台湾総統選挙とチベットの暴動
台湾総統選挙とチベットの暴動
No.334 平成20年 3月16日(日)
西 村 眞 悟
台湾の総統選挙の投票が、二十二日に迫ってきた。
謝長廷氏か馬英九氏か、何れが勝つか、今のところ予断を許さない情勢だという。 一月の立法院選挙で国民党が圧勝したから馬氏が有利だと思われているが、立法院選挙よりも総統選挙は三十パーセント以上も投票率が高い。また、国民は急激に台湾人であること、つまりアイデンティティーを意識し始めてきた。従って、立法院選挙の結果に反発した国民が、台湾人である謝長廷氏になだれ込めば謝氏が勝利する。
では、文字通り一衣帯水の隣国で行われるこの総統選挙を、我が国から如何なる観点に注目して見つめるべきなのか。それは、我が国の国益と我が国を含む東アジアの安定という観点であろう。まず、馬英九氏。中国国民党に所属する。中国人意識を持つ中国人である。台湾は中華民国であるとしている。従って、台湾は中国の一部であり中国は一つであるという点では北京の中華人民共和国と一致している。
次に、謝長廷氏。民進党に所属する。台湾人意識を持つ台湾人である。台湾は台湾である、つまり、台湾は中国の一部ではないと考えている。また、「反日」かどうかという観点からは、馬氏は「反日」で「親中」、謝氏は「親日」で「反中」といえる。馬氏の学生時代の学位論文は、尖閣諸島は中国の領土ということを書いたものであると聞いた。学生時代から、反日の筋金入りである。謝氏は、京都大学で法哲学を学び、明治維新に感銘を受けて今「台湾維新」を掲げる。名刺にも「台湾維新」と大書してある。そして、この二人の依ってたつ前提から生まれるものは、馬氏は、中国との合体「一つの中国」の実現という路線であり、謝氏は台湾国家の宣言と国連加盟という路線になる。つまり、中国と台湾との関係を馬氏は「内政問題」とする路線を歩み、謝氏は「国際問題」と捉えた路線を歩むことになる。
そこで、馬氏と謝氏、何れの総統が我が国にとってありがたいか。それは、「親日の総統」が生まれることである。このことは、台湾の軍事力を考えるだけでも明らかであろう。実は、台湾の軍事力は強力である。毛沢東以来、中国が台湾に手を出せなかった大きな要因は、台湾の強力な軍事力である。そして、この鉾先が「反日」かつ「親中」で、尖閣諸島は中国のものとする台湾総統のもとで日本に向けられかねない。これだけでも、我が国のシーレーンは危機に瀕することになる。海洋に反日国家を誕生させてはならない。
また、東アジアの安定という観点から考えてみたい。
まず、中国は「台湾は中国の一部であり、台湾独立の動きに対しては武力行使をためらわない」と言っている。
では、中国と台湾の関係を「内政問題」とするのと「国際問題」とするのと、どちらが武力行使がし易いか。それは、「内政問題」としておく方が武力を行使しやすい 二日前からのチベットにおける争乱において、たぶん中国当局は天安門事件の時と同様に、武力を行使している。これは、「内政問題」という前提があるから、やりたい放題やれるのだ。これが、国と国との問題すなわち国際問題ならば、モスクワオリンピック前にブレジネフがアフガンに侵攻してモスクワオリンピックが国際的にボイコットされたように、北京オリンピックのボイコットは必至であろう。従って、中国と台湾の関係を、馬氏のように「内政問題」と捉えると中国はチベットのように台湾への武力行使がし易くなる。反対に、謝氏のように「国際問題」と捉えると、武力行使がし難くなる。
ところが、この同じ要素が、以下の通り、全く違う事態を引き出すとも考えられる。馬氏は中国は一つと言っているので北京の中国は大歓迎で「友好」を仕掛けてくる。謝氏は、台湾は台湾で中国とは違うといっているので北京は独立志向として武力を行使しかねない。従って、謝氏は動乱への道を開く危険な総統となり、馬氏は中台平和をもたらす総統となる、という理屈である。
しかし、私はこのように考えてはいない。
「台湾は中国の一部、中国は一つ」の中台平和とは、そもそも何か。それは「台湾のチベット化」ではないか。このような状況を、ほとんどの国民が台湾人としてのアイデンティティーを自覚している台湾で平穏に実現できるとは思えない。かつて、蒋介石の国民党の支配に反発した2.28事件のような争乱が起こりかねない。そうなれば、北京は今のチベットのように「内政問題」であるからためらうことなく台湾で武力を行使するであろう。
このようなプロセスは、台湾人にとって如何に悔やんでも悔やみきれないことである。これに対して、謝氏の路線は、確かに始めから中国の武力行使の脅迫にさらされる危険な道のように看られる。しかし、既に述べたように、その武力行使には、損得と身の危険に敏な中国人に対する強い抑制が働いている。
仮に、中国が台湾国民の民主的な選択を不満として武力を行使すれば、オリンピックも万国博も開催不能となるであろう。外国からの投資は引き上げられるであろう。同時に拝金主義で生じた国内の不安定要因が暴発し、都市の不満層と農村で暴動が巻き起こり、チベット、ウイグルなどでの分離運動が連動して勃発する。そうなれば、共産党幹部は夜逃げを迫られるだろう。これは、歴史的に繰り返されてきた中国の崩壊である。また、この事態は、台湾に関して「内政問題」とした武力行使でも起こりうることである。
以上、中国の恫喝に応じることが、必ずしも東アジアの平和を確保する方策ではないことを述べた。問題は、台湾にあるのではなく中国にある。よって、台湾は中国の影響を受けずに、国家の証である民主的な総統選挙を粛々と続けることになる。
その台湾国民の選択の中で何れの候補が総統に選ばれたとしても、当分は「現状維持」の姿勢をとらざるをえないだろう。
問題は、その現状維持が、総統当選者が何れになるかによって、中国の武力行使を容易にする現状維持か抑止する現状維持かに分かれるということなのだ。馬氏の路線は容易にし、謝氏の路線は抑止する。馬氏の路線は動乱を呼び込み、謝氏の路線は平安を確保する。よって、私は、我が国の国益の観点から、東アジアの平和の観点から、謝長廷氏の総統当選を切に願う。
繰り返すが、問題は台湾ではなく、中国なのだ。我が国が中国の恫喝に屈するわけにはいかないように、台湾も屈するわけにはいかない。独裁政権に屈する道に国家の安泰も国民の幸せもはないからである。
この原則の上で、膨大な内部矛盾と無秩序と不道徳を抱えた「中国という問題」が巻き起こす将来不可避な争乱に、日米と台湾が如何に対処しうるかが問われているのだ。人ごとではない。我が日本自身の覚悟が問われている。
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チュウゴク共産党幹部が夜逃げをして
残った軍人による別の軍国主義国家が
できあがるのも、恐ろしいことだなあ。
どっちにしても、チュウゴク人とは、危険な民族なのです。
中華思想は、元々危険な思想なのです。強ければ
領土を強引に略奪するのが、当然という考えなのです。
チュウゴク人は誰がトップになっても、自国民を愛することなく、
幹部は金儲けばかりしているし、軍事に金をそそぎこんで、
反対する人民を踏み潰し、
近隣諸国と将来戦争することを目指してしている国なのです。
軍人がトップになる別の国ができるより、コキントウ方がマシかもよ。
by日本のお姉さん