〔主張〕調査捕鯨 悪質な妨害行為は摘発を | 日本のお姉さん

〔主張〕調査捕鯨 悪質な妨害行為は摘発を

〔主張〕調査捕鯨 悪質な妨害行為は摘発を

産経新聞の記事の紹介です。↓

http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080305/env0803050336002-n1.htm

南極海で調査捕鯨中の日本船団の母船「日新丸」に、米国の環境保護団体、シー・シエパードのメンバーが薬品入りの瓶などを多数投げ込んだ。薬品の酸液が目に入るなどして日本の乗組員ら3人が負傷した。

 シー・シエパードの危険な抗議活動は以前から続いているが、きわめて悪質な妨害行為だ。

 水産庁はシー・シエパードに抗議するとともに、外務省を通じて妨害船が関係するオランダと豪州の両政府にも措置を申し入れた。

 海上保安庁は、今回の事件の捜査に着手した。鯨類の資源量などを研究するための調査捕鯨は、国際捕鯨取締条約に基づく正当な活動だ。

 海保による捜査は、当然のことである。テロ行為に等しい無法な妨害に対し、厳然とした姿勢で臨むべきだ。放置すれば、反対活動はさらに過激になることが予想されるし、国際的にも日本の立場が誤解されかねない。

 そもそも、日本などの捕鯨国と、米国や豪州などの反捕鯨国との鯨をめぐる摩擦の原因は、国や民族の文化の相違に根ざしている。

 文化は幾何学での「公理」のようなものだ。公理が違えば、異なる体系を持つ幾何学ができる。日本では鯨を資源とみなし、反対諸国は守るべき環境の一部と位置づけている。公理に優劣はなく、互いに正当性を持っている。文化に基づく価値観の歩み寄りで解決の糸口を見つけるのは難しい。

 残される合意への可能性は、科学的判断を共通項とする相互理解の深化であろう。幸い日本の調査捕鯨は、研究のためのデータ収集を主目的としたものだ。調査捕鯨によって、各鯨類の集団の年齢構成をはじめ、妊娠率や皮下脂肪の量、汚染物質の蓄積などが明らかになっている。

 現時点では先進諸国の食は足りている。しかし、今世紀半ばには人口増で食糧問題が深刻化する。動物性タンパク質を牛や羊などに頼れば、地球の砂漠化が進む。鯨肉は人類を救う資源となるはずだ。そのためにも、種ごとに異なる鯨の生態や資源動態を正確に研究しておくことが必要なのだ。

 明日からロンドンで開かれる国際捕鯨委員会(IWC)でも、このことを改めてしっかりと主張したい。