事件の渦中でもJT株の「買い」を推奨する外資系証券・「あたご」だけが悪いのか? | 日本のお姉さん

事件の渦中でもJT株の「買い」を推奨する外資系証券・「あたご」だけが悪いのか?

ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼事件の渦中でもJT株の「買い」を推奨する外資系証券の思惑と日本の「闇」-2(株式投資と市場研究の兜町通信)
2月7日、JTは、08年三月期、第3四半期の決算発表をするとともに、08年3月期の通期連結決算の予想も公表した。売上高は34%の大幅な増加、営業利益は27%、経常利益は16%、純益も約17%の大幅な増加となる見込みだという。だが、投資家の多くは、冷めた目でこの決算発表を眺めていただろう。
英国のタバコメーカー、ガラハーを総額2兆2000億円という巨費を投じてJTが買収し、連結対象子会社にした事を知っているからだ。

ガラハーの売り上げや利益をオンしているのだけでなく、加ト吉の業績も取り込んだことでの増収でもある。どうひっくり返っても、増収増益にならないほうがおかしい。
だが、2月の通期見通しは、下方修正だ。07年10月末の中間決算発表時の予想は、下記の通りだ。

08年3月期連結業績の見通し。
07年10月末発表
売上高、 63、600億円          

営業利益、4、050億円           
経常利益、3、700億円          
当期純益、2、560億円            

08年2月7日発表
売上高、64,100億円。

営業利益、4、220億円
経常利益、3、630億円
当期純益、2、460億円

昨年10月時の決算予想と比較すると、売上高、営業利益は増加しているものの、経常利益でマイナス70億円、純益ではマイナス100億円となっている。
また、子会社、JTフ-ズの冷凍食品の回収によるコストや販売再開が遅れることによる赤字懸念も織り込んではいない。実際の3月決算は、さらに下方修正する可能性が高い。また、来期からガラハーののれん償却が始まるので、来期以降の業績は、どうなるのか、といった懸念もある。

今回、JTについて書くのは、何も今後のJTの行方を占おうという趣旨ではないので、それらについては、後ほど検討するが、この決算を契機として外資系証券や日本の大和総研などがレーティング(株価格付け)を発表している。まず、大和総研だが、2月12日発表したJTに対するレーティングは「3」だ。
大和総研のレーティング定義は、以下のとおり。

「1」:今後6カ月程度のパフォーマンスがTOPIXを15%以上上回る。
「2」:今後6カ月程度のパフォーマンスがTOPIXを5─15%上回る。
「3」:今後6カ月程度のパフォーマンスがTOPIXに対し±5%未満にある。
「4」:今後6カ月程度のパフォーマンスがTOPIXを5─15%下回る。
「5」:今後6カ月程度のパフォーマンスがTOPIXを15%以上下回る。
いわば、JTの株価が大幅に上昇するのは期待しがたいと見ているわけだ。

一方、完全に外資系となった日興シティーグループ証券は、JTの格付けを「1M」としている。
日興シティーの格付け基準は、予想投資収益率(ETR):向こう12カ月の予想投資収益率=
ターゲットプライスまでの予想株価カイ離率+予想配当利回り 、で決められるという。

「1(買い)」は買い推奨であり、同じ「1」でも、次のようにランク付けされている。
低リスク(L): ETR≧10%、
中リスク(M):ETR≧15%、
高リスク(H):ETR≧20%、
スペキュラティブ(S)ETR≧35%、

日興は、JTに対して「1M」の評価だから、「中リスクであり、目標株価を「81万円」としている。この頃、JTの株価は、60万円割れだったから、日興のレーティングが正しければ、投資家は、利益を享受できることになる。

また、ロイター発でゴールドマン・サックス証券のJT株に対する格付けを見ると、2月7日、8日、12日と
一貫してJTは、「買い」と評価している。
外資系証券と、大和証券系の大和総研とは、JTに対する評価が分かれている。

ちょっと横道にそれるが、いまや個人投資家の9割が、ネットで株の売買をしている。その投資家は、ネット証券の提供してくれる市況ニュースを見て、いい銘柄はないのか、あるいは、外人投資家の動きはどうなのかと監視し、また、気をもんでいるわけだが、それらの情報のほとんどは、ロイターなどの外資系通信社が配信しているものだ。いわば、株式投資にとり重要な情報は、外資系通信社が発信しているということだ。その外資系通信社がどのように報道するのかにより、株価が大きく影響される。

また、今回の株式市場の低迷が、外人投資家の売り基調の故であることは、いまさら、指摘するまでもない。今年1月、日本市場の売買シェアは、個人が20%割れとなり、外人投資家の比率が約70%となったことは、日経などでも報じている。
日本市場で積極的な売買をしているのは外人投資家であり、日本市場は、もはや日本人のものではないことは、再三指摘してきた。

そして、投資主体別の金額ベースの保有比率を見ても、日本の投資家の保有比率は減少する一方だ。主に日本株を所有しているのは、金融機関、事業会社、個人投資家、外人投資家の4つの主体しかいない。
投資信託は、金額が少ないだけでなく、日本の投資家は、日本株を嫌い、海外債権や海外株を組み込んだ投信を買っている。現在のような日本市場の低迷で、ますます、日本株への投資は、減少するだろう。

事業会社が自社株買いを増やしているとはいえ、その額は、東証の時価総額から考えれば、微々たるモノである。昨年度の前半まで、
外人投資家だけが、買い越しであり、金額ベースの保有比率を上昇させていた。日本市場を左右するのは、外人投資家であり、もはや、日本人の力では、いかんともしがたい状況に陥っている。

民営化して株式を上場した大阪証券取引所の外人保有比率は高いが、東証も上場すれば、外人保有比率は高くなるだろう。それについては、昨年、雑誌で書いたので割愛するが、日本資本主義の屋台骨である、日本の株式市場は、投資家だけでなく、あらゆる面で外資の包囲網にあり、もはや日本人の力では、いかんともしがたい状況に陥っているということである。堅実をとりえとしたアリの日本人は、金融帝国主義時代のキリギリスに食べられるほかはないのかもしれない。この項、続く。
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▼「あたご」だけが悪いのか?(依存症の独り言)
今回の、海自護衛艦と漁船の衝突事故、まずは行方不明になっている漁船の親子の無事と早期救出を祈りたい。ところで、私は、今回の事件に対する報道のあり方にある種の違和感を感じる。ほとんどのニュースが「海自の護衛艦が悪い」という前提に立っているからだ。では、ネットではどうか?
これについては、時事通信の「視認は衝突12分前=イージス艦、正面から乗り上げか」が参考になる。と言っても、記事そのものではなく、そこに寄せられたコメントの方だ。20日22時01分に配信されたこのニュースに、コメントが殺到している。21日午前10時50分の時点で399件。
で、この399件の内訳を見ると、「自衛隊批判」が多い。やはり、自衛隊を否定的に捉えている連中が、ここぞとばかりに書き込んでいるのだろう。もちろん、中には「まっとうな批判」もある。が、かなりの数が自衛隊に敵意を持っているとしか思えないコメントである。ところが、どのコメントが読者に支持されているかと言うと、それは以下の書き込みである。
このコメントは453点を獲得しており、ダントツの第1位。しかし、どうしてこうも自衛隊批判ばかりが多いかね。 護衛艦側にも当然責任はあるが、これは漁船側にも責任があるんじゃねーの?あれだけ巨大な艦船だったら、それこそ漁船側だって12分前に見えてただろうに。それなのに回避行動取らなかったって事は、漁船側にだって非はあるだろ。大型トラックと軽自動車、どっちが小回りが利くかぐらいちょっと考えれば分かるでしょ。自衛隊ばかり批判する前に、国民がもっと冷静に一番見つめ直すべきじゃねーの?
この指摘は正しい。過失責任は漁船側にもある。20年前の海自潜水艦「なだしお」事故で釣り船側代理人を務めた田川俊一弁護士は「今回もあたごに主因があったと思われる。だが、追突でない限り一方に100%の過失があるということではない」と述べている。(産経新聞)
確かに、漁船の親子が行方不明になっていることに心を痛めるのは当然である。が、一方の当事者が海自の護衛艦であるということで、一方的に海自の護衛艦が、あるいは自衛隊が悪いと批判するのは、どうかと思う。
以下は、朝日新聞からの抜粋である。
午前3時半ごろ、幸運丸のレーダーに、左舷前方約9キロから接近してくる船影が映った。12~13ノットで東京湾に向かっているようだった。「なんの船だ」「タンカーか、フェリーか」後続の漁船同士が無線などでやりとりを始めた。しかし、その中に清徳丸の吉清船長の声はなかったという。幸運丸は、イージス艦から見て右舷から左舷に横切る形で前方を通り抜けた。清徳丸などの船団が後ろに続いていたが、イージス艦はそのまま直進してきた。「危ない」 後続の船は無線で連絡しあい、衝突を回避するため、次々とかじを切った。イージス艦は、曲がったり止まったりする様子がなかったという。清徳丸はこのときも無線連絡に反応しなかった。幸運丸のレーダーには、直進している清徳丸の影が映っていた。
つまり、仲間の船が無線で連絡しあっていたのに、清徳丸だけが反応しなかった。仲間の船は「衝突を回避するため、次々とかじを切った」のに、清徳丸だけは直進したなだしお」事故で釣り船側船長の海事保佐人を務めた鈴木邦裕氏は、次のように述べている。
一方、漁船は小回りが利き、イージス艦が40メートル先に迫っていても、かじを切れば回避できる。視界は良好だったことを考えれば、漁船の2人が自動操縦にしたままだったり、周囲を警戒していなかったりして、衝突直前までイージス艦に気づかなかった可能性もある。(讀賣新聞より抜粋)
なぜ、漁船はかじを切って回避しようとしなかったのか。「漁船の2人が自動操縦にしたままだったり、周囲を警戒していなかったりして、衝突直前までイージス艦に気づかなかった可能性」が高いのではないか。
海上衝突予防法により、回避義務はイージス艦側にあったと断定されている。その点では、イージス艦側の責任がより大きい。が、鈴木氏によると、巨大なイージス艦は、相手の船が前方を横切る場合、少なくとも1000メートル以上の距離がないと、独力では衝突を回避できないという。鈴木氏は「この場合は、漁船も針路を変えるなどして、イージス艦と協力して衝突を回避しなければならず、過失はゼロということはありえない」と述べている。
なぜ、こういう視点からの報道がほとんどないのだろうか?
前記の時事通信のコメント欄では、次のような書き込みが上位を占めている。
(第2位)
これをもって自衛隊を「人殺し集団!」とか言うやつ、頭大丈夫ですか? 自衛隊が今までに災害等でどれだけの人を救ってきたと思ってる?不発弾の処理は?犠牲を出しながらも航路の安全確保のために行ってきた掃海作業は?そういったことを評価せずにこれだけで「人殺し集団」とか言うのはおかしい。そういった実績があるから大目に見ろと言ってるんじゃない、この事故を以って自衛隊の存在を否定することはおかしいと言ってるんです。これは1つの衝突事故であってそれ以下でも以上でもない。過剰に反応し過ぎでは?
(第3位)
自衛隊を批判するならまず海上衝突予防法を勉強してきなさい。「いかなる船舶も衝突を回避する最大限の努力をする」12分前にイージス艦から漁船が見えてるなら、漁船からイージス艦が見えてないはずがない。その頃から漁船も回避行動をとっていれば全く問題ない。漁船は1分前に視認しても十分避けれるはず。回避能力は格段に漁船のほうが高いから避けられなかったのは漁船のほうにも大いに責任がある。・・・ってか、1分前に衝突コースにあるならもうイージス艦が進路変更することは不可能。漁船が避けるしかない。自衛隊が悪くないわけではないが100%悪いわけでもない。漁船にも非があったことは明らかです。衝突がどうこう言うなら海上衝突予防法を勉強してからいっちょ前に口を出しなさい。
やはり、メディアよりネットの住民の方が健全であるということだ。
私は、第4位の次のコメントがもっとも妥当だと思う。事故が起きてしまったのは本当に残念!双方が「真実」を出して一刻も早く原因を追究し今後この様な事故が起こさない事が大事、マスコミも憶測での報道は慎むべきだ! 二人の一刻も早い発見を!メディアや野党の「事故の政治利用」を許すな!!!【追記】
今、時事通信のコメント欄を見たら、得点第1位のコメントが消えていた。おそらく「違反報告」の対象にされて削除されたのだろう。
確かに、漁船側関係者の神経を逆なでするコメントだが、削除するのは許せない。
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以下はアメバのCM