現在、中国で30人以上のジャーナリストと約50人のインターネット反体制派が服役中
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世界新聞協会:中国のジャーナリスト拘禁に「抗議広告を」
伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1421 ■ H20.03.31 ■ 9,641 部 ■
「次の五輪を観戦するつもり? そこでは見られないことが
1つある」というタイトルのバックに、手首にかけられた
手錠のもう一つの輪が、5輪の一つになっている写真。
産経新聞はこう報じた。[1]
今年8月に北京五輪が開かれる中国で、多数の中国人ジャ
ーナリストが拘禁されている問題に関し、世界新聞協会
(WAN・本部パリ)が被拘禁者の釈放を求めて、世界中
の新聞社などに中国に対する抗議広告の掲載を呼び
かけている。
海外ではすでに多くの新聞社が広告を掲載した。
中国が「政府批判」の罪で多数のジャーナリストを拘禁して
いる状況については、弊誌でも紹介した。[a,b]
WANの調べによると、現在、中国で30人以上のジャ
ーナリストと約50人のインターネット反体制派が服役中
で、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」もほぼ同
じ人数を確認している。どのケースも、政府批判など同様
の“犯罪”だという。(中略)
WANは、中国が02年、五輪主催にあたり「すべての
側面においてオープンになり、国際基準に従う」と表明し
たことは全く守られていないと指摘。「実際は表現の自由
への弾圧を強め、果敢に口を開いた者の投獄やいや
がらせを続けている」として、報道や表現の自由への
対応に改善が見られない点を非難している。
WANによると、キャンペーンは昨年11月から開始し、
英語のほか独仏、アラビア語など10カ国語で広告が
作成されている。インターネットを通じて世界の新聞社
などに広告の掲載を呼びかけており、これまで米紙
「USA TODAY」、ポーランドの無料紙「メトロ」、
英地方紙「バーミンガム・メール」などが広告を掲載した
という。[1]
日本の新聞や雑誌はこの呼びかけにどう応じるのか。
新聞雑誌記事の横断検索(*)をしても、このニュース自体を
報じているのは産経新聞のみで、他の全国紙、代表的
地方紙、NHKニュース、共同通信などは一切、黙殺して
いるようだ。
(* Biglobeの「新聞・雑誌記事横断検索/G-Search」で
過去1ヶ月間、「世界新聞協会 AND 中国」で検索)。
「国境なき記者団」が発表した2007年の世界報道自由度ラ
ンキングによると、中国は169カ国中163位との事だが、
こと中国報道に関しては、中国のメディア・コントロールが日
本の報道機関にも及んでいると見るべきだろう。
■リンク■
a. JOG(438) 情報鎖国で戦う記者たち
~ 中国のメディア・コントロール(上)
全世界で不当に監禁・投獄されている記者のおよそ三分の一
は中国政府によるもの。
■参考■
1. 産経新聞、H20..03.25「中国のジャーナリスト拘禁 五輪報道
の自由は 世界新聞協会『抗議広告を』」、東京朝刊、1頁
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まぐまぐ: http://www.mag2.com/m/0000013290.htm