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ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼米国次期大統領有力候補オバマが「朝鮮半島有事」に言及した背景を読み解く。(じじ放談)
4月28日付け日本経済新聞・夕刊に「朝鮮半島有事にオバマ氏が言及:米軍即応体制に懸念」と題する以下1,2の記事が掲載された。
1.米大統領選で民主党のトップを走るオバマ上院議員は27日のFOXテレビ番組で、イラク駐留米軍の撤退を求める理由の一つとして、米軍全体に人員的な余裕がなくなっており、「現在、戦略的な予備部隊がないと懸念せざるを得ない」と表明した。例として、「朝鮮半島や世界のどこかで緊急事態が起きたら対応できる部隊がない」と朝鮮半島で緊急事態が発生する可能性に言及した。
2.オバマ氏はイラク駐留米軍のぺトレアス司令官が中央軍司令官に昇格したことについて「あなたが大統領になり、司令官がイラクからの即時撤退は間違いだと進言したら、司令官を交代させるか」との質問への回答で、朝鮮半島有事の可能性に触れた。
第1:なぜ、オバマは「イラクからの撤退」を掲げるのか?
(1)大義なきイラク戦争
アフガニスタン戦争は、米国の軍事・経済の中枢に対するテロ攻撃に対する反撃であったから、国際社会もこれを支持した。だが、イラクの「核開発疑惑」や「化学兵器の製造疑惑」は諜報機関の捏造であることが判明した。米軍は、イラク占領後、イラク国内をくまなく探したが「証拠」を見つけることができなかった。つまり、「ガセネタ」を材料にして主権国家イラクを攻撃し占領した訳である。フランスを初めEU諸国ほかが非難したのは当然である。当時、米国政治の実権を握っていたネオコンが「世界の民主化を実現する」一環としてイラク戦争を推進したことが明らかになった。今や米国内でも「大義なきイラク戦争」との批判が高まっている。
(2)イラク等戦費の重圧が、米国経済の重しになっている。
08年会計年度(07年10月から08年9月まで)の予算教書によると、イラク戦費を中心としたテロとの戦争関連は総額2400億ドル(約25兆円)である。当初予算で1400億ドル、補正予算で1000億ドルである。なお、08年度の国防費は当初予算ベースで6000億ドル強である。
(以上、2007年2月3日ウエブサイト「アサヒコム」より抜粋)04年度の米国の軍事費は4559億ドル(2007世界地図資料31ページ)であるから、国防費全体も急増している。我が国の国家予算に匹敵する金額が国防予算に充当されているから、米国財政も「火の車」なのであろう。イラク派遣米軍約16万人の駐留を継続することが、米国の財政負担上困難になっている。加えて、イラク駐留米軍兵士は「大義なき戦争」で士気が低下しているというから、戦争を継続する能力が低下しているのかもしれぬ。
(3)米国経済の失速を「新ニューデール政策」で乗り切る「カネ」を工面する必要がある。
周知のとおり、米国経済は住宅バブルの崩壊に始まる金融危機が実体経済に波及し、スタグフレーションに陥る危険性が強まっている。今後、インフレ下の不景気で企業業績が悪化、倒産が増加、失業者が急増するおそれが高い。景気を回復させ雇用を創出する特効薬として活用されるのが「大規模な公共事業」である。そういえば、韓国の李明博大統領も「運河構想」や「韓国と日本間の海底トンネル構想」を打ち出したことがある。オバマは「イラク戦費を削減して公共事業に充てる」とはいっていない。だが、オバマの「弱者保護対策」や「雇用促進対策」を大規模に行うためには「先立つもの」が必要である。資金を捻出する必要があるから「イラク戦費」に目をつけたとしても不思議ではない。大いにあり得る。
第2.オバマが「朝鮮半島有事」を語った背景を読む。
オバマは「イラクに16万人、アフガンに2万人の兵士を派遣しているから、朝鮮半島などで緊急事態が発生した場合、対応できる部隊がいない」という。短い発言内容で詳細は不明であるが、深読みしてみたい。
(1)イラク・アフガン派遣軍は、世界各地に駐留している米軍をかき集めたものなのか?
2007世界地図資料による2004年の米軍海外派遣軍(イラク・アフガン・クウエートを除く)は以下のとおりである。
ドイツ・・・6万6418人、日本・・・3万8660人、韓国・・・3万983人、イタリア・・・1万1841人、イギリス・・・1万346人、以下略。日本と韓国には約7万人の米軍が駐留していることになっている。「思いやり予算」もこれを基準にして支出しているのではあるまいか。オバマがいう「有事に対応できる部隊がいない」という言葉が事実とすれば、在日米軍並びに在韓米軍はイラクやアフガンに出向していて「もぬけの殻になっている」ということか。
つまりこういうことか。朝鮮半島や台湾海峡で緊急事態が発生した場合、在日・在韓米軍は「もぬけの殻」であるから、韓国軍や台湾軍だけで戦争するほかないということか。であれば「米韓軍事同盟」並びに「日米軍事同盟」は実効性のない空手形というほかはない。米国務省やライス国務長官が繰り返す「米国の核の傘を信用してもらってよい」という言葉は、何ら裏付けのない、その場しのぎの空証文ということになりはしないか。
(2)オバマがいう「米軍の緊急事態即応体制を回復させるためにはイラク撤兵しかない」言葉が意味するもの。
イラク・アフガン戦争に米軍を18万人以上をつぎ込んでいるため、極東米軍が「もぬけの殻」になっているとすれば「力の空白」が生じていることになる。危険な事態といわざるをえない。極東米軍の空白状態を「千載一遇の好機」とみなし、中国人民解放(弾圧)軍が台湾進攻作戦に踏み切るかもしれぬ。または、北朝鮮軍が韓国に侵攻しないとはいえない。「鬼(米)のいぬ間の洗濯(戦争)」と敵が考えても不思議ではない。敵にとっては「絶好のチャンス」なのだ。在日・在韓米軍が復帰するまでの間に「一戦交えるか」と企んでも不思議ではない。世界中の紛争に出かける米軍に依存する「日米・米韓・米台軍事同盟」は安全保障の基礎になり得るのか?日本、韓国並びに台湾は、今こそ、建前と幻想抜きで「客観的状況」を検証すべきではないか。そして「米軍依存を脱却」して、自主国防力の強化に努めるべきではないか。
第3.遠くない将来、極東米軍の撤退は加速するのではないか?
オバマがいうとおり、イラク駐留米軍を撤退させ、在日・在韓米軍の戦力を回復したとしても、永続する保障はない。米国の財政悪化を勘案すると、削減される方向に変化はあるまい。日本、韓国、台湾は、自主国防力を強化せざるをえない。強大な中国の軍事力から民族と国家を防衛するため、日・韓・台の3国軍事同盟も模索することになるかもしれぬ。又はロシアとの軍事同盟も検討課題になるかもしれぬ。
週刊「東洋経済」5月3・10日合併号は「沖縄:三重のねじれの解決策。海兵隊は規模縮小。新普天間も不要」と題するピーター・エニス記者の以下1,2,3,4の論稿を掲載している(抜粋)。エニス記者の主張は、世界各地の米軍基地の縮小と米軍撤退を先取りしたものである。
1.ある米国高官は「北朝鮮との有事があったとしても、初動段階では空軍と海上発射ミサイルが重要な役割を果たす。韓国軍も強力であり、海兵隊は沖縄からでなくグアムや米西海岸から派遣しても十分に間に合う」と語っている。
2.より大きく見れば、在日米軍の兵力は3か所に統合されるべきだろう。まず、三沢基地である。当初はソ連攻撃を想定し、核兵器保有の戦略空軍基地として置かれたが、現在では北朝鮮への抑止力の一環として機能しうる。
3.次に横須賀基地。在日米海軍の中心基地であり、東アジアの広大な海域をカバーする基地として決定的な重要性を持っている。
4.そして沖縄の嘉手納基地だ。大規模な空輸能力を備え、地球上のどこへでも大量の兵力を素早く移動させることができる。
米海軍佐世保基地や米空軍岩国基地を返還してくれることに異存はない。だが、横須賀米海軍基地は「首都圏に睨みをきかす」というのが本音であろう。東アジアに睨みをきかすというより「日本に睨みをきかす」と言い換えるべきだ。東アジア対策というのであれば、佐世保基地の方が重要で、かつ地理的な優位性がある。米海軍横須賀基地は「首都圏対応部隊」以外の用途を考えることはできない。エニスは嘉手納基地を「世界の紛争地域への出撃拠点」という。明らかに「日米安保条約」の範囲を超えている。嘉手納基地を貸与する法的根拠はないのではなかろうか。米国の出撃拠点を提供する法的義務はないから、嘉手納基地を返還してもらうべきであろう。エニスは「三沢基地は核兵器保有の戦略空軍基地として置かれた」という。つまり、在日米軍基地には「核兵器が貯蔵されていた」と白状している。我が国の政府は「非核三原則遵守」と喧伝してきたが、在日米軍は「非核三原則」には拘束されないというのだ。当然の話ではある。だから、我が政府が「非核三原則遵守」と叫んでも、世界中、誰も信用しない。もちろん、日本に寄港する米国軍艦や潜水艦のほとんどが「核ミサイル」を搭載しているはずだ。世界中でこれを疑うものはいない。さらに、在日米空軍基地にも核ミサイル貯蔵施設が現存していても不思議ではない。世界中に展開している米空軍の内、「在日米空軍だけが核ミサイルを取り外している」といっても誰も信用しない。
(まとめ)
米国陸軍は人手不足に悩んでいる。だから、エニスは「陸上戦闘は、韓国軍や日本の自衛隊が責任を持て」というのだ。米軍は船舶、航空機、原子力潜水艦で応援してやるという訳である。「米軍にオンブニダッコという依存心を捨てろ」というのだ。米国財政の破綻状況から判断すると、誰が大統領になっても、米国はイラクから撤退せざるをえない。そして、世界各地に駐留している米軍を縮小し米国に引き上げざるをえない。米国海軍・空軍・海兵隊の縮減も避けられない。
米国はかっての米国ではない。
我が国の防衛は、そろそろ「自主防衛路線」に転換すべきであろう。横須賀基地に米国の原子力空母が配備されるのも近い。米国が財政上の理由で、この空母を保持できなくなった場合は、我が国が買い取ったら如何であろうか。当初は、研修という名目をつけ日米共同管理という形態でも差し支えない。自前で「原子力空母を建造するよりも、中古品の方が安上り」だし、有事即応できる。米国が中国政府に遠慮して「原子力空母の売却を渋る」ようであれば、ロシアから最新型原子力潜水艦を購入する道を模索することになろう。交渉事は信頼だけでなく「切り札」が必要である。「切り札」がなければ誰も妥協してくれないから、ロシアを対米交渉の「切り札」に使うべきだろう。オバマが「極東米軍が空洞化しいている事実」を率直に告白してくれたことに感謝したい。何事も「事実」から出発すべきだ。甘い幻想に浸っている場合ではない。民族と国家の存亡がかかっているのだから、現実を直視して、国防のあらゆる可能性を追求したいと思うのだ。
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1. Posted by ROM 2008年04月29日 08:10
中長期的に考えれば、アメリカがいつまでも覇権を維持していられるわけはなく、いずれ東アジアから撤退するだろう事は予測できた事ですね。かつてニクソンショックというのがありました。周知の通り、アメリカが日本の頭越しに中国と国交正常化した事件です。ベトナム戦争を終わらせるために、ベトナムを支援していたソ連を牽制するため、アメリカは当時ソ連と対立していた中国と結んだ。実はニクソンショックの前に、アメリカは日本に核武装込みの自主防衛を要請していた
(西村幸祐編集・ぼくらの核武装論)
アメリカ一国で東アジアの自由主義陣営を守るのは負担だったのは明白です。しかし、当時の首相であった佐藤栄作はアメリカの庇護下で経済発展する道を選択してしまった。超大国の庇護下で経済発展に専念する。短期的な戦略としては有りでしょうが、中長期的な戦略としては非常に不味い物です
2. Posted by ROM 2008年04月29日 08:12
国として死活的重要な国防を他国に依存するのは、政治的隷属を意味するものであり、それは誤りだからです。1981年、レーガン政権になるとアメリカの対日貿易赤字は日本の防衛ただ乗りが原因だとして、アメリカは日本に米国債の購入を要求するようになった。アメリカは国防で依存してくる国に対して帝国主義をやる。それ以降、日本はアメリカに徹底的に経済的に搾取され、今日に到ります。政府日銀が今まで購入してきた米国債は100兆円以上。銀行、証券会社、大企業、個人も合わせると500兆円以上です(副島隆彦著書・ドル覇権の崩壊)この他にも思いやり予算や年次改革要望書、在沖縄海兵隊のグアムへの移転費用3兆円。
3. Posted by ROM 2008年04月29日 08:12
日本が今までアメリカに払って来たみかじめ料は膨大なもので、それなら自主核武装した方が遙かに安上がりだったのではないでしょうか
今、日本の最高責任者がしなければならない事は、日本の安全と独立を守るために 必要とあれば核武装も辞さないことです
4. Posted by 白髪爺 2008年04月29日 09:00
同意見です。問題は、これを実現できる強力な政権を如何につくるかですね。そして、中国共産党のエージェントになって日本国民を中国寄りに導しているメディアと学校教育を如何に変えるかが課題ですね。願望を実現する具体的方法を研究し、実現することが肝要かと思います。さもないと「犬の遠吠え」で終わってしまいますから。
5. Posted by ようちゃん 2008年04月30日 01:25
★米国が海兵隊や戦艦、空爆撃機までも 減少させる事なら、 日本に在る核ミサイルも 原子力潜水艦もそのまま 日本が大量のホゴとなる紙切れの米国債権証書と交換して 現物で引き取る交渉をした方が賢明です。 日本と米国は共同訓練などの実施で征服まで類似してて、英語で全部やってるし、米国製の武器が大量にライセンス販売されてるので 混乱も起きない。 米国はその国内の軍事産業をも崩壊させる事になる軍縮にはかなり以上の抵抗があると思う。空手形になる巨額な米国債と交換する方が相互利益になる。
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▼米国次期大統領有力候補オバマが「朝鮮半島有事」に言及した背景を読み解く。(じじ放談)
4月28日付け日本経済新聞・夕刊に「朝鮮半島有事にオバマ氏が言及:米軍即応体制に懸念」と題する以下1,2の記事が掲載された。
1.米大統領選で民主党のトップを走るオバマ上院議員は27日のFOXテレビ番組で、イラク駐留米軍の撤退を求める理由の一つとして、米軍全体に人員的な余裕がなくなっており、「現在、戦略的な予備部隊がないと懸念せざるを得ない」と表明した。例として、「朝鮮半島や世界のどこかで緊急事態が起きたら対応できる部隊がない」と朝鮮半島で緊急事態が発生する可能性に言及した。
2.オバマ氏はイラク駐留米軍のぺトレアス司令官が中央軍司令官に昇格したことについて「あなたが大統領になり、司令官がイラクからの即時撤退は間違いだと進言したら、司令官を交代させるか」との質問への回答で、朝鮮半島有事の可能性に触れた。
第1:なぜ、オバマは「イラクからの撤退」を掲げるのか?
(1)大義なきイラク戦争
アフガニスタン戦争は、米国の軍事・経済の中枢に対するテロ攻撃に対する反撃であったから、国際社会もこれを支持した。だが、イラクの「核開発疑惑」や「化学兵器の製造疑惑」は諜報機関の捏造であることが判明した。米軍は、イラク占領後、イラク国内をくまなく探したが「証拠」を見つけることができなかった。つまり、「ガセネタ」を材料にして主権国家イラクを攻撃し占領した訳である。フランスを初めEU諸国ほかが非難したのは当然である。当時、米国政治の実権を握っていたネオコンが「世界の民主化を実現する」一環としてイラク戦争を推進したことが明らかになった。今や米国内でも「大義なきイラク戦争」との批判が高まっている。
(2)イラク等戦費の重圧が、米国経済の重しになっている。
08年会計年度(07年10月から08年9月まで)の予算教書によると、イラク戦費を中心としたテロとの戦争関連は総額2400億ドル(約25兆円)である。当初予算で1400億ドル、補正予算で1000億ドルである。なお、08年度の国防費は当初予算ベースで6000億ドル強である。
(以上、2007年2月3日ウエブサイト「アサヒコム」より抜粋)04年度の米国の軍事費は4559億ドル(2007世界地図資料31ページ)であるから、国防費全体も急増している。我が国の国家予算に匹敵する金額が国防予算に充当されているから、米国財政も「火の車」なのであろう。イラク派遣米軍約16万人の駐留を継続することが、米国の財政負担上困難になっている。加えて、イラク駐留米軍兵士は「大義なき戦争」で士気が低下しているというから、戦争を継続する能力が低下しているのかもしれぬ。
(3)米国経済の失速を「新ニューデール政策」で乗り切る「カネ」を工面する必要がある。
周知のとおり、米国経済は住宅バブルの崩壊に始まる金融危機が実体経済に波及し、スタグフレーションに陥る危険性が強まっている。今後、インフレ下の不景気で企業業績が悪化、倒産が増加、失業者が急増するおそれが高い。景気を回復させ雇用を創出する特効薬として活用されるのが「大規模な公共事業」である。そういえば、韓国の李明博大統領も「運河構想」や「韓国と日本間の海底トンネル構想」を打ち出したことがある。オバマは「イラク戦費を削減して公共事業に充てる」とはいっていない。だが、オバマの「弱者保護対策」や「雇用促進対策」を大規模に行うためには「先立つもの」が必要である。資金を捻出する必要があるから「イラク戦費」に目をつけたとしても不思議ではない。大いにあり得る。
第2.オバマが「朝鮮半島有事」を語った背景を読む。
オバマは「イラクに16万人、アフガンに2万人の兵士を派遣しているから、朝鮮半島などで緊急事態が発生した場合、対応できる部隊がいない」という。短い発言内容で詳細は不明であるが、深読みしてみたい。
(1)イラク・アフガン派遣軍は、世界各地に駐留している米軍をかき集めたものなのか?
2007世界地図資料による2004年の米軍海外派遣軍(イラク・アフガン・クウエートを除く)は以下のとおりである。
ドイツ・・・6万6418人、日本・・・3万8660人、韓国・・・3万983人、イタリア・・・1万1841人、イギリス・・・1万346人、以下略。日本と韓国には約7万人の米軍が駐留していることになっている。「思いやり予算」もこれを基準にして支出しているのではあるまいか。オバマがいう「有事に対応できる部隊がいない」という言葉が事実とすれば、在日米軍並びに在韓米軍はイラクやアフガンに出向していて「もぬけの殻になっている」ということか。
つまりこういうことか。朝鮮半島や台湾海峡で緊急事態が発生した場合、在日・在韓米軍は「もぬけの殻」であるから、韓国軍や台湾軍だけで戦争するほかないということか。であれば「米韓軍事同盟」並びに「日米軍事同盟」は実効性のない空手形というほかはない。米国務省やライス国務長官が繰り返す「米国の核の傘を信用してもらってよい」という言葉は、何ら裏付けのない、その場しのぎの空証文ということになりはしないか。
(2)オバマがいう「米軍の緊急事態即応体制を回復させるためにはイラク撤兵しかない」言葉が意味するもの。
イラク・アフガン戦争に米軍を18万人以上をつぎ込んでいるため、極東米軍が「もぬけの殻」になっているとすれば「力の空白」が生じていることになる。危険な事態といわざるをえない。極東米軍の空白状態を「千載一遇の好機」とみなし、中国人民解放(弾圧)軍が台湾進攻作戦に踏み切るかもしれぬ。または、北朝鮮軍が韓国に侵攻しないとはいえない。「鬼(米)のいぬ間の洗濯(戦争)」と敵が考えても不思議ではない。敵にとっては「絶好のチャンス」なのだ。在日・在韓米軍が復帰するまでの間に「一戦交えるか」と企んでも不思議ではない。世界中の紛争に出かける米軍に依存する「日米・米韓・米台軍事同盟」は安全保障の基礎になり得るのか?日本、韓国並びに台湾は、今こそ、建前と幻想抜きで「客観的状況」を検証すべきではないか。そして「米軍依存を脱却」して、自主国防力の強化に努めるべきではないか。
第3.遠くない将来、極東米軍の撤退は加速するのではないか?
オバマがいうとおり、イラク駐留米軍を撤退させ、在日・在韓米軍の戦力を回復したとしても、永続する保障はない。米国の財政悪化を勘案すると、削減される方向に変化はあるまい。日本、韓国、台湾は、自主国防力を強化せざるをえない。強大な中国の軍事力から民族と国家を防衛するため、日・韓・台の3国軍事同盟も模索することになるかもしれぬ。又はロシアとの軍事同盟も検討課題になるかもしれぬ。
週刊「東洋経済」5月3・10日合併号は「沖縄:三重のねじれの解決策。海兵隊は規模縮小。新普天間も不要」と題するピーター・エニス記者の以下1,2,3,4の論稿を掲載している(抜粋)。エニス記者の主張は、世界各地の米軍基地の縮小と米軍撤退を先取りしたものである。
1.ある米国高官は「北朝鮮との有事があったとしても、初動段階では空軍と海上発射ミサイルが重要な役割を果たす。韓国軍も強力であり、海兵隊は沖縄からでなくグアムや米西海岸から派遣しても十分に間に合う」と語っている。
2.より大きく見れば、在日米軍の兵力は3か所に統合されるべきだろう。まず、三沢基地である。当初はソ連攻撃を想定し、核兵器保有の戦略空軍基地として置かれたが、現在では北朝鮮への抑止力の一環として機能しうる。
3.次に横須賀基地。在日米海軍の中心基地であり、東アジアの広大な海域をカバーする基地として決定的な重要性を持っている。
4.そして沖縄の嘉手納基地だ。大規模な空輸能力を備え、地球上のどこへでも大量の兵力を素早く移動させることができる。
米海軍佐世保基地や米空軍岩国基地を返還してくれることに異存はない。だが、横須賀米海軍基地は「首都圏に睨みをきかす」というのが本音であろう。東アジアに睨みをきかすというより「日本に睨みをきかす」と言い換えるべきだ。東アジア対策というのであれば、佐世保基地の方が重要で、かつ地理的な優位性がある。米海軍横須賀基地は「首都圏対応部隊」以外の用途を考えることはできない。エニスは嘉手納基地を「世界の紛争地域への出撃拠点」という。明らかに「日米安保条約」の範囲を超えている。嘉手納基地を貸与する法的根拠はないのではなかろうか。米国の出撃拠点を提供する法的義務はないから、嘉手納基地を返還してもらうべきであろう。エニスは「三沢基地は核兵器保有の戦略空軍基地として置かれた」という。つまり、在日米軍基地には「核兵器が貯蔵されていた」と白状している。我が国の政府は「非核三原則遵守」と喧伝してきたが、在日米軍は「非核三原則」には拘束されないというのだ。当然の話ではある。だから、我が政府が「非核三原則遵守」と叫んでも、世界中、誰も信用しない。もちろん、日本に寄港する米国軍艦や潜水艦のほとんどが「核ミサイル」を搭載しているはずだ。世界中でこれを疑うものはいない。さらに、在日米空軍基地にも核ミサイル貯蔵施設が現存していても不思議ではない。世界中に展開している米空軍の内、「在日米空軍だけが核ミサイルを取り外している」といっても誰も信用しない。
(まとめ)
米国陸軍は人手不足に悩んでいる。だから、エニスは「陸上戦闘は、韓国軍や日本の自衛隊が責任を持て」というのだ。米軍は船舶、航空機、原子力潜水艦で応援してやるという訳である。「米軍にオンブニダッコという依存心を捨てろ」というのだ。米国財政の破綻状況から判断すると、誰が大統領になっても、米国はイラクから撤退せざるをえない。そして、世界各地に駐留している米軍を縮小し米国に引き上げざるをえない。米国海軍・空軍・海兵隊の縮減も避けられない。
米国はかっての米国ではない。
我が国の防衛は、そろそろ「自主防衛路線」に転換すべきであろう。横須賀基地に米国の原子力空母が配備されるのも近い。米国が財政上の理由で、この空母を保持できなくなった場合は、我が国が買い取ったら如何であろうか。当初は、研修という名目をつけ日米共同管理という形態でも差し支えない。自前で「原子力空母を建造するよりも、中古品の方が安上り」だし、有事即応できる。米国が中国政府に遠慮して「原子力空母の売却を渋る」ようであれば、ロシアから最新型原子力潜水艦を購入する道を模索することになろう。交渉事は信頼だけでなく「切り札」が必要である。「切り札」がなければ誰も妥協してくれないから、ロシアを対米交渉の「切り札」に使うべきだろう。オバマが「極東米軍が空洞化しいている事実」を率直に告白してくれたことに感謝したい。何事も「事実」から出発すべきだ。甘い幻想に浸っている場合ではない。民族と国家の存亡がかかっているのだから、現実を直視して、国防のあらゆる可能性を追求したいと思うのだ。
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1. Posted by ROM 2008年04月29日 08:10
中長期的に考えれば、アメリカがいつまでも覇権を維持していられるわけはなく、いずれ東アジアから撤退するだろう事は予測できた事ですね。かつてニクソンショックというのがありました。周知の通り、アメリカが日本の頭越しに中国と国交正常化した事件です。ベトナム戦争を終わらせるために、ベトナムを支援していたソ連を牽制するため、アメリカは当時ソ連と対立していた中国と結んだ。実はニクソンショックの前に、アメリカは日本に核武装込みの自主防衛を要請していた
(西村幸祐編集・ぼくらの核武装論)
アメリカ一国で東アジアの自由主義陣営を守るのは負担だったのは明白です。しかし、当時の首相であった佐藤栄作はアメリカの庇護下で経済発展する道を選択してしまった。超大国の庇護下で経済発展に専念する。短期的な戦略としては有りでしょうが、中長期的な戦略としては非常に不味い物です
2. Posted by ROM 2008年04月29日 08:12
国として死活的重要な国防を他国に依存するのは、政治的隷属を意味するものであり、それは誤りだからです。1981年、レーガン政権になるとアメリカの対日貿易赤字は日本の防衛ただ乗りが原因だとして、アメリカは日本に米国債の購入を要求するようになった。アメリカは国防で依存してくる国に対して帝国主義をやる。それ以降、日本はアメリカに徹底的に経済的に搾取され、今日に到ります。政府日銀が今まで購入してきた米国債は100兆円以上。銀行、証券会社、大企業、個人も合わせると500兆円以上です(副島隆彦著書・ドル覇権の崩壊)この他にも思いやり予算や年次改革要望書、在沖縄海兵隊のグアムへの移転費用3兆円。
3. Posted by ROM 2008年04月29日 08:12
日本が今までアメリカに払って来たみかじめ料は膨大なもので、それなら自主核武装した方が遙かに安上がりだったのではないでしょうか
今、日本の最高責任者がしなければならない事は、日本の安全と独立を守るために 必要とあれば核武装も辞さないことです
4. Posted by 白髪爺 2008年04月29日 09:00
同意見です。問題は、これを実現できる強力な政権を如何につくるかですね。そして、中国共産党のエージェントになって日本国民を中国寄りに導しているメディアと学校教育を如何に変えるかが課題ですね。願望を実現する具体的方法を研究し、実現することが肝要かと思います。さもないと「犬の遠吠え」で終わってしまいますから。
5. Posted by ようちゃん 2008年04月30日 01:25
★米国が海兵隊や戦艦、空爆撃機までも 減少させる事なら、 日本に在る核ミサイルも 原子力潜水艦もそのまま 日本が大量のホゴとなる紙切れの米国債権証書と交換して 現物で引き取る交渉をした方が賢明です。 日本と米国は共同訓練などの実施で征服まで類似してて、英語で全部やってるし、米国製の武器が大量にライセンス販売されてるので 混乱も起きない。 米国はその国内の軍事産業をも崩壊させる事になる軍縮にはかなり以上の抵抗があると思う。空手形になる巨額な米国債と交換する方が相互利益になる。
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