発行)
海南島に潜水艦基地。三亜に巨大な中国海軍基地が建設されていた
原子力潜水艦も寄港可能、将来は空母の寄港も可能
********************************
AFPならびに台湾の『自由時報』は、中国海軍基地があらたに海南島の南端、三亜に出現している新事実を伝えた。
ここには核弾頭の大陸間弾道ミサイル搭載の潜水艦が二十隻、同時寄港が可能のほかに、将来は原子力潜水艦、空母の基地としても使用可能な脅威であるとしている。英国の軍事シンクタンク=ジェーンが最初に分析した結果だという。 米軍のアジア太平洋司令官チモシー・キーティング提督は、VOAのインタビューに答えて、「中国の目的は不明瞭であり、もし米軍艦隊に対峙する目的ならば我々は相手を打倒できる」と答えている。
地理的に海南島の南端に海軍基地を新設したことは、台湾海峡だけの問題ではない。南シナ海全域をにらむ海洋権力の出現である。台湾の有力紙『自由時報』(5月14日付け)は米軍高官の発言として『台湾海峡の安全をたかめるためにF16最新版ならびにディーゼル駆動の潜水艦八隻を前倒しでも、台湾に供与する必要がある』とのべた。
またジム・ライオン元提督(元アジア太平洋艦隊司令官)は、「中国海軍の進出を抑えるために米軍はふたたびフィリピンの海軍基地租借を検討する必要がある」として続けた。嘗て冷戦時代のソビエト艦隊に対峙したときの作戦要項での対応が欠かせない。韓国、シンガポール、日本、マレーシア、インドネシアなどとの安保提携を深めるべきであろう」(AFP,12日)。
四川省大地震にもめげず中国の軍国主義拡張はつづいている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪(読者の声1)チベット亡命政府に義援金を送ろう 今回の中国の大地震、被災地にチベット人をはじめ少数民族の顔が全く見えない。恐らく中国政府は救出でも復興でも、少数民族は見殺しにするだろう。マスコミをはじめとする国際社会は、中国政府の演出に騙されてはいけない。災害義援金等は、中国に送るよりもチベット亡命政府に送るべきだ。(一読者)
(宮崎正弘のコメント)賛成です。広く呼びかけたいと思いますのでインドへの送金先を教えて下さい。或いはペマさんの組織で義援金活動をおこなっていれば日本における送金先をご教示あれ。
♪(読者の声2)今次地震がもたらした膨大な廃棄物(死体、瓦礫、ごみ、被災者の汚物・・・)は中国で、どのように処理されるのか?
便法は昔ながらの「坑」。大型掘削機を動員して巨大な坑を掘り、埋めて隠してしまう。やがて地中で変質し、環境に悪影響を及ぼさないわけはない・・・。棺は足りるのか。死者を悼むために鳴らされる爆竹は足りるのか。そこで悪徳業者が出現することになる。バカ高い棺や発火しない爆竹を売りつけることになるはず。これで世界が「むき出しの中国人」の生態を知ることになればよいのですが・・・。(KH生、所沢)
(宮崎正弘のコメント)粗大ゴミは日本海に押し流し、日本海沿岸諸都市行政が、日本の税金で処理することになる? 冗談じゃないですね。
♪(読者の声3)月刊誌「澪標」刷新とご購読のお願い。この度、日本保守主義研究会の月刊誌「澪標」をリニューアルいたしました。新編集体制の下、保守主義の哲学を我が国に確立することを目標として新たな紙面作りに取り組みました。今号の特集では代表岩田と新編集長早瀬が「情報から思想へ」をテーマとして、本誌刷新の意義について対談を行っております。本誌は今号から冊子化を果たし、質量ともに充実したものとなりました。今号の巻頭言は拓殖大学日本文化研究所所長の井尻千男先生が執筆されました。今後巻頭言は有識者の方々の持ち回りとなります。文芸評論家の山崎行太郎先生「丸山真男と小林秀雄」をはじめとする、本誌ならではの連載記事も開始しました。年間購読料は5000円です。この刷新を機会として、本誌をご購読いただけますよう心よりお願い申し上げます。
購読お申し込みは、
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)5月17日(土曜日)弐
通巻第2191号 臨時増刊号
((( 速報 )))
中国の核兵器製造プラントの暗号名は「821」
四川省の広元から綿陽にかけての密林の秘密の場所。プラントは無事だった様子
************************
四川省地震で、米国の軍事関係者がもっとも懸念したのは、中国版ロスアラモスと言われる核兵器製造施設がどうなったか、だった。
チェルノブイリ型の惨事が予測され、米国の偵察衛星は地震後、目を凝らして動静を観察してきた。3月16日午後四時現在、放射能漏れはない、と関係者の一人が匿名を条件にNYタイムズに重要情報をリークした。
プラントの暗号名は「821」と呼ばれ、密林を開拓して広大な土地に原子炉が立てられている(燃料はプルトニウム型)。
「もし原子炉が損壊していたら放射能漏れがあるはずだ」(ハンス・クルステンソン全米科学者協会の専門家)。ともかく米国の専門家がリークした現段階の情報では、四川省の核製造施設と原子炉は地震に耐えたようである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪((((( サイト情報 )))))
5月15日、米上院外交委員会にて米中関係についての公聴会が開かれ、ネグロポンテ国務副長官が証言した。
(1)国際化時代の米中関係 U.S.-China Relations in the Era of Globalization、U.S. Senate Committee on Foreign Relations. May 15, 2008 http://
(2)南米、アジア、アフリカにおける中国の外交政策とソフト・パワーに関してhttp://
以下、本誌新編集長の早瀬善彦よりご挨拶申し上げます。
「澪標」は、弊会が毎月刊行して参りました月刊誌です。未だ混迷を深めるわが国の思想状況を深憂し、平成十六年の創刊以来、一貫して保守主義及び国家主義の立場から日本国の安寧と発展に寄与する文化的言論誌を目指してきました。不安と試行錯誤の五年間でしたが、幸い多くの方々のあたたかいご支援、ご指導に支えられ、何とか発行し続けることができました。
今号からは創刊以来の念願であった冊子化を新たな編集体制の下、実現いたしました。この度の刷新は、より充実した内容を読者の皆様方にご提供したいという理由はもちろん、より一層の課題、明確な意義を本誌に課し、保守主義の精神を貫徹しようとする私どもの力強い意志の表明でもあります。
情報化社会の到来といわれて久しい昨今、戦後日本の言論空間を長らく席巻してきた左翼的言説は、その基盤や信用を失墜させつつあります。欺瞞と偽善で塗り固められたメッキが、少しずつ剥がれてきています。南京大虐殺や従軍慰安婦強制連行という虚構、大東亜戦争の見直し、東京裁判史観の克服・・・。数十年前までは考えられなかった歴史の真実、知識、情報が、書店やネット上で今や誰でも容易に入手可能な時代になってきました。
しかしながら、これだけの情報が世に氾濫する一方で、私たち保守主義勢力が本来立脚すべき深遠で根源的な思想や哲学は残念ながらあまり省みられないのが保守言論界の現状です。左翼勢力が今後も仕掛けてくるであろう思想戦争に勝ち抜いていくには、今一度、思想がもつ真の力を見直し、新たなる保守主義哲学の構築を目指すことが何よりも重要となってくるに違いありません。月刊誌「澪標」は、そうした時代の要請に応える豊かな思想と文化的教養の誌を目指していく所存です。
編集部一同、新たな意気込みの下、皆様のご期待、ご要望にそえる内容、紙面づくりに励んで参ります。是非ともご購読いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
以下、今月号の目次です。
■巻頭言「国民国家存亡の危機」井尻千男(拓殖大学日本文化研究所所長)
■特集 講演録「国家と祭祀~戦没者を祀るといふこと~」 遠藤浩一(拓殖大学日本文化研究所教授)
■対談「情報から思想へ~「澪標」刷新の意義~」
岩田温(弊会代表)×早瀬善彦(本誌編集長)
■連載
丸山真男と小林秀雄(1)」 山崎行太郎(埼玉大学講師)「日本の祭祀(1)」 脇坂健一(弊会愛媛支部長)ほか。
購読お申し込みは、 http://
~~~~~~~~~~