中国側がチベット族を徹底的に弾圧する口実をえるために、わざと挑発しているとしか思えないです。 | 日本のお姉さん

中国側がチベット族を徹底的に弾圧する口実をえるために、わざと挑発しているとしか思えないです。

ぺきんこねたぶろぐ(福島香織記者)↓

チベットとその周辺で何が起こったか。4月15日から17日

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/557650/

■チベット族女流作家、オーセルさんのブログの紹介の続きです。仕事のあいまにとろとろやっています。まだまだつづきます。記録ですので、飽きるかもしれませんが、あとで何かこの事件を振り返ってものを考えるときに、きっとお役に立つはずです。

■1万字を超えたところで、新しいエントリーに。しかし、寺で「愛国主義教育」「反ダライ集団宣伝」の強要が行われ、それがデモを引き起こし、それを武力弾圧するパターンが多すぎる。オーセルさんのブログに書かれていることを信じれば、これは、もう中国側がチベット族を徹底的に弾圧する口実をえるために、わざと挑発しているとしか思えないです。チベット仏教においては、ダライ・ラマは信仰の対象そのもの。その否定を強要するのは、宗教弾圧にほかならない、と私は思うのですが。

■歴史的にみて、この世でもっとも苛烈な抵抗を呼ぶのは宗教弾圧だということを考えれば、中国に少しでも平和的解決を望むなら、これはぜったいやっちゃいけないことではないでしょうか。「中国人は小悪党」「中国製品はがらくた」とCNNキャスターにコメントされて、中国人民は侮辱された激怒された、と怒っていますが、それなら「ダライ・ラマは人面獣心の悪魔」といった発言、チベット族とチベット文化とチベット仏教すべてを侮辱する発言は、何なのか?と私は問いたいですね。

■では、時系列:…のつづき。

■4月15日

■4月11日にデプン寺で発生した事件が有る程度あきらかになった。Phayulネットサイトの報道:チベット人権民主センターの信頼出来る消息筋による実証された情報によると、チベット自治区政府はデプン寺に対し、「法制宣伝教育工作チーム」を派遣し、「愛国主義教育」と「反ダライラマ集団」の宣伝活動を展開。これが僧侶らの一致した反対にあった。工作チームは大量の軍警を呼び、抗議する僧侶を制圧、若干のチベット族僧侶が拘束された。騒擾と「愛国主義教育」に抗議したとして、軍警に連行され、目下どこに拘留されているか、詳細はわからない。中国国営メディアの新華社が4月13日に「工作チーム」がデプン寺に進駐した事件を報じたけれども、報道では、抗議と僧侶の拘束の状況については、隠蔽されていた。武装警察はデプン寺に通じる全ての道路を封鎖。寺院の警察は、僧侶の行動の自由を制限し、信徒を含めた外界の訪問客を寺院に入れることを禁止している。ある情報によれば、デプン寺の拘束された僧侶は、ラサ曲水とナクチュ方面にそれぞれわけて連行されたという。

チベット自治区のすべての当局機関では、全ての幹部の人事整理があり、下っ端から特に党員に対して行われた。また、当局がチベット各地で展開している逮捕行動において、すべての容疑者のチベット族および、以前に釈放された元チベット族政治犯はすべて任意で逮捕された。もっか、これらのチベット族が拘留されている場所や、彼らの健康状態については何の情報もない。

昨晩、第24号指名手配令が発布され、テレビで放送された。4人ですべて男性。僧侶はいない。これで165人のチベット族が指名手配された。今晩、第25号指名手配令が発布された。4人、すべて僧侶でこれが169人のチベット族が指名手配された。

■昨日(14日)朝、カム(チベット自治区チャムド地区)の芒康県で、僧侶と民衆が平和デモを行い、その後、大量の軍警察の鎮圧にあった。この抗議活動において死傷者、逮捕者がでたかは目下不明。ちかごろ、当局は芒康県の名刹維色寺で、「愛国主義教育運動」を展開しており、僧侶の反対に遭い、その後、寺の僧侶全員が寺から出て行き、拒絶を表明していた。


4月8日、アムド(四川省アバ州)の盖県の達倉拉姆格德寺の学校が閉鎖された。原因は先月15日の僧侶と民衆の抗議活動において、学校が生徒学生の参加を許したからだった。この学校は1986年に格德寺の著名学者、尼瑪が創立、のちに拡大し12年制の正規の学校となった。強制閉鎖される前、504人のが学生が在籍、すでに300人の卒業生を出している。地元政府は、最近、73人のチベット族デモ参加者をとらえ、チベット族にいかなる反政府活動にも参加してはならない、と警告を出していた。この73人のうち、達倉拉姆格德寺の僧侶19人が参加。一部のチベット族はすでに判決をうけたというが、具体的状況は不明。


3月25日、アムド(青海省海南州)興海県河卡郷で100人以上のチベット族の抗議デモがあった。これまでに、地元公安局の羅という姓の工作員が自由アジア放送(米国営短波放送)を通じて、自首を含めて15、16人のチベット族を逮捕したと確認している。ある情報によれば、アムド(甘省甘南州)の卓尼県の当局は全ての政府機関から、各主要郷鎮および寺院に駐在員を派遣し、監視コントロールを行ってすでに半年たつという。現地で300人以上の僧侶が拘束され、もっと多くの普通の民衆も拘束され、この県にある二つの監獄は満杯だという。一部の逮捕者は臨夏回族自治州の獄に移送されたという。


■3月17日、北京中央民族大学のチベット学生がろうそくをともして抗議の座り込みを行った。学部生、研究生を含む。学校側の確認によれば参加した学生は140人前後という。さっき
得たばかりの情報によると、近日、中央民族大学のほとんどのチベット族学生のクラスは会議が開かれ、座り込み抗議に参加した学生はすべて今週金曜(18日)前に、検討書を提出することを学校側に要求され、もし検討書を書かなければ、懲罰にあうかもしれないという。もっか、懲罰について詳しい説明はなく、あとになって知ることになるという。


4月16日

■きょう、ラサでは指名手配犯の放送がテレビでなかった。昨日放送された第25号指名手配令では4人の僧侶が指名手配された。セラ寺の学経のチベット自治区外のチベット地域からきた僧侶だが、すでに逮捕されたという。



軍警はラサのチベット族の主要居住区を捜査し、ダライ・ラマの写真があった家庭の人をすべて拘束した。多くのチベット族はダライ・ラマの写真を食糧(穀物)の中、建てばツァンパや米、面粉のなかに隠していた。あるいは屋根裏の梁の間など。密告する人があり、軍警の捜査を受け、チベット族たちは頭を抱えて泣きながら、ダライラマの写真を一枚一枚焼くしかなかったという。最近、チベット自治区は、体制内のチベット族党員とチベット幹部に対して不信感がつのっており、各当局機関の門やオフィスに監視カメラが設置された。チベット族たちはみな、「いまの状況は恐ろしすぎる。すべての人が恐怖の中でいきている」と話している。


■各種の「ダライ集団の犯罪行動をあばき世論で叩く」批判措置が行われ、会議などで、人々は批判発言し批判文を書かされている。小学生ですら、批判文を書かされ、ラサ
第二小学校のある小学生は「今回の組織的な謀略活動は私のママが画策したものだ」と(間違って)書くなど、笑うに笑えない笑い話のような事態がおきている。


報道によれば、最近、9人のラサ市民は中国共産党のチベット族鎮圧をうらみ、全世界の共産党脱退センターに公開声明を発表、中国共産党の一切の組織から脱退し、この暴政への抗議の意を表した。


アムドのチベット族の話によれば、14日夜、アムド(甘省甘南チベット族自治州)夏河県のラプラン寺で、大量の軍警が包囲し寺院に進入。すべての僧坊を捜査し、一部反抗的な僧侶をなぐり、僧侶の持ち物を壊し、僧坊の中のダライ・ラマの写真を破り捨てたのち、200人近い僧侶を連行、取り調べと虐待を行ったという。15日、一部の僧侶は釈放されたが、その他の僧侶は拘留され続けている。もっか、甘南州では少なくとも3000人のチベット族僧侶と民衆が拘束されているという。少なからぬ人たちが釈放され続けているとはいうものの、これには罰金を払ってやっと拘束を免除されるのである。金額は、情状によって違い、少なくて2、3000元、多くて数万元。当局は罰金を軍警の支出にあてるという



アムド(青海省黄南チベット族自治州)の尖扎県では、最近、チベット族民衆が平和デモを行い、ダライ・ラマの帰還、ダライ・ラマが認めたパンチェン・ラマ11世(行方不明のゲンドゥン・チューキ・ニマ)に会わせること、チベット族大学卒業生に仕事を与えることなどを要求。西寧から派遣された特別警察が約50人を拘束、その大部分は農民だったという。


青海テレビ局のチベット族の有名な女性歌手で詩人の加羊吉は、4月1日、青海省安全部門に拘留され、もっか居場所が不明。報道によれば、当局は加羊吉の自宅を秘密捜査し、パソコンや通信記録を没収。40才前後の加羊吉はアムド(青海省海南チベット族自治州)県の遊牧民の家庭に生まれ、自分自身も結婚して、二人の娘がいる。誉れ高い歌手で、彼女の制作した音楽テープやCD、DVDは大衆に広く歓迎されている。2006年に、米国に招待されて訪米したさい、コンサートと講演をおこなった。彼女は、チベット語と中国語のブログをもっており、チベットの若者からも人気があった。彼女の詩や文章は出版の計画があった。


北京で仕事や、出稼ぎ、学習、出張しているチベット族が排斥と監視にあっている。多くのホテルでは、チベット族のチェックインを拒絶しており、チベット族衣装をきたチベット族はタクシーの乗車拒否にあっている。北京のチベット風商店やレストラン売上げががくんとおちた。北京警察当局は、チベット風商店やレストラン経営者に、もし僧侶や敏感な話をするチベット族がいれば、すぐさま警察に通報するように要求している

■4月17日

■2カ月前の2月11日の夜、青海省黄南州同仁で、当地の寺院が法会を開いたところ、軍警により邪魔され、多くのチベット族僧侶、民衆の不満を引き起こした。彼らが宗教の自由とダライ・ラマへの長寿への祝福をさけんだところ、当局は催涙弾で制圧、200人以上の僧侶と民衆を狂ったように捕らえた。翌日、数千人の僧侶が、県城でデモを行い、拘束された僧侶や民衆の釈放を要求。当局はこの圧力をうけて、拘束者を釈放せざるをえなくなった。しかし、3人の僧侶と一人の老人が殴られて重傷をおい、青海省病院に搬送された。その後、当局は西寧、鄭州からの特別警察の増員をうけ(ホテルには鄭州特別警察を歓迎、という垂れ幕がかかげられた)、その兵力をもって、いわゆる2・11事件はいったんは収まった。しかし、これは3月10日以降、各地で同様の事件が次々発生し、チベット族の抗議が拡大していく序幕であったといっていい

■3月17日、
隆務寺の僧侶全員が、ダライ・ラマを祝福する仏事をおこない、その後市内で民衆とともに平和デモを行った。周囲の民衆がみな泣いて止めようとするなか、ある僧侶は
憤怒のあまり自ら手首を切るなど情動にかられる事態があった。このとき、軍警は高度の警戒態勢をしいていた。この後、同寺のシャリツァン活仏の調停により、地元政府に対し、軍は寺院をパトロールせず、寺院内に設置された監視カメラ設置も撤去し、道理のとおらない仏事の妨害を禁止すると申し入れ、当局も同意した。


しかし、その日の午後、地元当局者による工作チームがチベット各家庭をまわり、以後デモ抗議活動に参加しないとの保証書にサインをするようせまり、18日から西寧の特別警察部隊を現地に配備、〝あとでツケを払わせ〝続けた。4月15日、当局は2・11事件において、殴られた老人や僧侶を再び逮捕拘留、その後続けて、当日抗議した僧侶、民衆らを拘束し続け、当局と意見の異なる人たちについては厳密な監視、コントロールをおこなった。

■4月17日、午前、つまりきょう、
隆務寺の一部僧侶は県政府にを訪れ、拘留されている僧侶や民衆の状況を問い合わせた。しかし政府は相手にせず、回答しなかった。これら僧侶は寺に帰る途中、武装警察、特別警察に包囲され、その場で20人あまりの僧侶が、民衆が哀願して止める中、連行された。また、その後少なからぬ人が連行された。時間は正午ごろだった。現地の人がいうには、当時、逮捕された僧侶や民衆100人以上が4台のトラック詰め込まれていた。
そのうち一人は活仏で、法名を卡索といい、人望があり60才近いという。かれは、僧侶は警察を諫めたときに捕まったという。この期間、僧侶も民衆もなんら反抗的行為はしておらず、ただ、請願と訴求を行っていただけだった。


午後に、西寧から大量の武警が同仁県に配置された。きくところによると、これは実は陸軍部隊で、服と車のナンバープレートをかえて武装警察に扮したという。同時に、大量の完全装備の軍警も警棒や機関銃をもって寺に進入、すべての僧坊を捜査し、ダライ・ラマの写真やDVDを没収、多くの僧侶を連行した。地元の人の話では、隆務寺の僧侶の80%が連行されたという。逮捕された僧侶と民衆は合わせて200人以上にのぼる。もっか、寺院はからっぽで、数人の老僧が残っているだけだが、彼らも寺院を離れることを許されていない。現地のチベット族は落ち込み、悲嘆にくれ、体制側のチベット族ですら(批判的な)意見をもっている。しかし、人々はみな危険を感じており、空気は極めて緊張している。

現地の信頼できる消息筋によると、カム(四川省甘孜チベット族自治州)の雅江県の呷基卡村で、百人以上の牧民が、きのう16日から平和デモを行い、中国共産党の軍警のチベット族民衆に対する武力鎮圧を抗議、ダライ・ラマのチベット帰還許可とダライ・ラマとの対話を当局に要求した。軍警が現地でチベット族を駆逐したか、あるいはチベット族に死傷者が出たか、逮捕者がでたかは、不明。


 
14日、アムド(甘省甘南チベット族自治州)の合作市と夏河県で、ラプラン寺が軍警の捜査と逮捕にあったほか、合作市の加茂貢寺、卡加曼寺,夏河扎油扎油寺、唐寺、吉倉郷寺、唐扎西寺などが軍警の捜査にあった。


■15日,夏河奥呉睫莫寺も軍警の捜査にあい、9人の僧侶が逮捕された。中国当局はこれについて、警察側が当地の群衆の通報をうけ、一部寺院で捜査をおこなったところ、銃や刀、爆発物など違法な武器を摘発したと発表。チベット族にテロ分子の罪名をきせるために、チベット地区のその他の寺院を引き続き捜査するのだろう


 
4月10日の中国国営メディアの報道によれば、ラサの3・14事件発生後、公安機関はすでに、焼き討ち略奪打ち壊しの容疑者として、953人を刑事拘留し、362人の容疑者が自首、そのうち328人をすでに釈放しているという。刑事拘留されたうち、403人が検察当局の批准をえて逮捕され。93人が指名手配をうけながら逃亡していたが、13人はすでに逮捕し、うち9人の指名手配犯が自首したという。


 
きょう、ラサではテレビで指名手配の放送はなかった。ただ、チベット語、中国語のチベットテレビ文芸チャンネルとラサテレビでは、一部の指名手配取り消しの通告があった。十数人、多くが僧侶で、11日のデプン寺で、ダライラマの批判強制に抗議して捕まった僧侶らだ。指名手配取り消し理由は、すでに自首し、逮捕されたからだという。指名手配犯119号、123号の不法分子は、すでに罪をみとめたので、指名手配を取り消したという。