オリンピックをするのも共産国らしく、スポーツ・ジャーナリスト対策班を設置したという。 | 日本のお姉さん

オリンピックをするのも共産国らしく、スポーツ・ジャーナリスト対策班を設置したという。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年)  2月29日(金曜日)  
通巻第2106号  (2月28日発行)

 北京五輪のテロ対策拠点は中国全土に610ヶ所
   ウィグル、チベット独立の活動家、法輪功、人権運動家をフルマークへ
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 治安対策の責任者で、昨秋から政治局常務委員に出世した周永康は「北京五輪における最大の脅威は過激派とテロリストだ。その対策に力をつくす」と昨年九月の対策会議で述べている。

フランス人ジャーナリストのロジェ・ファリゴといえば、『ルモンド』の元記者。北京語をこよなくあやつり中国の諜報機関の歴史、事件を漏らさず書いてきた世界的なチャイナ・ウォッチャーの一人(邦訳にも『中国諜報機関』、黄昭堂訳、光文社1990年刊などがある)。

 そのファリゴが新作『毛沢東から北京五輪までの中国の秘密機関』を発表した。これは氏の四十作目にあたる。

 ルモンド紙によれば中国の秘密情報部は北京五輪のために特別チームをいくつか設立、或いは臨時の組織編成替えをおこなって、テロリスト対策、法輪功対策の他にスポーツ・ジャーナリスト対策班を設置したという。

 人権擁護団体、チベット、ウィグル独立運動の活動家らは以前からフルマークだが、合計200万人のマンパワーを北京五輪対策に動員し、その予算だけでも13億ドルに登るという。
 国家公安部と秘密情報部の北京五輪のテロ対策のためのオフィスは、中国全土に610ヶ所もあり、最近陸続と入国する欧米日からのスポーツ・ジャーナリスト対策にまで手を伸ばしている。
(AFP、2月26日付け)。

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(読者の声1)一枚の絵が我が家にあります。12号です。
画家の友人が描いたもので、木板に漆喰を塗り、それが乾かないうちに絵の具を載せ染み込ませるルネサンス期の混合技法が使われています。
絵のタイトルは「遅い朝」。裸のままの背中と尻を手前に向けた女が画面中央のベッドに横たわっています。部屋の掃除に来たメイドはベッドのシーツの端を引っ張り、その女を起こそうとしています。
行きずりの男と女が片田舎の旅籠屋で一夜を過ごしますが、男は朝早々と出立し、女はそうと気付かず残されたまま夢の中にたゆたい日が高く昇っても余韻に浸って熟睡しています。
部屋の窓の外には男女が何人か屯ろして部屋の中を覗いています。彼らの後背には明るい屈託のない青空が広がり雲が湧いています。昨夜部屋での二人の出来事はすでに、明るい日の光に溶かされ消え失せてしまっているのに、夢に微睡む女の胸の中にはその残滓が今だにたゆたっています。
旅籠屋の室内の床とベッドは、遠近法を無視して垂直状態に描かれ、女はベッドからずり落ちる視的感覚を生み、女の不安定さを暗示しています。
この一枚の絵を眺めていたら、ある寓意が籠められているような思いにとらわれました。
それは、ベッドに無邪気に横たわり今尚微睡んでいる女は日本政府、その女を残しさっさと旅立った男はアメリカ政府、メイドは悠長な日本政府をそんなんじゃダメと覚醒させようとしている一部の日本国民、そして窓の外に屯ろして室内を覗いている人々は東アジアの近隣諸国に見えてきたのです。
この絵の作者は高等遊民のノンポリですから、私が思い浮べた寓意は勝手な想像に過ぎないのです。しかしこの絵の女を日本に見立てると、不思議なくらいピタリと今の日本の状況をビジュアルに表わしていると思えるのです。
    (HN生、品川)

(略)
   ♪
(読者の声3)『宝島』という雑誌を読んでいたら、こんな雑誌にまで宮崎さんの談話が掲載されていました。別冊の『宝島』では論文も書かれていましたが、緊急にこれらを集めて餃子問題での提言を行われては如何でしょうか?
   (HI生、市川)

(宮崎正弘のコメント)ご指摘は有り難いのですが、餃子問題はまもなく沙汰止みとなり、このところ、マスコミが騒いでいるのは、イージス艦の事故と三浦和義でしょ。日本のマスコミはなぜこうもミーハー的・白痴的なのでしょうかねぇ。
 しかも自衛艦のほうに過失があるような書き方は左翼編向の極です。国防のあり方を伏せた、難癖の名人朝日の論調にNHKも引っかかっています。
 というわけで、五月下旬を目処に準備中の拙著新刊は、その先を読んで「北京五輪以後」に焦点を当てます。

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