中国なしの世界経済にせよ
5月3日の「台湾の声」の読者記事です。↓古い記事ですが、
フランスのことが詳しく書いてあって興味深かった。
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【読者便り】中国なしの世界経済にせよ
メルマガ愛読者です。
いつも鋭い分析を楽しみにしております。
北京五輪もそうですが、文明国が中国に対するときに、
政治(人権・世論)と経済(貿易など)が相克して、正面切った
対応ができないかのようなニュアンスを感じるのですが、
実際は、中国の台頭は世界全体としての豊かになっている
のではなくて、実は貧困を招いているという分析結果を
得ました。
であれば、文明国は何躊躇することなく中国なしの世界
経済に進み、政治と経済の矛盾などに惑わされることも
ないと思うのですが如何でしょうか。
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北京五輪では政治と経済の矛盾に幻惑されています。(資料1)
それは文明国でも野蛮国でも同様に発生しています。
●文明国では
フランスは、この数年、経済的には中国に急接近している。
シラク前大統領時代から、経済使節団を率いて大統領自ら
中国に乗り込み、エアバスなどを売り込んできた。昨年11月、
サルコジ大統領が仏財界人らとともに訪中し、エアバス160機、
原子炉2基など計200億ユーロ(約3兆2400億円)の大型
契約を獲得し、シラク政権の対中経済関係強化政策を引き
継いだ形となった。
それだけに、パリの聖火リレーの大混乱に続くサルコジ
大統領の発言は、対中政策の変更を思わせるものでもあった。
ただ、サルコジ大統領は、シラク政権で冷え込んだ米国との
関係修復でも、言うべきことは言うという姿勢を崩していない。
特にフランスの国内世論に敏感なサルコジ大統領は、人権
問題にうるさいフランス国民の声は無視できない。
●野蛮国では
一方、中国政府は「一部の市民が自分の意見を表明し、
行動しているが、原因や理由があってのことだ」として、暗に
フランスを批判した。不買運動は、高級鞄(かばん)ブランド、
ルイ・ヴィトンがダライ・ラマ14世に寄付をしているという理由で、
中国国内で批判が高まっている。ヴィトンは「事実無根」として
否定している。
文明国では、民主主義であるがゆえに、意見の対立は当たり
前のことですから、それはそれ、これはこれと割り切れるの
ですが、野蛮国では独裁であるがゆえにそうはいかないで、
矛盾を強制的に解消してしまう。
フランスは最近中国との経済関係が濃厚になっているので、
実は、それはそれ、これはこれ、と割り切れなくなっている
ようです。
政治(人権・世論)と経済(貿易)が対立したとき、文明国は
どうするべきでしょうか?
文明国は民主主義ですから経済(貿易)よりも政治(人権・
世論)を優先させなければならない。
ここで、救いがあります。
世界全体で計算すると、実は、中国の台頭は決して世界
経済を豊かにしているのではなくて貧困にしています。
だから、文明国においては政治と経済は対立していません。
文明国は、ここでスパッと中国との経済関係を断ち切ることが、
政治でも経済でも合理的なのです。
野蛮国側が不買運動をやってくれるのですから、それに
便乗してこちら側も不買運動をやれば宜しい。
ではなぜ、文明国において、政治(人権・世論)と経済(貿易)が
対立しているかに見えるのでしょうか。一部の経済セクター
(国際金融資本)の謀略でしょう。他の経済セクターが損をし
ていることを隠蔽して、国際金融資本だけ儲けようという
魂胆です。
さらに、相手は独裁国の特権階級・腐敗階級ですから、国際
金融資本の腐敗階級にとっても天国です。
人権団体には、早くこの事実を知って欲しい。
(資料1)
http://www.melma.com/backnumber_1142_4075831/
ワールド・ニューズ・メール
[2]特集…カルフールへの不買運動が拡大-仏、人権問題では譲れず
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●経済関係と人権外交の狭間で
サルコジ仏大統領が、チベット問題への中国政府の対応で、北京五輪開会式参加に条件を付ける中、中国国内では、仏小売大手、カルフールへの不買運動が拡大し、他の仏高級ブランドも標的になっている。人権問題では一歩も譲れないフランスと、政治問題と切り離したい民間企業の対応が注目されている。
(パリ・安倍雅信)
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パリのベルトラン・ドラノエ市長は今月16日、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世をパリ名誉市民にする提案を市議会に提出する考えを明らかにし、話題になった。同市長は今月7日、北京五輪の聖火リレーで、市庁舎に「人権の都市」をうたった横断幕を掲げ、市庁舎前の式典を待ち構えた。
パリの聖火リレーは、人権団体などの抗議運動が激化したため、パリ市庁舎前に至る前に中止され、五輪史上前代未聞の途中取りやめとなった。サルコジ大統領は世論を考慮し、中国政府がダライ・ラマ14世と対話をしない場合、北京五輪開会式への不参加も検討する考えを表明している。
パリの聖火リレーが混乱のため完走できなかったことで、その後の米サンフランシスコやインドのニューデリーなどでも、コースの変更や短縮が相次いでいる。アリヨマリ仏内相は「聖火リレーは開催国が責任を持つ決まりになっており、パリ警察は彼らを支援したにすぎず、完走できなかった責任はわれわれにはない」とフランスの責任を否定した。
ドラノエ市長は、ダライ・ラマを「平和のチャンピオンであり、根気強い対話の提唱者」として、「パリ市は尊厳、自由、生命という基本的な権利の核を守ろうとするチベット人を支援する」と述べ、ダライ・ラマとの連帯を呼び掛けている。ダライ・ラマは北京五輪開催月の8月に訪仏を予定している。
一方、中国では、フランスの動きに強く反発し、中国国内でスーパーやディスカウントショップ約400店舗を展開する仏小売大手、カルフールに対する不買運動が広がっている。インターネット上で「カルフールが中国に内政干渉している」とのうわさが広まったのが発端だが、カルフール側は「政治的・外交的干渉は一切していない」と強く否定している。
日本にも進出したことのあるカルフールは、フランスでは最大手のスーパーチェーンを所有し、中国には10年以上前に進出、現在、スーパーマーケット122店舗とディスカウントショップ280店舗を展開、現在も2週間に1店舗のペースで拡大している。中国の富裕層に人気があり、海外からの輸入食材も豊富だ。
仏外務省のアンドレアニ報道官は16日「中国当局関係者と連絡を取っているが、不買運動に関与しているのは、ごく少数にすぎない」と述べた。だが、安徽省合肥にあるカルフールで19日、1000人以上のデモ参加者が店内に乱入するなど、事態が深刻化しているため、仏政府はラファラン元仏首相を特使として派遣し、事態の収拾を図ることを決めた。
一方、中国政府は「一部の市民が自分の意見を表明し、行動しているが、原因や理由があってのことだ」として、暗にフランスを批判した。不買運動は、高級鞄(かばん)ブランド、ルイ・ヴィトンがダライ・ラマ14世に寄付をしているという理由で、中国国内で批判が高まっている。ヴィトンは「事実無根」として否
定している。
フランスは、この数年、経済的には中国に急接近している。シラク前大統領時代から、経済使節団を率いて大統領自ら中国に乗り込み、エアバスなどを売り込んできた。昨年11月、サルコジ大統領が仏財界人らとともに訪中し、エアバス160機、原子炉2基など計200億ユーロ(約3兆2400億円)の大型契約を獲得し、シラク政権の対中経済関係強化政策を引き継いだ形となった。
それだけに、パリの聖火リレーの大混乱に続くサルコジ大統領の発言は、対中政策の変更を思わせるものでもあった。ただ、サルコジ大統領は、シラク政権で冷え込んだ米国との関係修復でも、言うべきことは言うという姿勢を崩していない。特にフランスの国内世論に敏感なサルコジ大統領は、人権問題にうるさいフランス国民の声は無視できない。
フランスは、ダライ・ラマ14世に対して、常に理解ある立場を取ってきた。フランス仏教連盟の報告では、フランス国内の仏教信者は約60万人とされ、同国内のユダヤ教徒(欧州最大規模)と同数に達する。ベトナムなどの東南アジア系信者が多数派だが、フランス人15万人、中国系5万人という数字もある。ダライ・ラマ14世は、フランスの仏教センターを何度も訪問しており、毎回、多数の信者を集めて集会を行っている。
一方、フランスには、同国に本拠地を置く非政府組織(NGO)の「国境なき記者団」がある。創設者でもあるメナール会長は、ギリシャのオリンピアで行われた北京五輪聖火の採火式で、5つの手錠の輪をデザインした旗を持って同僚と乱入して世界の注目を集めた。中国にしてみれば、北京五輪を強く印象付ける式典が汚された形となった。
国境なき記者団の発表した報道の自由度ランキングで、中国は世界167カ国中、163位で、メナール氏は「7年前に中国は五輪開催に向け、人権問題に取り組むと約束しながら、何ら改善しなかった」と批判する。世界各地で行われる聖火リレーで、抗議行動を行うことを宣言している。
そのメナール氏によれば、国境なき記者団が過去数度立ち上げたインターネットの中国ホームページは、数分から数時間でアクセス不能にされたと証言している。「中国政府が政府批判の内容の書いたサイトを中国国民の目に触れさせないために、膨大な予算を費やして監視している」とメナール会長は指摘する。
この国境なき記者団の活動も、中国政府には不快な存在と言える。中国政府としても、国内で反西洋キャンペーンがエスカレートし、ナショナリズムが高まり過ぎれば、国際的評価が下がることを懸念し、国民に自制を呼び掛けている。また、パリの聖火リレー走者だった車椅子(いす)アスリートの金晶さんは、不買運動をやめるよう呼び掛けている。
ダライ・ラマ14世自身、聖火リレーへの暴力を自粛するように各国に散らばったチベット人たちに呼び掛けた。中国政府が少数とはいえ、フランスに対する抗議運動を展開するグループを抑えられなければ、国際的信用度を落とす可能性もある。カルフールの対応を含め、難しい時期を迎えているようだ。
『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html
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