「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 3月18日(火曜日) 弐
通巻第2130号
外国人を狙った犯罪が中国で急増
すり、おきびきから誘拐、身代金強奪まで
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289000件の盗難、171000件のバッグ引き裂き。被害届の総額は不明だ。この数字、外国人が届け出ただけの被害報告件数。被害届を出さない人が大半だから、実態はおそらく、この十倍に近いだろう。タクシーに夜間乗ると、2000ドルも請求されたり、カラオケで一時間歌って425ドルの請求があった事件など、オリンピックを控えて外国人を狙う犯罪が増加していると、ヘラルドトリビューンは大きく伝えた(3月18日付け)。
オーストラリアからの観光団のバスをハイジャックしようと「爆発物をかかえた男は英語がしゃべれず『I AM SORRY』と言った」。婦人を人質にしたが、警官に狙撃されておしまい。古都・西安で先週発生した事件だ。凶悪化した犯罪者。これまで外国人観光客を襲うと中国では罪が重くなるので避けてきたタブーも雲散霧消、だれでもかまわず強盗が襲うという。
深セン特別行政区では外国人を誘拐し、四万ドルの身代金を要求する事件がおきた。三人の犯人を警察は逮捕したが、当局は「それでもロスに比較すれば中国は安全さ」と剛胆に言い放っているそうな。
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読者の声1) 宮崎さんは明日から台湾取材行ですね、チベットの暴動が民進党逆転への後押しと成ってくれれば、犠牲になった尊い命が報われます。しかし台湾でも、日本国同様、若者達に国家意識があまりないのが気になります。日本国の若者達も、国家よりも先ずは自分の懐なのでしょうか。先ずは国家在りきで、「欲しがりません勝までは」の精神を持って御国を死守した先人達がいた事を思い起してもらいたいものですね。「事実関係がどうなのか知りたい。懸念を持って注視していく」。そして結局は、何もしない、何も出来ない弱虫の最高の逃げ口上ですね、高村さんの様な人が外務大臣を務める国家では其れは望めませんか。国民よ、目覚めよ、と獅子吼します。(TK生、佐賀)
(宮崎正弘のコメント)昨日も櫻井よし子さんが、シンクタンクを立ち上げたので、そのお祝いの会がありました。会場へ早めに行ったつもりなのに、もう満員に近く、ずらり顔見知りばかり。司会が遠藤浩一さん、横田早紀江さんが挨拶、乾杯は漫画家の小島功さんでした。会場には岡崎久彦、藤岡信勝、大原國學院教授、潮匡人、佐藤守ら各氏と立ち話をしました。
本人スピーチに続き田久保忠衛氏。たくさんのゲストが様々なスピーチをされていましたが、政治家も多かった。とくに親台湾派の平沼さん、西村真悟さん、衛藤、渡部、長島、古屋各代議士ら男性陣に加わって、最近は稲田朋美、山谷えり子、西川京子各女性政治家が皆出席ですね。
で、会場は雰囲気的にも盛り上がるのです。しかし会がはねて一歩、外へでると日比谷も銀座も平和ぼけのひとびとが闊歩していました。
居酒屋では非政治的な馬鹿話と上司の悪口と女男の愚痴。この距離感、この乖離感覚。
本当に痛感しますよ、おっしゃるように「国民よ、めざめよ!」。
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(読者の声2) 三月五日、午前八時ごろ、国会議事堂南門前において、福田総理、報道関係各位に宛てた二通の抗議文を携え、男性が拳銃で自決した事はご存知と思います。
事件当初より警察当局は右翼民族派による事件拡大を阻止する為、隠蔽に尽くし、抗議文の内容はもとより、男性の背景も分からない状態でありました。今でも分っていることは、男性は「向井正志」氏であり、日本国の現状を憂いての諫死の行動であると云う事です。
我々は、向井氏のこれまでの志を深く熟知するものではありません。
しかしながらただでさえ己の責を放置する社会が出現している今日、このように公の為に自らの魂魄を示し、訴えた行為の重さを受け止め、故人を鎮魂するとともに、「死の叫び」に等しいメッセージを深慮したいと存じます。故荻島峯五郎先生は、このような憂国烈士の御霊安らかにあれと「憂国烈士の碑」を健立されております。この碑に向井氏の名を刻み、その行動を顕彰し我々の今後の運動に繋げたく存じます。
よって下記要領で法要を執り行います。同志多数のご参列をよろしく御願い致します。
合掌
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(読者の声3)貴誌第2129号の中のチベット人の平和デモへの鎮圧行動への抗議デモに関する記事で警察の対応について[。。。デモ隊から見れば「これは中国を刺激するなと言うことか」「それでも日本の警察か」「そのような姿勢で中国人犯罪者を見逃しているのか」となるのである。ここまで言われて警官たちは誇りを傷つけられたのだろう。硬い表情で悔しそうに押し黙っていた。なかにはその通りだと頷いて見せる者もいた。現場責任者も「個人的にはわかっている(そのような規制はしたくない)」と言っていた]と書かれました。
御存知とは思いますが、昨年御茶ノ水駅のプラットフォーム上で、大声を出していた中国人に警官が注意したところ、電車が入ってくる線路の電車の前の部分にその中国人が警官を突き落とすという事件がありました。その警官は電車に轢かれ重傷を負ったそうです。マスコミでは殆ど報道しませんでしたが、警察官の間では、宮本警部の殉職と同様、弘く知られていると思います。かれらの心中いかばかりかと拝察いたします。このことを中国大使館を警護していた警官に言って、なじるなど言うことは、大和魂に反することです。しかし人民を凶器に変える反日うそつき教育の結果として、こういうことが起きていることこそ周知すべきと考えます。
ところで、先日、宮崎さんの書評があった、今西光男『占領期の朝日新聞と戦争責任』(朝日新聞社)を私は読んでいませんが、これは朝日新聞が論調をかえる魁(観測気球)なのではないかと思います。
朝日新聞はいままで何度も論調を劇的に転換してきました。その度に、転換することを正当化し、過去の報道姿勢や論調を免責するものを提示してきました。
これが今回の免罪符なのかもしれません。旧満州鉄道調査部には転向元左翼がたくさんいそうですが、かれらの現地の人たちに対する態度の傲慢さはひどいものであったそうです。もともと左翼インテリの中には大衆に対する優越感があったので当然起こることでしょう。論調転換後の朝日新聞もその轍を踏むのではと推察いたします。今度こそ、その腰の軽さを見抜かれて誰も読まなくなるのかもしれません。
(ST生、神奈川)