「頂門の一針」 1112号
わたなべりやうじらうのメイル・マガジン
「頂門の一針」 1112号
突っ張り合いの瓢箪から駒
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古澤 襄
ねじれ国会で小沢民主党は突っ張り、福田自民党は為すすべ
がない状態。
党利党略の政治には国民はうんざりしている。政治から中立
であるべき日銀総裁の人事も党利党略で決まらない状態では、
諸外国からも日本の政治混乱はどうなっているのか、と言われ
そうである。
<与党は3日午前の参院予算委員会理事懇談会で、参院に
送付された08年度予算案の審議に4日から入るよう求めたが、
野党は予算案や税制改正法案の衆院通過を与党が強行した
ことに反発し、拒否した。
与党は早期審議入りを目指すが、民主党は当面、審議に応じ
ない構えで、国会は空転が続きそうだ。政府による次期日銀
総裁人事案の提示日程にも影響するのは必至で、与野党の
駆け引きは激しさを増している。(共同)>
この閉塞状態は自民党や民主党、地方県知事の中から
超党派で打開の動きが芽生えようとしている。3日、超党派の
「せんたく議員連合」が発足している。
入会者は107人。自民党は福田首相、麻生前幹事長に近い
グループ、民主党は小沢氏に距離を置くグループが目立ち、
公明、国民新党からも参加があった。
これは政界再編のきっかけになると思うが、数合わせてで
スタートして、あえなく瓦解した細川内閣の轍を踏まないという
配慮があるようだ。新党結成には触れていない。政策集団の
看板を掲げて、追々同志を集める慎重な歩みをとろうとしている。
人気絶頂の東国原宮崎県知事も名前を連ねているが、地方
県知事からも多くの賛同を得ているので、地方分権がひとつ
の旗印になるだろう。前岩手県知事の増田総務相もいずれ
参加を表明するのではないか。
突っ張り合いの混乱政局が続けば、この動きが台風の目に
なる公算が十分ある。政界再編成論者の小泉元首相が、
このところ活発な動きをみせている。
中川元幹事長、与謝野前官房長官らも同調するのではないか。
安倍前首相も中川氏の工作で派閥復帰した。
小泉チルドレンの大量参加の動きもでよう。
小泉、安倍ラインは民主党のアンチ小沢グループを巻き
込んだ政界再編成を探ってきている。こうなると大連立話は
色褪せてくる。取り残されるのは自民党の抵抗勢力と民主
党の小沢自由党系、旧社会党系ということになりかねない。
<自民、民主両党など超党派の有志でつくる「せんたく議員
連合」が3日、都内で設立総会を開いた。北川正恭前三重県
知事らが結成した「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)
する国民連合(せんたく)」と連携し、マニフェスト(政権公約)
の定着などを目指す。入会者は107人に達し、政界再編の
きっかけになる可能性があるとして注目を集めている。
同日の総会には自民、民主、公明、国民新各党の国会
議員77人が出席、共同代表に自民党の河村建夫、民主党の
野田佳彦両氏が就任した。野田氏は「次期衆院選を歴史的な
政権選択の選挙にするのが大目的」と強調した。マニフェスト
のほか国会改革、分権改革、霞が関改革、環境問題の
各テーマで分科会を設け、定例会合を開く。
自民党では福田康夫首相に近い議員だけでなく、
麻生太郎氏を支える菅義偉選挙対策副委員長らも参加する。
民主党では野田氏のほか、枝野幸男氏ら小沢一郎代表に
距離を置く議員が少なくない。(日経新聞)
2008.03.03 Monday - 21:20 comments(0) trackbacks(0)
by 古沢 襄
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(3月3現在1605本)
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黄砂、東日本まで飛散
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渡部亮次郎
<砂漠域からの黄砂が、今年初めて九州を中心に観測され
始めた。3日には東日本にまで広がる見込みだ。気象庁は
「西日本や沖縄・奄美地方では視程が5キロ未満になる所が
あり、交通への障害が発生する恐れがある」と注意を呼び
かけている。
今年初めての黄砂は2日に長崎県内で観測され、3日には、
熊本、福岡、鹿児島県内で観測された。見通しが5キロ
未満になると車の運転や飛行機の運航に影響が出る恐れが
あるという。
同庁は黄砂は3日には東北南部~関東、北陸地方まで
飛散するとみている。>アサヒ・コム
2008年03月03日10時17分
黄砂(こうさ)とは、東アジアや中央アジア内陸部の砂漠
または乾燥地域の砂が、強風を伴う砂嵐などによって上空に
巻き上げられ、主に春を中心に東アジアの広範囲に飛来し、
地上に降り注ぐ気象現象のことである。
降り注ぐ砂のことも「黄砂」と呼ぶ。
日本では江戸時代頃から、書物に「泥雨」「紅雪」「黄雪」
などの黄砂に関する記述が見られるようになった。
古くは、日本では少なくとも7万年前以降の最終氷期には
黄砂が飛来していたと考えられている。このころ(7万年前
~6万年前)の黄砂の堆積量は、完新世(1万年前~現在
まで)の3~4倍と、かなり多かったと推定されている。
主な発生地としては、西からタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、
黄土高原がある。国で言えば中国、モンゴルにあたる。
このほか、カザフスタン東部など中央アジア諸国の砂漠・
乾燥地域も発生源ではないかと見られている。
ただし、砂が舞い上がる条件が整えばどこでも発生しうる
と考えられており、必ずしも前述の場所が発生地とは
限らない。実際に、アジアの広い地域で黄砂のような砂の
舞い上がりが発生している。
これらの発生地域はおおむね年間降水量が500mmを割り、
所によっては100mm以下という乾燥地帯となっている。
そのため、地表が砂で覆われている地域では、風により簡単
に砂が舞い上がってしまう。
強い風の場合、砂が地上付近から上空高くまで巻き上げら
れ、沙塵暴と呼ばれる激しい砂嵐となる。砂が巻き上げら
れる高さとして、上空7~8kmという観測結果がある。
黄砂の年間発生量は2億~3億tで、降下量は日本で1年間
に1平方キロメートルあたり1~5t、北京で1ヵ月間に1平方
キロメートルあたり15t程度と推定されている。
時期としては、春に最も多く発生する。春になって高気圧の
勢力が弱まるとともに、偏西風が強まり、低気圧が発達しな
がら通過するなどして風が強い日が増え、黄砂の発生も増え
るためと考えられている。春の中盤に入り暖かくなってくると
植物が増え、夏になると雨が多くなるため、次第に黄砂の
量は減り、秋に最少となる。
黄砂の濃度が高い中国や韓国では、乗用車の速度規制が
行われたり、マスク等の着用を奨励したり外出を控えるよう
促す情報が出される。気候によっては冬場でも発生し、これが
雪に混じると積雪が黄色く見えることもある。
大規模な黄砂が発生したときは、気象衛星などの画像に
写り込むことがある。
これまでで最も大きな被害は、1993年5月5日に中国北西部
(寧夏回族自治区、内モンゴルアラシャン盟、甘粛省)で
発生した沙塵暴。
死者・行方不明者112人、負傷者386人、家畜・牛馬の死亡・
行方不明約48万3千頭、4,600本の電柱が倒壊、被害を
受けた耕地21万ha、森林被害18万ha、経済損失66億円の
ほか、多くの道路や鉄道が埋没するという大きな被害を
出した。
中国の森林管理局によれば、黄砂の影響を受けている
中国人は約4億人で、直接的な被害だけでも540億元
(約840億円)に及ぶと言う。
韓国では2006年4月には2015μg/m3が観測され、空の
便も韓国国内便6便が欠航している。
韓国政府の推定によれば、黄砂の諸影響による同国での
経済損失は、年間およそ3兆~5兆ウォンにも達するという。
日本では、気象庁により、黄砂とは大陸性の土壌粒子に
よって視程が10km以下になる現象と定義されている。
夏以外に観測されるが、特に春先(3月から5月)によく
観測される。
西日本や日本海側で観測されることが多い。山脈を隔てて
東側となる東日本や太平洋側、内陸部では観測数は少ない
が、時々観測されるようになった。
2000年から2002年の黄砂観測日数が50日前後となり、
20日程度だった平年値を大幅に上回った。
日本で観測される黄砂は大気がかすみ、微量の砂が
積もる程度で、大きな被害はほとんど報告されないが、
健康被害は数多く報告されている。
遠くで観測された例では、アメリカ合衆国のハワイ州や
カリフォルニア州などがある。黄砂の成分が、ハワイの森林や
海洋のプランクトンの生育に関わっているのと研究結果もある。
北朝鮮やロシアの沿海州・樺太なども黄砂の通過ルートと
なっていると考えられている。
中国では、BC1150年頃に「塵雨」と呼ばれていたことが
わかっている。史料においてはこのほか、「雨土」「雨砂」
「土霾」「黄霧」などの呼称があった。
また、BC300年以後の黄砂の記録が残された書物もある。
2008・03・03
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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沖縄タイムスと「バカの壁」
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伊勢 雅臣
現在、問題となっている米兵の暴行事件を沖縄タイムス紙が
どう扱っているか、調べてみた。
「なるほど沖縄タイムスとは、こういう新聞か」と驚かされた
記事があったので、ここで紹介したい。
3月1日付け朝刊1面のコラム欄「大弦小弦」の一文である。
まず、謝罪に訪れたライス長官と福田首相の会見シーンの
描写から始まる。
ライス米国務長官が先日来日し米兵暴行事件について
「極めて遺憾であり申し訳ない」と謝罪した。事前に報じられ
た範囲の表現にとどまり、目新しさはない。
驚いたのは、福田首相との会談で足を組み右足を伸ばして
座るライス長官の写真だった。対照的に首相は両足をそろえ、
ひざの上で指を組んでいる。28日付の本紙朝刊一面、
「極めて遺憾」という見出しと写真がしっくりこない。
「両足をそろえ、ひざの上で指を組んでいる」首相のきまじめな
姿勢に対して、「足を組み右足を伸ばして座るライス長官」の写
真が、「極めて遺憾」という見出しと「しっくりこない」と
個人的な感想を述べる。
ちょうど朝刊編集の作業をしている最中に見つけたので、
担当デスクにそのことを進言した。するとデスクは眉間に
しわを寄せ「2人とも笑っている写真しかないから送り直し
てもらったんだ」とさらに渋い顔。
これでは、ライス長官は尊大に足を組み、笑ってばかり
いたような印象を受ける。結びはこうだ。
十数年前のこと、地方の市長選では珍しく候補者座談会を
開いた。翌日1面の両雄が握手を交わす写真に、ある陣営
は大喜び。「うちの候補が背も高くて堂々と写っている」と
いうわけで討論の内容は二の次だ。
それほど写真は印象を左右する。ライス長官のしぐさは
アメリカ人の、あるいは個人の「スタイル」なのか。そう理解
しようとしてもまだスッキリしない。意識的にそうしたのか、
無意識に日米関係が表れた瞬間だったのか…。
会談の途中にライス長官が足を組んだ時もあったろう。
アメリカ人ならよくある事だ。そして首脳どうしが会うの
だから、お互いに笑顔を交わすのも外交として当然であろう。
「討論の内容は二の次だ」というのは、このコラムも同様で、
会談の内容は二の次どころかまったく触れずに、ライス長官
が「足を組み、笑っていた」という一瞬の情景だけから
「無意識に日米関係が表れた瞬間だったのか」とまで、
驚くべき深読みをして見せる。
おそらくこのコラム氏の頭の中には、「米国が軍事的に
日本を利用している日米関係」という固定観念で凝り固まって
いるのだろう。その固定観念を通して見れば、ライス長官の
足組は、ただちに「日米関係が表れた瞬間」と反射的に解釈
できるのだ。ここには論理も何もない。単なる個人的印象
だけの世界である。
養老孟司氏のベストセラー『バカの壁』では、次のような
一節がある。
自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断
してしまっている。ここに壁が存在しています。
これも一種の「バカの壁」です。
このコラム氏に、中国の脅威だとか、それに対する日米同盟
の重要性など説いても、そんな「自分が知りたくないことに
ついては自主的に情報を遮断」してしまうだろう。
新聞は、我々誰もが持つ「バカの壁」を打ち破るために、
多面的な情報を提供するという社会的使命を持つ。それを
始めから「情報を遮断」して、特定の偏った情報しか流さ
ないのでは、報道機関というより政治的宣伝機関である。
こういうコラムを第1面に堂々と掲げる沖縄タイムスは、
やはり「過激派、新左翼の機関誌」なのだな、と思われた。
2008.03.03 Monday - 08:00 comments(0) trackbacks(0) by 古沢襄
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避けられる事故・事件
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平井 修一
信号は青だからそのまま直進しようとしたら、左から
クレーン車が交差点に入ってきた、あるいは優先道路を
走っていたら路地から乗用車が頭を出した。
当たり前のことだが、自分が法規にのっとって運転していれば
安全が確保できるわけではない。相手が悪くても危険回避を
図らなければ事故になる。安全注意義務は常にある。
まずはブレーキをかける。間に合わなければよける。
ぶつかるしかなければ被害の少ないほうへぶつける。
急に対向車がセンターラインを越えて来たなど、どうにも
避けようのない事故もあるが、事故の多くは双方の予防、
危険予知、危険回避で防げるはずだ。
小さな漁船が大型艦船の直前を横切り損ねた、あるいは
大型艦船がブレーキが間に合わず漁船の横っ腹に突っ込んだ。
双方の予防策が不十分で、危険予知があまく、さらに回避が
遅ければ事故になる。
土日の高速道路は、遊びで高速運転を楽しんでいるとしか思え
ない車が目立つ。スピードを上げる、蛇行をくりかえして
追い抜くドライバーが多いのだ。車間距離も小さく、追突しか
ねない。
先日は一般道を逆走している車があった。皆がびっくりして
停車したからよかったものの、運転手はおばちゃんだった。
免許証を自主的に返納してくれ、と警察が呼びかけるのも
無理はない。
小生の社用車には「早く着くより無事に着く。今日も一日
安全運転」という標語が掲げてある。毎朝、声を出して
それを確認してから車庫を出る。自ら緊張感を高めるのだ。
気の緩みは大きな事故につながりやすい。
「事故の背景には10のヒヤリ・ハットがあり、その裏には100
の小さなミスがある」と言われる。たとえ小さなポカミスでも、
根絶せずに放置すれば金属疲労のようにやがては大事故に
なりかねない。
事故に限らず事件も同様だ。愛情と責任感を持って親や周囲
からしつけと教育を施されなかった子供は犯罪被害に遭いや
すいし、また長じて犯罪を犯しやすいのではないか。
前者について小生は「被害者に落ち度はないのか」と常に思う。
ナンパされて強姦されたり、風俗店に売られたりした少女は
どのような生育歴なのだろうか。知りたいものである。
後者については、福島章著「犯罪心理学入門」によると、
犯罪者の類型のひとつに「情性欠如者」がいる。
<情性とは、同情・憐れみ・羞恥・後悔・良心といった、
人間に固有の、人を人たらしめる感情的能力である。
この情性を欠く人やこれの乏しい人は、他者の苦痛・運命・
不幸に対して鈍感なだけでなく、自己の危険・苦痛・未来に
対しても無関心であることが多い。>
この文章を読んだとき、自分の子供と近所の子供を殺したと
される畠山鈴香容疑者を思い出した。これらのことは、
予防策が不十分で、危険予知があまく、さらに回避が
遅ければ事件になることをも示してはいまいか。