宮崎正弘の国際ニュース・早読み | 日本のお姉さん

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)5月14日(水曜日)弐
       通巻第2187号 (5月13日発行)

 ロシアは強くなり、ウクライナからセバストポル軍港を奪回の様相
   ウクライナのNATO加盟要請、欧米への傾斜を強く牽制か
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 不気味に軍事大国の復活をはかるロシア。
 ルシコフ・モスクワ市長はロシア黒海艦隊式典で祝辞をのべたなかで、「セバストポル軍港をロシアは回復するべきである」と述べた。5月11日である。
 ただちにルシコフ発言をロシア国防省、外務省が支持した。
 ロシア議会ならびにロシア連邦議会でも反対する議員は誰一人いない(「ユーラシア・ディリー」、5月13日付け)。

 トルストイの『戦争と平和』にもでてくる軍港セバストポルは、ニキタ・フルシチョフ時代にウクライナへの帰属が決まり、ゴルバチョフ時代には「この問題は迷惑であり、困惑であり、つねに私を悩ませる」と名言(迷言?)を吐かせつづけてきた。

 ウクライナはNATO加盟を求めて親西欧、親米政策をとってきた。
 このためロシアは強く牽制の挙にでたと考えられる。
   ♪
(読者の声1)四川の地震の被害は あのレンガ造りの構造を見れば 少なすぎると思います。
 屋根も地震にはまったく対応していません。
小生 神戸の大地震の渦中にいたので 地震の揺れについての体感というか 感覚があります。地震については以来、 震度(not マグニチュード)鑑別士を自負しています。
四川は マグニチュードはたいかに大きいものの 震度は 阪神・淡路よりだいぶ 小さいと思います。
神戸の震度なら全滅だったでしょう。
先週、中国を旅行中 中国のレンガ造りは地震に弱い ことを危惧していましたが、・・・・。
温家宝も 自然災害係りで たいへんですね。胡錦濤は日本で、池田大作と会っているときに 地震があったらどうしたでしょうかね? 中国のためには 胡錦濤が帰国していたのは よかったかもしれません。
    (TK生、世田谷)

(宮崎正弘のコメント)耐震構造が悪いとテレビで解説してましたが、そんなレベルの話ではなく、建築基準法さえ守られていなかった。学校の倒壊が多かったのは公共事業の手抜き工事ぶりを何よりも雄弁に物語っているのでは?
  

(読者の声3)貴誌第2186号に広瀬中尉とありますが、広瀬中佐ではありませんか。
また、劉備が立てたのは、蜀漢と今では言われていますが、自身では「漢」と称していました。後漢ではありません。
漢を王莽が倒して新王朝を建て、この新の後にできたのが後漢です。現在では前漢を西漢、後漢を東漢ということが多くなりつつあります。
ところで、あんな辺鄙なとところに建国したのは、山を越えていかなくては魏が攻めてこれないというだけが理由ではありません。実は、あの地域は、豊かな穀倉地帯です。
SJ氏の(読者の声1)への(宮崎正弘のコメント)で「自衛隊が神戸大震災のとき、県際までついていたのに兵庫県知事は出動要請をためらった。
震災から数時間、当時の村山首相は神戸震災を知らなかった。被害が増えて、あとで指弾されたのでしたが。。。」
と書かれましたが、たとえ有能な人物が知事であっても、パニック状態では判断をあやまる場合があります。
そういった場合にそなえて、どう対応するかのマニュアルを準備しておく必要があります。たとえば、当時の自衛隊法では、自衛隊が治安出動する場合には、警察の指揮下に入ると書いてありました。県警本部長から知事に「これから出動するが、私の指揮下に自衛隊も組み込む」と電話させればよいのです
Fool-proof(馬鹿チョン)は機械だけではなく、こういった場合の手順でも必要です。Fool-proofでない手順があるなら、それは作った人、遵守している人が「馬鹿であることの証明」になります。
ところで、「馬鹿チョン」は朝鮮人にたいする差別表現であるなどという馬鹿やうそつきがいますが、これは江戸時代末期から使われている表現で、朝鮮人に言及しているのではありません。
   (ST生、神奈川)

(宮崎正弘のコメント)深く読み込んでいただいて有り難う御座います。推敲もしないで再録したものです。「慌てる某は、。。。。。。」というヤツですか。
 四川省最大被害地の一つ、都江堰は、ところで三国志のロケが一番盛んな場所です。古代的な自然風景が残っていたからです。「残っていた」のも、いまはきっと瓦礫の山でしょうね。午後のニュースでは有毒ガス発生、住民退避と伝えております(14日正午のNHK)。
 某誌から現地へ飛ばないかという要請が来ましたが、小生儀、今週から来週半ばまで先約の講演が重なっており、急な海外取材は無理です、と回答したところでした。
 それから廣瀬中佐です。大分県竹田市にある廣瀬神社は二回も参詣に行っているのに、なんともうっかりです。

 (読者の声4) 此の数日来、欧米人に対する中国入国ビザの発給が厳しくなっています
従来たとえ数時間の入国でもビザは要りました。然し往復のエアーチケット或は購入証明があればビザは簡単に降りました。
今は単なる旅行者であっても更に中国の知人からの招待状、或はホテルのブッキングコンファーメーションが必要となりました。それらが揃っていても何故かビザが支給されない場合も有るようです。
勿論、これは欧米人のジャーナリストや活動家にチベットの人権問題など探られたくないからです
一方、日本人には相変わらずビザを要求しませんし、短期旅行者ならフリーパスのままです。これは日中友好、一衣帯水の証と喜んでいれば良いのでしょうか、ひょっとしてただ日本人を舐めているのじゃないかと言う気もしますが。
日本人をパンダ程度に考えている訳じゃないでしょうね。ご存知であればこの辺の事情もお教え下さい。
    (浪速のYM)

(宮崎正弘のコメント)10月10日まで北京五輪特別警戒です。欧米組は人権活動家が紛れ込みますから、中国公安は警戒しているのでしょう。
 一方、日本にくる中国人へのビザ発給は紆余曲折があって、簡単に説明できません。ともかく中国人に観光ビザを許可するというのは、不法入国が増えるだけであるからと反対の声が大きかった
それを「日中友好」といって外務省のチャイナスクールが法務省を抑えた。
 最初は北京、上海、広州など大都市14の居住者だけでしたが、これが全土に拡大される。
 日本の観光業界が年間50万人の中国人は大市場ですから、前向きです。地方の温泉は、これでかろうじて糊口をしのいでいたりしますから。

 日本人への中国ビザ発給は2004年10月から15日以内なら不要となりました。
 個人的にはそれまで、いつもヴィザの取得には苦労させられました。
香港から空路、海南島へ飛んだり、厦門に入ると飛行場でアライバル・ビザがあり、穴場でした。
また急ぐときは東京で申請すると一週間かかるので、香港の中国旅行社(事実上の領事館)に二時間並んで至急ビザを採ったり、最後の手段は深せんの入り口で特急数字ビザを、二万四千円もの大金を支払って取得したり。
 日本人がノービザというのは、それだけ信用が厚いという証拠です。
中国人は言うこと(反日)とやること(日本人観光客大歓迎)は、常に、必ず違います。

< 宮崎正弘の新刊予告 >
 四川省大地震発生などにより発行が十日ずれます!
『北京五輪後、中国はどうなる?』(6月10日発売。並木書房、予価1680円)。
  下旬に予約特典の募集をおこないます
(1)著者サイン入り、(2)送料無料、(3)振り込み手数料無料。(4)発売前日までに到着の四大特典。
応募要領は「並木書房」から本欄に月末に告示されます。
(( 最新刊 ))
  宮崎正弘・黄文雄共著
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
  
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
  四川省大地震を予測した
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
http://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_st?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&rs=465610&page=1&rh=n%3A465610%2Cp_27%3A%8B%7B%8D%E8+%90%B3%8DO&sort=-pubdate
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
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