北京「鳥の巣」の寿命 ・江原啓之をタブーにするな ・眠る日本、狙う中国(4) | 日本のお姉さん

北京「鳥の巣」の寿命 ・江原啓之をタブーにするな ・眠る日本、狙う中国(4)

ようちゃん、おすすめ記事。↓頂門の一針

北京「鳥の巣」の寿命
━━━━━━━━━━内田一ノ輔

北京オリンピックの象徴である、オリンピックスタジアム。通称「鳥の
巣」。鉄骨を、複雑で非対称な形状に組み立てた構造で、その外形を見れば確かに「鳥の巣」そのものである。しかし、施工上の問題が懸念されており、既に水漏れも起こしていて、その安全性に疑問符が付けられている。そもそも、ここで使用されている鉄骨は、9.11テロで崩壊したニューヨークのWTCのいわく付きの残骸だ。元は、日本製最高級品質の鉄骨で、中国で溶解し、再使用したものである。東京オリンピックの時もそうであったが、施工工期に余裕がないため、どうしても突貫工事となってしまう。そのため、さまざまな関係構造物でその歪が生じた。北京オリンピックでも、同様に工期的な余裕が無い。その様な状況で、この「鳥の巣」のように複雑で、施工が難しい構造物では、致命的な影響を起こしかねない。ましてや、全てが利権に絡んでいる中国では、施工上のミスや不都合は、隠蔽される恐れが多大である。

この構造は、複雑に絡み合い、互いに支えあって成り立つ構造物は、一 つのタガが壊れるだけで、阪神大震災で横倒しとなったトップヘビーの 高速道路橋のように、自らの重みで崩壊する弱点がある。「鳥の巣」のような鉄骨構造は、ボルト・リベットで結合されることが多いが、ここでは溶接での結合方法を取っているようである。ここで要求される技術は、温度変化により生じる長さの変化の影響を考慮した詳細な設計と精密な図面・図面どおりに鉄骨部材を作る技術。そして、施工中に生じるタワミ等を考慮し、正確に組み立てる技術である。最大のポイントは、溶接専門工による理論に適った溶接であろう。テレビで鉄骨の組立て中の様子を見た。危険な高所作業でもあり、正確な組立てや溶接を行うのに、十分な足場が必要なはずであるが、その様なものは見当たらない。これでは、自分の身の安全を確保するのに精一杯であろうし、碌な溶接作業もできないはずだ。しかも、雨ざらしの時の溶接作業も想像できる。

次に接続すべき鉄骨がクレーンに吊るされて来たが、溶接する接合面で ある、鉄骨の小口は既に錆びが出ていた。錆びの程度如何では、構造上 の弱点となる。溶接は、接合部の周囲を行うはずだが、あのような状況で出来たのであろうか。この業界に、「土方溶接」という言葉がある。教育を受けてない未経験の者でも少し教われば、真似事の溶接は出来る。それを「土方溶接」と称している。ただし、それは糊付け程度の意味しかもたず、一時的な仮設の点付け程度のものであり、人の体重を支える程度の接合強度でしかない。「鳥の巣」の鉄骨ように、それ自体が主構造材の場合は、資格のある熟練工でなければ、所要の強度を持つ溶接は出来ないのである。また彼らとて、工期に追われノルマを課されれば、手を抜かざるを得ない。ここに、設計ミスや製作誤差が加わり、更に利権が絡んでくれば、ゴマカシの連鎖となる。日本でもそうだが、建設工事に際し、日頃は高圧的で威張っている発注者も、工期に間に合わないとなれば、業者に頭も下げるし、「悪魔の囁き」を受け入れることもある。

先日、長野の高速道路のトンネル工事で施工不良のミスを告発した事件 があったが、これまた、このたぐいの話であろうことは想像がつく。
厳密な管理が為されていると思われている日本でもこれだ。ましてや、 これは中国での話である。工期に間に合わないとか、施工ミスでやり直 しといった事となれば、その責任者の事実上の死を意味すると言ってよ いのではないか。中国においては、全てのミスは隠蔽されると考えるのが自然だ。

仮に、最悪の事態となった場合の嘘・方便は、彼らの得意分野であることは、既にご存知でしょう。それが、テロのせいになるのか、日本製の原材料を犯人とするのか。何れにせよ、川の流れのように嘘を持っているはずだ。尤も、「鳥の巣」もオリンピック終了までもてば良い。対外的には、後はどうともなると考えているのであろう。「鳥の巣」を支えていた支保工が外された今、既に、崩壊へのカウントダウンが始まったとしてもおかしくない。意外に早いのかもしれない。
━━━━━━━━━━━━
江原啓之をタブーにするな
━━━━━━━━━━━━馬場 伯明

千葉市中央図書館で著者「江原啓之」を端末機で検索したら56冊、その 内54冊が貸出し中であった。江原啓之(以下、江原という)の人気はす ごい。残りの2冊を借りた。「江原啓之神紀行(2006)」と「スピリチ ュアルメッセージ!)(2003)」。江原のプロフィル(同書によれば)《 スピリチュアル・カウンセラー、世界ヒーリング連盟会員。1964年、東京都生まれ。和光大学人文学部神道専修!)類終了後、英国でスピリチュアリズムを研究。その後1989年にスピリチュアリズム研究所を設立、カウンセリング活動を行うとともに、雑誌やテレビ、講演等でも活躍中。主な著書に「幸運を引きよせるスピリチュアル・ブック」・・・》以下、多数につき、略。中年主婦には「みのもんた」だろうが、若い女性では江原の人気が圧倒的だという。なぜだろう。安心感のある風貌、ソフトな語り口。相手の話をよく聞く「聞き上手」。何より話したことが「当たる」という。著書などによると江原は霊能者として次のような能力があるらしい。(ただ、江原が自分で言うのだから、真実かどうかは・・・)

対話すればその人の「背後霊」「守護霊」などの「霊」が見える。相手 の背後、頭、首、肩あたりに「七色のオーラ」が見え、人生の行方を見 通す能力を持っているらしい。また、近親者の霊も見えるという。
(悪い)霊を取り除く能力がある(除霊)。死者の霊を呼び寄せその霊 と会話し言葉を仲介することができる(口寄せ)。さらに、肩、腰、気 管支、胃腸など病気の診断や治療までできるという。
そして今や、テレビ、ラジオ、週刊誌などの超人気者であり、自著はバ カ売れ。TV朝日の「オーラの泉」の視聴率も高い。まさに天才的なカ リスマ霊能者である(本当なら)。しかしながら・・・、私は、江原という霊能者を信用しない。江原はいくら口がうまくても、過去の多くのイカサマ霊能者の例外ではない。信用しない最大の理由は、人類の科学の体系と合理的な思考方法を根本から否定しているからだ。科学を否定するために「未科学」という変な言葉を使っている。マジックや手品は見世物でありその「技」を楽しむものである。本物だったら大変だ。毎日生身の美女が何人も輪切りにされるなんて。それが「(ウソと)わかっている」から、大安心なのである。次に、大きな問題は、今、江原が「マスコミ・タブー(禁忌)」の存在になっていることだ。テレビ、書籍、新聞、週刊誌などで江原のインチキ性を指摘し、批判したものはほとんどない。

なぜか。タブーには訳がある。訳があるからタブーが続く。その一つは 「とりあえず、儲かりゃいい」という堕落した理屈だ。昨今の食品・建 材製造・リサイクルなどの偽装・詐欺事件とまったく同根である。
対象や中身は無価値・偽装・嘘でもよい。一般大衆(バカな他人)が飛 びついてくれ、TVの視聴率が上がり、本やDVDが売れ、金(飯の種)になればよいという小賢しい行動パターンだ。江原が自分で話すのは確信者なのだから仕方がないけれども、これに諾々と追従する大手マスコミや出版社の態度は「情けない」の一語に尽きる。「責任者、出て来い」と大声で言いたくなってくる。千葉市中央図書館の「江原本」だけでも多くの出版社があった。出版させていただくという利害関係(利益)があるので、江原に対しまったく「モノ」を言わない、言えないのだ。以下に記す。

《集英社、中央公論新社、文芸春秋、飛鳥新社、徳間書店、マガジンハ ウス、三笠書房、講談社、都市文化社、パルコエンターテインメント、 PHP研究所、ハート出版、新潮社、光文社、主婦と生活社、小学館》

一方、TV・出版人などは舞台裏を知っているから江原の言を信じてい ない。「王様は裸だ(実はウソ)」と知っている。事前に裏取材し、切 り貼り編集の上、面白く演出している(ライブではない)。若い司会者やタレントが勝手に面白半分に江原をヨイショしているのではない。会社や上司などのまともな仕事上の命令でやっている。だから、問題はいっそう深刻なのだ。科学的な思考や「嘘はダメ」というモラルを安易に捨て去っている。この上司らには「嘘は泥棒の始まり」という小学校の道徳の授業を、息子や娘らと共にすぐ受けて貰わなければならない。江原の出演や出版それ自体は自由である。他人に止める権限はない。しかし、良識あるマスコミや出版社にはそれを正しく批判することができるタブーのない「場」をこそ提供する義務と社会的責任がある。

TV朝日の「オーラの泉」では「現在の科学では証明されてはいません」と最後に画面に表示するようになったが、「いつか証明されるかもしれない」と誤認される恐れがある。「これは作り話(フィクション)です」と明確に表示すべきだ。シタリ顔で言う人がいる。「(あなたは)大げさに騒ぎすぎ」「娯楽ですよ」「どうせテレビ番組」「ほっとけば自滅する」「だまされる奴がバカ・自業自得」などと頭のいいふりの無視を決め込む。だが、無視・軽視してはならない。オーム真理教の教訓はどこに行ったのだろうか。あのオーム真理教も当初から問題があった訳ではない。信じた者が「思考停止」状態になり、暴力でも何でも実行するようになってしまったのである。私たちは、ばかばかしくても、愚直・頑迷に江原を批判しきらねばならない。(了)
━━━━━━━━━━━━
眠る日本、狙う中国(4)
━━━━━━━━━━━━平井 修一

2008年2月27日の米中経済安保調査委員会での「国家主権とアクセス制御 についての中国の見方」をテーマとした米国海軍軍事大学のピーターA. ダットン准教授(中国海事研究所)の分析を引き続き翻訳する。

主権強化のための中国の軍事力行使は、地域の安定と繁栄に何をもたら すのか? それがアメリカと中国の関係に何をもたらすのか?これらは非常に幅広い問題で、他の論者の広範囲な議論を必要とするところす。しかし、私がこれらの質問に関して2つのポイントには答える資格はあるだろうと思っています。

第1点は、中国は(インドネシアなど)南シナ海の隣人とは海の論争解決 へ比較的協調的なアプローチをしました。すなわち東シナ海論争に関し て日本と対立していますが、中国は南シナ海論争とまったく正反対の立 場に立っているということです。

中国のリーダーが最近日本に対して親しみを表明したことに関係なく、中国が実は、日本との論争を解決するために最高の関心を払いそうもないことは十分にあり得ます。東シナ海での主権、資源、境界線についての中国と日本の間で緊張、特に尖閣/釣魚島諸島への主権に関わる日本の管理と主張についての対立は、国家主義・ナショナリズムの(発動を制御する)レバーを中国政府に与えており、国内の(圧政、格差、不満などの)困難から中国国民の注意をそらし、国内の政争に際し中央政府に対する支持をとりつけるために国家主義・ナショナリズムのレバーは有効です。

中国のリーダーが中国国民の国家主義・ナショナリズムを煽りたいとき はいつでも、東シナ海での日本との領域争いを思い出させ、数十年前に 中国の領域の大きな部分が日本に占領されたことを思い出させればいい のです。中国の海の主張に関して国家主義・ナショナリズムと「日本の侵略に反対する断固とした姿勢」とを結合することで、中国政府は彼らを侮辱する外からのパワーを二度と決して許さないことを人々に示します。このように、日本以外の隣人とは協力的に交渉し、日本とはコントロールされた係争状態に置くことによって、中国は国内の安定と地域での台頭に資するよう国内と地域での政治的メッセージのバランスをとります。

その上、中国の長期の戦略的な関心は、その地理的位置に注がれており、中国本土は千島列島から南シナ海の群島まで中国の海岸線に沿って走る島嶼群に囲まれています。それが中国にとり作戦上の広域空間になっており、そこで合法的に航行する非中国の軍艦のプレゼンスと争うことになります。いかなる将来の対立にあっても、中国の合法的かつ自由な作戦行動を制限するかもしれない日本との妥協よりは、むしろ中国本土から日本の領域におけるアメリカ軍基地の軒先である沖縄まで、つまり東シナ海全域での領有権主張を維持することは、中国の軍事上の利点であるかもしれません。

中国は東シナ海の境界に関する議論が手に負えなくなって、実際の対立 に弾けることになっても、早期に解決しようという短期的関心はありま せん。台湾への中国主権の主張が大きく脅される場合だけ、中国は東シ ナ海主権のために軍事力を発動しそうです。かくして私の最初の点についての結論は、「その外交と軍事要素で日本とコントロールされた争いをするという方針の維持は、海域に対する北京の主権の維持・拡大に有効なツールであり、作戦上有効ならその海域における中国の主権・支配を拡大するオプションを保存するだろう」ということです。

第2の点は、アメリカと中国の間での軍事危機の可能性に関するものです。アメリカの沖合における調査と偵察飛行に関し、そして、台湾危機に際してアメリカ海軍派遣を許さないという中国の全体的な戦略に関するものです。先制攻撃に関する中国の議論についての興味深い研究がランド研究所によってなされ、2007年に発表されました。

この研究報告では、深刻な危機の時に、中国軍がアメリカ軍の技術的優 勢の効力を消すか、克服するために利用できるいろいろな先制攻撃戦略 を論ずる人民解放軍の著作を記述しています。中国の戦略家が注目しているのは、米国の監視・調査能力です。一部の中国の戦略家は先制攻撃を彼らの「積極的防衛」戦略と一致しているとしていますが、国内外で先制攻撃の合法性を維持するためには、「人民解放軍は中国の主権を防衛するために武力を行使した」とみなされる必要があります。

これは、排他的経済水域(EEZ)とその上空における、国際社会で認め られた軍の活動に対する正当性に対して、EEZとその上空での沿岸国 (中国)の権威・権力を強めることで(外国の軍事行動を牽制し)、台 湾海峡で深刻な危機が起きた場合の中国の先制攻撃の論拠にするだろう ことを示唆しています。

彼らがその主張を確立することによって、「米国の沖合監視と調査飛行 は中国の国家の安全、その独立への侮辱、そして国際法違反だ」とし、 これらの飛行に対して先制攻撃するためにステージを用意し、攻撃を合 法的だとするのでしょう。

このように、EEZとその上空における国際社会の軍の活動に反対し、 沿岸国の権限を強化する中国の努力は、沿岸国が自衛のため合法的に武 力行使するかもしれない状況を想定させます。「中国の200海里以内の海と空域で外国軍の活動を阻止し、米国の監視・調査飛行について国際世論でイニシアチブを得よう」というのが狙いで、これは中国の「法的戦争」として解釈することができます。(つづく)