空自の緊急発進、14年ぶり300回超 対ロシア軍機で増加 | 日本のお姉さん

空自の緊急発進、14年ぶり300回超 対ロシア軍機で増加

 日本の領空に接近する国籍不明機に対し航空自衛隊が実施している要撃戦闘機による緊急発進(スクランブル)の平成19年度の実績が307回となり、平成5年以来14年ぶりに300回を超えたことが18日、防衛省のまとめで分かった。

 防衛省は、スクランブル実績の集計・分析作業を行っているが、19年度はロシア軍機に対するスクランブルが最も多く約250回、次いで中国軍機の約50回となっている。ここ数年続くロシア軍機に対するスクランブルの増加傾向が続いていることが裏付けられたという。

 スクランブルは昭和33年に統計を取り始め、米ソ冷戦時代の昭和50年代後半は700~900回だったが、冷戦構造崩壊とともに激減し、平成5年に311回を記録して以降、200回前後で推移。18年度は239回、19年度は307回となった。

 ロシア空軍の長距離爆撃機のツポレフ95やツポレフ22M、ロシア海軍の長距離対潜哨戒機のツポレフ142などが日本列島に沿って太平洋側を南下するいわゆる「東京急行」ルートが増加している。

 今年2月9日には、ツポレフ95が伊豆諸島南方の嬬婦(そうふ)岩上空付近で領空侵犯したほか、4月にもツポレフ22Mが日本列島に接近する事例が起きている。

 防衛省ではこうしたロシア軍機の活動活発化の背景について「プーチン政権の軍重視の政策や、燃料事情の好転を背景にした搭乗員の長距離航法完熟訓練の実施、空自レーダーサイトなどに対する継続的な情報収集があるのではないか」と分析している。

 一方、17年度に過去最高の137回を記録した中国軍機は、東シナ海方面での活動を継続的に実施しているが、防衛省では「特に警戒すべき挑発的な動きはない」と分析している。

 スクランブル統計の実績回数は、1機の対象機に対し、複数の空自基地から3回発進した場合は3回としており、実績の回数と実際に日本周辺に飛来した対象機の数とは一致しない。

4月18日12時11分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080418-00000921-san-soci