チベット自治区で起きた暴動で「数百人が死亡した」とする声明を出した。 | 日本のお姉さん
暴動関与の一部住民がチベット脱出、「武力鎮圧」抗議も拡大
【北京=牧野田亨】中国チベット自治区ラサで起きた大規模暴動で、中国治安当局による拘束を逃れるため、暴動に関与したチベット族住民の一部はラサから脱出し始めた模様だ。
四川省成都在住のチベット族女性(47)が17日、本紙に語った。また、インド・ダラムサラに拠点を置く民間活動団体(NGO)「チベット人権民主化センター」によると、武力鎮圧への抗議デモはラサ周辺と四川、青海、甘粛の3省の計8か所に拡大しているという。
自治区当局は暴動に関与した住民に対して、18日午前0時(日本時間午前1時)までに自首すれば処罰を軽減するとの通知を出していた。
新華社電によると、北京の中央民族大学でも17日夜、チベット族の学生たちがろうそくをともし、座り込みを行った。AFP通信は参加者が約50人で、ラサ弾圧への抗議行動だったと伝えている。付近に警官がいたが混乱はなかったという。
また、「人権民主化センター」によると、四川省アバチベット族・チャン族自治州紅原県の中学校で17日、チベット族の生徒約100人がインド亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世のチベット帰還を求めるデモ行進を行い、約40人が逮捕された。さらに、甘粛省の省都・蘭州の西北民族大学では、チベット族学生約500人が16日夕からハンガーストライキに入った。
一方、AFP通信によると、ダラムサラのチベット亡命議会は17日、チベット自治区で起きた暴動で「数百人が死亡した」とする声明を出した。
3月17日22時6分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080317-00000046-yom-int
チベット問題Q&A 漢族“支配”のチベット経済
中国のチベット自治区で騒乱が起き、死者も出た。なぜ、いま、こんな事態になったのか。質疑応答形式でまとめてみた。
Q チベット自治区って、どんなところ。
A 中国南西部の高原地域にあり、中国語は「西蔵自治区」と表記する。ヒマラヤ山脈などに囲まれ、平均標高は4000メートル以上に達しているため「世界の屋根」と呼ばれている。区都はラサ。自治区の人口は約260万人(2001年の人口調査)、そのうち約9割がチベット族で、ほとんどがチベット仏教を信仰している。チベット族は中国全土では540万人といわれる。
Q チベット仏教はどんな宗教なの。
A 中国の南西部、北西部を中心に分布する大乗仏教の一派。仏教とチベットの民間信仰が融合してできた。活仏(生き仏)という独自のエリート制度がある。名僧を菩薩の化身として崇拝し、死後に転生すると信じられている。主流のゲルク(黄帽)派活仏の最高存在として位置づけられるのがダライ・ラマで、宗教上と政治上の最高首長とされている。
Q チベットは中国の一部なのか。
A チベット高原にもともといくつかの部族がいたが、7世紀前後に統一され、吐蕃と名乗った。13世紀にモンゴルに征服され、その後、元、明の影響下に置かれた。18世紀から清の支配下に入った。1911年の辛亥革命後、ダライ・ラマは中国の宗主権を否定し独立を主張したが、中華民国政府に認められなかった。現在の中国(中華人民共和国)が成立後、51年にチベットに軍を進め、チベット側と「平和解放に関する協定」を結んだ。以後チベットは中国の一部となった。
Q ダライ・ラマはなぜインドにいるの。
A 中国政府はチベットに社会主義制度の導入を目指し、伝統を大事にする地元勢力と対立を深めた。その後、独立の機運が高まった。59年3月、中国軍がダライ・ラマ14世を観劇に招待したが、最高指導者が連行されると感じたラサ市民が集結、動乱に発展。ダライ・ラマはインドに亡命し、ダラムサラに亡命政府を樹立した。
Q ダライ・ラマはチベットの独立を目指しているのか。
A 中国政府はダライ・ラマ14世を「分離主義者」と決め付け厳しく非難し続けている。それに対し、ダライ・ラマは漢族(中国人入植者)がチベット族を抑圧している状況を国際社会に訴える一方、暴力を否定し、チベット問題の平和解決を主張している。その姿勢が評価され、89年にノーベル平和賞を受賞した。ここ数年、ダライ・ラマは、交渉の目標を独立ではなく、「高度の自治」に置くようになった。
Q 最近、なぜ、チベット族と漢族の対立が激化したのか
A 中国政府はチベット族を押さえ込むため、高圧的な支配を続けてきた。宗教や思想信条を理由にチベット族が不当に逮捕されたり、拷問を受けたりする事件も多発している。チベットの経済は今、大量に入植してきた漢族に握られ、教育水準の低いチベット族は不利な状況に置かれている。2006年に青蔵鉄道が開通、漢族の入植が増え、観光業の発展や乱開発などで、チベット族の宗教、生存環境がますます破壊されるようになった。危機感を強めたチベット人の反漢族(中国)感情がここ数年、さらに強まったといわれている。(北京 矢板明夫)
3月18日8時1分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080318-00000063-san-int
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