インドの自動車市場の話
インドで生産しているスズキの小型車がなかなかいいのです。
インドの自動車市場にちょっと興味があったので、紹介します。
インドは昔、イギリスの植民地になっていたので、今、
イギリスの自動車のブランド会社を買収するのは、プライドの
問題だと言う人もいるけど、確かにインド人にとっては、昔の
宗主国の会社を買収するのは、気持ちがいいことでしょう。
インドのお金持ちは、日本人の金持ちとは桁違いに金持ち
らしいし、家もゴージャス。天井も高いし、家具も豪華だ。
家にはお手伝いさん、ドライバー、庭師、トイレ掃除人、など、
細かく仕事が分かれた従業員がたくさんいる。
カースト制度があるから、金持ちの階級の人はトイレを
掃除しないのだ。卑しい仕事だということになっているから。
日本人は、仕事に、卑しいとか、高級な仕事だとか、分けたり
しないけど、インド人は分けている。日本に来たインド人は
びっくりするらしい。金持ちでも、自分でトイレ掃除をするからだ。
エジプト人の友達もエジプトでは、仕事に卑しいものと高級な
ものがあって、日本人のように、どんな仕事でも気にしないで
一生懸命働くのは、変わっていると言っていた。
日本では、技術者が尊敬されているし、みんなプライドを持って
働いているから、いいものを作ることができるんだろう。
インドでは、金持ちは家の中に大勢、お手伝いさんがいて、
みんな、あごでこき使われている。インドネシアでも、
現地の金持ちが現地のお手伝いさんをこきつかう様子は
同じ人間かなと思うぐらい厳しい。まるで、奴隷扱いなのだ。
日本人は、お手伝いさんをあごでこき使うってことに慣れて
いないから、日本人は現地ではみんな舐められている。
でも、日本の家庭でお手伝いさんになるということは、インド
ネシア人にとってはラッキーなことなのだ。
日本の家庭でお手伝いさんとして評判の良かった人は、
その家族が帰国する時に、他の日本人の家庭に紹介されて
とても大事にされる。日本人は、本当に優しい人が多いのです。
インドの金持ちは、大家族だと、一日中、インドのチャパティと
いうパンを焼くお手伝いさんもやとっている。チャパティは、
薄いパンで、たくさん作って重ねておいて、まとめてちぎって
おかずをすくって食べるから、たくさん焼かないといけない。
一日中チャパティを焼くお手伝いさんも必要なのかもしれない。
この間、インド料理教室でチャパティを焼いていて、
「こりゃ~、チャパティ専門のお手伝いさんは、必要やなあ。」と
思った。一枚、一枚、大きな風船を作る時に使うような
針金を丸くしただけの台の上に、薄いパン生地を置いて火に
かざして焼くのは大変でした。チャパティ用の薄いフライパンも
あるけど、うまく膨れるのは、火にかざして焼く方法です。
車の話に戻ります。
インドの金持ちは、もちろん、高級車に乗りたいだろうから、
高級車はたくさん売れると思う。チュウゴク人だって、
政府の幹部や成金は高級車に乗っている。でも、本当は一番
乗りやすいのは、日本の普通車なのです。ガソリンもくわない。
わたしは、ジャガーに乗せてもらうと、なぜか、車酔いして
気持ちが悪くなるので、普通の車の方が好き。一番最初に
買ったスズキのセルボは大好きだった。天井が一部
接着剤がはがれて落ちてくるのが、嫌だったけど、シートが
黄色とグレーで可愛かったし、体を包み込むような形で長時間
乗っても全然疲れなかった。坂道もぐんぐん走って気持ちが
よかった。インドで作っているスズキの小型車のスポーツタイ
プは、今、売っているセルボよりも、昔のセルボに似ている。
いち早く、インドに入って仕事をするなんて、スズキは賢いよね。
by日本のお姉さん
木下昇伸が徹底解説↓
タタ自動車が、ジャガーを買収 競争激化するインド自動車市場
http://money.mag2.com/invest/soubanote/2008/04/post_79.html
2,300億円で、ジャガー、ランドローバーを買収
3月26日、インドのタタ自動車が米ビック3の一角フォード自動車から、英高級車ブランド「ジャガー」「ランドローバー」を買収すると発表しました。買収額は約23億ドル(約2,300億円)です。
タタ自動車といえば、インド最大の財閥グループの自動車部門。インド国内での低価格帯自動車に強みを発揮していました。本格的な世界進出を狙っており、今回買収したジャガーをグループの最高級車と位置づけ、欧州市場攻勢のシンボルとする計画です。
今回の買収資金は、インド国内外の銀行団からの協調融資でまかなわれる予定で、みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行もその一員として、最大約8億ドル(約800億円)を融資する予定です。
邦銀のインド企業向け協調融資の引受額としては、過去最大級だといい、タタ自動車、そしてインドという国に対する期待の大きさが伺えます。
しかし、今回の買収に対するマーケットの評価はシビアです。買収発表翌日27日のタタ自動車の株価は、前日比7%の大幅な下落を見せたのです。小型車を中心とした低価格帯の自動車を手がけてきたタタ自動車が、本当にジャガーという高級ブランドを扱えるのか、と懸念しているのでしょう。「ポイント1」
合意内容からうかがえるタタのしたたかさ
確かにタタ自動車は低価格車に強い企業です。これまで、インド初の国内設計小型商用車(Tata407)、初の順国産車インディカ(Indica)などを発表。1月には10万ルピー(約25万円)という超低価格車「ナノ」を発表したばかりです。
こうした小型車中心の会社がいきなり名門ジャガーを買収する、というのは、日本企業ではなかなか見られない躍動感ある動きといえます。一方で、上記の通り、「高級自動車部門を上手く運営できるのか」と懸念してしまうのも分かります。
また、フォードのブランド別利益を推定すると、ジャガー自体は07年、かなりの赤字額だったようです。英国政府による国有化や、フォードによる買収を経て、ジャガーのブランドは傷つきました。それをタタ自動車がどう改善していくのか、不安は残ります。
しかし、同時にランドローバーを買収したことも忘れてはいけません。こちらは年間1,000億円程度の利益があると推定されます。07年の販売台数も、22万6,000台と、ジャガーの6万台を大きく上回っています。「ポイント2」
タタ自動車とフォードは、(1)英国内にあるジャガーとランドローバーの計5工場と2つの研究開発拠点を残す、(2)両ブランドの従業員計1万6,500人の雇用を維持する、(3)年金基金の仕組みをそのまま残す、(4)英国にあるフォードのエンジン工場からのエンジン調達を継続する、などで合意しています。
確かにジャガー単体では赤字です。しかし、それに付随して、伝統・ブランド力、そしてフォードの技術力などを吸収する機会を得られることになります。私はこの合意内容を見ていると、インド人特有のしたたかさを感じざるを得ません。
日本企業も参入、今後のインド自動車市場は?
インドの人口は、現在約13億人。しかし、自動車の販売台数はまだ100万台を超えた程度です。自動車業界にとっては、非常に魅力的な市場でしょう。
私は、2月にインドを訪問した際、消費拡大の可能性を感じさせる勢いを体感しました。一般市民レベルでの自動車の需要は、今後ますます増えるでしょう。
また、インドには相続税がありません。ですので、このところの経済拡大で生まれた富裕層は、富裕層でい続けられます。そう考えれば、高級車の需要拡大も見込まれます。「ポイント3」
こうした状況を日本企業が見逃すはずがありません。中でも、1989年にインド進出を果たしているスズキ(7269)は他の日本企業より一歩も二歩も先をいっています。
スズキは現地のマルチ・ウドヨグ社と組んで小型車「マルチ・スズキ」を展開し、インド国内シェアの50%超を握っています。既にインド国内では、“国産車メーカー”と認識されるほど浸透しているのです。
もちろん、トヨタ(7203)やホンダ(7267)も黙っているわけはなく、虎視眈々とインド進出を狙っています。
そこにきて、タタ自動車のジャガー、ランドローバーの買収です。同社にとって、今回の買収は欧州を中心とする世界市場への進出の象徴と位置付けられますが、同時にインド国内を含めた高級車市場を、戦略市場にしていこうという意思の表れともいえます。
拡大が予想される需要とそれを巡る国内外企業の競争の激化。インドの自動車市場の今後の動向から目が離せません。そして、今後の動向を探る上でも、タタ自動車の戦略は注目すべきでしょう。