現代版「中ソ対立」は、本格化している | 日本のお姉さん

現代版「中ソ対立」は、本格化している

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年)  3月3日(月曜日)
通巻第2109号  

 現代版「中ソ対立」は、表面のニコニコ外交から乖離し、本格化している
  モスクワはもはや北京に最新鋭武器を売却したがらなくなった
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 92年から2005年までロシアが、最大顧客だった中国へ販売した武器は累計で260億ドル(同時期の武器全輸出額は580億ドルだったから中国が半分を占めた)。
 エリツィンもプーチンも北京へご機嫌伺いと注文取りにご用聞き。

 なかには西側の脅威となるスホイ戦闘機を285機、四隻のソブレメニイ級ミサイル巡洋艦、そした12隻のキロ級潜水艦が含まれた。
 ところが2006年から「最新鋭航空エンジン」「戦略爆撃機」など、ロシアは中国への売却を認可せず、2007年のモスクワから北京への武器輸出は殆どゼロとなった。

 この百八十度もの転回はなにが原因なのか?
 中国はロシアから得た最新鋭武器を整合することに時間をかけた結果だろうと言われたが、いまだに自主開発のスホイ改良型ジェット戦闘機は中国領空にみえず、改装工事中と言われた空母ヴァリヤーグもなりを潜めたままだ。

 ロシアは、新顧客としてアルゼンチン、ベネズエラをつかみ、また旧同盟でもあり、武器の顧客でもあるインドには新鋭武器を片っ端から売却している。
 ロシアにとって「中国は潜在的脅威であり、嘗ては中ソ国教に60万兵力を配備してにらみ合った関係。いずれ我々にも向けられる軍事力の向上のために我々が中国に技術を提供するのはおろかである」という観測が濃くなる。

 といっても過去十数年は武器以外にモスクワは海外へ売るモノがなかった。
 石油とガスを高値で売り出してから、ロシアの態度は変わったのだ。

 メドベージェフ新政権はプーチンの資源外交を継続する。
となれば地政学的にインドを利用することが当面の眼目となり、インドの軍事力が高まれば、中国を背後から牽制できるという思惑が働く。
「モスクワは中国に提示していない最新鋭のミグ35をニューデリーにはオファーしている。これまでにもスホイ30型戦闘機を140機、改良バージョンを40機輸出した」(NYタイムズ、3月3日付け)。

(読者の声1)「七人の死刑囚」第1回上映会のお知らせです。
日 時:平成 20年 3月 4日(火) 18時30分 開映予定
※上映前に、監督・水島総からのご挨拶を予定しております。
 会 場:文京シビックホール・小ホール (371名収容)
   入場料:無料
※ 会場にて製作支援金として千円以上のご芳志を賜れますと幸いです。
要予約  「新しい歴史教科書をつくる会」東京支部 ※ご連絡先 :TEL 03-3814-0938 

 つづいて第二回上映会は、
平成 20年 4月11日(金) 18時30分 開映予定
会 場:文京シビックホール・小ホール (371名収容)
   入場料:無料
※ 会場にて製作支援金として千円以上のご芳志を賜れますと幸いです。
※ 事前のご予約を、上記連絡先までお願いいたします。
     (IK生)


(宮崎正弘のコメント)このほか、全国で上映会運動が巻き起こっています。映画そのものは最初にヨーロッパの映画祭へ出品し、それから本格上映と聞いておりますが、その前に随所でブームをつくりたいものです。
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『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
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