これらの留学生が将来帰国したとき、中国の民主化の担い手になってもらいたい」中国国内の民主活動家
オーストラリアのキャンベラなどでの聖火リレー支援活動で配られた指南書には、「聖火が奪われそうになったとき、体を使って相手を封じ込めてもいいが、暴力を振るってはいけない」「抗議者と対(たい)峙(じ)したとき、大声でどなってもいいが、相手を侮辱してはいけない」「メガホンを使って意見を述べてもいいが、トマトやタマゴなどを投げてはいけない」などと書かれ、法律の順守を強調している。トラブルが発生した場合には、自分で解決せず、速やかに地元の警察に通報するよう求めている。
また、支援活動や中国人のイメージアップを図るため「中国の国旗だけではなく、五輪の旗や聖火リレー主催国の国旗を振って応援しよう」「自分のゴミを持ち帰ろう」などとも呼びかけている。
指南書の配布が奏功したのか、インドネシアのジャカルタやオーストラリアのキャンベラなどで行われた聖火リレーでは、大きな衝突や混乱は起きなかった。中国メディアは集会の様子を詳しく伝え、「気迫でチベット独立分子を圧倒した」「五輪の名誉が守られた」と支援活動の成功を絶賛した。
しかし一方、中国国内の民主活動家の間では、「これらの留学生が将来帰国したとき、中国の民主化の担い手になってもらいたい」と期待する声もあがっている。
著名な反体制活動家、劉暁波氏は産経新聞の取材に対し、「1989年の天安門事件以後、中国国民が政治上の意見を表現する機会はほとんどない。2005年の反日デモは、投石や店舗襲撃など暴力的な傾向があった。今回の一連の集会は“やらせ”かもしれないが、中国人留学生にとって、欧米や日本の集会、言論の自由を体感するいい機会だと考えている」と語った。
中国政府としては、聖火リレーへの留学生動員の成果を喜んでばかりはいられないようだ。http://sankei.jp.msn.com/world/china/080425/chn0804252353019-n1.htm
歓声と怒号、市民不在=卵投げつけ、乱入…-混乱の中、聖火リレー・長野
投げつけられる卵、立ち止まるランナー、乱入する男-。長野市で行われた北京五輪の聖火リレーは、妨害行為が相次いだ。沿道は中国国旗とチベットの旗で埋め尽くされ、平和の祭典を象徴するイベントは「市民不在」で進んだ。
午前8時24分、小雨がぱらつく中、県勤労者福祉センター跡地の出発式で聖火が点火された。第一走者の野球日本代表監督の星野仙一さん(61)が右手にトーチを掲げ、2列の警察官に囲まれてスタートした。 「中国、加油(中国、頑張れ)」。大きな中国国旗を振り、声援を送る中国人の集団。「星野、頑張れ」という日本人の観客の声はかき消された。 善光寺近くのコース沿道は、中国人留学生やチベット支援者であふれ返った。中国国旗とチベットの旗の数はほぼ同数。「フリーチベット(チベットに自由を)」「ワンチャイナ(1つの中国)」。双方が大声で叫ぶ。リレー走者が近づくと、歓声と怒号が入り交じり、歩道から車道に乗り出さんばかりに。 国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」のロベール・メナール事務局長(55)は五輪のマークを手錠に模した横断幕を無言で掲げた。 JR長野駅前では、タレントの萩本欽一さん(66)の走行中、紙束が投げ込まれた。並走する警察官が盾を構える。別の路上では卓球女子の福原愛さん(19)の前に男が飛び出した。立ち止まる福原さん。男はその場で逮捕された。 午前10時25分、ランナーとなった崔天凱駐日中国大使が休憩地点のエムウエーブで、トーチを高く掲げた。 その後も、男が聖火の列に向かって卵を投げつけ、逮捕された。 4月26日10時31分配信 時事通信 |