中国の軍事予算は1390億ドル
ペンタゴンの「中国の軍事力」報告 宮崎正弘
ペンタゴンの「中国の軍事力」報告は「台湾侵攻能力を超える」と予測。中国の軍事予算は1390億ドル(公表の450ドルの三倍強)。
ワシントンタイムズの辣腕記者ビル・ガーツがすっぱ抜いた。
3日付け同紙は、ペンタゴンが作成中の「中国の軍事力」報告に依ると中国の軍事予算は公表されている450億ドルの三倍強、1390億ドルに達した、とした。
ロシアからの武器購入を止めて、国内システムの整合を急いでいるとするNYタイムズの観測とは真っ逆さまの予測である。
ペンタゴンは中国の軍拡が
(1)スピードをあげており
(2)周辺諸国に脅威を与えており、
(3)ハッカー技術が革命的に向上し、
(4)先制攻撃能力を地域的戦力としては備えだし、
(5)公務員、ビジネスマン、科学者をスパイにリクルートしようとする大規模で大胆な諜報活動が同時に進んでおり、米国だけでも400件のスパイ事件の捜索がなされ、
(6)台湾向け短距離ミサイルのCSS6,CSS7が990基から1070基実戦配備済みさらに、毎年百基のペースで増えている。
(7)もしシーレーン防衛能力も備えるようになれば、目前の台湾侵攻以上の軍事力を保有することになるだろうと結んでいる。
「ワシントン・タイムズ」紙は老舗「ウォール・ストリート・ジャーナル」、名門「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙とならぶ保守系の新聞。共和党政権、ペンタゴンなどの情報源からの速報が多い。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(3月3現在1605本)
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 3月4日(火曜日)
通巻第2110号 (3月3日発行)
中国の検察庁長官と最高裁長官も江沢民派がポスト獲得
これでは汚職権力の腐敗がクリーンになる筈がない
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「多維網」(3月3日付け)は、江沢民派が次期検察庁長官(人民検察院検察長)ならびに最高裁判所長官(最高人民法院院長)のポストも獲得するだろう、と伝えた。
すでに昨秋の共産党大会で政治局常務委員のうち、規律、公安、法務の担当ポストは江沢民派の周永康、賀国強らが押さえ、これで共産党大幹部の汚職摘発はあり得ない話になっていた。
引き続き、近く開催される全人代で習近平の国家副主席兼任が確定し、李克強の第一副首相人事とともに発表される。
みどころは習近平が、こんかいは国家軍事委員会副主席ポストをとれなかったことである。
さて最高裁は現在の粛陽院長から中央政治法務委員秘書長の王勝俊がつき、また検察庁には現在の賈春旺から曽建明(上海法務系が長い)が就任する予定という。
王は周永康の子分で、20年を法曹界に従事してきた人物。
曽は江沢民にかわいがられた子分。
ふたつの枢要なポストも中国では政治任命である。
筆者がくりかえし指摘してきたように中国では石川五右衛門と長谷川平蔵は同一人物である。
巨悪の共犯者(指令者?)が「目明かし」「御白州」を兼ねるんですからね。
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(読者の声1)貴誌2109号に関してですが、中ロは敵対して当然です。
ロシアからの中共への最新武器売却が終わったということですが、戦略上納得できる話です。
というのも、本来、隣国は地政学的に敵対するのが正常だからです。
帝政ロシアはエカテリーナの時代に東進して清朝とぶつかり中央アジア地域、沿海州地域を手に入れました。
支那人は不平等条約を締結させられたと大不満です。
第一次大戦後のロシアの共産党内乱の時代にはソ連のカラハンが不平等条約のキャンセルを孫文に申し出ましたが、狙いは内戦に介入させないための陰謀であり、ソ連政権が成立するとカラハン宣言はキャンセルされました。
孫文は騙されたのです。
スターリンは独ソ戦に備えて東部国境の安全化を謀り、蒋介石を西安事件で捕らえて傀儡にし、対日支那事変を起こさせました。
しかし支那の独立には警戒しており、毛沢東が1949年に訪ソしたときは、処刑すべきか考え宿舎に軟禁したので毛沢東は恐怖で半狂乱になったといいます。
しかしスターリンの後継者のフルシチョフは甘かったので、中共に原子炉を与え、毛沢東は原爆と核ミサイル数発を製造することが出来ました。
印度の前参謀総長によるとこれが中ソ紛争ではソ連の北京核攻撃を抑止したといいます。核ミサイルは数発で核攻撃を抑止できるのです。平和運動や千羽鶴は冷酷な国際社会ではまったく無益です。
いまの中共は巨大な人口爆発で天然資源が欲しい。
一方、シベリヤは人口密度が希薄な上資源の宝庫です。中共にとりよだれが出る状態です。
数千万人が一挙に黒竜江を越えたらどうなるか。
かつて帝政ロシア時代の1900年黒竜江のロシア側の都市、ブラゴヴェシチェンスク市で入り込んだ支那人を数千人皆殺しにして死体を河に流した大虐殺事件がありましたが、今同じことが出来るか。
ロシアが中共を警戒するのは当然です。中露は敵対して正常なのです。
日本はとにかく核自衛を急ぐことです。中ロともに冷酷な現実主義者であることは歴史が証明しています。
理想主義はまったく通じません。
(MC生)
(宮崎正弘のコメント) ブラゴヴェチェンスクの対岸は黒河です。ここで映画「赤い月」(なかにし礼原作)のロケも行われました。
ある日、黒龍江省の北端を旅していて、小生が投宿したホテルに、夜、突如、公安が尋ねてきたので、驚いて対応すると「ビザなしで明日、ブラゴヴェシェンスクへ案内するから、こないか」と、なんとアルバイトの観光ツアーへの誘いでした。
それほど黒河と対岸ロシアの都市との交流が盛んで、川を渡る観光船はツーリストより、中国からの出稼ぎ、ロシアからの担ぎ屋で連日ほぼ満員です。
とてつもなく辺鄙な黒河に五つ星ホテルが建っているのも異変と言っていいのではないでしょうか?
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(読者の声2)先月配信のありました、青島の韓国企業の撤退のニュースご入手とは存じますが、工場関係で回ってきましたので、添付いたします。
大手のニット工場の突然の夜逃げには、日系資材納入会社、また、日本からこの工場に発注をかけていた会社なども含め、引っ掛かりが多く対応が大変だったようです。
またそれ以降、韓国系の工場に対する警戒がきつく、工場の韓国人、その家族も軟禁状態が続いているといっていました、
後述の朝鮮日報の記事もそれをうらずけるものでしょう。
華南省の工場も、旧正月が開け、雪害もあり、一部の工場ではまだ3分の1ほどしか工員が戻ってこないところもあり、納期遅れの報告が入ってきております。
大体は何とか工員は戻ったようです。
但し、雪害で、実際帰郷できなかった工員がおよそ半数近いといっていました。
新しい労働法での週労働時間は40時間、残業代率、土日の賃金(2-3倍)のアップ、夏の暑さ手当て、環境問題など、コストアップにつながるものが目白押しで、それに人民元高が加わり、軽工業商品だけかも知れませんが、新規発注品に対しては、かなりの値上げが予想されます(2-3割から、あるものは5割近くまで上がるのではと心配しています。)
二、三の工場から、すでに(値上げの)打診があります。
ベトナムへの移転効果はまちまちとは思いますが、資材の確保がベトナム国内ではまだ十分ではない、沿岸部から工場までの距離、国内からかなり遠く、時間がかかるなど、また軽工業の製品の値段は(一部とは思いますが)現状でさえ、値上げ前の現在の中国の値段と同じくらいです。
中国の餃子事件、相変わらずの居直り、責任なすりつけになりましたが、それにより、消費者の中国の意識に対する認識が高まれば先生の本の題名のように” 反日ありがとう” ですね。
日本産お米の通関遅滞など早速、中国側が嫌がらせを始めていますが、オリンピックまでは反日暴動も出来ませんので、それまで、日本の立場、意見を遠慮なくガンガン出せばいいのですがね。そのほうが今後の日本に対する対応も、必ず慎重になると思います。
http://www.chosunonline.com/article/20080213000019
http://www.chosunonline.com/article/20080117000051
http://www.chosunonline.com/article/20080125000067
http://www.chosunonline.com/article/20080125000068
(香港読者)
(宮崎正弘のコメント)北京系列のニュースでは旧正月の鉄道輸送は、一億九千六百万人に及んで前年比11・8%増と鉄道局が公表した由。
どうして11・8%って、昨年のGDP成長率と同じなのですかね。
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(読者の声3)以下のように「台湾の声」が妨害に遭いました。被害は甚大です。
先生のメルマガに知らせ頂ければ、幸いです。
【急告】【転送依頼】5779名の読者の皆様、再登録を 台湾の声編集部からのお願い
3月2日、本誌発行システムであるE-Magazineのサーバーが、十時間に渡ってアクセス不能になり、アクセス可能になった午後9時以降、本誌の購読者数がトラブル発生以前
の9201名から3422名へと激減しました。
5779名の購読者の登録が勝手に解除されたものと見られます。本誌購読者の約5人に3人がこの被害を受けた計算になります。
この「急告」を読んでいただいた方にお願いなのですが、この「急告」も、勝手に登録が解除された購読者には配信ません。
そこでこの記事が被害に遭った購読者の目に触れるよう、転送、ブログや掲示板への書き込み、知人友人に声をかけていただけるよう、ご協力をお願いいたします。
台湾の総統(大統領)選挙が行われ、注目の高まる3月にこのようなトラブルが起こり、皆様にご迷惑をおかけしたことについて、編集部では重大に受け止め、原因と改善について真摯に検討、ご報告する所存です。
(台湾の声編集部)
最新バックナンバーの確認は、
http://www.emaga
. com/bn/bn. cgi?3407
『台湾の声』http://www.emaga
. com/info/ 3407.html
(宮崎正弘のコメント)謝長廷の猛追ぶりが最も重要なときに敵勢力はハイテク妨害にでてきたようですね。 同様に小誌読者の方で、配信がないという不満が数千人からあがっており、頭を抱えています。メルマガ数誌で転載配信されたり、或いはバックナンバーを毎日読んでいただいている読者も多いのですが、抜本的対策がありません。
((( 宮崎正弘の新刊 )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
3刷出来!
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32009305
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
http://www.business-i.jp/news/book-page/debut/200710130007o.nwc
(書評と申し込み方法 ↑)
『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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