チベットで何が起こったのか(18日から22日) | 日本のお姉さん

チベットで何が起こったのか(18日から22日)

ぺきんこねたぶろぐ(福島記者)

■3月17日


■ラサは軍隊に包囲され、各家をしらみつぶしに回ってデモ参加者をとらえる大捜査作戦を展開。何人が拘束されたかは不明。ラサの各道路では軍による検問が行われ、身分証明書を持たないチベット族はすべて拘束された。


■ラサの堆龍徳慶県徳慶村丁果寺の12人の僧侶は当日の抗議活動中に逮捕された。そのうち名前が分かっているのは嘎瑪达瓦、格桑巴珠、阿旺英尼、阿旺塔曲和晋美。


■ラサの当県康瑪寺の8人の僧侶が逮捕された。



■午前、アムド(四川省阿坝藏族自治州)阿坝県の馬迷寺の尼僧がダライ・ラマの写真をもって和平を叫びながらデモ行進した。


■ 午前、アムド(青海省海南藏族自治州共和県)の寺院でも抗議活動が行われた。


■ 午前、アムド青海省黄南藏族自治州同仁県)の隆務寺僧侶全員が、隆務寺西山口煨桑,斉頌で、ダライラマへの祝福の祈りをささげたところ、軍、警察に阻まれ、追い払われた。僧侶は市街区にデモに行こうとしたが、民衆が泣いて止めたので帰った。警察は高度の警戒態勢をとっている。最後に僧侶は寺の夏日倉(シャリツアン?)活仏に頼んで、政府に要求を提示してもらった。その要求とは寺を包囲警邏する軍、警察の撤退、寺の中に設置されている監視カメラの撤去、仏事の理由無き禁止を撤回、など。政府は同意。

■ しかし午後、地もと当局の官員がチベット族各家庭をまわり、デモに参加しないことの証明証にサインさせた。18日に、西寧から特殊警察部隊が派遣され現地に配置された。


■ 午前、アムド甘粛省甘南州府合作市で、合作衛校の学生が市内をデモ。合作師範専門学校の学生と現地中学校の学生がデモを計画して阻まれた。

■午前、アムド甘粛省甘南藏族自治州の碌曲県で500人の僧侶と民衆が平和デモをおこなった。


■ アムド青海省海南藏族自治州の貴南県塔秀寺僧侶が平和デモを行い、県城に行く途中で警察に阻まれ寺院に追い返された。

■ 午後6時、アムド(青海省果洛藏族自治州)久治県大龍寺で、平和抗議デモがあり、1000人が参加、中国国旗を降ろしチベット国旗の雪山獅子旗を掲げた。


■ アムドは青海省果洛藏族自治州久治県隆盖寺の200人の僧侶が平和デモを行った。この前にこの寺の僧呂はラサの最初のバルコルでのデモで何人かが逮捕されている。

■アムド(甘粛省果洛藏族自治州)久治県で数百人の遊牧民の抗議活動があり、商店や警察車両が、寺院の一部ラマ僧が、説得に当たって停止させた。当局は連夜、軍警を久治県に派遣し、夜間外出禁止措置を実施。

■午後7時、アムド(青海省果洛藏族自治州)久治県の門塘郷で300人規模の平和デモがあり、チベット国旗を掲げた。

■アムド(甘粛省甘南藏族自治州)卓尼県の民衆がデモを行い、卓尼藏族中学の学生が、多くの商店、レストランの窓ガラスなどを破壊、その後警察に追われて解散。そのご、40台の武装警察車両が配置されて州府への交通が遮断された。

■アムド(甘肃省甘南藏族自治州)迭部県でも暴力を伴うデモが発生。


■ 中国少数民族教育の最高学府である北京中央民族大学で100人のチベット人学生が校内で数時間の座り込み抗議をおこなった。これでチベット族を支持する声が首都北京にまで広がったことになる。目撃者が語るところによると、座り込みの学生は静かにろうそくをともし、一言もはっせず、だまって涙を流していたという。教師は学生を説得。公安も現場にいた。学校の外では警察車両が待機したが衝突は起こらなかった。ただし、公安はすでに首謀者の捜査を展開、座り込みは19時から23時半まで続き、ある情報によれば300人が参加し、学部生および研究生も含まれるという。


■四川省成都市の西南民族大学100人あまりのチベット族学生はデモおよび座り込み行った。


■アムド(四川省阿坝藏族自治州)红原県で、チベット族の抗議活動が行われ、現地のチベット族中学の学生が校門を出てデモ行進。警察と教師が阻止し、数名の学生リーダーが逮捕された。学生らは座り込み抗議をして、彼らは釈放された。ある学生は足に銃弾を受け、ある学生は刀による刺し傷をうけた。現在病院で治療中。

■四川省甘孜藏族自治州の色達県でチベット族の抗議デモがあった。

■ 3月18日

■ラサは依然、大捜索が行われ捕まった人は何人にのぼるかわからない。主要道路の入り口には、解放軍が配置され、通行人の身分証などをチェックしている。とくに、チベット族衣装をきたチベット族に検問は集中。多くの兵士が、住民を拘束、捕まえたものを棍棒で殴る者も。催涙弾をつかって、野次馬を追い払う場面も。


■ラサ郊外雪新村では午後4時から4時半にかけて、住民3人が連行された。うち一人は50歳くらいで、衣服から幹部らしい。かれも縛られ殴られていたが、頭をたかだかとあげ、おそれた様子はなかった。もう2人は若者で、見た目からラサ市民のようだ。


■午前10時半、青海師範大学民族師範学院で200人近いチベット族学生が運動場で座り込み抗議を行った。「哀悼」をスローガンにしていた。多くの教師が説得し、午後2時半に解散。

■午前、アムド(青海省果洛藏族自治州)大塘寺で、平和抗議デモがはじまり、のちに学生、民衆が数千人参加。彼らは非暴力平和デモを行うと堅く決めていた。

■アムド(青海省果洛藏族自治州)果洛地区、扎曲卡で、大規模な民衆の抗議活動があり、多くの郷鎮政府で中国国旗がおろされ、仏教の旗幟が揚げられた。軍警の制圧をうけ、双方が衝突、あるチベット族は射殺され、死傷者の数は不明。大多数は普通の民衆。


■午後、アムド(甘粛省甘南藏族自治州)合作市で、百両以上の軍のトラックが市内に入った。甘南州府合作市の師範専門学校やチベット族中学、チベット族小学校の学生は、実家に帰らされ、授業開始日を待っている。


■アムド(甘粛省甘南藏族自治州)瑪曲県の各学校で、学生に対し、校内にいることを禁止、同時に、チベット族幹部に街の治安維持を要求し、聞かぬものは懲罰を与えると通達した。


■午後4時半前後、 四川省甘孜藏族自治州理塘県で、300人のチベット族がデモを行い、一部拘束された。


■四川省甘孜藏族自治州甘孜県で、僧侶民衆がデモを行い、炉霍県の農牧民も参加。報道によれば少なくとも、一人が軍警に射殺され、9人が銃弾を受け、死傷者の数は不明。炉霍地区では大量のビラがまかれた。


■その夜、四川省甘孜藏族自治州色達県では、数千人の僧侶と民衆の抗議活動があり、軍、警察当局に解散させられた。


■その夜、アムド 青海省黄南藏族自治州尖扎県の民族中学(唯一のチベット語中学)で、すべての教室に「フリーチベット」「ダライ・ラマ万歳」の張り紙がはられる事件があった。中国国旗がおろされ、雪山獅子旗が掲げられた。しかし、尖扎県の市内では軍、警察があふれ、すべての寺院で僧侶は寺から出ることがゆるされていない。


■北京の大学では少数民族の学生(つまりチベット族学生)にたいし、身上調査が行われた。質問は①ダライ・ラマのあなたの心に置いての地位は?②父母の詳細な住所、職場連絡先など③学生の身分証明書番号、④いかなるデモ、座り込み抗議に参加しないと保証するか。


■すべての外国記者にラサ、青海、甘粛、四川などのチベット族自治州、居住区に行くことを禁止。主要道路で検問を行い阻止している。ある外国人記者は車で15時間かけてさまよったが、結局、いずれのチベット族居住区にも入れなかった。最後に警察の強制撤退命令をうけ、蘭州から北京に帰った。理由はチベット族自治地域は安全ではない、というものだった。記者は「イラクより安全でないのか?」と笑ったという。


■青海省西寧の各小学校、中学ではすべてのチベット族学生に登録をもとめ、家庭状況、戸籍を調査。戸籍が西寧にないものは、現地の戸籍を提出するよう求めた。


■3月19日



■ラサでは依然、拘束された人数は不明。新華社はすでに160人が自首したと報道。

■ラサのデプン、セラ、ガンデン寺は依然、当局に封鎖されている。軍に包囲され、水、食糧が止められ、僧侶に対し「兵糧攻め」が行われている。三大寺の僧侶の直面する危機を外界に訴える。


■チベットテレビの文芸チャンネルとラサテレビのチベット語チャンネルで、ラサ市公安当局による21人分の指名手配が発表された。そのうち2人が僧侶、1人が女性。録画映像から写真を拡大して、顔が写された。ラサで逮捕されたチベット族は千人以上にのぼる。3人のチベット族は逮捕からのがれようとして、ビルから飛び降り自殺。とらえられたチベット族はほとんど、衆人環視の中、軍警用の鉄棒などでひどく殴打された。この様子を見てチベット族は同情をしめし、目を覆ったというが、多くの人は喜び「ざまあみろ」と叫んだという。街は兵士であふれ、チベット族の身分証明証、戸籍をチェック。チベット族は基本的に門を閉ざして外にでていない。街を歩く人は基本的に漢族という


■香港フェニックステレビの番組は、ラサがすでに正常な生活に回復したといしているが、これら取材がいうところのラサ市民とは、漢族であり、つまりラサはもう、漢族の都市であるということだ。


■ラサ人民検察院が24人のチベット族の逮捕状を発行。指名手配されていた21人は含まれていない。しかし、21人のうち、一人は逮捕されている。


■青海のあるチベット自治州からの情報。多くの地方の村村がすべて軍、武装警察に包囲されて、厳戒体制がしかれている。蘭州軍区の派遣した部隊という。


■青海民族学院のチベット族学生は座り込み抗議したいと、署名活動を行っている。


■アムド(甘粛省甘南蔵族自治州)瑪曲県城および各郷鎮が軍の車両に包囲され、容疑者大捜索が始まり、多くのチベット族が捕まっている。


■四川省甘孜藏族自治州色達県の500人以上のチベット族は県政府の前で抗議活動を行い、多くのチベット族が拘束された。


■アムド(四川省阿坝藏族自治州)红原県查日馬郷の40人のチベット族は抗議を行い、学校の中国国旗をおろし、ハダ(巡礼者の使うスカーフ)をチベット国旗のかわりに掲げた。

■アムド(青海省黄南藏族自治州)同仁県の噶尔孜乡和多瓦郷のチベット族がデモを行った。
■3月20日

■アムド(青海省黄南藏族自治州)沢庫県の在索納寺で100人以上の僧侶が数千人の民衆をひきつれて、県城で大規模な平和抗議活動を行った。スローガンは「至尊のダライラマと対話を!チベットの高度の自治の許可を!」さらに、ダライラマ、パンチェン・ラマ11世、噶瑪巴仁波切17世の写真を掲げていた。統治の公安、武装警察は厳重に監視をしていたが、それ以上の措置を執らなかった。


■アムド(青海省平安県)红岩村、つまりダライ・ラマ14世の出生地(Taktser)は警察によって封鎖され、チベット族および記者は入れなくなった。

■青海民族学院のチベット族学生は西校区で夜8時に座り込み抗議を開始、芸術学部、外国語学部の学生を含む。


■その夜10時、CCTV-4で、「ラサ打ち壊し略奪焼き討ち暴力事件の記録」ニュース報道が、放送された。これは、民族の対立をより激しくする宣伝として、国内民衆に影響を与え、民族の仇恨を煽動する効果もあった。


■3月21日

■ラサは表面上、平静になった。しかし、各機関、部門、居民委員会では会議が開かれ、当局の講話が伝えられた。幹部、職員、居民に対し、会議では「ダライ集団の卑劣な悪行を世論でたたき、分裂主義との闘争を進行することを堅く決意しよう」と要求され、人々の発言、態度が踏み絵となった。各級のチベット族公務員、政治協商会議、仏教会の「統戦人士」たちは、つぎつぎとテレビで、激しくダライ・ラマを批判し、自分の身の安全を保とうとした。小学生、中学生さえ、テレビでダライ・ラマを譴責することをもとめられた。


■青海民族学院チベット語学部の学生は東校区で午前8時から座り込み抗議を行った。

■CCTVのラサ打ち壊し略奪焼き討ち暴力事件実録のフイルムは繰り返し放送され、中国民衆に大きな影響を与え、事実上、民族分裂を深める結果になった。



■チベットテレビ局の文芸チャンネルとラサテレビのチベット語放送は、ラサ市公安局の発布する指名手配を発表、29人のチベット族が指名手配された。うち2人は僧侶(一人逮捕済み)、2人女性。ラサの人々は戦々恐々としている。中国の各ウェブサイトで、 19人の指名手配写真とラサ公安局の電話番号が公開された。


■新華社報道によると、チベット自治区の関係部門の話しでは、21日までに183人が自首。死者は12人から18人に増えた。


■ラサで鎮圧任務を負った軍は、チベット族集中居住区にテントをはり、持久戦に備えている。

■一人の遼寧省大連市民が、ネットで「フリーチャイナ」と題する書き込みをした。「大連には300人のチベット学生がいる。…目下大連ではチベット学生の座り込み抗議が発生している。…私が驚いたのは、チベットよりはるか千里のかなたの中国の東北にまで、チベット族の抗議活動が広がり、この大虐殺がチベット族を団結させ、暴力への抗議活動を展開させていることだ。漢族のわれわれに、こんな勇気があるか?!ここで、私は強烈に中国共産党がチベットで侵した大きな罪を譴責し、自分がこれまでチベットの苦難を全く理解していなかったことを後悔する。勇敢にして、善良なチベット人民に崇高な敬意を表す!」

■3月22日

■アムド(青海省海南藏族自治州)貴南県で数百の僧侶、民衆が県城で平和請願デモを行った。

■アムド(青海省黄南藏族自治州)尖扎県で、300人のチベット族が県城で平和請願デモを行い、「ダライ・ラマ万歳、ダライ・ラマの帰還を」とスローガンを叫んだ。午前9時からはじまったが、目下民衆と当局軍、警察は衝突していない。

■王力雄、劉暁波、張祖樺、沙葉新、于浩成、丁子霖、蒋培坤、余傑、孫文広、冉雲飛、浦志強、滕彪、廖亦武、江棋生、張先玲、徐珏、李駿、高瑜、王徳邦、趙達功、蒋亶文、劉毅、許暉、王天成、温克堅、李海、田永徳、劉荻ら30人の中国知識分子が、連名で、チベットのこの局面の処理に関する意見を表明。(以下、前の書き込みから訂正。オーセルさのブログにあったものとは違い、原文を引用)(略)