ラサとその周辺で何が起こったか。4月18日と19日 | 日本のお姉さん

ラサとその周辺で何が起こったか。4月18日と19日

ぺきんこねたぶろぐ(福島香織記者)↓

ラサとその周辺で何が起こったか。18日と19日

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/557650/

4月18日

アムド(青海省黄南周)同仁県では、きのう200人の僧侶民衆が逮捕され、同仁県公安局に拘留されている。しかし、もっか、これより詳しい情報はない。現地の名刹・隆務寺は軍警に包囲され、進駐されている。寺は封鎖され、信徒、観光客の参観は禁止されている。

アムド(青海省果洛藏族自治州)の州府瑪県では、漫才芸人のダパイと女性歌手の卓瑪吉が逮捕された。ダパイは果洛ダパイ芸術センター主席で、歌手は果洛州周婦女検疫保護協会委員。3月31日に警察に逮捕された。逮捕理由はラプラン寺の僧侶の抗議デモを支持し、雪山獅子旗とダライラマの肖像画を印刷したものをラプラン寺に贈ったため。逮捕されたとき、ダパイは、軍警にその人格を侮辱され、ライターで彼のひげや髪の毛を燃やされた。吉が逮捕されたのは、彼女の歌の歌詞が関係あるという。


また3月31日、瑪泌県のある私立チベット語学校の校長バチェンチア氏、副校長のハンジョウ、教師のサンナンドゥオジら5人が逮捕され、西寧に連行され拘留されている。目下状況は不明。


北京五輪聖火が五月中旬にチベット自治区に入り、19日-23日の間、チョモランマまで送られる。このため、五月に外国客を含むツアー客を受け入れるといっていた宣言は撤回された。条件が成熟しておらず、国内外観光客の新たなチベット受け入れ計画は延期され、開放日はまだ確定していないという。ラサ旅行部門の関係者によると、今年は欧米旅行者は受け入れられないだろうという。一部の旅行関係部署は休みになっているが、給料は政府により全額保障されている。


チベット自治区は厳格な新規定を執行中。今月12日から各地寺院で、一律に中国旗をかかげ、これに従わないものは、厳しい懲罰が与えられる甘粛、青海、四川、雲南などのチベット自治州各地の寺はこの規定に従わねばならない。もっか、ラサ三大寺院(セラ、デプン、ガンデン)およびジョカン、ラムチュなどの寺院は軍に包囲され、信徒の参拝も禁止され、僧侶が寺を離れることも禁止されている。


きょうのラサはテレビでの指名手配放送はなかった。しかし、チベットテレビ、ラサテレビのチベット語、中国語放送では、23人の指名手配がとりけされていた。すべて僧侶で、11日、デプン寺などでダライラマの批判に対する抗議をおこなって逮捕された僧侶だという。指名手配が取り消された理由は、すでに逮捕され、すでに事務方(尋問チーム?)に引き渡されているため。




私(オーセルさん)はラサから北京に列車でやってきたチベット族を取材した。彼は、バルコル付近に住み、3月10日午後に、ジョカン寺の広場で、複数の僧侶と4人の平民が派出所の警察に連行されるのを目撃したという。3月11日以後、バルコルの路上には、朝から晩まで大量の私服警官がおり、その中には数十人の漢族の短髪の女性もいた。3月14日午後3時以前、かれはバルコルの北街で黒い服の覆面の特殊警察部隊がバルコル周辺で抗議デモを行っていたチベット族に発砲した



彼の目の前で、一人の十歳あまりのチベット族の少女が喉に銃弾を受け死亡したという。特殊警察部隊はすぐに、少女の遺体を車ではこびさった彼の友人は、ビルの上から特殊警察部隊がバルコル内で発砲し数人を撃ち殺したのを目撃した。遺体はすべて持ち去られたという。かれがバルコルの外回りの林廓東路を逃げるとき、自治区公安庁の門のところに多くの警官がいて、有る者はカメラ、有る者はビデオを手に、あるものはポケットに手を突っ込んだまま、チベット族が商店をうちこわし、車を焼いている現場を傍観していたという。阻止しようという様子は少しもなかった。彼はそのご、3台のタンクが江蘇路から林廓東路に走っているのを見かけ、翌日は装甲車を見たというラサから来たその人が言うには、「あの日以来、誰それが捕まった、誰それが死んだ、というのが日常茶飯事になった」。



■4月19日



きょうは情報が多くない。ラサの指名手配発表はおおむねおわったみたいで、25号まで出て169人の僧侶と俗人チベット族が指名手配されたが、30人あまりが、そのあと指名手配を取り消された。理由は自首あるいは逮捕されたため。

北京のチベット族があつまる職場、たてば中国チベット学研究センターなどでは、ラサの3・14事件および周辺のチベット自治州での事件発生について、批判書「ダライ分裂集団を深く批判する」を書くよう職員に要求された。

■北京チベット病院のすべてのチベット族職員は派出所にいって身分登記するよう要求された。中国社会科学院、国家民族委員会、民族出版社、中央民族大学などの機関で働くチベット族職員は学習会を開くよう要求された。「潜在的な安全危機」を抑制するためという。

■北京の各大学でチベット族学生に対する〝異常予防措置〟がとられた。あるチベット族学生は、「教師は私たちのところにきて、派出所の人がわれわれに資料を提供するよう求めた、と話した。学校はそれで、少数民族学生に対し特殊なアンケート調査を行い、党員を派遣して、私たち一人一人の言動、挙動を調査しにきた…」と書いてきた。

■北京のチベット中学および北京その他のチベット族が学生がいる中学も同様の厳格な防備措置がとられ、外界との接触も禁止している。