メイル・マガジン「頂門の一針」 1083号
ヒル国務次官補に妥協の動き
━━━━━━━━━━━━━
古澤 襄
日本は毒ギョウザ騒ぎで北朝鮮問題がどこへ吹っ飛んだ観が
ある。しかし 韓国の朝鮮日報はしっかり追いかけている。
油断をしているとヒル国務 次官補は、さらなる妥協をしそう
な空気を伝えてきている。
これに対してワシントンでは無原則な妥協に走るヒル国務
次官補に批判 的な空気がでている。レコフウィッツ北朝鮮
人権特使は「北朝鮮はブッ シュ政権の任期が終了するまで、
現在の状況を維持しようとする傾向が はっきりとしてきた」
とした。
ここで米国が妥協的な姿勢を示しても、北朝鮮は動かない
という判断で ある。ワシントンの李河遠(イ・ハウォン)特派
員が次のような分析を 行った。
<北朝鮮が「すべての核開発プログラムの申告」を実行しよ
うとしない 現在の状況が、6カ国協議を長期の手詰まり状態
へと追いやった、マカオ の銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)
問題の再現となるのではないかと 心配されている。
北朝鮮は2005年の9・19共同声明で核廃棄の原則に合意
したが、BDAに預 けられていた違法資金2500万ドル
(約27億円)が凍結されたことから、 昨年前半までおよそ
1年半、協議を空転させていた。
米国国務省のソン・キム韓国課長は、2泊3日の北朝鮮
訪問を終えて中国 ・北京の首都空港で取材記者たちに対し、
「北朝鮮から核開発リストの提出を受けることができなかった。
申告は完全かつ正確に行われなけれ ばならない」と述べ、
この問題について北朝鮮と見解の相違があること を
にじませた。
北朝鮮はすでに先月、外務省報道官の談話を通じ、「昨年
11月に核開発 リストを作成して米国に手渡した」と主張し、
米国とは異なった見解を 表明している。
ワシントンでは北朝鮮の交渉スタイルからして、米国の追加
の譲歩なし には北朝鮮が現在の立場を変更することはない、
と予測する見方が広まっ ている。北朝鮮はテロ支援国家
問題や敵性国交易法問題について、米国 が誠意のある措置
を取っていないとして不満を持っている。
1994年の第1次核危機当時、北朝鮮との交渉を担当した
外交協会のサモア 副会長は米国のマスコミとのインタビュー
で、「北朝鮮は(任期が1年も ない)ブッシュ政権と交渉し
ても何の意味もないと判断している」と分 析した。
現在の手詰まり状態が第2のBDA問題へと発展する動きを
見せていること から、ヒル国務次官補はガイドラインを引き
下げてでも北朝鮮からリス トの提出を引き出そうと努力し
ている。
ヒル次官補は先月30日、アマースト大学で行った講演で、
「北朝鮮がウ ラン濃縮に利用したと推定されたアルミニウム
管が、実際は遠心分離機 用としては使用されなかったことが
分かった」と北朝鮮を安心させる発 言を行った。
しかしブッシュ政権内の強硬派や核非拡散を主張する
グループからは、 適当な妥協をけん制する声も出ている。
米政府内の強硬派は、先月17日に行われたレコフウィッツ
北朝鮮人権特 使の企業研究所での公開講演を皮切りに、
このようなメッセージを伝え ようとしている。
レフコウィッツ特使は対北朝鮮強硬派であるネオコンのウォル
フォウィッ ツ前国防副長官の前で、「北朝鮮はブッシュ政権
の任期が終了するまで、 現在の状況を維持しようとする傾向
がはっきりとしてきた」と述べ、北 朝鮮とのあらゆる交渉に
人権問題や経済支援、安全保障問題を確実に関 連づける
ことを主張している。
もし米国が第2のBDA問題を防ぐことができなければ、再び
危機的状況を 招く可能性もある。北朝鮮は2005年9月に
BDA問題が起こってから06年7月 と10月にテポドン・ミサイル
の発射実験や核実験などを強行しており、 深刻な危機を
招いた。(朝鮮日報)>
2008.02.05 Tuesday - 15:53 comments(0) trackbacks(0) by 古沢 襄
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(2月1日現在1466本)
話 の 福 袋
━━━━━━━
◎中国当局、大雪の「予報能力不足」認める
【大紀元日本2月7日】深刻な被害をもたらしている中国の
大雪について、 同国内の気象専門家は、「予報能力不足」
を認めた。
BBCは、中国中部・南部各省において発生した、過去
数十年で最悪の 暴風雪により、負傷・死亡者と、深刻な
経済損失が発生したと報じた。
農村出稼ぎ労働者数十万人が、駅で何日も電車の運転
再開を待っていた。
彼らは、2月7日の旧暦の新年に故郷に帰り、年を越すこと
を希望して いた。当局の推計によると、約1億人が大雪の
影響を受けており、経済 損失は540億元に上るという。
官員らは、今回の災害を極端な気象のせいにしているが、
中国気象局の 鄭国光局長は、気象部門の予報レベルが、
暴風雪のタイミングを正確に 予報するには到っていないことを
認めた。
さらに、気象部門は、相次いで発生した、低温、雨、雪
混じりの凍りつ く天気を事前に予想できておらず、当局は、
1月10日~16日、1月18日 ~22日においてこうした天気が
発生した後、起こりうる災害について十 分な予測ができて
いなかったと語った。
BBC北京の記者は、南方においては、路面の結氷を処理
する設備が不 足しており、また、電力を輸送するケーブルが
細すぎて、大量の氷雪に は耐えられないと述べている。
官員らは、冬季の耕作が暴風雪によって壊滅的な影響を受け
ており、将 来において食糧不足が発生すると警告している。
中国気象局官員の指摘によると、世界の気候の温暖化を
背景に、極端な 天気が発生する頻度、強度が増す趨勢にあり、
今後、類似の事件が発生 する頻度、強度はおそらくさらに増し
ていくという。
この他にも、台風や黄砂といった天気も発生する可能性が
あるが、現在 のところ予想は困難であるという。
◎ 従業員の出勤記録簿押収
【石家荘(中国河北省)7日共同】中国製ギョーザ中毒事件で、
問題の ギョーザを製造した「天洋食品」の工場がある中国
河北省石家荘市の公 安当局が、工場から従業員の出勤
記録簿を押収していたことが7日まで に分かった。
日中関係筋が明らかにした。
中国側の公安当局の具体的な捜査の動きが初めて判明し、
事件の解明に 向け本格捜査に乗り出したことが裏付けられた。
ただ中国側は、有機リ ン系殺虫剤「メタミドホス」が生産過程
で混入した可能性は低いとして おり、解明がどこまで進む
のかは不透明だ。
出勤記録簿には従業員の出勤と退勤の日時が記録されて
おり、メタミド ホスの混入したギョーザが製造された昨年
10月1日と20日に工場内にい た従業員を特定できることから、
両日分を含めた周辺の日にちの出勤簿 がすべて押収され
ている。2008/02/07 10:16 【共同通信】
◎がん細胞死滅ウイルス 有効性裏付け 岡山大グループ
免疫の働きも活性
岡山大病院遺伝子・細胞治療センターの藤原俊義准教授らの
研究グルー プは、がん細胞だけを死滅させる同大開発の
ウイルス「テロメライシン」 を投与すると、がん細胞に対する
免疫の働きも高めることを6日までに 確認した。
免疫活性化により、がん細胞への攻撃力が増すことが
考えられ、テロメ ライシンの有効性を裏付ける成果として
注目される。
テロメライシンは、無害化させたアデノウイルス(風邪ウイルス
の一種) と、がん細胞の増殖にかかわる酵素テロメラーゼの
一部を結合させたウ イルス。ヒトのがん細胞に感染すると
1日で10万―100万倍に増え、がん 細胞を破壊する。
藤原准教授らはテロメライシンの免疫細胞への影響を調べる
ため、体内 の老廃物である尿酸の濃度を測定。ヒトのがん
細胞にテロメライシンを 感染させて増殖させると、通常に比べ
4倍、抗がん剤を与えた時よりも 2―3倍に、それぞれ高くなる
ことを試験管レベルの実験で確認した。
血液中で尿酸値が上昇すると、尿酸を危険信号として察知する
免疫細胞 の働きが高まり、がん細胞を攻撃することは知られ
ていた。今回の実験 でグループは、テロメライシンが免疫細胞の
働きを高めたと結論付け、 米科学誌オンコジーン(電子版)で
発表した。
山陽新聞(2008年2月7日掲載)
◎中国産キャビアを「ロシア産」=歳暮ギフト、300人発送-西武・そ
ごう
大手百貨店の西武百貨店とそごうが、中国産キャビアを「ロシア産」と
表示して販売していたことが7日、分かった。不当表示されたキャビアは
約300人に発送されたという。景品表示法に違反する恐れがあり、悪質と
判断されれば、公正取引委員会が排除命令や警告を出す可能性もある。
公取委は昨年12月、原産国などの不当表示があったとして百貨店10社に
警告し、管理体制の強化を日本百貨店協会などに申し入れたばかり。西
武、そごう両百貨店は、原産地表示の確認を自ら行っておらず、ずさん
な品質管理体制に批判が高まりそうだ。
西武とそごうの持ち株会社「ミレニアムリテイリング」によると、原産
地の不当表示があったのはギフト商品「ごっつお便」。お歳暮用に販売
するキャビア(1万500円)が、カタログなどに「ロシア産 フレッシュ
キャビア」と記載していたが、実際は中国産だった。
2月8日3時0分配信 時事通信