密航斡旋相場の跳上り・100円ショップ苦悩 | 日本のお姉さん

密航斡旋相場の跳上り・100円ショップ苦悩

密航斡旋相場の跳上り (すでに読んだ方は飛ばして読んでね。)↓
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年) 2月1日(金曜日) 
通巻 第2072号  (1月31日発行)

 中国の大雪災害(第3弾)

AP電は、大雪により輸出入の輸送が麻痺し、インフレがおきて輸送関
係の株価が下落し、とくに石炭不足による発電のダウンはハイパーイン
フレの懸念があると分析する香港金融街の分析を大きく伝えている(31
日付け)。

これは「戦争状態に匹敵」という中国共産党高官の発言を引用しつつ、
上海ではトタン屋根の家屋が倒壊し、国際郵便はストップ、EMSも配
達が50%に達していないこと、税関が機能不全に陥っていることなど
をつたえた。

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世界の新難題は「移民の政治学」

中国から米国への密航斡旋の相場は6万ドルに跳ね上がっている。


「蛇頭」が華やかなし頃、日本へ福建省からの密航は2万ドルが相場だっ
た。米国はその3倍、いったい元が取れるのかと心配になる。

世界的な密航相場をみると、モロッコからスペインへのもぐりこみは組
織に支払う額が6000ドル、メキシコから米国への相場は3000ドルにも満
たない。世界最安値の密航相場はアフリカの角からアラビア半島南端の
イェーメン。ただの100ドル(それもそうだろう。せっかくイェーメンへ
行ってもサウジの王族の別荘で下僕にでもならなきゃ、職はないから)。

海外への出稼ぎで食べている国はいまやフィリピンではない。

出稼ぎの仕送りでGDPの50%がブルギノ・ファソ。ついでエリトリア
が40%。パレスチナ人の住むガザ地区からイスラエルへの出稼ぎがもた
らす送金がガザのGDPの35%、キルギスは32%。トンガ、27%。ハイ
チ21%。

そして密航による移民がミラノやパリ、ロンドンなどで治安を極端に悪
化させている。 

の問題は米英仏独など旧植民地を抱えて、条約上も移民を仕方なく受け
入れてきた先進国が目的地と相場は決まっていた。

状況は革命的に変化した。

新興の工業国家群や資源大国に周囲の国からの労働移民が顕著になった。

たとえば石油とガスの噴出したカザフスタンは好景気に沸いて町のあち
こちにルイヴィトンの店舗があるのは当然にしても、すぐ南のキルギス
から大学卒のエンジニアがどっと入ってくるのだ。

労働を求めた不法移民が送金する額は2400億ドルにも達する。しかしO
ECD諸国が貧困国への援助は3000億ドル。

最後の問題はこれら密航者たちの本国への送金である。

たとえば日本から2万円を送ると手数料が2500円もかかる(郵便ネットで)。
少額の5万円だけを銀行から送ると手数料が5000円もとられる。そこで
地下銀行の猖獗となるわけだが、これもマフィアが稼ぐ。

日本のように10万以上の送金に身分証明書が必要な国からは簡単に送金
もできず、だから日本は海外からの密航者が激減しているという説まで
ある(本当は不景気で稼ぎにならないからだが。。。)

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(読者の声1)遂に出ましたインチキ餃子。輸入業者が生協というオマ
ケ付き。これだけ大々的に報じられる背景に興味を覚えます。

寒波、降雪、インフラ壊滅、被害続出。温家宝お馴染みのマイク・パフ
ォーマンス程度では、あの超身勝手・自分本位の人民がスンナリと
納得 しないと思いますが・・・。

共産党のタガが外れる回帰不能点に近づいたということでしょうか。厳
戒態勢下の五輪の後に興味は尽きません。(KH生、愛知県)

(宮崎正弘のコメント)戒厳令の効き目、という意味で観察に値する状
態が、いまの中国ですね。
    ♪

(読者の声2)毒入り餃子のお粗末。JTってカネがあるだけで大名商売
をやっているなと眺めています。食品業界は結構こすっからいです。

脇の堅い味の素の名前も出ています。シナ人には勝てませんね。

ともかく元凶の天洋食品の対日調理冷凍食品の輸出シェアは2500
トン÷ 20万トンでわずか1.2%ですが、これが、20万トン全体へ
壊滅的打撃を及 ぼすことでしょう。

混入原因は待遇に不満を持つか個人的にむしゃくしゃしていた従業員
の サボタージュの可能性が高いと思われます。(味の源生)

(宮崎正弘のコメント)小生のみるところ、原因の一つは加ト吉が中国で
ノルマがあまりに厳しくて昨年暴露されたのが伝票操作事件でした。

これで加ト吉はJTに乗っ取られ(買収され)、日清食品との提携へと
進むわけですが、その過程でおきた、つまり生産現場なんぞを監督する
ゆとりがなかったから?

あるいはご指摘のようにJTの殿様商法でしょ。エリートは現場をみな
い。すると必ずこういう不祥事が起きます。中国人がなにをしでかすか
わからないという本質を知らなかったという言い訳は通用しません。

謝罪会見で驚いたのは、トップの髪が皆黒々としていましたね。

   ♪
(読者の声3)中国産の食品でついに健康被害が出てしまいました。 
以前、落花生の件でメールをさせていただきましたが、今回はの件は、
加工食品と云うことで正直云って消費者は愚か販売会社も見破るの
は無 理です。

販売者がコストをかけて自社で食品検査をするなどと云うのはコスト優
先の昨今でまず行うはずがありません。

私は、仕事柄生鮮食品の販売をしているため他店のスーパーも
偵察では ないですがたまにはいきます。  

そこで、いつも思うのは加工食品はいったい幾ら儲けるつもりなのか?
と、ふと思ってしまうのです。  

「冷凍食品50%OFF」こんなのは日常茶飯事で60-70当たり前で
下手する と90%なんっていうのもある始末です。

「安く仕入れて高く売る 」冷凍加工食品はその典型でしょう。本当の原
価は定価の30%でもあればましな方かも知れません。今回は、捜査一
課も動いての結論ですから、中国国内で意図的に混入されたということ
でしょう。

報道では野菜に付着していた残留農薬が原因ではなどと云っていま
すが、 それはまずないと思います。
野菜を洗浄しなかったとしても、目眩やお う吐までは行かないと
思います。

今回の事件の発端は去年の12月には起こっていたにも拘わらず何
で1ヶ 月以上も隠蔽していたのは腑に落ちません。慎重に捜査して
いたからと か云うのはいかんせん、信じられません。

事が中国絡みだといつもこんな感じです。以前にも書きましたが、
食品 の国産回帰がこのことによって加速するようなことになれば、
それに越 したことはないと思います。

それと同じくして手料理への回帰にもなればそれに越したことはないで
す。

食肉偽装で逮捕されたミートホープの社長が云っていたことは正論なん
です。「消費者が安い物を求めているだからこうするしかなかった・・
・」付け加えれば、自分の会社に利益を落とすのにはそれしかなかった
というのが本音でしょう。

ましてや海外で生産委託などできない中小零細ですから。それが
度を超 すと中国などの安い労働力で作らせて売るときは高く売って
利益を出す 方法になってしまうのです。
ただ、そこまでやるのにはある程度以上の 企業でないとできまんが・・。

ミートホープなんか私からすればまだましの方だと思います。少なくと
も人に健康被害を出してないわけですから・・・。

今度の問題は企業の姿勢問題に大きな波紋を投げました。特に
生協の打 撃は大きいですね。「食の安全」については、厳しいと
世間が思ってい るところがこのざまです。

消費者が今以上にこの問題に神経質になったら、ボロ儲けできなくなる
企業はどうするのかちょっと興味津々です。日本人は熱しやすく冷めや
すいと云いますがちょっと今回は違うと思いますよ。

必要以上に儲けようとして成功するともっと儲けようとする。そこで油
断して足下を掬われる。中国というリスクを甘く見たしっぺ返しですか
ね。

中国に生産委託している日本の食品企業なんか簡単に潰せますね 。

ちょっと毒もって日本で売ってしまえばいいわけですから・・・・そし
て重大な健康被害もしくは死人が複数でれば一発です・・・。

日本人も最悪な国に人質に捕らわれているという認識を持つべきだし、
そのような雰囲気になるでしょうね。100円ショップの雑貨なら死ぬこと
はないでしょうが今回は食品ですからね。   (品川S402)

(宮崎正弘のコメント)日本の「吉兆」とかの料亭や、伊勢の「赤福」
って、なにか問題なのでしょうか?賞味期限が切れたくらいの騒ぎ。

かたや致死の毒入りです。守屋次官の汚職? 中国では、その
程度は汚 職のカテゴリーに入らず、です。

 かくも基準の異なる国と日本企業が迂闊にビジネスを展開したら、こ
うなるのも当然といえば、当然の結末でしょうね。

   ♪

(読者の声4)『崩壊する中国,逃げ遅れる日本』拝読しました.中国
と言ふ現場を数へ切れないほど頻繁に訪れ,またあらゆる情報に
対して アンテナを張ってゐる貴台のやうな支那通が書かれた
この本を読めば, かの国がどれほど異常な存在であるかは誰にでも
分かります。

貴台は”のたうち回る巨大な龍”に譬へてゐますが,愚生にはも一つの
見方として,下手なライダーが乗ったオートバイが細い道を猛スピード
で暴走してゐるやうにも見えます。

転倒するか,コースを逸れてクラッシュするか,いづれにせよ無事に走
り抜ける可能性は限りなく低い.このやうな国に引き続き進出しようと
する企業が日本にも台湾にも多々あるのですから不思議です。自分だけ
は大丈夫,と言ふ楽観主義か,それとも赤信号みんなで...の心境な
のか。

貴著の第8章の最後(P.222)に「道徳のない国が歴史上長く続いたため
しはない」,とありますが,全くさうだと思ひます。中国は実に多くの
面で世界の注目の的ですが,この国が発するものの中に
スピリチュアル なものが全くと言ってよいほどない。

すべて,経済成長にしろ,軍拡にしろ,環境破壊にしろ,プラスにして
もマイナスにしても(後者が圧倒的に多いが),あまりに唯物的です。
これが孔子や老子を生んだ国と同じとはとても思へません。

愚生は支那には行ったこともなく行く気もないので、わかりませんが,
哲学や思想関係,文学などの書はどれ位読まれてゐるのでせうか? 
そ もそもそのやうな書籍が普通に売られてゐるのでせうか?
(NN 生,横浜 市)

(宮崎正弘のコメント)

せっかくのご質問ですが、哲学書、思想書はかなり翻訳されて
おります。 ソクラテスからサルトルまで。 

ただし政治哲学のコーナーへ行くと毛沢東全集、江沢民「三個
代表論」 ですからね。マルクスレーニン全集の隣が。
孔子孟子のコーナーも一応 はあります。

なんと言っても中国の書店でベストセラーの棚を観るとビルゲーツ、ジ
ョージソロス、ウォーレンバフェットと延々と金持ち列伝が大きな場所
を占め、その思想性のなさ、即物的スノビズム、拝金主義を物語ってい
ます。
   ♪
(読者の声5)映画「実録・連合赤軍」の試写会に出掛けました。しか
しリンチ場面のあまりのむごたらしさに中座してしまいました。再現ド
ラマ仕立ての映画で、あの時代を大学生として駆け抜けた団塊の世代に
は懐かしく忘れられない思い出なのでしょうか。

わたしの知り合いの団塊の世代の方にこの映画を観ますかと尋ねたら、
会食を交えてあの粛清シーンを鑑賞する気にはなれないとのことでした。
宜なるかなと思いました。(HN生)

(宮崎正弘のコメント)革マル派と中核派との内ゲバでは合計二百数十
名の若者らが殺された。日本でも、あの数千万が殺し合った残酷な
中国 の文革のミニチュア版が進行したのでした。    ○○ ○ ○○

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100円ショップ苦悩
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産経新聞

中国の工賃高騰深刻 生産地シフトも品質課題

100円ショップが、原材料費と生産拠点の人件費アップというコスト面の
ダブルパンチに苦しんでいる。特に、商品の多くを生産している中国の
人件費高騰は深刻。

全国約700店舗で「100円ショップ ミーツ」を展開するワッツは、中国
メーカーに委託してきた自主企画商品の生産の一部を、昨年後半
から労 働力が安いインドや東南アジアに移した。

ワッツが中国から生産委託先を見直したのは、輪ゴムなどのゴム
製品 (インド)、スプーンなど竹製品や木工製品(ベトナム)など。
これら の商品は近く、店頭に並ぶ予定という。

このほかに、タイでも商品の生産委託を始める計画。具体的な
委託先は 明らかにしていないが、人件費の高いバンコク周辺は
避け、北部など首 都圏から遠く離れた地域になる方向だ。

原価の安さが絶対条件である100円ショップにとって、工賃の高騰
は致命 的だ。

中国の中小企業の一般工(ワーカー)の賃金水準を客観的に示す
データ はないが、法定最低賃金は経済成長に伴って年々上昇。
内陸で工業化が 進んだ広西省南昌市では昨年末、3年前の1・5倍
強にあたる月580元(約 8600円)まで上がり、ベトナムの
首都・ハノイの一般工の月収(87~198 ドル、日本貿易振興機構
調べ)と同水準に達した。

ミーツの場合、8000~9000点の商品のうち、中国製が約6割を占め
てお り、国産は3割程度。

だが、中国もコスト面のメリットが小さくなったとして、「生産地の中
国偏重を避け、他地域にリスクを分散する」(経営企画室)と方針を大
きく転換した。人件費に加え、中国政府が進める外資優遇策の見直し、
為替動向なども、コストに大きく影響するからだ。

業界では、最大手の「ザ・ダイソー」(大創産業)がすでに生産先を四
十数カ国に広げているほか、「100円ショップ生活良品館」などを展開す
るセリアも、生産態勢の見直しを進めている。「中国の沿岸部から内陸
部へのシフトに加え、昨年始めにはベトナムでも竹製品や割りばしの生
産を始めた」(セリア経営企画室)

ただ、各社とも「移転先には中国のように金型などの技術が進んで
いな いので、現状では作りやすい商品しかシフトできない」という
のが、大 きな悩みだ。

「生産移転も結局は弥縫(びほう)策。プラスチック製品などの原材料
費が上がっても、『100円ショップ』の看板は降ろせない。商品の更新時
に材料を減らすなど、地道な努力を続けるしかないだろう」(業界関係
者)との指摘もあり、コストとの厳しい戦いが続きそうだ。

中国経済に詳しい富士通総研の朱炎主席研究員は、中国の人件費
動向に ついて、「法定賃金が内陸部でも上がっており、東南
アジアより高い地 域が増えている」と話す 。

朱氏によると、広東省に5000~6000カ所あった靴工場のうち、
ここ数 年で1000カ所が閉鎖され、このうち半分は内陸部、
約25%はベトナムな ど東南アジアに生産拠点を移したという。
朱氏は「低付加価値商品につ いては、『世界の工場』の役割は
薄れていくだろう」と指摘している。
1月31日8時2分配信