「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)4月24日(木曜日)
       通巻第2171号

 中国共産党の腐敗の温床、マカオのカジノを規制へ。
  新規カジノホテルは不許可。それでもギャンブラーは押し寄せる
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 マカオを過去四十年にわたって牛耳ってきたスタンレー・ホー一族は、例によって「華麗なる一族」にありがちな内紛。妻妾とそれぞれの子供たちがカジノ・ホテルの経営やエンタメ施設、不動産投資のビジネスを巡って「醜聞だらけの一族」となった。

 1999年、ポルトガル領土から中国に復帰したマカオには基幹産業でもあるカジノの新設が許可され、スタンレー・ホー一族の「リスボアホテル」の賭場独占ビジネスは終わった。
本場ラスベガスのウィン系とサンズ系、ここの華僑資本のカジノホテルが乱立し、いまや巨大な不夜城だけでも29。

 マカオに押し寄せたのは、嘗ては香港ならびに周辺のアジア諸国からの博徒だった。いまは中国大陸から陸続きで、年間1300万人がやってくる。
 現場を見ていると、日本の中山競馬場に似ている。
 ジャンパーにスポーツシューズ。日本円でせいぜい一万円程度を握りしめ、国境ゲートには、それぞれのホテルが無料の送迎バス。

 このイナゴの大群が一攫千金を夢見て、カジノへ「通う」のだ。
 ホテルは不夜城、二十四時間営業。地下には特別室が並び、この内の一つが、かの金正日のお坊ちゃま専用。フロアではフィリピンのバンド、ロシアからきた美女らが踊っている。
ショーを見ているだけでも時間を忘れる。

 虚栄の市。
 マカオ経済はカジノホテルの乱立で様変わり、2005年に49億ドル、06年52億ドル、07年106億ドル。本場ラスベガスを完全に抜き去った。


 ▲カジノの博打ホテル規制でも腐敗はおさまらないだろう

 22日、マカオ当局は突如「新規カジノホテルを許可しない」と発表した。
 全体の三割近いシェアを誇るラスベガス系のカジノ企業を封じ込め、巨大ホテルの開業を控える華僑系の陰謀かとも囁かれたが、「突如の命令は北京から発せられた」(ロイター、23日)。

 真因は中国共産党幹部の腐敗防止である。
巨額の賄賂をマカオへ行ってカジノで興じる。スッカラカンになったら海外へ逃亡する。もし儲けると、くすねてきた公金(ばくちの原資)をそっと戻し、儲けを銀行に預ける。こうしてマカオの銀行は、怪しげなマネーのたまり場ともなった。

北朝鮮のマネーロンダリングで制裁を受けた、あのマカオの銀行ナンゾ、氷山の一角にすぎない。

 マカオは観光地として最悪、俗化し、腐臭ただよい、犯罪の渦。治安の悪化の源泉が、このカジノに夜者であるとすれば、精神文化、倫理の建前からも、これ以上のカジノ乱立はよくないことに違いないだろう。

 だが、「上に政策あれば、下に対策あり」というのがモットーの中国人社会で、新規ホテル規制が施行されれば、既存ホテルの買収と拡張という手がある。
 それが株式市場に錯乱をもたらしている。

 ホームページ更新
 「追悼 片岡鉄哉先生」 
 
http://mishima.xii.jp/annai/index.html
  (カラー写真五葉を挿入。「さようなら片岡鉄哉氏」
       ◎
   ♪
(読者の声1)星野仙一監督が長野聖火リレーのトップを走るそうです。
 星野チームの五輪出場は辞退すべきではありませんか。プロの集団がなぜ五輪へ行くのか、アマティアを旨とすべき競技会ですから、それほどの価値があるとも思えない。だから、この絶好の機会に世界にアピールするべきです。
     (TE生、東京都)

(宮崎正弘のコメント)そういうご意見があること、初めて知りました。スポーツ新聞あたりが騒ぐと良いのですが。。
 ところで昨夜、青山梅窓院で開かれた「チベットの犠牲者 49日法要」には多くの在日チベット人、中国人留学生ならびに日本の支援者などが駆けつけてぎっしり。集会の模様はカラー写真で産経新聞が報じています(東京版、24日三面)。

   ♪
(読者の声2)貴重な世界的な情報をいつもありがとうございます。
 『中国はいかにチベットを侵略したか』(マイケル・ダナム著、山際素男訳 2006年3月、講談社インターナショナル発行)を読みました。
 1950年6月、
朝鮮戦争のドサクサに紛れ、毛沢東はまず東チベットを侵略しました。最初は友好的に、その後は仮面を剥いで略奪、脅迫、強姦、内通、拷問、殺戮の限りをつくします。
 通信設備、武力をおざなりにしてきたチベットはひとたまりもありません。
1951年5月、「17箇条協定書」を脅迫、侮辱そして暴力で権限のないアボ・ジグメに偽の国璽を使って調印させ、世界に発表してしまいます。ダライ・ラマ14世には
寝耳に水でした。
 ほやほやの独立国インドのネール首相は無視します。出来立ての国連も相手にしてくれません。
アメリカCIAの協力もあり、抵抗勢力軍が中共に反撃しますが、その後は各強国の思惑のもと、抵抗も終結を迎えます。
いかに平和を謳っても、備えが無ければ日本という「国」がなくなるという身近な教訓、歴史です。
    (KY生、兵庫県) 

(宮崎正弘のコメント)ブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のなかに、このあたりのことがちゃんと画面で再現されています。
反日映画「YASUKUNI(靖国)」なるものを日本国民の税金をせしめてつくった中国人監督、もっと自国の恥部を描くべきではないでしょうか?
◎ ◎
(お知らせ1)桜チャンネル 今晩と明日
平成20年 4月24日(木曜日)2000-2130 第一部
      4月25日(金曜日)2000-2130 第二部
  ディスカッション番組「経済からみた日本のゆくえ」
  出席 水島総(司会)、鈴木邦子(アシスタント)
      青木直人、有沢沙徒志、小山和伸、田代秀敏、藤井厳喜、宮崎正弘
   ♪
(お知らせ2)25日(金曜日)午後一時から1440頃まで、ラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。関西のリスナーの方は午後二時まで。
<< 宮崎正弘の新刊予告 >> 
 『北京五輪と中国決壊』(仮題、五月下旬刊行予定。並木書房、予価1600円)。
(( 最新刊 ))
  宮崎正弘・黄文雄共著
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
  
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
 宮崎正弘 全著作一覧 (これまでの128冊の著作リストを閲覧できます)
 
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