ロシア政治経済ジャーナル 中国は世界第2の軍事大国 中国の軍事費、実際は公表額の3倍
ようちゃん、おすすめ記事。↓
★あなたが日本を変革する方法
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!北野です。それで、日本の行く末を心配されている方、日本を実際に変革したいと思っておられる方が山ほどいます。「具体的にどうすればいいのでしょうか?」
★金>人権の世界で日本は
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!いつもありがとうございます。北野です。チベットで暴動が起こってから1ヶ月以上が経過しました。報道を見ると、欧米が中国を厳しく非難しているように見えが。。。
▼実は極甘の対応なのです。厳しいのか厳しくないのか、相対的な問題ですので比較の対象が必要です。
●モスクワオリンピックのときはどうだった?
1979年12月、ソ連はアフガンに侵攻します。西側諸国の反応はどうだったのでしょうか?980年1月、アメリカは同年7月のモスクワオリンピックボイコットを決定。1980年2月、日本もボイコットを決定。その他、約50カ国がボイコット。この後、アメリカではレーガンさんが大統領になり、ソ連を「悪の帝国」とよんだ。そして、冷戦は最終局面に入っていきます。
●天安門事件のときはどうだった?
1989年6月に起こった中国天安門事件。人民解放軍が、民主化を求めるデモを武力弾圧した。中国側は、「死者319人」と発表していますが、信じる人はいません。しかし、実際に死亡した数は不明。数万人だろうと推測されています。
西側諸国の多くは、対中国武器輸出禁止・最恵国待遇停止・貿易の制限など厳しく対応しました。また、世界銀行は、中国への融資を停止。このように過去の事件を見ると、いわゆる西側民主主義陣営は、共産独裁国家に強い態度でのぞんでいたことがわかります。
ところが今はどうでしょう?欧米先進国の元首も、口では非難しますよ。しかし、実際やることといえば「開会式には行きません」程度。経済においても具体的な措置はとられていません。過去と比べると極甘であることがわかるでしょう。なぜでしょうか?金ですよ、金。米ソ冷戦時代は、イデオロギーの時代。それで、アメリカもソ連も、到底ペイしないであろう支援を多くの国に行っていた。
そして、お互い敵国の不道徳さを声高に叫び、なおかつ実際的な対抗手段も講じていた。ところが、共産主義の総本山ソ連が崩壊。資本主義が残った。資本主義ってなんでしょうか?
古典派的にいえば、「一人一人が利己的に自由に利潤を追求しても『神の見えざる手』(^▽^)がうまいことしてくださる」。「いやいや、資本主義もそうですが、『自由』『人権』『民主主義』なども残ったじゃないですか?」そうですねえ。
しかし問題は、この世の為政者は「金」と「人権・民主主義」のどっちを優先しているのか?って話。これは残念ながら、「人権」より「金」といわざるを得ないのです。いい例が、「自由」「平等」「博愛」の大本フランス。↓
<フランス、大統領特使を中国に派遣 不買運動拡大で
4月21日7時22分配信 産経新聞
フランスのサルコジ大統領は、北京五輪の聖火リレー妨害や中国での仏系スーパーなどに対する不買運動の拡大で両国関係が緊張していることから、沈静化をはかるためラファラン元首相を中国に派遣することを決めた。>
↑どうです、これ?チベットの「人権」を守りたい人々が聖火リレーを妨害した。
そしたら、(人権を侵害している方の)中国が逆切れし、不買運動が起こった。(つまり、フランスの金儲けに支障が出る事態に発展した。)
逆切れにびびったフランス政府は、特使を送ってあやまることにした。
なんだか、フランスの方が悪いことしたみたいですね。
▼中国は世界第2の大国に
「金儲けに支障が出るので、中国に強い態度を取れない」といわれてもピンとこないかもしれません。しかし、この国の力を数字で見れば、皆さんの考えも変わるでしょう。
●中国は貿易黒字世界1
中国の貿易黒字は07年、前年比47.7%増(!)の28兆5600億円。ドイツを抜き、世界1の貿易黒字国に。
●中国は外貨準備世界1
中国の外貨準備高は07年末、1兆5300億ドル。前年比で43%(!)増加。2位日本(07年末時点で9734億ドル)を引き離し、ダントツ1位。
●GDP、5年連続二桁成長
中国の国内総生産(GDP)は07年、11.4%増加。
5年連続の二桁成長を記録。
●中国のGDPは、今年日本を抜き世界2位に?
私が05年1月に初めての本を出した時点で、中国のGDPは世界6位だった。それが今ではドイツを抜き、世界3位。日本を抜く日は目前に迫っているのです。「北野さん!あんまりテキトーなウソはいわないほうが身のためですよ!」
ああそうですか。↓
<中国、名目GDP世界2位へ 今年にも日独逆転 「元高」が押し上げ
4月9日8時27分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
中国が名目GDP(国内総生産)で早ければ今年にも日本を追い抜き、米国に次ぐ世界2位の規模に躍り出る可能性が出てきた。日本を上回る経済成長スピードに加え、対ドルで人民元為替レートが上昇ピッチを速めていることが、ドルベースのGDP値を押し上げているためだ。日本の“指定席”だったアジア首位の座を奪って、米国と比肩する経済大国と位置づけられる中国。
国際社会の影響力も一段と強まり、アジア経済の勢力図も大きく塗り変わることになりそうだ。(坂本一之)>
●中国は世界第2の軍事大国
この社会における力の源泉は、「金」と「地位」です。国の力と影響力の源泉は、「金」(経済力)と「力」(軍事力)です。
これを富国強兵という。しかし、軍備をととのえるには「先立つもの」が必要。
ですから、金は国力を高めるのに一番大事となる。(それが善いと主張しているわけではありません)中国には金が有り余っているので、軍事費もジャンジャン増やしています。国防予算は、既に公式発表でも世界2位。↓
<20年連続2ケタの伸び=前年実績比17.6%増-中国国防予算
3月4日14時1分配信 時事通信
【北京4日時事】中国の第11期全国人民代表大会(全人代)第1回会議
の姜恩柱報道官は4日、2008年の国防予算として前年実績比17.6%増の
4177億6900万元(約6兆576億円)が計上されることを明らかにした。当初予算ベースでは前年比20.3%増で、20年連続2ケタの伸びとなる。>しかも、中国の場合、実際の軍事費は公表額の3倍という説もある。↓
<中国の軍事費、実際は公表額の3倍?米国防総省が発表
3月4日19時5分配信 産経新聞
【ワシントン=古森義久】米国防総省は3日、2008年度の「中国の軍事力」報告書を発表した。
同報告書は中国が不透明な体制で軍事力を大幅に増強し、台湾制圧の能
力を短・中距離ミサイルの1000基以上の配備で高めるほか、海軍力の強化で尖閣諸島の領有や東シナ海の権益をめぐる紛争への対処能力を高め ている実態を伝えている。
中国は米国本土に届く長距離核ミサイルの強化や航空母艦の開発にも着手しているという。毎年、米国議会に提出される同報告書は、中国が近年、一貫して軍事力の大幅な増強を進め、2007年の公表国防費は前年より19・47%増の約500億ドルだが、実際の軍事費は年間1400億ドルにも達すると述べた。>~~~~~~~~~~~~~~~~~~
要するに、中国の軍事費は日本の約3倍(!)ということなのです。どうでしょう。中国は外貨準備世界1、米国債保有で世界2位。「ドルを売るぞ!」「米国債をたたき売るぞ!」とアメリカを脅迫すれば、どうでしょうか?
昔橋本さんが、「あんまり無茶な要求されると、米国債売りたい衝動にかられるのよね」といった日のことを思い出してください。しかも、この軍拡のすさまじさ。中国は経済力・軍事力で既に、アメリカも容易に手出しできない地位を確保していることがわかるでしょう。
そして、欧米の指導者たちが、中国に対し強い態度に出れない理由もよくわかります。こんなこというと、「何いってるんですか?中国はバブル崩壊で大変なことになってるじゃないですか?」という指摘が出てくるでしょう。まったくそのとおり。
確かに、上海株は07年10月16日の史上最高値6124から、現在では約半値まで下落しています。これがきっかけで大暴動が起こり、民主革命が起こるという人までいる。もちろん私はそう思いません。
ここが独裁国家の強さ。
暴動が起これば、殺してしまえばいい。いや、もっといえば、「暴動起こせば殺しますよ!」と事前に警告しておけばいい。株で失った金はまた稼げばなんとかなる。しかし、「政府は株暴落を止めなかった!」と暴動を起こせば殺されるリスクがある。どうなるかわかるでしょう。
カラー革命。なぜグルジア・ウクライナ・キルギスで成功し、ウズベキスタン・べラルーシで成功しなかったか?ウズベクとベラルーシは、デモを「武力で鎮圧した」から。革命というのは自然発生的なデモで成就するほどあまくないのです。中国経済について、専門家はどう見ているか?↓
<6年ぶりに2ケタ台割れへ=中国の経済成長率-世銀予想
4月1日14時1分配信 時事通信
【ワシントン1日時事】世界銀行は1日、東アジア・太平洋地域に関する最新経済報告をまとめた。それによると、同地域だけでなく世界経済のけん引役となっている中国の2008年の実質GDP(国内総生産)伸び率は9.4%と、2002年(9.1%)以来6年ぶりに1ケタ台の成長にとどまる見通し。>減速といっても9.4%の伸びが予想されている。もちろん、今後のアメリカの動向次第で世銀予測を下回ることもあるでしょう。しかし、日本みたく1%~2%の伸びということにはならない。中国は今回のバブル崩壊を克服すれば、成長期の後半に入っていきます。二桁成長はしなくなり、7~9%の成長が10年ほどつづく。2020年頃に成熟期に入るでしょう。
■ 業績が悪化している? ■
「そうなんです。製品は最高なのに、お客が集まりません」不況でも業績は悪化しません。お客さんを大量に集める能力があればね。「うちは製品の質はいいですが、お客の集め方なんて知りません
▼金>人権の世界で日本は
このように経済的にも軍事的にも超大国にむかって驀進中の共産党一党独裁国家・中国。そして、「人権」よりも「金」を優先させる欧米および全世界。一党独裁国ソ連は、経済が破綻して滅びました。
アメリカも、ソ連を崩壊させるために全力をつくした。しかし、中国は(経済的に弱いという)ソ連の欠点を克服した、(そして、アメリカに往年のパワーはない。)まさに「ハイパー独裁国家」ということができるでしょう。
< もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。 >
~~~~~~(ヨハネの黙示録第12章3節)
こう見ると、まったく希望がないようですが、私は未来を楽観視しています。なぜか?人類歴史はどういうわけか「自由」と「平等」にむかっているから。これは「キレイゴト」ではありません。証拠は歴史の教科書の中にあります。一昔前、
・スペインは、中南米の国々を滅ぼし、現地人を奴隷にしていた
・イギリスからの移民は、アメリカの原住民を大虐殺していた
・黒人は商品(奴隷)として売買されていた
・世界の大半は欧米の植民地だった
・日本には士農工商えた非人という固定された身分があった
これらは現在、全てなくなっています。数百年単位で見ると、人類の価値観や人権は確実によくなっているこがわかるでしょう。
どうやって?
私は、「ヘーゲルの弁証法的」に「正反合」のプロセスをとおしてよくなるのだと思います。例えば、20世紀のはじめ、世界のほとんどは欧米の植民地。白人でキリスト教徒以外は、人間視されていなかった。経済体制はいわゆる「古典派資本主義」で労働条件は非常に苛酷。
これが「正」の状態。
最初にチャレンジしたのが日本。白人のキリスト教国で、しかも世界最大の陸軍国ロシアを日ロ戦争で破った。次に起こったのが、「労働者と植民地解放」をかかげる共産国家の誕生。これが「反」。
で、何が起こったか?
革命を起こされちゃあたまらんので、労働者の地位があがった。植民地は独立していった。自由放任を絶対善とする「古典派資本主義」と国家による統制を絶対善とする「共産主義」の折衷で「ケインズ主義」が登場した。これらが「正」。
じゃあ今の「正」はなんだ?
冷戦終結時に固まった「アメリカ型民主主義・資本主義が絶対」とい
う考え方。(歴史の終わり?)
これを受け入れさせるために、戦争(例、アフガン・イラク)や革命(例、グルジア・ウクライナ・キルギス等)も許される。これに対する「反」として出てきているのが、中国・ロシアの「多極主義」。
ポイントは「多様性を認めようじゃないか」ということ。例えば両国が主導する上海協力機構には、
・キリスト教のロシア
・唯物無神論の中国
・イスラム教の中央アジア4国およびイラン(イランは準加盟国)
・ヒンズー教のインド(準加盟国)
・仏教のモンゴル(準加盟国)
などがいる。
ところが、「反」の問題点は、人権を侵害している独裁国まで包み込んでしまっていることでしょう。その為、必然的に「合」の価値観が登場することになります。新しい価値観の本質は、「宗教・政治体制の多様性は認めますが、人権侵害・内戦はやめましょうよ」ということになるでしょう。歴史を見てもわかるように、新しい価値観をひろげる中心的国が登場するものです。
日本がそれをやればいい。
どうやるか?
今みたく、「人権侵害をやめろ!」と叫んでも、ほとんど何もかわりません。「やめろ!」と抗議することも大事ですが、現実的アクションを起こすほうがさらに大事でしょう。
日本はこう宣言したらいい。
政治体制はどうあれ、人権侵害をしていない国、内戦のない国、他国と戦争していない国には、資金援助しますよ」つまり、「人権を侵害するのは悪い!」ではなく、「人権を侵害しないほうがお得ですよ」(^▽^)
~~~~~~というアプローチ。
そして、出来る範囲で実際に支援する。金ばかりでなく、農業技術支援をして、世界の食糧供給を増やせばもっといい。たとえば、飢餓で苦しんでいるA国をどう立ち直らせるか?
第1段階、食糧支援と農業復興支援により飢餓をなくす
第2段階、飢餓が完全になくなり、余剰作物が出れば、それを輸出して外貨を稼ぐ
第3段階、それでも余剰作物が出れば、バイオエタノール化し輸出し、外貨を稼ぐ
前号でも書きましたが、世界人口は年間8000万人づつ増加している。
それで、食糧・エネルギーの需要は確実に増加していく。つまり、食糧・エネルギーの価格は確実に高くなっていく。
これからは、工業化しなくても、農業国になれば外貨を稼げる時代なのです。支援する前に、「余剰作物とバイオエタノールは、日本に優先的に輸出してくれ」と契約しておけば、日本の食糧・エネルギー安保にも役立ちます。
A国の発展を見た独裁で貧しいB国。
「どうしてA国ばかり支援するんだ!日本はエコヒイキじゃないか!」と怒る。そしたら日本は、「あなたの国も内戦と人権侵害をやめたら支援しますよ」という。すると独裁者Bは、「そりゃあ儲かったほうがいいわな」ということで、人権侵害をやめる。
このやり方だと直接チベットは救われません。しかし、「チベットを救うために中国と一戦まじえ・・・」という選択肢も実力もない平和を希求する日本。まずはできる範囲で、人類の進化に貢献するべきではないでしょうか。(おわり)