「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)5月8日(木曜日)
通巻第2176号
蘇る40年前の「メキシコ五輪」の亡霊と悪夢
開会式直前、反政府抗議集会で、おそらく325人が虐殺された
***********************
1968年、メキシコでオリンピックが開催された。独裁政権は、五輪を政治的に利用して国際的イメージを高め、政権の合法性を獲得するためにあの手この手の作戦を練る。独裁に反抗する勢力を根こそぎ壊滅させようとする。治安の維持が最大の命題である。
北京五輪は昨年七月に国内治安対策関係省庁が北京で一同に会して、所謂「テロリスト対策」に最重点をおき、国内に秘密監視拠点を600ヶ所以上の設置を決めた。期間中、「私服」がのべ200万人動員される。北京ほかヨット会場の青島、サッカーの瀋陽などで十月十日まで特別警戒に入る。実際に筆者は先月末から黄金週間をまるまる中国で過ごしたが、各地の警戒、とくに空港における荷物検査は極めて厳しかった。
さて四十年前のメキシコ五輪でなにが起きたか。当時のメキシコは一党独裁の国だった。報道の自由はなく、司法は政治に従属していた。そのうえで、経済は発展していた。まさにいまの中国に似ていた。
五輪直前に反政府運動が盛り上がり、40万人の集会がメキシコシティで開催された。五輪は10月12日からの開催予定だった。その開会式の十日前に、もう一度、大集会が計画されていた。若者らが立ちあがり、政府の腐敗と独裁に抗議した。 特殊部隊が集会の会場に待ちかまえていた。「夕暮れとともに機関銃をぶっ放し、非公式統計で150名から325名が殺された」(英誌『エコノミスト』、08年4月26日号)。
メキシコ政府は「犠牲になったのは20名で、いずれもテロリストの狙撃による」などと発表した。チベット暴動を「ダライ一味の陰謀」と言いつのり、民主活動家を片っ端から拘束している、どこかの独裁政権と遣り方は酷似している。
真相を記事にしようとした記者は「秩序を乱す」容疑で容赦なく逮捕された。メキシコ五輪直前の虐殺は、それから三年封印され、さらにメキシコに於ける独裁政治は、その後も32年に亘って継続した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪(読者の声1)5月8日の胡錦濤主席の早稲田大学訪問に際しては、早稲田の現役学生が大隈講堂前で13時から抗議活動を行うそうです。
これは昨日の青山から代々木へのチベット問題の平和的解決を訴えるデモ後の集会で、早稲田の現役学生さんから発表があった情報です。
この発表に対して、デモの参加者から大声援がおき、「がんばれ!早稲田」と叫んでいる人もいました。お聞き及びかとはおもいますが、こちらの支援は、特に早稲田出身者でなくとも良さそうなので、読者の皆さんのお知らせ願えればと思いメールさせて頂きました。ただし現役学生さんたちによると、通常授業もあるので、静かな抗議となりますとのことです。参加される方はこの点に御配慮いただきたき、よろしくお願い申し上げます。(IH生)
♪(読者の声2)『奸国』(中国)は、チョモランマの頂上に『西禍』(聖火)を燈すとか。アルピニストの野口健氏は 不届きな行為として酷評しておられます、又、災害が発生すると警告されています。オリンピックと『聖火』を此処まで汚したのは有史以来の出来事。でも、其れが、『奸国』が世界に誇るお家芸ですから仕方ありませんか。チョモランマの頂上に『西禍』を燈す目的は、お山の大将が天下盗りを誇るための物に外なりませんが、「10日までに燈す」、と豪語していますが、現地は3~4日に降雪があって登頂の目途が立たないとか。『奸国』狂走隊の登頂を拒否するチョモランマの意思表示でしょうか。『軍隊蟻』の様な『人民虐殺軍』でも、自然の脅威の前にはひれ伏すしか方法が無いのですかね。弱虫の虚勢も程ほどに、と謂ったところでしょうか。自然界の恵を期待します。「宗教は麻薬と同じだ、麻薬患者は撲滅しろ」、との号令の下、仏教徒を悉く虐殺し、民族の心の拠所である仏閣まで破壊尽した殺人狂の張本人、その胡錦濤が最後の『仏教国』に来て『互恵関係』を結ぶとか。福田さん、同盟国アメリカとの関係は如何なさいますか、真逆、多寡が『パンダ』2頭に感激し、同盟国のアメリカを差措いて調印する事は無いでしょうね。他国の仏閣を破壊尽した張本人に我が国の『神社仏閣』の下見までさてあげるのですか、ご丁寧なことですね。
理由の如何を問わず『日本国民』はアメリカの『保護領国家』であったからこそ63年間平和を保つ事が出来たのではないですか、そのアメリカを裏切って真逆『奸国』に『日本国民』売り渡す気ではないでしょうね。又、宮沢気違一の時のように『奸国』の下心ある策謀の招きに応じて『皇室』の御方を『北菌誤輪』観戦に出向いていただく様な事はしないでしょうね。「西側同盟国で一番弱い環」と揶揄されている恥かしき我が『日本国』、恥の上塗りはもうしないで下さい。
高い闇チケットまで購入して浮かれている族も多いと聞きますが、幾ら警告を発していてもそんなの俺には関係ね、と思っている族は大気汚染を腹一杯吸って、汚水をがぶがぶ飲んで、毒入り餃子を鱈腹食って、塗炭の苦しみを味わいながら昇天できたら本望でしょうね。
『吉兆』がした行為は、実害が無かったから許される、と謂う訳の物でもありませんので世間に恥を晒されても仕方のないことですが、児童が一時意識不明に陥る程までに苦しんだ毒入り餃子問題は、その後どう処理されたのですか。『吉兆』の問題は、毒入り餃子問題を再熱させない為の人身御供ですか。
それにしても驚いたのは『中禍』の冷凍食品を、『国家・国民』を守る『自衛隊員』が喰わされているとか。「驚き桃木山椒の木」です。同盟国からは高い軍需品を購入、食糧は敵国に頼るお粗末な国。幾ら高度な装備を有しているとしても、飯が喰えんでは何の役にも立たないというのに。不思議な国ですね、我が『日本国』は。(TK生、佐賀)
(宮崎正弘のコメント)上海行きのJAL、ガラガラでした。黄金週間に、です。広州からの帰りのJAL、これまたガラガラでした。小生は上海から武漢へ飛び(国内線は満員でした。中国も労働節で一週間の黄金週間です)、汽車で長沙へ。ここから武漢作戦、長沙作戦、衝陽作戦、常徳作戦、益州作戦(いずれも日本が陥落させた)、そしてフライングタイガー基地をたたく目的でおこなわれ大失敗に終わった「止江作戦」(止に草冠)の跡地を、尋ね歩きました。長沙にもどって飛行機で広州へ。この国内線も満席でした。日本―中国間の国際線がガラガラなのです。要するに日本人は、猛毒餃子、大気汚染、水が飲めない、日本人と見たら何をされるか分からない。だから中国を避けてしまったようです。日本人の民智というヤツでしょうか。中国の旅行業界は悲鳴を上げていました。ところで、ポール・ボネの大ベストセラーシリーズの題名は「不思議の国、ニッポン」でした。40年前から『週刊ダイヤモンド』に長らく連載されて角川文庫に入ってからも四半世紀以上。しかし、本質はいまも、むかしもチットも変わっていないのです。
♪(読者の声3)エコノミスト長谷川慶太郎がしばらく前(と言っても1~2年),「今の世界的デフレの源泉は中国にあり,今後五十年続く」と予言しました。その根拠は支那の農村部にはほとんど無尽蔵の労働資源があり,それが順次極めて低コストで供給される仕組みになってゐるからだ,とのことでした。また氏は,支那は必ず崩壊する,北京オリンピックはない,とも言ってをりました。その理由の一つに,携帯電話が普及し,政府に不満を持つ人々が携帯を使った連絡網によって連携し,政府の統制が効かなくなってしまふからだ,と言ふのがありました。
いづれも説得力があり,読んでなるほど,と思ったのですが,現実は氏の予言と全く違った方向に動いてをりますね。
石油の暴騰に端を発して世界的な食料品の値上がりがあり,また携帯は反日,反ヨーロッパ,反米を掲げる愛国ナショナリズムの高揚のためにしか役に立ってゐないやうに見えます。
デフレ予想がはづれたのは氏の計算に支那自身の石油をはじめとする天然資源の爆食が入ってゐなかったのかな,と思ひますが,携帯が支那社会の崩壊につながらないのは,環境破壊や格差拡大,役人の腐敗などに対する不満よりも今のところは政府が煽るナショナリズムの方が人々を惹き付ける力が強い,と言ふことなのでせうか。
また歴史を歪曲した反日教育を刷り込まれ,自分の頭で考へ,自分で判断する人々が極めて少ないと言ふ,これまた共産政権の愚民政策の成果がものを言ってゐるのかな,とも思ひます。
愚生も下からの革命で共産政権が崩壊すると予想し,かつ期待もしてゐるのですが,さう簡単には行きさうもないやうに見えます.上記の不満とナショナリズムのバランスが崩れれば事態は大きく動き出しさうな気もしますが.
(NN 生,横浜市)
宮崎正弘のコメント)下旬に出す拙著新刊で詳述する予定ですが、中国共産党政権が崩壊する可能性は、現段階ではきわめて薄い。理由は350万人もの暴力装置です。人民解放軍とは人民を弾圧する暴力装置でしかなく、また「第二軍」である人民武装警察は人民を見張っている。インターネット、携帯電話は国家公安部がモニターしており、いつでも通信をぶっつりと中断できます。さて中国人は率直に言って、複雑な思考回路を持っていて、日本人のような短絡的二元的論理ではありません。
反日教育を信じているのはごくごく少数のカルトです。あと大半の中国人は共産党の宣伝であることくらい、とうに見破っています。「反仏デモ」が暴動にならないでしょう。
官制で最初から制御されているからです。深刻なのは農村部の暴動で、これがやがて「大平天国の乱、現代版」に発展するか、どうか。指導者不足がネックで当面、共産党が瓦解するシナリオは実現性が薄いといわざるを得ないでしょう。小生が唯一可能性があるシナリオとして描けるのは軍の反乱です。一種クーデターの可能性。たとえば全人代で高級幹部が揃った会場を抑えるとか、方法はいくらもあるでしょう。
蛇足ながら長谷川先生の所論、過去二十年ほど拝読したことがありませんので、コメント出来ません。
♪(読者の声4) かっつて中国は、天安門事件を契機に西側各国の反発を買い、世界から孤立化し、経済を停滞させた。ほとほと困った中国は、日本を利用することを思いついた。日本はまんまと中国の術中に嵌まり、天皇訪中、巨額のODAを再開した。西側各国は、慌てて中国との外交、取引を再開し、その後中国は、経済発展をし日本やアメリカ、世界を脅かし始めた。具体的には、「米国の対中赤字は2563億ドルで対日赤字の約3倍」、「米ハーバード大の中国人留学生は403人で日本人留学生の3倍、留学生全体の1割超」、「中国人海外旅行客の買い物支出は世界一の987ドル、」、「中国製せきどめ薬で100人超死亡」、「米国人の82パーセントが中国製品に不安」、「イタリアのミラノの中国人街で暴動、中国人店主200~300人と警官隊がもみあい」、「日本に降り注ぐ酸性雨物質の49パーセントが中国起源」、「自動車需要は世界第2位、携帯電話の生産、販売は世界一」等々、枚挙に暇がないまでになった。そして、いままた、中国はチベット問題で、世界から孤立し始めている。そして、中国の胡錦濤は、再び、世間知らずの日本の福田康夫に近ずき、自らの孤立化を免れようとしている。世界はけっして日本に同調してはいけない、世界は日本を反面教師とすべきだ。(TK生、東京)
(宮崎正弘のコメント)それにしてもパンダ二頭の追加はごめん被りたい。そもそもパンダは中国ではなくてチベットの野生動物です。チベットに返すのが筋です。
♪(読者の声5)貴誌第2175号に猟銃の輸出も武器輸出ではないかとの読者の声ありました。その伝でいうとトヨタのランドクルーザーや日産のサファリなども荷台に機関銃を据えればれっきとした軍用車輌となり、中東では人気があるのは事実ですね。古い話だとベトナム戦争の頃スマート爆弾のカメラがソニー製だと問題になりかけたこともあります。ドバイの砂漠ツアーではほぼ100%日本車でした。ドライバーいわく、砂漠では命がかかっているから信頼性から日本車以外には乗らないとか。それでも必ず砂漠入りの前にタイヤの空気圧を下げ、砂漠では2台1組で走り不測の事態に備えます。私の父は終戦前後、警視庁に勤めていましたが、拳銃が戦後ナンブからS&Wに変わり命中率が下がったと言うはなしをきいたことがあります。銃の手入れはアメリカ製のS&Wのリボルバーの方がずっと楽だったとも。
(PB生)
平成20年(2008年)5月8日(木曜日)
通巻第2176号
蘇る40年前の「メキシコ五輪」の亡霊と悪夢
開会式直前、反政府抗議集会で、おそらく325人が虐殺された
***********************
1968年、メキシコでオリンピックが開催された。独裁政権は、五輪を政治的に利用して国際的イメージを高め、政権の合法性を獲得するためにあの手この手の作戦を練る。独裁に反抗する勢力を根こそぎ壊滅させようとする。治安の維持が最大の命題である。
北京五輪は昨年七月に国内治安対策関係省庁が北京で一同に会して、所謂「テロリスト対策」に最重点をおき、国内に秘密監視拠点を600ヶ所以上の設置を決めた。期間中、「私服」がのべ200万人動員される。北京ほかヨット会場の青島、サッカーの瀋陽などで十月十日まで特別警戒に入る。実際に筆者は先月末から黄金週間をまるまる中国で過ごしたが、各地の警戒、とくに空港における荷物検査は極めて厳しかった。
さて四十年前のメキシコ五輪でなにが起きたか。当時のメキシコは一党独裁の国だった。報道の自由はなく、司法は政治に従属していた。そのうえで、経済は発展していた。まさにいまの中国に似ていた。
五輪直前に反政府運動が盛り上がり、40万人の集会がメキシコシティで開催された。五輪は10月12日からの開催予定だった。その開会式の十日前に、もう一度、大集会が計画されていた。若者らが立ちあがり、政府の腐敗と独裁に抗議した。 特殊部隊が集会の会場に待ちかまえていた。「夕暮れとともに機関銃をぶっ放し、非公式統計で150名から325名が殺された」(英誌『エコノミスト』、08年4月26日号)。
メキシコ政府は「犠牲になったのは20名で、いずれもテロリストの狙撃による」などと発表した。チベット暴動を「ダライ一味の陰謀」と言いつのり、民主活動家を片っ端から拘束している、どこかの独裁政権と遣り方は酷似している。
真相を記事にしようとした記者は「秩序を乱す」容疑で容赦なく逮捕された。メキシコ五輪直前の虐殺は、それから三年封印され、さらにメキシコに於ける独裁政治は、その後も32年に亘って継続した。
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♪(読者の声1)5月8日の胡錦濤主席の早稲田大学訪問に際しては、早稲田の現役学生が大隈講堂前で13時から抗議活動を行うそうです。
これは昨日の青山から代々木へのチベット問題の平和的解決を訴えるデモ後の集会で、早稲田の現役学生さんから発表があった情報です。
この発表に対して、デモの参加者から大声援がおき、「がんばれ!早稲田」と叫んでいる人もいました。お聞き及びかとはおもいますが、こちらの支援は、特に早稲田出身者でなくとも良さそうなので、読者の皆さんのお知らせ願えればと思いメールさせて頂きました。ただし現役学生さんたちによると、通常授業もあるので、静かな抗議となりますとのことです。参加される方はこの点に御配慮いただきたき、よろしくお願い申し上げます。(IH生)
♪(読者の声2)『奸国』(中国)は、チョモランマの頂上に『西禍』(聖火)を燈すとか。アルピニストの野口健氏は 不届きな行為として酷評しておられます、又、災害が発生すると警告されています。オリンピックと『聖火』を此処まで汚したのは有史以来の出来事。でも、其れが、『奸国』が世界に誇るお家芸ですから仕方ありませんか。チョモランマの頂上に『西禍』を燈す目的は、お山の大将が天下盗りを誇るための物に外なりませんが、「10日までに燈す」、と豪語していますが、現地は3~4日に降雪があって登頂の目途が立たないとか。『奸国』狂走隊の登頂を拒否するチョモランマの意思表示でしょうか。『軍隊蟻』の様な『人民虐殺軍』でも、自然の脅威の前にはひれ伏すしか方法が無いのですかね。弱虫の虚勢も程ほどに、と謂ったところでしょうか。自然界の恵を期待します。「宗教は麻薬と同じだ、麻薬患者は撲滅しろ」、との号令の下、仏教徒を悉く虐殺し、民族の心の拠所である仏閣まで破壊尽した殺人狂の張本人、その胡錦濤が最後の『仏教国』に来て『互恵関係』を結ぶとか。福田さん、同盟国アメリカとの関係は如何なさいますか、真逆、多寡が『パンダ』2頭に感激し、同盟国のアメリカを差措いて調印する事は無いでしょうね。他国の仏閣を破壊尽した張本人に我が国の『神社仏閣』の下見までさてあげるのですか、ご丁寧なことですね。
理由の如何を問わず『日本国民』はアメリカの『保護領国家』であったからこそ63年間平和を保つ事が出来たのではないですか、そのアメリカを裏切って真逆『奸国』に『日本国民』売り渡す気ではないでしょうね。又、宮沢気違一の時のように『奸国』の下心ある策謀の招きに応じて『皇室』の御方を『北菌誤輪』観戦に出向いていただく様な事はしないでしょうね。「西側同盟国で一番弱い環」と揶揄されている恥かしき我が『日本国』、恥の上塗りはもうしないで下さい。
高い闇チケットまで購入して浮かれている族も多いと聞きますが、幾ら警告を発していてもそんなの俺には関係ね、と思っている族は大気汚染を腹一杯吸って、汚水をがぶがぶ飲んで、毒入り餃子を鱈腹食って、塗炭の苦しみを味わいながら昇天できたら本望でしょうね。
『吉兆』がした行為は、実害が無かったから許される、と謂う訳の物でもありませんので世間に恥を晒されても仕方のないことですが、児童が一時意識不明に陥る程までに苦しんだ毒入り餃子問題は、その後どう処理されたのですか。『吉兆』の問題は、毒入り餃子問題を再熱させない為の人身御供ですか。
それにしても驚いたのは『中禍』の冷凍食品を、『国家・国民』を守る『自衛隊員』が喰わされているとか。「驚き桃木山椒の木」です。同盟国からは高い軍需品を購入、食糧は敵国に頼るお粗末な国。幾ら高度な装備を有しているとしても、飯が喰えんでは何の役にも立たないというのに。不思議な国ですね、我が『日本国』は。(TK生、佐賀)
(宮崎正弘のコメント)上海行きのJAL、ガラガラでした。黄金週間に、です。広州からの帰りのJAL、これまたガラガラでした。小生は上海から武漢へ飛び(国内線は満員でした。中国も労働節で一週間の黄金週間です)、汽車で長沙へ。ここから武漢作戦、長沙作戦、衝陽作戦、常徳作戦、益州作戦(いずれも日本が陥落させた)、そしてフライングタイガー基地をたたく目的でおこなわれ大失敗に終わった「止江作戦」(止に草冠)の跡地を、尋ね歩きました。長沙にもどって飛行機で広州へ。この国内線も満席でした。日本―中国間の国際線がガラガラなのです。要するに日本人は、猛毒餃子、大気汚染、水が飲めない、日本人と見たら何をされるか分からない。だから中国を避けてしまったようです。日本人の民智というヤツでしょうか。中国の旅行業界は悲鳴を上げていました。ところで、ポール・ボネの大ベストセラーシリーズの題名は「不思議の国、ニッポン」でした。40年前から『週刊ダイヤモンド』に長らく連載されて角川文庫に入ってからも四半世紀以上。しかし、本質はいまも、むかしもチットも変わっていないのです。
♪(読者の声3)エコノミスト長谷川慶太郎がしばらく前(と言っても1~2年),「今の世界的デフレの源泉は中国にあり,今後五十年続く」と予言しました。その根拠は支那の農村部にはほとんど無尽蔵の労働資源があり,それが順次極めて低コストで供給される仕組みになってゐるからだ,とのことでした。また氏は,支那は必ず崩壊する,北京オリンピックはない,とも言ってをりました。その理由の一つに,携帯電話が普及し,政府に不満を持つ人々が携帯を使った連絡網によって連携し,政府の統制が効かなくなってしまふからだ,と言ふのがありました。
いづれも説得力があり,読んでなるほど,と思ったのですが,現実は氏の予言と全く違った方向に動いてをりますね。
石油の暴騰に端を発して世界的な食料品の値上がりがあり,また携帯は反日,反ヨーロッパ,反米を掲げる愛国ナショナリズムの高揚のためにしか役に立ってゐないやうに見えます。
デフレ予想がはづれたのは氏の計算に支那自身の石油をはじめとする天然資源の爆食が入ってゐなかったのかな,と思ひますが,携帯が支那社会の崩壊につながらないのは,環境破壊や格差拡大,役人の腐敗などに対する不満よりも今のところは政府が煽るナショナリズムの方が人々を惹き付ける力が強い,と言ふことなのでせうか。
また歴史を歪曲した反日教育を刷り込まれ,自分の頭で考へ,自分で判断する人々が極めて少ないと言ふ,これまた共産政権の愚民政策の成果がものを言ってゐるのかな,とも思ひます。
愚生も下からの革命で共産政権が崩壊すると予想し,かつ期待もしてゐるのですが,さう簡単には行きさうもないやうに見えます.上記の不満とナショナリズムのバランスが崩れれば事態は大きく動き出しさうな気もしますが.
(NN 生,横浜市)
宮崎正弘のコメント)下旬に出す拙著新刊で詳述する予定ですが、中国共産党政権が崩壊する可能性は、現段階ではきわめて薄い。理由は350万人もの暴力装置です。人民解放軍とは人民を弾圧する暴力装置でしかなく、また「第二軍」である人民武装警察は人民を見張っている。インターネット、携帯電話は国家公安部がモニターしており、いつでも通信をぶっつりと中断できます。さて中国人は率直に言って、複雑な思考回路を持っていて、日本人のような短絡的二元的論理ではありません。
反日教育を信じているのはごくごく少数のカルトです。あと大半の中国人は共産党の宣伝であることくらい、とうに見破っています。「反仏デモ」が暴動にならないでしょう。
官制で最初から制御されているからです。深刻なのは農村部の暴動で、これがやがて「大平天国の乱、現代版」に発展するか、どうか。指導者不足がネックで当面、共産党が瓦解するシナリオは実現性が薄いといわざるを得ないでしょう。小生が唯一可能性があるシナリオとして描けるのは軍の反乱です。一種クーデターの可能性。たとえば全人代で高級幹部が揃った会場を抑えるとか、方法はいくらもあるでしょう。
蛇足ながら長谷川先生の所論、過去二十年ほど拝読したことがありませんので、コメント出来ません。
♪(読者の声4) かっつて中国は、天安門事件を契機に西側各国の反発を買い、世界から孤立化し、経済を停滞させた。ほとほと困った中国は、日本を利用することを思いついた。日本はまんまと中国の術中に嵌まり、天皇訪中、巨額のODAを再開した。西側各国は、慌てて中国との外交、取引を再開し、その後中国は、経済発展をし日本やアメリカ、世界を脅かし始めた。具体的には、「米国の対中赤字は2563億ドルで対日赤字の約3倍」、「米ハーバード大の中国人留学生は403人で日本人留学生の3倍、留学生全体の1割超」、「中国人海外旅行客の買い物支出は世界一の987ドル、」、「中国製せきどめ薬で100人超死亡」、「米国人の82パーセントが中国製品に不安」、「イタリアのミラノの中国人街で暴動、中国人店主200~300人と警官隊がもみあい」、「日本に降り注ぐ酸性雨物質の49パーセントが中国起源」、「自動車需要は世界第2位、携帯電話の生産、販売は世界一」等々、枚挙に暇がないまでになった。そして、いままた、中国はチベット問題で、世界から孤立し始めている。そして、中国の胡錦濤は、再び、世間知らずの日本の福田康夫に近ずき、自らの孤立化を免れようとしている。世界はけっして日本に同調してはいけない、世界は日本を反面教師とすべきだ。(TK生、東京)
(宮崎正弘のコメント)それにしてもパンダ二頭の追加はごめん被りたい。そもそもパンダは中国ではなくてチベットの野生動物です。チベットに返すのが筋です。
♪(読者の声5)貴誌第2175号に猟銃の輸出も武器輸出ではないかとの読者の声ありました。その伝でいうとトヨタのランドクルーザーや日産のサファリなども荷台に機関銃を据えればれっきとした軍用車輌となり、中東では人気があるのは事実ですね。古い話だとベトナム戦争の頃スマート爆弾のカメラがソニー製だと問題になりかけたこともあります。ドバイの砂漠ツアーではほぼ100%日本車でした。ドライバーいわく、砂漠では命がかかっているから信頼性から日本車以外には乗らないとか。それでも必ず砂漠入りの前にタイヤの空気圧を下げ、砂漠では2台1組で走り不測の事態に備えます。私の父は終戦前後、警視庁に勤めていましたが、拳銃が戦後ナンブからS&Wに変わり命中率が下がったと言うはなしをきいたことがあります。銃の手入れはアメリカ製のS&Wのリボルバーの方がずっと楽だったとも。
(PB生)