軍事情報(素人官僚に軍の行動が左右されるような国には、怖くて住めないです。) | 日本のお姉さん

軍事情報(素人官僚に軍の行動が左右されるような国には、怖くて住めないです。)

ようちゃん、おすすめ記事。↓

軍事情報 第340号(最新軍事情報)
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■自衛隊が「自衛隊法という国内法の枠内でのみ」行動が許された「おかしな軍隊」であるよう強いられている事実は、すでに皆さんご承知おきのことです。このことが自衛隊の行動から軍事合理性を奪い、時節に合わない出動を強いられ、自衛隊が最善を尽くしても「当てにならない」という悪印象を国民に与えるハメになっていることも、十分にご理解頂いているはずです。(ですよね?)

この話を出すと常に引き合いに出されることは「領空侵犯への空自の対処」です。以下に説明しますね。(ヨイショっと)
「領空侵犯対処行動」は例外的に、部隊最高位指揮官である航空総隊司令官、および各航空方面隊司令官に権限が委任されているものです。

そのため軍事合理性に基く用兵が可能です。おそらくBMD統合任務部隊に対しても同様の委任が行われるでしょう。理由は、「対処に当たって時間的に余裕がない問題」だからです。
そのため、「例外的に」認められているというだけの話に過ぎません。

「特殊を見て全体を判断してはならない」(城野宏)という言葉にもあるとおり、領空侵犯対処作戦への権限委任が「極めて特殊な例」であるにもかかわらず、これが全自衛隊で普通に行なわれていると考える傾向はいささか困ったことといえます。

なぜ、北鮮工作船対処に海保が出ざるを得なかったのでしょうか?
(そういえばこの件では、海保の人から「何で俺達が出るんだ?殺す気か!」という、竜ちゃんも真っ青の本音吐露メールをいただいたことがありましたね)これは、「海上警備行動」(海上警備作戦)に関する委任が海自に出されていなかったためです。同様のことは陸自にも当てはまることでしょう。

思うのですが、なんでもかんでも法律の枠内で解決できると信仰するのは結構です。わが国には「信教の自由」(?)がありますから。でも、その付けを結局、自衛隊中枢・部隊(海保の現場や警察の現場もそうかな?)、ひいては国民に回す悪い癖だけは、今すぐにでも直していただきたい。

■大臣補佐に関してよく見受けられる意見に、「シビリアンがおかしな事をすれば制服が助言すればよいではないか」というものがあります。
それに接して感じることは、「助言」という言葉に対する認識の甘さです。確かに助言自体は口頭で可能ですし、統幕長は首相と大臣に直接話をすることができます。これまでもいろいろな出来事が起きた際、政治家が制服の報告や意見を聞きたがり、統幕議長(当時)や幕僚長が官邸に出向いたことは幾度もあると聞きます。

しかしながら「助言」というのは「計画を立てて命令書の形に起案して提出する機能」のことをいいます。ここがキモです。
(ちなみに、「助言と承認」ということであれば案に副署名も付きます。天皇陛下が公布される法律や政令などがこれに当たります)

これまで、「実行動命令」(作戦命令のこと)を各幕僚監部で起案し幕僚長が決済して大臣に上げても、更に内局がそのうえに決裁の押印をする表紙を添付して、防衛○○局やら運用××局のハンコが並ぶ間に官僚達が内容にゴチャゴチャ干渉していたことなど、いろいろ聞いてます。

現状がどうなっているか詳細は十分に把握してませんが(当然の話です。笑)伝え聞くところでは、この悪習は統合幕僚長ができてから大分改善されているそうです。

今回の「幕僚長から命令執行機能(実質的な指揮権ですね)を取り上げる方向」に反対するのは、内局による余計な干渉を防止し、餅は餅屋に任せるという状況を維持徹底しておかねばと思うからです。

そうしておかなければ、これから先も命令に素人が関与できる状況を、変わることなく継続する隙を作り、亡国につながりかねないと強く感じるのです。
一旦状況ができてしまうと、官僚は法律のプロなので、こういう言い方は失礼ですが、通常の将校や政治家では太刀打ちできなくなるでしょう。また、せっかく得た軍部隊を動かす権益を官僚が容易に手離すとはとても思えません。よほどの事態が起きれば別かもしれませんが。

そのためには、「命令の執行は幕僚長を通じて行なう」ことを意味する「委任状」制度(=幕僚長に命令執行権を保持させ「幕僚長指示・指令」を機能させておくこと)が必要ではないでしょうか?

とはいえ、もしかしたら、前提となる状況は既に過去の話なのかもしれません。もしそうなら、ぜひご教授ください。税金を払っている国民の立場からすれば、素人官僚に軍の行動が左右されるような国には、怖くて住めないです。住みたくもないです。


■「幕僚長=参謀総長・軍令部総長」という誤解がありますね。
これは国民の自衛隊理解が浅い典型のひとつです。
(というより、法律で捻じ曲げられた無理な軍隊組織=自衛隊そのものに起因するとも感じますがね)

幕僚長は「陸海軍大臣+参謀総長・軍令部総長」を兼ねた機能職です。
軍令(部隊を動かす系統)と軍政(部隊を整備する系統)の双方を扱っているわけです。

統幕長ができてからは、軍令機能のほとんど(たとえば実際の作戦用兵や大規模な訓練など)が陸海空幕僚長から移っていますが、教育機能は各幕僚監部に残っています。

たとえば、海自の遠洋練習航海訓練といった教育訓練は、大臣が発する一般命令とそれを承けた海上幕僚長指示で実施されます。これは明白に実働部隊が動く内容ですから、軍令事項を含んでいるわけです。

以前もお伝えしましたが、大臣が発する命令には「内局が起案した甲命令」と「幕が起案した乙命令」があります。上で紹介した遠洋航海の場合、海乙一般命令と海上幕僚長指示で実施されるわけです。

付記
命令、指令、指示の理解があいまいだと、今回の幕僚長から執行権限を奪うことの意味合いはよく理解できないだろうと思います。

二年前にお届けした以下の記事はその理解に資するものです。
よろしければご一読ください。

【参考】(「命令に関するQ&A」 060528配信)

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平成18年(2006年)5月28日
  軍事情報 号外 (「命令」に関するQ&A)
  http://okigunnji.com/

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●米英首脳会談
十七日、ワシントンで米英首脳会談が行なわれ、アフガンにおける多国間からなる軍事的関与・イランによるウラン濃縮活動への非難を継続することで一致しました。あわせて、米英関係の「特別性」を確認し、今後も協力して国際情勢に対処してゆくとしています。
●2ストライカー旅団戦闘チーム、ハワイに配置
十七日米陸軍は、現在イラクで展開中の25軽歩兵師団・2ストライカー旅団戦闘チームをハワイ スコフィールド駐屯地で恒久配置する決定が行なわれたと発表しました。太平洋戦域における陸軍戦略および国益の観点からハワイが選ばれたそうで、訓練できる規模、演習地に限りがあり、環境資源に与える微妙な影響といった制約がある以上に、地理的特性が重視されたものです太平洋陸軍司令官のミクソン中将は「同チームのハワイへの配置は、わが国が太平洋地域の国益に関与する姿勢を、わが友邦と敵に強力に伝えるものだ。ストライカー旅団戦闘チームの能力は、太平洋地域でいかなる紛争が起きようとも、わが方が勝利を得るだけの能力を「相当程度」広げる。ハワイには限られた土地しかなく、貴重な自然資源があることは十分に分かっている。われらは自然を護ってゆくものだ」

陸軍参謀次長のサーマン中将はこの配置について「今回の決心は、環太平洋地域と東南アジアにはわが国にとって死活的に重要な権益があるという事実に基くものだ。太平洋地域にさらなる戦力を集中させることは、NMS(国家軍事戦略)とQDRに基く決定であり指示指令といえる」としています。陸軍はあわせてこういうことも伝えています。
「このストライカー旅団戦闘チームは、台湾・日本・韓国の防衛や、東南アジア地域におけるテロ集団の聖域化阻止を図るためにわが国の関与が必要になった際、緊急展開する主力部隊となる」

これで陸軍は、太平洋戦域に二つの前方展開SBCTを保有することとなりました。しかしアラスカの172ストライカー旅団は、冬の出動が事実上不可能でこれまで戦略的に無駄が多いとされてきました。二個目のSCBTがハワイに位置することで、必要ならばSCBTを同時展開できるという戦略的柔軟性を得ることができます。これに加えて陸軍は、ハワイ配備は、米大陸内配備よりも太平洋地域の国々に対する即応展開性を高めると考えているようです。25軽歩兵師団長のベドナレック准将は「陸軍にとってもそうだが、現在危険の中で展開中の兵士や家族にとって正しい決定だ。これからもハワイ社会との関係を強化し、今回の配備に関する対話を続けてゆく」としています。
⇒ちなみに現在の米陸軍ストライカー旅団戦闘チーム(改編中もあるかも)です。

2歩兵師団3旅団
25軽歩兵師団1旅団
172歩兵旅団
25軽歩兵師団2旅団
2軽装甲騎兵連隊
ペンシルバニア州兵28機械化歩兵師団56機械化旅団
●米海軍潜水艦の動き
四月六日、「トペカ」(SSN754)が西太平洋地域における六ヶ月間の展開を終え、サンディエゴの基地に帰投しています。展開中は横須賀、沖縄、グアム、フィリピンに寄航しています。四月三日、「ラホーヤ」(SSN762)が西太平洋地域における展開のため、ハワイの真珠湾基地を出港しています。七艦隊司令官が統裁する複数の訓練にも参加し、各国海軍との交流もするそうです。
●米海軍作戦部長、中東を訪問
中東歴訪中の米海軍作戦部長のラフヘッド大将が15日、アラビア湾の5艦隊責任地域で展開中の空母「ハリー・トルーマン」を訪問しました。ここでラフヘッド大将は、10空母打撃群(トルーマン)指揮官のゴートニー少将とバーレーン海軍のマンスーリ准将との間で行なわれる152混成任務部隊の指揮権委譲に関する話し合いが行なわれています。バーレーン海軍指揮官に対しては3月4日に暫定指揮権が授与されており、これは世界初のアラブ国家による混成部隊の指揮となりました。ラフヘッド大将は「アラブの国が混成部隊の指揮を担うのは今回がはじめてで、歴史的なことだ」と述べています。152混成任務部隊は2004年3月に編成されたペルシャ湾中央部と南部の海上警戒任務に当たる部隊です。現在「トルーマン」は、ペルシャ湾で通常任務についているとされます。5艦隊があらかじめ立てていた予定通りの行動をとっているそうです。

5艦隊責任地域での作戦は、地域の有志諸国と協力して地域の警戒と安定に関与することです。米海軍は海上・航空におけるプレゼンスを通じて世界経済に死活的に重要なこの地域の安定に貢献していると、米海軍は発表しています。⇒中東歴訪中のラフヘッド大将は、13~15日にかけてバーレーンを訪問し、海軍指導者達と湾岸地域の安定について話し合っています。あわせて、5艦隊責任地域で展開する米および連合軍海上部隊の視察も行なっています。大将はその後中東各国を歴訪し、アフリカの角地域も訪問するそうです。

●エンタープライズの修理
ノースロップ・グラマンによれば、ニューポートにある新型の大型乾ドックで、空母「エンタープライズ」の換装整備が予定されています。期間は十六ヶ月です。
⇒「エンタープライズ」は横須賀を母港とする七艦隊の主力空母です。
2010年代後半に退役し、後継空母は「ジョージ・ワシントン」となります。
●台湾、本土上陸も視野に
台灣国防部は、四月二十八~三十日に海軍艦艇も参加して行なう予定の陸海共同演習について「シナに誤解を与えるのを避けるため、台湾海峡方面では行なわない」と発表しました。今年の演習は、敵攻撃により損耗を受けた部隊を増強するため、海兵隊部隊が台湾北部に迅速に移動する演練、とのことです。
●米韓首脳会談
十九日土曜日、韓国の李大統領は初めて米のブッシュ大統領と会談しました。李大統領の訪米目的は、まず第一に、この約十年の間に弱体化した米との関係を以前の状態に戻すことです。複数の韓国情報によれば、首脳会談では「自由貿易協定の批准」「北鮮の核問題を含む朝鮮半島情勢」「地球環境問題」「エネルギー問題」「国際情勢」「北東アジア安保システム」について話し合いが持たれています。

韓国大統領府の発表によれば、李大統領は17日、チェイニー米副大統領と懇談しています。ここでは、北鮮核問題の平和的解決に向け両国が緊密な協力を続けていくことで意見を同じくし、米韓同盟の発展と両国間の主要懸案、北東アジアと世界の問題などに関する協力を図ってゆくことについても、幅広く有益な協議を行なった、そうです。聯合ニュースは、この席で李大統領が米韓同盟について、<「過去半世紀にわたり韓国の安全保障と経済発展、そして北東アジアの平和と安定に重要な役割を果たしてきた」と評価し、共通の価値と利害を基に両国の相互利益をさらに拡大していく方向で韓米同盟を発展させていこうと呼びかけた。これに対しチェイニー副大統領は「今後の韓米同盟の強化・発展を期待する」との考えを示した。>そうです。

東アジア情勢で現在一番ホットな課題はいうまでもなく米朝のにらみ合いです。「俺たちはイラクの轍はふまんぞ」という動機から、北鮮は二〇〇六年に核実験を実施しました。こういう事態を引き起こさないとの目的で、二〇〇三年以来ずっと行なわれてきたのが中共が主導する「六者協議」なるものだったわけです。しかし、核実験を受けこれまでの六者協議は機能しなくなりました。そのため、昨年行なわれた会合で参加六ヶ国は、ロシアが主導する「東アジアの平和と安保システム」に乗っ取った形で「作業部会」を設立しました。ロシアにいわせれば、この仕組みは、地域の平和と安全を守るための強い政治的な仕組みになる、そうです。

さて、今回の首脳会談で注目しているのは、PAPSUにまつわる話がロシアや韓国方面からいろいろ出ていることです。米韓は、米が主導する汎太平洋安保連合(PAPSU)を基盤とする「米韓同盟の進展に向けた設計図」を公表するとの話もあります。ですので、今回の米韓首脳会談を単純に「米韓同盟」という次元のみで捕らえてはいけない気がします。韓国が太平洋地域全体を管轄する枠組み「PAPSU」で主導的役割を果たそうとしている、との意味合いで捉える必要があるのでは?ちなみにPAPSUの最初の参加者はわが国と韓国になるそうで、今回の米韓首脳会談がPAPSU立ち上げの第一歩との話も出ていますね。韓国政府は、ロシアとシナの参加も視野に入れているとしてますが、PAPSUはそもそも上海協力機構(SCO)に軍事的に対抗することが目的であり、SCOの主構成国であるロシアとシナを引き込むことは現実的ではないとの見方が多数のようです。

ロシア情報筋は<日米韓は冷戦時代に東アジア地域で機能した軍事同盟トライアングルの復活を考えているようだ。李大統領は日本に対しても韓国の重要性を示したいらしい。大統領は初の歴訪予定に、米だけでなく日本を入れている>といっています。韓国筋は<米は五~六月頃に日米韓首脳会談を計画している。それはおそらく日米韓の三角同盟設立を決定づけることになるだろう。日米韓は二〇〇三年以前、北鮮に対する共通の立場に基く外相レベルのTCOG(三国調整グループ)という枠組みを使った。それがいまや国家指導者レベルに上がったのだ>としていますPAPSUの第二段階は豪州、ニュージーランドといくつかの東南アジア諸国の加盟が予定されています。ロシア筋は<これを見ても分かるとおり、PAPSUは米主導に基く明白な太平洋軍事同盟である>と見ています。

ちなみにロシアについては、タイと同じく「オブザーバー」参加の可能性について話し合いが行なわれているそうです。ロシア筋は<日米韓同盟が構築されることは、東アジア地域におけるミサイル防衛計画に日韓が自動的に参加することも意味する。しなしながら韓国軍トップは、以前にこの計画に懐疑的な姿勢を示していた>と言ってます。西の東欧、そして東の日韓というミサイル防衛システムに挟まれるロシアからすれば、神経質になるのも無理ないかもしれません。その次の段階です。大きく分けて二つが主眼となります。
1.韓国への米兵器、軍事設備供与
主なものは、老朽化した戦闘機F-16Sの代替機F-35、無人機グローバルホーク。
2.韓国のミサイル射程延長への米の支援
2.ですが、韓国政府は01年にアメリカと合意したミサイルに関する覚書で、「射程距離300キロ、弾頭重量500キロ」以上の弾道ミサイル開発を制限されています。
一部報道では、現在韓国が、北鮮の首都平壌、核施設がある寧辺を射程に収めるミサイル開発を行っており、そのためには、射程が280マイル以上(約450キロ)必要だ。との見方もあるようです。しかし開発中のこのミサイルは巡航ミサイルとされています。巡航ミサイルは覚書には当てはまらない「無人機扱い」とされており、韓国独自で開発配備することはできるでしょう。その能力があればの話ですが。笑

ですから、ここで出ている話は「BMD用のミサイル配備のための布石」ということで差し支えないと思います。在韓米軍は、二〇〇九年までに二万五千人規模に縮小される見通しですが、米側は二万八千五百名規模を維持したい意向のようですね。首脳会談では、このあたりのはなしもあったと思われます。ちなみに北鮮は米軍の完全撤退を韓国に要求しており、そのうえで、現在の休戦協定に代わる平和条約に調印するとしています。しかし米はこれを拒否しています。
⇒チェイニー副大統領との懇談の席で李大統領は、米韓自由貿易協定(FTA)が速やかに発効できるよう、国会への説得に最善を尽くすとし、韓国の米国ビザ免除に向けた手続きを加速することで、両国関係の発展に向けた制度的な枠組みを拡充していこうと提案しています。

チェイニー副大統領は、韓米間の交流拡大と韓米同盟をさらに強化させるという点に全面的な共感を示しています。また李大統領は、北鮮が核を完全に廃棄し自発的な開放が行われる場合、北朝鮮の国民所得3000ドル達成に向け韓国政府が協力するという内容の「非核・開放3000構想」についても説明し、チェイニー副大統領はこれを積極的に支持する意向を表明しています。

●米の北鮮核に対する態度の変化
そういえば「「就任してから北鮮との関係が悪化したんではないか?」とのCNNの質問に対し、李大統領は「そうは思っていない」と回答していましたね。確かに同大統領が金大中以来の「太陽政策」を破棄してから北鮮の行動は慎重になっているようです。李大統領の姿勢についてロシア筋は「太陽政策の放棄は北鮮核兵器計画開発断念に向けた六者協議の試みを危険に曝し、退陣するまでに六者協議で成果をあげようと考えたブッシュ大統領の試みを邪魔する結果を生んでいる」という見方を示しています。

そのせいか、最近になって米は、北鮮への譲歩とも見られる措置を幾つかとっています。核兵器と核関連物質と核兵器開発計画の内容を「すべて」公開しなければならない、とする主張がトーンダウンし、明らかにより穏やかな内容になっていますね。北鮮は一部施設を除くすべてを公開するとの通告をしていますが、どうもそれを受け入れる方向にあるみたいです。現在は「じっくり相手の出方を待ち、観察する」という姿勢ですが。

一部専門家によれば、「一部を除く」の目的は、核兵器計画と核関連物資の拡散の区分にあって、その意図は海外に核関連物質を拡散したことを隠すことだろう。とのことです。だから、彼らが公開する内容を見ても「拡散」の事実はおそらく確認できないでしょうね。これを受け、前国務次官で不拡散問題担当だったボルトン氏は「政府は対北鮮強硬政策を放棄した」と非難してますね。ブッシュ大統領は、「何故彼らの行動を待ってはいけないんだね?それがいい取引か悪い取引かどうして分かるんだね?東アジアの利益にならない取引を行なうことはないぜ。」と応えてましたが。いろいろ書いてきましたが、思うことがあります。北鮮と韓国が現在緊張関係にあることでひとつだけはっきりしていること。それは、韓国に核武装を断念させる結果を生んだことですね。
わが国益にかないます。

●中国、海南島に原潜基地を建設か(朝鮮日報)
18日付香港紙・文匯報などは、中国が最南端の海南島三亜市に空母と原子力潜水艦が停泊できる大規模な海軍基地を建設していると報じた。報道によると、米英両軍による衛星写真解析の結果、中国は三亜市亜竜湾に原潜の停泊施設を建設しているという。同施設は射程距離が8000-1万 4000キロに達し、米本土も攻撃可能な大陸間弾道ミサイル「巨浪」を10基余り搭載可能な最新鋭原潜の「晋級」(094型)が停泊可能な規模だ。中国は韓半島(朝鮮半島)に近い山東省青島市と遼寧省葫蘆島市に原潜基地を保有しているが、日米による監視や浅い水深のため作戦上の制約を受けているという。中国が最南端の三亜市に原潜基地を建設するのは、横須賀など日本の米軍基地から離れている上、周辺の水深が数千メートルに達し、敵に探知されにくいためとみられる。

中国はまた、2009年の完成を目指し、亜竜湾に空母が停泊可能な長さ230メートルのふ頭3カ所を建設している。このため、亜竜湾が今後、中国海軍の中心的基地に浮上するとの観測も出ている。中国は亜竜湾基地の完成を待って、広東省湛江港を拠点とする南海艦隊の戦力を大幅に移動させる方針とされる。こうした動きは空母保有などで「大洋海軍」への飛躍をもくろむ中国の姿勢の表れとみられる。北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員朝鮮日報/朝鮮日報JNS

●北朝鮮軍部が米訪朝団と異例の面談、関係改善を望む(聯合ニュース)【ソウル18日聯合】北朝鮮軍の李賛福(リ・チャンボク)上将(中将級)が最近米国の訪朝団を迎え、北朝鮮軍は長期的に米国との関係改善を望んでおり、このための最初の段階としてテロ支援国指定と敵国通商法適用の解除という「政治的補償」がなされなければならないと主張した。10日から12日まで北朝鮮を訪問した米国の元高官や学者らと会った席で述べたもので、米政府系ラジオの自由アジア放送(RFA)が18日に報じた。訪朝団関係者によると、この席には外務省関係者もおらず、軍幹部が2人同席しただけだったという。訪朝団には、ボスワース元駐韓米国大使、トニー・ナムグン米ニューメキシコ州知事首席顧問、アブラモウィッツ元国務省情報研究担当次官補、シーガル米社会科学院博士、ポーラック米海軍大学博士らが参加しているが、こうした訪朝団との面談に軍部が乗り出すのは異例だ。

ボスワース元大使は「北朝鮮軍高官は米国との政治的関係改善を希望した。特に政治的補償の一環として、敵国通商法の適用を中断することを最も望んでおり、その次にテロ支援国指定の解除を望んだ」と伝えている。李上将は、北朝鮮軍と米国との長期的な政治的関係改善を求める姿勢を繰り返し示したが、合わせて米国に対する軍事的警戒心は解いていないことを強調したという。ボスワース元大使はこのほか、李上将が「8日にシンガポールで行われた米朝会談で、すでに米国に核目録の申告書を提出しており、それに対する米国の回答を待っている」と述べたと伝えた。

■「国連は人権擁護のためもっと積極的に動くよう」
ローマ法皇ベネディクト十六世は十八日、国連で行なった演説の中で、
「人権弾圧等人権を侵害する行為に対し、国連をはじめとする国際社会、大国は積極的に動くべき」と述べました。わが国メディアでは大きく伝えられていないようですが、欧米のクオリティメディアはほとんどがこの発言をトップ扱いしています。シナの中共政権によるチベット弾圧、ジンバブエのムガベ政権、そしてパレスチナ和平を視野に入れた発言でしょうね。以前もお伝えしましたが、欧米諸国は「人権」なるものに極めて敏感で神経質です。そんな中行なわれた「キリスト教世界で最も影響力がある精神的権威」ローマ法皇の発言は非常に重いですね。
⇒以前、シナと米が戦争するという設定のトム・クランシーの小説を読んだことがありますが、開戦のきっかけになったのは、意図せざる形で発生した在シナバチカン大使(枢機卿だったかもしれません)殺害でしたね。(おき軍事情報部)