「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)4月23日(水曜日)
ジンバブエの親中派大統領、ムガベ。選挙の敗北を認めず
チベット、聖火の隙をねらって中国から大量の武器を輸入する手はずだった
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1980年からおよそ30年近く、この国(ジンバブエ)を壟断している男がいる。ショナ族を代表するムガベという「大統領」だ。
民意は反ムガベである。
ジンバブエを私物化し、その政権を維持するためにだけ、くにの予算を使うムガベ。
白人国家だった南ローデシアのスミス政権時代も国民の多数派はもちろん、黒人であり、欧米が束になって人権と公平な選挙を訴え、その結果がジンバブエの独立だった。
1980年、英国連邦からの独立後、ムガベは白人の農家を接収し、国外へ追い出し、対立する部族の虐殺を始め、政権を守るために北朝鮮から雇い兵を入れた。
人口比で四分の一だった白人は、いまや1%以下。昨年ノーベル文学賞を受けてドリス・レッシングも幼年時代、ジンバブエ(当時は白人政権)で過ごした。
保護国ソ連が崩壊すると、ムガベは北京に寄り添い、中国はこの独裁政権のために大量の武器を供与してきた。
構造はスーダンと同じである。
先月、六度目の大統領選挙が行われ、ムガベは大敗した。
にもかかわらず「不正投票。やり直し」などとデタラメな理由を付けて、権力に居座りつづけ、追加の武器で反対派を黙らせようとしていた。
中国から武器を積んだ船は南アのダーバン港に陸揚げされる直前だった。
南アのムベキ政権は、入港を拒否した(偵察衛星から、米国が南アに圧力をかけたと推測される)。
この船はいまナミビア(旧ドイツ領南西アフリカ)に向かっている。ナミビアが拒否すると、次はアンゴラ。アンゴラは中国の影響力が強い。
(それにしても「チベット」、「聖火」の影で、北京って懲りないことをやってるなぁ)
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(読者の声1)台湾は新しい総統が就任に向けて激しく動いています。
これはアメリカが英九号の馬上にまたがり手綱を握り締めてしっかり調教しているせいでしょうか。米台間の軍事面での緊密化が進みそうで結構なことです。
韓国も新大統領のもと実利的な新機軸が次々に打ち出されています。分かりやすく、付き合いやすい隣国になりつつあります。
肝心の我が大日本国(おおやまとのくに)は?
トップがいなくても日本は動くのだ、と自虐自嘲ばかりしていてはナショナル・インタレスト(国益)が知らないうちに損なわれてしまいます。
先日、清水谷公園にある大久保利通の巨大な顕彰碑の前を通り抜けました。大久保利通は明治十一年(1878年)紀尾井坂で殉難しました。
大久保利通は幕末から維新を駆け抜ける一瞬一瞬を倦まず弛まず局面局面で果断に決断実行処断し続けました。まったく性格と評価見られ方が異なる西郷吉之助とは少年期から互いの家を往き来きして語り合う肝胆相照らす以上の仲でした。
平成日本の大久保利通、西郷吉之助は?
(HN生、品川)
(宮崎正弘のコメント)かの清水谷公園は昭和四十年代に、よく「べ平連」が集会をやっていた場所、大久保公のなんたるかを知らず、遭遇碑の前で反国家的言辞を並べていました。
大久保さんを初めて公平に書いたのは海音寺潮五郎(『西郷と大久保』)で、それから林房雄は『西郷隆盛』(全22巻)のなかで、大久保をきわめて公平に描写、その流れが司馬遼太郎ですが、『飛ぶが如く』は青春小説のようになった。
さて大久保暗殺を、克明に研究した人が近年まであまりいなかった。なにか、タブーが在ったからでしょう。
薩摩・鹿児島に大久保銅像が建立されたのも、つい十年前あたりですから。
最近、この明治十一年の政変の研究が進んでいます。
暗殺隊は旧金沢藩士ら六名、首謀者は島田某、長某。この志士たちも烈士としてまつられています。故郷の金沢で。
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(読者の声2)本日!
「チベットの平和を願う集会」がおこなわれます。
一、チベットで亡なった人々を悼んで 49日法要
二、対談 中沢新一/ペマ・ギャルポ
とき 4月23日(水) 16:00 ~ 20:30
ところ 梅窓院 祖師堂 (銀座線外苑前駅 1a出口 サブウェイ左折)
参加費 無料(ご記帳をお願い致します)
3月10日、チベット僧たちの抗議デモから始まった一連の抗議行動が中国の公安当局の弾圧行為で、ダラムサラ亡命政府公表では140名強(中国当局によると19名)の尊い命が犠牲になりました。
これがきっかけとなり世界中の人が中国政府に抗議活動を行っております。非暴力を貫いているダライ・ラマ法王は、中国政府に対話の実現を求めており、人権擁護の立場からさまざまな形で抗議が繰り広げられております。私たちはここ日本において、下記のとおり、亡くなられた方々を悼み、またチベットの地に平和の日が訪れるよう儀式を執り行い
たいと思います。
ペマ・ギャルポ
第一部: 49日の法要 16:00~18:00
導師 :テンジン・リンポチェ(幼少からチベットで修行を重ね亡命後は南インドで9年間修行)
ラマ・ウゲン(インドミンドォリン寺で修行、チベット文化研究所レジデンス・ラマ)
18:00 ~ 19:00 休憩
第二部:対談 19:00~20:30
中沢新一(多摩美術大学教授・チベット仏教学者) &
ペマ・ギャルポ(チベット文化研究所所長・桐蔭横浜大学大学院教授)。
コーディネーター:松本智量(アーユス仏教国際協力ネットワーク事務局長・浄土真宗本願寺派延立寺住職)
主催 : チベット文化研究会
協力 : アーユス仏教国際協力ネットワーク
発起人: ペマ・ギャルポ
問い合せ チベット文化研究所/西五反田2-12-15-401(03-5745-9889)
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(読者の声3)先週土曜日、貴誌で紹介のあった、佐賀での有志による講演会が開催され、拝聴しました。
石平先生の講話は、「最近の日中関係と中国情勢」に付いてでしたが、憲法九条の愚かさ、其れを擁護する『国家観』無き愚か者達を厳しく叱咤され、「一国の総理が『私は人の嫌がることはしません』等と言えば闘わずして負けたようなもので国際的にも『日本』は笑われ者ですよ。頼りにならない『日本』からアジア諸国は離れをするでしょう、アメリカも見限るかもしれません」、と福田総理の一国の総理大臣としての『国家観』無き、無策で稚拙な放言を厳しく批判しておられました。
企業の係長程度の感覚しかない総理など早く交代させるべきです」等と力説され、安部前総理は主権国の総理に相応しい仕事をされたが今の政府は其れを台無しにしょうとしている、胡錦濤が来日する事で浮き浮きしているが『チベット』問題で、世界の批判に晒されて『オリンピック』の開催が窮地に陥っているの現状を打開する為、『皇太子殿下』のオリンピック招待を持ち出すのではないが、と推測されますが絶対に応じてはなりません、応じれば『今上天皇』の訪中を快諾し国際的に失態を演じた「宮沢喜一」の二の舞になる様な事は断じてしてはいけない」、と語気を強めて訴えられましたが、福田総理ならやりかねないと危惧しておられました。
又、今日の『靖国神社』問題の原因は中曽根元総理にある、と断言されていました。
中国帰化人の意見だけに皆真剣に聞き入っていました。
そこで、私も質問に立ち、「80%が中華の掌中に落た、マスコミを支配下に納めたのは大成功であった」、と豪語されていても何にも出来ない『風前の灯』みたいな国に帰化してまで、其の危険性を訴えて全国行脚をして頂いています事、日本人として先ずもって深く御礼を申し上げます。と述べると一斉に笑いと拍手が起きました。
さて質問ですが、『日本国』の国家安泰の為にも『台湾』は死守しなければならない。
もし、台湾が中国の掌中に落ちた場合、船舶は台湾海峡、バシィ-海峡の航行が出来 なくなるばかりか、潜水艦が太平洋に入り日本のシ-レ-ンは完全に遮断される。そうなれば最早アメリカも手が出せなくなり『日本国』は中国の統治下に入る事に成る。
『日本国』が主権国家として自立できなければ、台湾が日本国侵略の為の手段である以上必ずそうするでしょう。若し、その様なことにでも成れば日本国民は、「日本は蛮夷人の棲む小国で生きる事を許されない者達だ、皆殺しにしてしまえ」、と云った思考回路を有している者達が潜む国で、戦前の濟南・通洲事件はもとより、戦後にあっても、残留日本人の婦女子を問わず3,000名を惨殺した通化事件等が証明するように『西蔵』の弾圧程度では済まされない、と思いますが如何でしょうか。
との質問に真剣な顔で耳を傾けて下さいました。
(TK生、佐賀)
(宮崎正弘のコメント)有意義な講演会だったご様子、情景が手に取るように分かりました。石平さんも演説が旨くなられたようですね。
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(読者の声4)「弁護士の良心」とは。
今日のNHKラジオは、死刑判決について永山基準なるものの変更かなどの観点からいわゆる識者のコメントを流しておりました。
今次裁判では、大きな弁護団を編成して被告の弁護に当たっていますが公害や薬害など被告人が多数なら大きな弁護団の編成も納得出来ます。被告側にとっても弁護費用も大きな負担になると思います。
今度の場合この多数の弁護士は、真に被告の刑の軽減に寄与したのだろうか。
弁護士集団がこの裁判を死刑廃絶など己の信念のアッピールの場にしようと利用した可能性は無いのか。
被告が年少であることをアッピールするのであれば、情状酌量を得て刑の軽減を図るため被告が態度を改めるよう指導するのが弁護士道でなないのであろうか。
被告が犯した罪を悔い被害者に許しを乞うことをせず途中から主張を転換し結果的に裁判官の心象を大きく害し極刑判決を導いたことについての弁護団の関与についてのコメントは聞かれなかった。
傍論に偏屈な信念を書き込み最後っ屁を放つ裁判官もいる司法界驚くに当たらないのかもしれない。
弁護士を選ぶには注意が肝心です。
(神奈川カピタン)
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(読者の声5)「平成20年4月20日、中国人女性に声を掛けられた」ことを投稿した者です。
気のせいか周囲のコンビニなどから中国人がいなくなっている気がするのですが、いなくなっているのは私の周囲(職場 大手町、住所 台東区)だけでしょうか?
「他の読者の皆様、如何」と、問い合わせたい気分です。
(正遊人)
(宮崎正弘のコメント)周囲に批判のまなざしを感じて萎縮しているから? 物怖じを知らない彼らがそんなことをする筈がありません。
国家の恥を自分の中で同一に認識するのは日本人くらいですからね。
大手町に不在? 野村證券のインサイダー取引も犯人は中国人社員でした。その関係?ではないでしょうけれど。
(お知らせ1)25日(金曜日)午後一時から1440頃まで、ラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。関西のリスナーの方は午後二時まで。
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『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
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『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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