利権と腐敗の「部落解放同盟」が人権擁護法成立に執念を燃やす背景を読み解く。
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▼利権と腐敗の「部落解放同盟」が人権擁護法成立に執念を燃やす背景を読み解く。そして同和利権に群がる古賀誠、山崎拓、太田誠一。
(じじ放談)
第1.同和対策事業特別措置法(1969年成立)による約15兆円の税金投入。当初10年間の時限立法として成立した標記の同和対策事業特別措置法(以下「同対法」という)は、延長を繰り返し、2002年までの33年間継続した。この間、国税及び地方税が約15兆円投入された。同和利権の主たるものは以下のとおりである。
1.同和地区環境整備費・・・緑地化、堤防や道路整備
2.社会福祉施設の建設・・・隣保館及び同和教育集会所、解放センター、解放会館、人権文化センター、コミュニテイーセンター、老人福祉施設、児童館など
3.同和住宅の建設
4.納骨堂・墓苑・斎場の建設
5.保育所建設
6.共同作業所の建設
7.公営浴場(京都市)の建設
8.同和地区出身者及び居住者が経営する企業への課税額の減免措置
9.同和地区出身者及び居住者に対する各種補助金(奨学金ほか)の支給
10.地方自治体及び関連団体への同和地区住民の優先雇用
(以上、ウイキペディアより抜粋)
第2.部落解放同盟は、なぜ「人権擁護法成立」に執念を燃やすのか?
部落解放同盟は,1922年3月3日、「人の世に熱あれ。人間に光あれ」という崇高な理念の下に結成された「水平社」に起源を持つ。だが、1969年(昭和44年)の同対法施行以後、部落解放同盟は民主党(旧社会党)系と共産党系の全国部落解放運動連合会(全解連)に分裂する。その後の経緯を見ると「部落差別は基本的に解消している」とみなす共産党系の全解連と、部落民の待遇改善という「モノ取り主義」を運動の中心にすえる民主党(旧社会党)系の部落解放同盟主流派の路線対立であったということができる。
なお、1960年5月に発足した自民党系の全日本同和会(1986年に分裂して以降は、全国自由同和会(全自同)と称する団体は、現在、23都府県で会員数9万8000人といわれる。部落解放同盟と異なる点は「糾弾闘争を拒否して、対話と協調を重視する」というだけで、利権に群がる体質は民主党系の部落解放同盟と同じであるといわれる。同和地区は西日本に多く東日本に少ない。特に、大阪・兵庫・京都・奈良・福岡が多く、部落解放運動のメッカになっている。「人権擁護法成立に執念を燃やす」自民党の古賀誠・太田誠一・山崎拓はいずれも福岡県選出である。おそらく全国自由同和会福岡県連の強い後押しがあるのではないか。
一方、民主党ネクスト法務副大臣である松岡徹参議院議員は、部落解放同盟前中央書記長であった。その前は部落解放同盟の最大組織大阪府連委員長であった。大阪府連では飛鳥支部小西邦彦支部長が業務上横領事件で逮捕されたが、これは氷山の一角といってよく、とりわけ大阪市の行政を食い物にして、膨大な財政赤字を生み出した元凶といっても過言ではない。京都市、奈良市の同和関係者が逮捕された件も右にならえである。(2002年。同対法が期限切れとなり、莫大な同和利権が消えた。新たに、同和利権を復活させるべき「根拠となるべき法律の整備」が必要と認識された。)同対法が期限切れとなった翌年、2003年5月10日の部落解放同盟第60回全国大会は「生命、人権、平和、環境を守り抜く<人権擁護法案>の抜本修正と狭山再審勝利への証拠開示の立法化をかちとる決議」を行った。その一部を抜粋すると、「・・・部落差別を撤廃し、人権確立社会を実現するために、人権の法制度の確立が重要な課題である。・・・」(部落解放同盟中央本部ブログより抜粋)
つまり「部落差別」という幻想を掲げ、「人権の法制度を確立する」ことで、期限切れとなった同対法に代わる「受け皿」を準備して、国税並びに地方税を同和対策事業に取り込まんとする魂胆であろう。だから、同和利権に群がってきた自民党古賀誠・山崎拓・太田誠一や民主党同和関係国会議員が「人権擁護法成立」に向け奮励努力しているという訳だ。その他、大勢の国会議員やマスコミは「人権擁護」という美名に幻惑されて「賛成」の意思表示をしているという状態だ。現在、国家並びに地方自治体の負債残高は合計1000兆円を超えるといわれる。そのうち、地方自治体だけで200兆円を超えるという。北海道夕張市は「財政再建団体」に陥ったが、夕張市よりも財政事情が悪化した自治体も少なくないという。とりわけ、大阪市、京都市、兵庫県、大阪府等の財政は「財政再建団体転落が必至」といわれるほど悪化している。
これまで、部落解放同盟は地方自治体を「糾弾闘争」で脅し上げ、これを屈服させて法外な財政支出を行わせてきた。革新自治体の与党であった民主党(旧社会党)の主力応援団である部落解放同盟は、同じく民主党の主力応援団である地方公務員労働組合連合会(自治労)と二人三脚で地方財政を食い物にしてきた。結果、地方自治体は「乾いた雑巾」と同じく、絞ってもカネが出せない「破産状態」に堕ちた。いかに悪質な部落解放同盟であっても「乾いた雑巾」を絞ってカネを引き出すことはできないから、同和利権が大きく減少し困っているはずだ。「カネの切れ目が縁の切れ目」ということで、組織率も大きく減少しているかもしれぬ。警察に逮捕される部落解放同盟指導者・同盟員が多数出たことも組織の危機を示している。
部落解放同盟としては、いつまでも「狭山再審事件」で人を集めることもできないから、「カネになる材料が欲しい」と考えているはずだ。「新たな闘争目標がないと、組織を維持することが困難になる」との危機意識を持っているかもしれぬ。という訳で、見つけ出したのが「人権擁護法」又は「人権侵害救済法」という訳なのだ。成立させ、これを根拠にして「国又は地方自治体から財政支出させよう」という存念であろう。
第3.人権擁護法の問題点櫻井よしこを初め専門家がいろいろな角度から論じているので、細部の検討は省略したい。筆者が問題としたいのは、2002年、第154回通常国会に提出された「人権救済法案」の(1)人権擁護委員の選出方法、(2)人権委員会の特別調査である。市町村長は、人権擁護委員候補者を「当該地域住民の中から人権問題に熱意と関心を持った人間」を推薦することになっている。つまり、人権擁護委員候補者を選任する過程で、多くの自治体では「部落解放同盟が推薦した者」を推薦する可能性が高い。結果、各市町村の人権擁護委員会は部落解放同盟の拠点となる危険がある。部落解放同盟がいう「部落から地方を改革し、地方から国を変革する」という革命理論の実践拠点となるおそれがある。
次に、人権委員会が行う「特別調査」は、委員又は職員にこれを行わせることができると規定する。職員は「自由法曹団」等、思想的に偏向した弁護士が就任する可能性が高いというべきであるから、左翼的偏向思想で「人権侵害」の事実を審査するための特別調査を行うことになる。
特別調査は、
(1)事件関係者に対する出頭要求、質問
(2)当該人権侵害等に関係のある文書その他の物件の提出要求
(3)当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所の立ち入り検査
つまり、「人権侵害が疑われる」という事由があれば、刑事訴訟手続や裁判所の許可を受けず、人権委員会の判断だけで、刑事事件と同様の「捜査を行うことができる」というのだ。この捜査対象者は「濡れ衣」を着せられて、誤って「人権侵害者」として申告された者も含まれると想定することができる。人権委員会から令状に基づかない強制捜査を受けた者は、人権委員会の捜査担当者に対し「人権侵害を行った者」として刑事告発し、「名誉毀損と精神的苦痛を与えた者」として慰謝料請求訴訟を提起することになろう。かくして我が国は「人権訴訟合戦」で賑わう社会となる。裁判所も「人権委員会」を被告人とする刑事・民事事件が激増して多忙になるのではあるまいか。
第4.「人権擁護法」に反対する保守勢力と日本共産党は共闘できるか?
「人権擁護法成立」を狙うのは、部落解放同盟前中央書記長である民主党松岡徹参議院議員一派並びに全国自由同和会福岡県連の支援を受けているはずの古賀誠、太田誠一、山崎拓の利権グループである。これに敵対するのは、平沼赳夫・櫻井よしこほかの真正保守並びに共産党系の「全国部落解放連絡会(全解漣)-2004年4月4日「全国地域人権運動連絡会(全国人権漣)に改称」である。目下、「人権擁護法」の制定を企む部落解放同盟と全国自由同和会が連携している分、有利に進めている観がする。これに反対する勢力がバラバラで足並みが揃っていないから、出遅れ観は否めない。
(「真正保守勢力」と日本共産党の共闘可能性を検討してみる)
その1.右翼と左翼は正反対の思想なのか?
思想・信条を直線上に並べて見ると、最右翼に位置する「真正保守」と最左翼に位置する共産党は、線分の両端に位置する。「共闘なんぞ、とんでもない」というのが双方の見解であろう。だが、この線分の両端がつながって円状になっているとしたらどうか?「真正保守」と「共産党」は隣同士ということになる。極めて似た体質ということができる。
第二次世界大戦時、フランス共産党大幹部の某が、ファシストに転向したことがある。ばりばりの共産主義者であったロシアのプーチンは今やファシストといわれている。ヒットラーはレーニン率いるロシア共産党(ボリシェビキ)の青年同盟からヒントを得て「親衛隊」をつくった。ヒットラーの親衛隊を真似て、プーチンが「プーチン親衛隊」をつくったのは有名である。第二次世界大戦中我が国は「国家総動員」の政治・経済体制を築いた。いわゆる国家社会主義的戦時体制である。戦後の日本は、米国に押し付けられた「日本国憲法」で個人の人権と自由を最大限保障する個人至上主義制度をつくったかに見えたが、その実態は、官僚指導体制の堅持と国民皆健康保険制度の温存など、国家統制色の強いものであった。中国共産党幹部をして「日本は理想的な共産主義国家である」といわしめた所以である。
その2.共産主義から「国際主義」を引いて、「民族の伝統」を加えると国家社会主義(ファシズム)になる。
共産主義という赤い溶液が入った試験管に、民族の伝統(文化・伝統的宗教)を加えると、白色の国家社会主義に変じる。伝統的宗教とはロシアの場合はロシア正教であり、我が国の場合は「神道」である。という訳で、日本共産党が「皇室を尊崇し神道を敬う」ならば、即「真正保守」に転換することができる。共産党から離党又は除名された人物が、ばりばりの超右翼(真正保守)になった事例は珍しくない。右翼の論客「西部(にしべ)」もこのケースに当たる。なぜ、共産党から転向すれば、社会民主主義者ではなく、バリバリの「真正保守」に転じるのか?その理由を明らかにしてみたい。
その3.民族・国家の利益を第1に置くか、個人の利益(利権)を第1に置くか
民族・国家と個人を基準にすえると、我が国の政治勢力は以下のように分類できる。
(1)民族・国家度の濃度の濃い順番は、真正保守→保守→共産党→社民党・・・
(2)個人の濃度が濃い順番は、極左暴力集団(中核派・核マル派等)→民主党リベラル→自民党リベラル
(3)中間的集団の濃度が濃い順番は、創価学会・公明党→民主党小沢グループ
「人権」とか「利権」というのは、個人の利益を第1とするから、「民族や国家のありよう」を第1とする「真正保守」や共産党と対立せざるをえない構造なのだ。「人権擁護という名の下に利権復活を狙う」部落解放同盟や全国自由同和会は、個人又は団体の既得権(利権)回復を願う「反国家・反民族」という傾向が強い。国家・民族よりも個人の損得を最優先する。この代理人が、民主党松岡徹参議院議員であり、自民党古賀誠・太田誠一・山崎拓衆議院議員ということになる。
その4.「人権擁護法阻止」で国共合作は成立するか
共産主義者と「真正保守」は、双方から、敵対関係にあると認識されている。だから「親密な友人関係を築く」とは誰も期待していない。だが、当面の政治課題である「人権擁護法成立阻止闘争」に限定すれば共闘を組めないとはいえない。双方の思想・信条の相違点に目をつぶって、当面する敵を撃退するための戦術的共闘はあってもよい。つまり、永遠の敵とは「一時休戦」して「目下の敵を掃討する」作戦だ。敵の敵は味方というマキャベリステックな考えに基づく。この戦術的共闘は、蒋介石と毛沢東の如く、双方が政治的に成熟したレベルに到達していなければ成立しない。双方が「教条主義的」であれば成り立たない。「真正保守」の平沼赳夫・櫻井よしこは政治的かけひきができるほど柔軟ではない。ガチガチの保守であるから「柔軟性を期待する」ことは困難だ。共産党委員長の志井和夫はやや柔軟な姿勢の持ち主であるが、それでも「教条主義者だらけの党内をまとめることは困難」と見るべきであるから、こちらも戦術的共闘に歩み寄る可能性が高いとはいえない。利権屋集団は「損得で一致」すれば無原則で共闘できるのに対し、「人権擁護法阻止」を掲げる陣営は、主義・思想に拘り分裂行動をとるから力が分散する。という訳で、「人権擁護法案」が閣議決定され国会に上程されれば、可決成立する可能性が高まる。憂慮すべき事態ではあるがやむをえない。
第5.「人権擁護法成立を阻止する」ための方策
1.「反利権」「反部落解放同盟」勢力の連携を強める。
自民、民主、国民新党、社民党など各党内の「反利権」又は「保守勢力」と共産党が、「人権擁護法成立阻止」議院連盟を立ち上げる。当面、「小異を残して大同につく」戦術をとる。
2.自民党保守勢力の結集を図る。
麻生太郎・中川昭一・安倍晋三陣営の中堅若手が「人権擁護法成立阻止」の運動を強める。福田内閣が「閣議決定する」おそれが出てきた場合には「自民党分裂を辞さず」との強硬姿勢を示す。
3.いよいよ閣議決定の段取りとなった場合は、「人権擁護法案」に反対する閣僚は「閣僚辞任」の姿勢を表明する。
4.部落解放同盟を牽制するため、「真正保守勢力」と共産党が合同の勉強会を立ち上げる。
5.自民党保守勢力は、民主党内「反人権擁護法」勢力との連携を強化し、福田内閣不信任決議もありえるとの姿勢を明確に示す。
以上の方策をとれば「調整派」の福田康夫であるから「人権擁護法案」の閣議決定という冒険はしないと考えてよい。万一、福田内閣が「閣議決定」を行った場合は、自民党保守勢力は野党に同調して内閣不信任案を提出し、衆議院解散又は内閣総辞職に追い込む。自民党と民主党が分裂し、政界再編に突き進む。以上の陣構えで臨むならば、談合の森喜朗と調整の福田康夫であるから「人権擁護法」の閣議決定や法案の国会提出を断念するはずだ。断行するメリットは乏しく、失うものが大きいから健常者であればごり押しすることはあるまい。
目下、「人権擁護法問題」が、言論の自由を制限するという視点でのみ論議されているため、筆者は、「人権擁護法問題」を、部落解放同盟と全国自由同和会の「同和利権復活闘争」という側面から分析してみたのである。筆者が若い頃、大阪では部落解放同盟の「糾弾闘争」が激しかった。ちょっとした言葉尻りをとらえ「差別発言」と勝手に解釈し、同和関係の書籍を何十冊も買わされる職場があった。さらに、「差別発言をするのは、学習が出来ていないからだ」という理屈で、「解放同盟推薦の学者を職場研修に派遣され強要された」職場も数多く見てきた。糾弾闘争で暴力を振るわれ大怪我をした教師も続出した。部落解放同盟所属の加害者が高等裁判所で有罪判決を受けたことはいうまでもない。
部落解放同盟の「糾弾闘争」に脅えた地方自治体やマスメディアの多くが、屈服し、彼らの下僕に成り下がった姿を見てきた。部落解放同盟は国民大衆から「触らぬカミにタタリなし」として敬遠される実態も見てきた。部落解放同盟は、「利権」を追求しすぎて、自ら「部落差別を助長する役目を果たした」といってよい。彼らの組織から、犯罪者が続出するのは自然なのだ。国家や地方自治体に寄生する「物取り主義」の運動方針が誤っていたから、犯罪者が続出するのだ。筆者も「部落差別はあってはならない」と考えている。筆者の数十年来の親友にも部落出身者がいる。互いに「人間として」親しく交わっている。だから許せないのだ。「部落差別」を喧伝して「利権をあさる輩(やから)」を。多くの真面目な部落出身者は、部落解放同盟の「暴力と利権のあり方」に辟易し憤慨しているのではあるまいか。もはや「部落問題」は我が国民の意識にはない。意識がないということは「差別意識もない」ということなのだ。部落解放同盟は「部落差別」という幻想を創りだして、国民の差別意識を醸成しているように見える。彼らの独善的・反国民的な組織の維持と「利権」を復活させる目的のために「部落を食いもの」にしているのだ。誠に、「嘆かわしい」といわねばならない。
(じじ放談)
第1.同和対策事業特別措置法(1969年成立)による約15兆円の税金投入。当初10年間の時限立法として成立した標記の同和対策事業特別措置法(以下「同対法」という)は、延長を繰り返し、2002年までの33年間継続した。この間、国税及び地方税が約15兆円投入された。同和利権の主たるものは以下のとおりである。
1.同和地区環境整備費・・・緑地化、堤防や道路整備
2.社会福祉施設の建設・・・隣保館及び同和教育集会所、解放センター、解放会館、人権文化センター、コミュニテイーセンター、老人福祉施設、児童館など
3.同和住宅の建設
4.納骨堂・墓苑・斎場の建設
5.保育所建設
6.共同作業所の建設
7.公営浴場(京都市)の建設
8.同和地区出身者及び居住者が経営する企業への課税額の減免措置
9.同和地区出身者及び居住者に対する各種補助金(奨学金ほか)の支給
10.地方自治体及び関連団体への同和地区住民の優先雇用
(以上、ウイキペディアより抜粋)
第2.部落解放同盟は、なぜ「人権擁護法成立」に執念を燃やすのか?
部落解放同盟は,1922年3月3日、「人の世に熱あれ。人間に光あれ」という崇高な理念の下に結成された「水平社」に起源を持つ。だが、1969年(昭和44年)の同対法施行以後、部落解放同盟は民主党(旧社会党)系と共産党系の全国部落解放運動連合会(全解連)に分裂する。その後の経緯を見ると「部落差別は基本的に解消している」とみなす共産党系の全解連と、部落民の待遇改善という「モノ取り主義」を運動の中心にすえる民主党(旧社会党)系の部落解放同盟主流派の路線対立であったということができる。
なお、1960年5月に発足した自民党系の全日本同和会(1986年に分裂して以降は、全国自由同和会(全自同)と称する団体は、現在、23都府県で会員数9万8000人といわれる。部落解放同盟と異なる点は「糾弾闘争を拒否して、対話と協調を重視する」というだけで、利権に群がる体質は民主党系の部落解放同盟と同じであるといわれる。同和地区は西日本に多く東日本に少ない。特に、大阪・兵庫・京都・奈良・福岡が多く、部落解放運動のメッカになっている。「人権擁護法成立に執念を燃やす」自民党の古賀誠・太田誠一・山崎拓はいずれも福岡県選出である。おそらく全国自由同和会福岡県連の強い後押しがあるのではないか。
一方、民主党ネクスト法務副大臣である松岡徹参議院議員は、部落解放同盟前中央書記長であった。その前は部落解放同盟の最大組織大阪府連委員長であった。大阪府連では飛鳥支部小西邦彦支部長が業務上横領事件で逮捕されたが、これは氷山の一角といってよく、とりわけ大阪市の行政を食い物にして、膨大な財政赤字を生み出した元凶といっても過言ではない。京都市、奈良市の同和関係者が逮捕された件も右にならえである。(2002年。同対法が期限切れとなり、莫大な同和利権が消えた。新たに、同和利権を復活させるべき「根拠となるべき法律の整備」が必要と認識された。)同対法が期限切れとなった翌年、2003年5月10日の部落解放同盟第60回全国大会は「生命、人権、平和、環境を守り抜く<人権擁護法案>の抜本修正と狭山再審勝利への証拠開示の立法化をかちとる決議」を行った。その一部を抜粋すると、「・・・部落差別を撤廃し、人権確立社会を実現するために、人権の法制度の確立が重要な課題である。・・・」(部落解放同盟中央本部ブログより抜粋)
つまり「部落差別」という幻想を掲げ、「人権の法制度を確立する」ことで、期限切れとなった同対法に代わる「受け皿」を準備して、国税並びに地方税を同和対策事業に取り込まんとする魂胆であろう。だから、同和利権に群がってきた自民党古賀誠・山崎拓・太田誠一や民主党同和関係国会議員が「人権擁護法成立」に向け奮励努力しているという訳だ。その他、大勢の国会議員やマスコミは「人権擁護」という美名に幻惑されて「賛成」の意思表示をしているという状態だ。現在、国家並びに地方自治体の負債残高は合計1000兆円を超えるといわれる。そのうち、地方自治体だけで200兆円を超えるという。北海道夕張市は「財政再建団体」に陥ったが、夕張市よりも財政事情が悪化した自治体も少なくないという。とりわけ、大阪市、京都市、兵庫県、大阪府等の財政は「財政再建団体転落が必至」といわれるほど悪化している。
これまで、部落解放同盟は地方自治体を「糾弾闘争」で脅し上げ、これを屈服させて法外な財政支出を行わせてきた。革新自治体の与党であった民主党(旧社会党)の主力応援団である部落解放同盟は、同じく民主党の主力応援団である地方公務員労働組合連合会(自治労)と二人三脚で地方財政を食い物にしてきた。結果、地方自治体は「乾いた雑巾」と同じく、絞ってもカネが出せない「破産状態」に堕ちた。いかに悪質な部落解放同盟であっても「乾いた雑巾」を絞ってカネを引き出すことはできないから、同和利権が大きく減少し困っているはずだ。「カネの切れ目が縁の切れ目」ということで、組織率も大きく減少しているかもしれぬ。警察に逮捕される部落解放同盟指導者・同盟員が多数出たことも組織の危機を示している。
部落解放同盟としては、いつまでも「狭山再審事件」で人を集めることもできないから、「カネになる材料が欲しい」と考えているはずだ。「新たな闘争目標がないと、組織を維持することが困難になる」との危機意識を持っているかもしれぬ。という訳で、見つけ出したのが「人権擁護法」又は「人権侵害救済法」という訳なのだ。成立させ、これを根拠にして「国又は地方自治体から財政支出させよう」という存念であろう。
第3.人権擁護法の問題点櫻井よしこを初め専門家がいろいろな角度から論じているので、細部の検討は省略したい。筆者が問題としたいのは、2002年、第154回通常国会に提出された「人権救済法案」の(1)人権擁護委員の選出方法、(2)人権委員会の特別調査である。市町村長は、人権擁護委員候補者を「当該地域住民の中から人権問題に熱意と関心を持った人間」を推薦することになっている。つまり、人権擁護委員候補者を選任する過程で、多くの自治体では「部落解放同盟が推薦した者」を推薦する可能性が高い。結果、各市町村の人権擁護委員会は部落解放同盟の拠点となる危険がある。部落解放同盟がいう「部落から地方を改革し、地方から国を変革する」という革命理論の実践拠点となるおそれがある。
次に、人権委員会が行う「特別調査」は、委員又は職員にこれを行わせることができると規定する。職員は「自由法曹団」等、思想的に偏向した弁護士が就任する可能性が高いというべきであるから、左翼的偏向思想で「人権侵害」の事実を審査するための特別調査を行うことになる。
特別調査は、
(1)事件関係者に対する出頭要求、質問
(2)当該人権侵害等に関係のある文書その他の物件の提出要求
(3)当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所の立ち入り検査
つまり、「人権侵害が疑われる」という事由があれば、刑事訴訟手続や裁判所の許可を受けず、人権委員会の判断だけで、刑事事件と同様の「捜査を行うことができる」というのだ。この捜査対象者は「濡れ衣」を着せられて、誤って「人権侵害者」として申告された者も含まれると想定することができる。人権委員会から令状に基づかない強制捜査を受けた者は、人権委員会の捜査担当者に対し「人権侵害を行った者」として刑事告発し、「名誉毀損と精神的苦痛を与えた者」として慰謝料請求訴訟を提起することになろう。かくして我が国は「人権訴訟合戦」で賑わう社会となる。裁判所も「人権委員会」を被告人とする刑事・民事事件が激増して多忙になるのではあるまいか。
第4.「人権擁護法」に反対する保守勢力と日本共産党は共闘できるか?
「人権擁護法成立」を狙うのは、部落解放同盟前中央書記長である民主党松岡徹参議院議員一派並びに全国自由同和会福岡県連の支援を受けているはずの古賀誠、太田誠一、山崎拓の利権グループである。これに敵対するのは、平沼赳夫・櫻井よしこほかの真正保守並びに共産党系の「全国部落解放連絡会(全解漣)-2004年4月4日「全国地域人権運動連絡会(全国人権漣)に改称」である。目下、「人権擁護法」の制定を企む部落解放同盟と全国自由同和会が連携している分、有利に進めている観がする。これに反対する勢力がバラバラで足並みが揃っていないから、出遅れ観は否めない。
(「真正保守勢力」と日本共産党の共闘可能性を検討してみる)
その1.右翼と左翼は正反対の思想なのか?
思想・信条を直線上に並べて見ると、最右翼に位置する「真正保守」と最左翼に位置する共産党は、線分の両端に位置する。「共闘なんぞ、とんでもない」というのが双方の見解であろう。だが、この線分の両端がつながって円状になっているとしたらどうか?「真正保守」と「共産党」は隣同士ということになる。極めて似た体質ということができる。
第二次世界大戦時、フランス共産党大幹部の某が、ファシストに転向したことがある。ばりばりの共産主義者であったロシアのプーチンは今やファシストといわれている。ヒットラーはレーニン率いるロシア共産党(ボリシェビキ)の青年同盟からヒントを得て「親衛隊」をつくった。ヒットラーの親衛隊を真似て、プーチンが「プーチン親衛隊」をつくったのは有名である。第二次世界大戦中我が国は「国家総動員」の政治・経済体制を築いた。いわゆる国家社会主義的戦時体制である。戦後の日本は、米国に押し付けられた「日本国憲法」で個人の人権と自由を最大限保障する個人至上主義制度をつくったかに見えたが、その実態は、官僚指導体制の堅持と国民皆健康保険制度の温存など、国家統制色の強いものであった。中国共産党幹部をして「日本は理想的な共産主義国家である」といわしめた所以である。
その2.共産主義から「国際主義」を引いて、「民族の伝統」を加えると国家社会主義(ファシズム)になる。
共産主義という赤い溶液が入った試験管に、民族の伝統(文化・伝統的宗教)を加えると、白色の国家社会主義に変じる。伝統的宗教とはロシアの場合はロシア正教であり、我が国の場合は「神道」である。という訳で、日本共産党が「皇室を尊崇し神道を敬う」ならば、即「真正保守」に転換することができる。共産党から離党又は除名された人物が、ばりばりの超右翼(真正保守)になった事例は珍しくない。右翼の論客「西部(にしべ)」もこのケースに当たる。なぜ、共産党から転向すれば、社会民主主義者ではなく、バリバリの「真正保守」に転じるのか?その理由を明らかにしてみたい。
その3.民族・国家の利益を第1に置くか、個人の利益(利権)を第1に置くか
民族・国家と個人を基準にすえると、我が国の政治勢力は以下のように分類できる。
(1)民族・国家度の濃度の濃い順番は、真正保守→保守→共産党→社民党・・・
(2)個人の濃度が濃い順番は、極左暴力集団(中核派・核マル派等)→民主党リベラル→自民党リベラル
(3)中間的集団の濃度が濃い順番は、創価学会・公明党→民主党小沢グループ
「人権」とか「利権」というのは、個人の利益を第1とするから、「民族や国家のありよう」を第1とする「真正保守」や共産党と対立せざるをえない構造なのだ。「人権擁護という名の下に利権復活を狙う」部落解放同盟や全国自由同和会は、個人又は団体の既得権(利権)回復を願う「反国家・反民族」という傾向が強い。国家・民族よりも個人の損得を最優先する。この代理人が、民主党松岡徹参議院議員であり、自民党古賀誠・太田誠一・山崎拓衆議院議員ということになる。
その4.「人権擁護法阻止」で国共合作は成立するか
共産主義者と「真正保守」は、双方から、敵対関係にあると認識されている。だから「親密な友人関係を築く」とは誰も期待していない。だが、当面の政治課題である「人権擁護法成立阻止闘争」に限定すれば共闘を組めないとはいえない。双方の思想・信条の相違点に目をつぶって、当面する敵を撃退するための戦術的共闘はあってもよい。つまり、永遠の敵とは「一時休戦」して「目下の敵を掃討する」作戦だ。敵の敵は味方というマキャベリステックな考えに基づく。この戦術的共闘は、蒋介石と毛沢東の如く、双方が政治的に成熟したレベルに到達していなければ成立しない。双方が「教条主義的」であれば成り立たない。「真正保守」の平沼赳夫・櫻井よしこは政治的かけひきができるほど柔軟ではない。ガチガチの保守であるから「柔軟性を期待する」ことは困難だ。共産党委員長の志井和夫はやや柔軟な姿勢の持ち主であるが、それでも「教条主義者だらけの党内をまとめることは困難」と見るべきであるから、こちらも戦術的共闘に歩み寄る可能性が高いとはいえない。利権屋集団は「損得で一致」すれば無原則で共闘できるのに対し、「人権擁護法阻止」を掲げる陣営は、主義・思想に拘り分裂行動をとるから力が分散する。という訳で、「人権擁護法案」が閣議決定され国会に上程されれば、可決成立する可能性が高まる。憂慮すべき事態ではあるがやむをえない。
第5.「人権擁護法成立を阻止する」ための方策
1.「反利権」「反部落解放同盟」勢力の連携を強める。
自民、民主、国民新党、社民党など各党内の「反利権」又は「保守勢力」と共産党が、「人権擁護法成立阻止」議院連盟を立ち上げる。当面、「小異を残して大同につく」戦術をとる。
2.自民党保守勢力の結集を図る。
麻生太郎・中川昭一・安倍晋三陣営の中堅若手が「人権擁護法成立阻止」の運動を強める。福田内閣が「閣議決定する」おそれが出てきた場合には「自民党分裂を辞さず」との強硬姿勢を示す。
3.いよいよ閣議決定の段取りとなった場合は、「人権擁護法案」に反対する閣僚は「閣僚辞任」の姿勢を表明する。
4.部落解放同盟を牽制するため、「真正保守勢力」と共産党が合同の勉強会を立ち上げる。
5.自民党保守勢力は、民主党内「反人権擁護法」勢力との連携を強化し、福田内閣不信任決議もありえるとの姿勢を明確に示す。
以上の方策をとれば「調整派」の福田康夫であるから「人権擁護法案」の閣議決定という冒険はしないと考えてよい。万一、福田内閣が「閣議決定」を行った場合は、自民党保守勢力は野党に同調して内閣不信任案を提出し、衆議院解散又は内閣総辞職に追い込む。自民党と民主党が分裂し、政界再編に突き進む。以上の陣構えで臨むならば、談合の森喜朗と調整の福田康夫であるから「人権擁護法」の閣議決定や法案の国会提出を断念するはずだ。断行するメリットは乏しく、失うものが大きいから健常者であればごり押しすることはあるまい。
目下、「人権擁護法問題」が、言論の自由を制限するという視点でのみ論議されているため、筆者は、「人権擁護法問題」を、部落解放同盟と全国自由同和会の「同和利権復活闘争」という側面から分析してみたのである。筆者が若い頃、大阪では部落解放同盟の「糾弾闘争」が激しかった。ちょっとした言葉尻りをとらえ「差別発言」と勝手に解釈し、同和関係の書籍を何十冊も買わされる職場があった。さらに、「差別発言をするのは、学習が出来ていないからだ」という理屈で、「解放同盟推薦の学者を職場研修に派遣され強要された」職場も数多く見てきた。糾弾闘争で暴力を振るわれ大怪我をした教師も続出した。部落解放同盟所属の加害者が高等裁判所で有罪判決を受けたことはいうまでもない。
部落解放同盟の「糾弾闘争」に脅えた地方自治体やマスメディアの多くが、屈服し、彼らの下僕に成り下がった姿を見てきた。部落解放同盟は国民大衆から「触らぬカミにタタリなし」として敬遠される実態も見てきた。部落解放同盟は、「利権」を追求しすぎて、自ら「部落差別を助長する役目を果たした」といってよい。彼らの組織から、犯罪者が続出するのは自然なのだ。国家や地方自治体に寄生する「物取り主義」の運動方針が誤っていたから、犯罪者が続出するのだ。筆者も「部落差別はあってはならない」と考えている。筆者の数十年来の親友にも部落出身者がいる。互いに「人間として」親しく交わっている。だから許せないのだ。「部落差別」を喧伝して「利権をあさる輩(やから)」を。多くの真面目な部落出身者は、部落解放同盟の「暴力と利権のあり方」に辟易し憤慨しているのではあるまいか。もはや「部落問題」は我が国民の意識にはない。意識がないということは「差別意識もない」ということなのだ。部落解放同盟は「部落差別」という幻想を創りだして、国民の差別意識を醸成しているように見える。彼らの独善的・反国民的な組織の維持と「利権」を復活させる目的のために「部落を食いもの」にしているのだ。誠に、「嘆かわしい」といわねばならない。