元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』 | 日本のお姉さん

元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』

え~。原田氏は、日本の虎の子郵便貯金が

アメリカに狙われているって言っているよ~。


『「彼ら」は必ず刈り取りにやってくる。しかもひそやかに、

である。』だって。もしも、アメリカに郵便貯金を盗られたら

日本は完璧に属国だよね。ドイツを見習えって言っているよ。


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元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/02/post_53.html


投資のチャンスを確実にモノにするには、世界にアンテナを

張り巡らし、お金の流れを機敏に察知する必要があります。

元外交官の経験を活かし、一味違う視点で、世界の政治と

お金の関係を、リアルタイムで解説します。

●日本の“虎の子”郵便貯金が国外に持ち出される?


郵政民営化の基本に立ち返る。

今ではすっかり「政界の重鎮」としての座を獲得した感のある

小泉純一郎元総理大臣。歯切れと要領の悪い福田康夫総理

大臣を揶揄する勢力からは、「小泉カムバック待望論」も聞か

れるようだ。

しかし、“コイズミ&Co.”が日本社会を「破壊ビジネス」で

大混乱に陥らせたことを忘れてはならないだろう。

政界では今や笑止でしかない小泉チルドレンたちも、思えば

あの時(05年秋)に郵政民営化法案を通すために急遽こしら
えられたチームなのであった。

そしてその後どうなったのか?民営化されたからといって、

私たち=日本国民に対して目に見える利益を示すことができ

ないジャパン・ポスト。そして、今年晩秋にも実施が予想

されている衆院総選挙に向け、党執行部から「国替え」を強い

られ、泣くに泣けない末路をたどっている小泉チルドレンたち。

その一方で、何が何だか分からないまま「安倍」「福田」と

総理が代わり、何も決まらず、何も決定的には変わらない

まま、日本では時だけが過ぎ去りつつある。

しかし、そんな中だからこそ確認しておきたいことがある。

それは3年前に強行された「郵政民営化」の本当の狙いだ。

それは、日本国民が汗水たらして貯め込んだ郵便貯金という

名前の貯金箱を公然と国外に持ち出そうという米欧の「越境

する投資主体」たちによる策動なのである。

風化しつつある今だからこそ、このことが持つ重大な意味を

声を大にして述べておきたい。

彼ら」は必ず刈り取りにやってくる。しかもひそやかに、である。


ドイツで始まった最大の脱税スキャンダル

あの時、小泉政権(当時)がモデルとして盛んに掲げたのが

ドイツにおいて郵政民営化の対象となったドイツ・ポストで

あった。ところがそのドイツ・ポストをめぐって今、大変な騒動

が起きている。


去る2月14日、ドイツ・ポストのCEOであるクラウス・ツム

ヴィンケル氏に対して強制捜査が行われたのだ(その後

辞職)。容疑は何と「脱税」。しかも国内で小規模行っていた

のではなく、リヒテンシュタインの公的銀行「LGT」がその

現場とされていたのだという。

ドイツ政財界の大物、しかも「破壊ビジネス」の立役者に対す

る突然の強制捜査で今、ドイツ社会は揺れに揺れている。


例によって日本の大手メディアは欧州において大々的に取り

上げられているこの事件を、今のところベタ記事程度でしか

扱っていない。それもそうだろう、下手をすると自分たちが

これまで叫んできた、構造改革という名の「破壊ビジネス」の

牙城であるジャパン・ポストと比較されかねないからだ。

都合の悪いことは語らないし、取り上げない。

これが日本の大手メディアの悪しき習性なのだ。


しかし、だからといって日本の個人投資家がドイツにおける

事態の進展を無視していてよいわけではない。

ここでそのもっとも重要なポイントを1つ挙げておこう。

それは、どうやらドイツが情報機関(BND)まで動員し、

昨年夏ごろより関連資料の収集に着手していたらしいと

いうことである。しかも、その資料には、ドイツ人容疑者だけ

が記されているとは断言できない。つまり、ここから世界的な

脱税スキャンダルへと発展する可能性があるのだ。


そして、強制捜査が始まるタイミングで、ドイツ・ポストの

虎の子「ポスト・バンク」の、コメルツバンク(ドイツ第3位の

銀行グループ)への売却の話が進む気配が見えてきたの

である。


つまりこういうことである。

ドイツ勢は一方では「もっと逮捕するぞ!」と世界中に対して

いきり立ちつつ、他方で虎の子「ポスト・バンク」をドイツの

資本勢力の中へと格納しつつあるのだ。

サブプライム・ショックの中にあって米国の「越境する投資

主体」たちの姿が時にくっきりと見え始めたドイツであるが、

ポスト・バンクは徐々に「越境する投資主体」の手から

遠ざかりつつある。


親米を唱えてもマーケットから抹殺される時代へ


日本ではこれまたほとんど語られることのないマーケットに

おける真実として、米国勢と欧州勢、とりわけドイツ勢との

間の暗闘がある。


一昨年から日本のマーケットでも明らかになってきたこの

争いを、私は1月に上梓した『世界と日本経済の潮目 

メディア情報から読み解くマネーの潮流』(ブックマン社)に

おいてまずは説明した次第である。また、3月8・9日には

福岡・神戸で、3月22日には横浜でそれぞれ開催する無料

学習セミナーでも、このひそやかな戦いが持つ本質と、その

向こう側に見える「潮目」についてじっくり語ることができれ

ばと考えている。


もちろん、現段階においてドイツ勢が本当に考えている狙い

は分からない。これから連日拡大していくであろうドイツ、

さらには各国における「脱税捜査」の波の中で少しずつ

明らかになっていくことであろう。


それでもなお、1つだけ言えることがある。それは、「破壊

ビジネス」を手伝い、明らかな「親米国派」であったとしても、

決して永遠にセーフであるというわけではないということだ。

米国勢はシステムを転換し、利益確定を行い、あるいは

ビジネス・モデルを見限る時、それまで各国において協力

してきた現地エリートたちを見限るものである。


米国有名大学でMBA(経営学修士号)を取得し、米系経営

コンサルティング会社の雄・マッキンゼーで大活躍した

ツムヴィンケル元CEOもまたその例外ではなかった、という

ことなのではなかろうか。


まさに「世界の潮目」である。完全民営化、すなわち上場され、

ゆうちょ銀行という私たちの貯金箱が売り飛ばされる危機が

数年後に控えているだけに、ドイツ勢がとった「国ぐるみの

資産防衛」とでもいうべき措置は、私たちに多くの知恵を

授けてくれるものであろう。

そしてまた、3年前、「破壊ビジネス」の旗を小泉純一郎元

総理大臣とともに振った協力者たちこそ、今や自らが

ターゲットになりつつあることに気づくべき時なのかもしれ

ない。


by日本のお姉さん