ブラックリストは、憲法が保障する「表現の自由」に抵触しないよう児童ポルノサイトに限定する
ネットから児童ポルノ遮断、接続業者に義務化…与党改正案
インターネット上から児童ポルノを排除するため、自民、公明の与党プロジェクトチーム(PT)は、国内のネット利用者が児童ポルノサイトに接続できなくなる「ブロッキング」制度を、児童買春・児童ポルノ禁止法の改正案に盛り込むことを決めた。
プロバイダー各社に対し、ネット利用者による児童ポルノサイトへの接続を遮断するよう努力義務を課す方向で最終調整に入っており、大手プロバイダーも導入に前向きの姿勢を示している。与党PTは連休明けにも同法改正案をまとめ、今国会中の成立を目指す。 ネット上の特定サイトに接続を禁じる措置が法制化されれば国内初。 ブロッキングは2004年以降、英国やスウェーデン、イタリアなどで導入され、ネット上からの児童ポルノの締め出しに効果をあげている。警察などが作った児童ポルノサイトの「ブラックリスト」をもとに、プロバイダーなどが専用ソフトを使って対象サイトへの接続を遮断する仕組みで、サイト開設者がプロバイダーから削除されないよう海外のサーバーを使っている場合も、利用者は閲覧ができなくなる。 現行の児童買春・児童ポルノ禁止法は児童ポルノの売買や譲渡は処罰の対象としているものの、ネット上から児童ポルノをパソコンや携帯電話に取り込む「単純所持」は処罰されない。警察庁の委託を受けた団体が削除要請をしているが、強制力はなく、応じないケースも多い。 与党PTは、同法改正案に単純所持に罰則を科す方針を打ち出していた。しかし、これだけでは単純所持の摘発対象者が多すぎて捜査が追い付かず、児童ポルノを見ようとする利用者も減らないため、与党PTは、サイトそのものを見られなくする措置が必要と判断した。改正案は、プロバイダーに努力義務を課す方向で調整している。与党PTは2日に大手2社の意見を聞くなど具体的な実施方法の検討に入る。 ブラックリストは、憲法が保障する「表現の自由」に抵触しないよう児童ポルノサイトに限定する方針。 |
5月2日3時8分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000061-yom-soci