福田首相が北京五輪開会式出席の意向 ~中国が感じるのは「借り」ではなく「忠誠心」(アジアの真実) | 日本のお姉さん

福田首相が北京五輪開会式出席の意向 ~中国が感じるのは「借り」ではなく「忠誠心」(アジアの真実)

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▼福田首相が北京五輪開会式出席の意向 ~中国が感じるのは「借り」ではなく「忠誠心」(アジアの真実)
●対中外交にらみ「貸し」 米との共同歩調も考慮 :中国新聞
チベットの人権問題を理由に欧州各国首脳が北京五輪開会式出席を見送る中、福田康夫首相が出席する方向になった背景には中国側に「貸し」をつくることで、今後の対中外交を有利に展開したいとの思惑がある。ブッシュ米大統領も出席する考えを堅持しており、日米が共同歩調になることも後押ししたようだ。ただ、チベット問題の決着が見通せない段階での出席判断には、内外の対中国強硬派による反発が予想される。七月に主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を控え、首相が厳しい批判にさらされる可能性も否定できない。

五輪開会式に誰を出席させるのか、政府は回答を迫る中国側に対し、具体的な言及を避け続けてきた。胡錦濤国家主席の来日を目前に、五輪出席問題は「東シナ海のガス田問題などで譲歩を引き出す強力な外交カードになる」(政府関係者)として、慎重に判断のタイミングを探っていた。「中国政府が努力している最中に、五輪に参加しないとか言うべきではない」。首相はこれまでチベット問題で対話推進を促す一方、中国に批判的な欧州諸国の立場とは一線を画してきた。政府筋は「中国側の出方次第では、自分が開会式に行ってもいいというシグナルだった」と、発言の意図を解説する。中国側もこうした日本の対応に一定の配慮を示してきた。中国外務省が四月二十五日にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世側との対話再開に向けた準備を進めていると公表した際、日米両政府に外交ルートを通じて内容を事前通知したのは、その表れだ。
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「本当にこの首相は何をやっているんだろう。」というのが正直な感想です。こんなことをこのタイミングで発表して本気で「貸し」が作れるなどと思っているのであれば、これほど政治センスがない人物も珍しいと言えるでしょう。北京オリンピックの開会式へ日本の首相が出席することを今意思表示することで、中国が感じるのは「借り」ではなく「日本の忠誠心」です。毒餃子問題は全く解決しておらず、靖国問題をはじめとする歴史問題も未解決、東シナ海ではガス田の盗掘が続けられ、さらには世界中が非難しているチベット問題。日中二国間だけでこれだけの懸念材料を抱えているのです。その上、中国は世界中から非難の集中放火を浴びている真っ最中。

そこへ何の見返りもない状態で、のこのこと出かけていくと言うのですから、中国からすれば、「日本は毒餃子問題があろうと、資源を盗掘しようと、チベット問題で世界中から非難されていようとも、ちゃんと言うことを聞く本当に扱いやすい属国だ」としか映らないでしょう。
中国は北京オリンピックはなんとしても成功させたいのです。それなのに、EU各国の首脳は開会式のボイコットを続々と決定し、開会式からつまずいてしまっている。だから成功をアピールするために、大国の首脳を一人でも多くかき集めたい。これが今の中国にとって最大の弱みなのです。例えば、開会式出席の態度を保留し続け、胡錦涛氏が来日するときに、「○○問題の解決の糸口がつけば開会式には出席できるだろう。」とでも発言し、なんらかの譲歩を引き出す、または中国を牽制するような発言がなぜできないのか。なんの見返りもなく、こんなタイミングで突然「行きます」と発表して貸しなどできるわけがないのです。今回の報道は、福田氏の政治センスを本当によく見せつけてくれた気がします。
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▼トイレットペーパー内閣 (罵愚と話そう)
「パンダ外交から人権外交へ、」について 胡錦濤の来日やら北海道サミットやら、はなやかな外交行事とはうらはらに、国内の評価は最低を通りこしているし、いつコケても不思議ではない。先日の報道では、内閣支持率が20%台といっていたが、こんな内閣を支持している国民が5人にひとりもいるなんて信じられない。 おおかたサミットが閉店セールになって、この内閣は店じまいのシナリオが確定的なんだろうが、たまった〝つけ〟は全部この内閣に押しつけて、自民党は再出発を、民主党は新政権を開始する算段だ。つまり、倒産。福田内閣に借金を全部押しつけて、あたらしい政権では、まっさらな帳簿を記帳しはじめようと…国民、有権者は、あたらしい状況になれば、昨日のことは忘れる。麻生内閣とか、民主党政権がテレビ画面にうつしだされれば、年金も高齢者医療も道路も、なにもかもが忘れ去られて吹っ飛んでしまう国民性だ。いわば、積年の堆積した汚物と心中して、水に流されるトイレットペーパーのような運命を背負わされたのが福田内閣だったのだ。
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▼中国がチベットを重視する理由 (大島信三)
きょう、発売される『正論』6月号に、<中国軍はいかにしてチベットを支配したか>というタイトルで、平松茂雄氏(中国軍事学者)の論文が載っている。中国は、なぜチベットを地政学的に重視するのか。中国からみたチベットの戦略的位置とは? そういった問いに、平松論文はわかりやすく答えているので、すこし紹介したい。

平松氏によれば、中国がチベットに多大の資金と資源と労働力を投入してチベットを開発するのは、チベットがインドを中心とする南アジアへの影響力を拡大する場合に重要な位置にあるからであり、さらにパキスタンからアフガニスタン、イランへの西アジアに影響力を及ぼすうえで、チベットの果たす役割が重要だからだという。さらに平松氏は、<チベット地区は、天然ウラン、金、銀、銅、リチウム、クロム、白雲母、鉄、鉛などの鉱物資源が豊富に埋蔵されているとみられる>と指摘する。また、石油資源の埋蔵も確認されたという報道もある。広大な中国大陸のなかにあっても、チベット自治区の大きさは、かすむようなことはない。その広がりのなかに、どれだけの資源があるのか。実際のところ、まだはっきりとはわかっていない。環境破壊という批判をよそに、中国政府のこの資源の宝庫への期待はふくらむばかりといってよい。平松氏がいうように、<資源という観点だけからも、中国がチベットを手放すことはありえない>のである。
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▼『クロッシング』上映会の関連記事 (島田洋一)
下記、数日前、韓国映画『クロッシング』について書いたエントリの関連情報。韓国紙・朝鮮日報(日本語版)に載った記事です。
http://www.chosunonline.com/article/20080430000056

米議員も感動、脱北者扱った映画『クロッシング』(上)
ワシントンで試写会
28日午後(現地時間)、ワシントンの米国議会図書館で行われた、脱北者をテーマにした映画『クロッシング』(チャ・インピョ主演、キム・テギュン監督)の試写会。北朝鮮の人権蹂躙の実態を訴える米国の市民団体の連合組織「北朝鮮自由連合(NKFL)」が主管す「北朝鮮自由週間」のイベントの一環として行われた今回の試写会には、下院外交委員会のデニス・ハルピン、ダグ・アンダーソン両委員や、エド・ロイス下院議員の公設秘書を務めるヨン・キムさんなどの議会関係者、北朝鮮人権委員会のピーター・ベック事務局長、脱北者で「自由北朝鮮放送」代表の金聖民(キム・ソンミン)さん、日本の「拉致被害者を救う会」副会長を務める福井県立大の島田洋一教授、在米日本大使館の関係者など約100人が参加した。米国議会図書館の別館「ジェームズ・メモリアルビル」3階の上映室に集まった参加者たちは、北朝鮮咸鏡南道のサッカー代表選手だったキム・ヨンス(チャ・インピョ)が、栄養失調に加え結核も患った妻(ソ・ヨンファ)と11歳の息子ジュニ(シン・ミョンチョル)を残したまま、食べ物を求めて中国へ逃れた場面から涙を流していた。そして、故郷に残されたヨンスの妻が息を引き取り、その遺体を運ぶトラックを息子ジュニが追いかけながら「お母さんを連れて行かないで!」と絶叫する場面は、さらに参加者たちの涙を誘った。昨夜は夜1時前に寝て、細切れに何度か眠った後、早朝4時に完全に目が覚めた。時差ボケの中では、比較的睡眠が取れた方だろう。昨日午後3時から連邦議会図書館の映写室で、6月に封切られる韓国映画『クロッシング(境界越え)』を、増元照明氏、スーザン古森氏らとともに見た。それほど広い部屋ではない。韓国系米人ナム・シヌ「北朝鮮自由連合」副代表らの尽力で、ワシントンの「北朝鮮自由週間」に合わせた試写会が実現したものだ。脱北者と北に残された家族を扱った、非常に感動的なよくできた映画である。下記サイトで、予告編を見ることができる。
http://youtube.com/watch?v=dJNvEtEuL5A&feature=related

ただ、結末を言うわけにはいかないが、あまりに救いのない悲劇で終わっている。ハッピーエンドとまでは言わないが、少しはカタルシスが欲しいところだ。これでは、つらすぎる。北朝鮮当局や後見役の中国共産党がやっていることは、この映画に描かれたとおりだろう。この状態を継続させ、甘い汁を吸っている邪悪な連中をどう除去するか、『クロッシング』が的確に描いた状況を、どう戦いの中で打ち破るか、が現実政治においても、芸術表現においても課題となろう。金正日を追いつめ、葬り去る作戦を描く必要がある。30日に会うイリアナ・ロスレーティネン下院議員の上級スタッフ、デニス・ハルピン氏や、脱北者のキム・ソンミン「北韓自由放送」代表、チャック・ダウンズ氏、そしてもちろん、スザンヌ・ショルティ「北朝鮮自由連合」代表も姿を見せた 。