縄文塾通信 <2月-1(287号)>日本は、自らが招いた観のある高い原油と穀物を輸入
どなたか教えて下さい 「円高で何が悪い!」
中村 忠之
何故か日本政府と日銀は、日本通貨を円安誘導して低金利政策に固執している。サブプライム問題で、世界同時大幅株暴落に遭遇したが、サブプライムの被害のもっとも少なかったと言われる日本が、なぜ最も大きい株安を演じなければならなかったか。その辺りにも、大きなヒントが隠されているような気がしてならない。
国の力を示す「円高」では何故いけないのだろうか? 通貨の実力が低いことは、自分から「日本という国は駄目ですよ」と言っているようなものではないのか? 政府や日銀が自分の国の力に自信が持てないようでは、自国の好調な会社の株式さえ、国民がそっぽを向いたとしてもなんら不思議ではない。そんなに日本の実力は低いのだろうか?
ご存じのように、いままで為替が円高に振れようとする度に日銀が為替介入して来た。なぜなのか素人には全くわからない。どなたか是非ご教示いただきたいものである。そのたびに投入したお金(元々国民のものである)は、ドブに捨てたようなものである。また今回の株安でも、(短期で見ての話だが、)大きな国富の喪失ではないのか。
うち続く低金利は、日本人の預金を(好むと好まざるとに関わらず)海外金融商品に流出している。なぜならば、海外投資家は日本で低金利の資金を調達し、しかも日本の金融界には、国産の儲かる金融商品を売り出す力がないから、否応なく海外の金融商品を取り扱う羽目になる。バブル崩壊後、多くの学ぶべき時間を持ちながら、いまだに日本の銀行が持参する金融商品が外国産いうのでは、あまりに寂しい。
しかも継続される日本の低金利政策によって、日本で資金を調達した海外投資家は、それを日本に投資するのでなく、原油取引きや、バイオ・エタノールの原料である穀物市場に投資している。しかして日本は、自らが招いた観のある高い原油と穀物を輸入するという、まさに自縄自縛の有様ではないか。なぜこうまでして円安を求め、低金利政策を続けるのかさっぱりわからない。
「日本は輸出立国だから、1円ほど円高になれば自動車産業や電機産業1つの企業で、○○億円の損害が出る」など、日本の新聞はヒステリックに書き立てる。本当にそうか。
ところが実際には、自動車は海外生産が非常に進んでいる業界であり、直接円高が作用する部分は大いに軽減されている。自動車業界ほどではいが、家電業界でも海外進出が多く、むしろ海外基地から日本へ逆輸入というケースも多い上、実際に海外調達の部品も多い。しかもこうした大企業は、平素より先物で為替のヘッジを抜かりなく行っているではないか。
しかも多くの識者が「日本は貿易立国」だというのだが、決してそうではない。以下のデータを見れば、先進国の中でも、むしろ貿易比率が低い国柄だと言うことがわかる。
たとえば日本は、──いささか古いデータだが──1998年度約7・3億トンという輸入の総重量に対し、約7分の1である1・1億トンの輸出量しかない。金額的にみれば6倍以上、輸入時における平均トン当たり約6万円の原材料を、平均40万円以上という高付加価値製品に造り上げて輸出している。
それだけではない。*2004年貿易比率を見ると、低い順に
順 位 国名 輸出比率 輸入比率
1 アメリカ 7% 13 %
2 日 本 12〃 9.7〃
3 オーストラリア 14〃 18〃
4 イギリス 16〃 21〃
5 イタリア 21〃 21〃
6 フランス 21〃 22〃
7 カナダ 31〃 28〃
8 ドイツ 33〃 26〃
9 中 国 36〃 34〃
10 韓 国 37〃 33〃
*唐津一著『日本のものづくりは日本一』より
円高になれば(多少のタイムラグはあれ)当然原料や原油などの価格が安くなる。トータル的に見ると、大量輸入して少量輸出している日本の場合、国内消費分を考えると、円高の方が圧倒的に有利だと思うのだがどうだろう。
いままで日銀は、為替介入によってどのくらい国富を失ってきたのか、それを追求したという話を誰も聞かない。さてこうしたカネは、そのまま消えてしまったのか、あるいはどこかから返ってくるのか。どなたかこれも教えて欲しい。こうした為替参入に背後には、どこかとの密約とか、ある裏の組織からの圧力でもあるのか。
また日本が、金利を高めに誘導することで、原油や穀物に対する狂ったような投機がいくらかでも沈静化すればしめたものである。預金金利が上がれば、預貯金だって増えてくる。したがって「郵貯の民営化によって日本のカネが海外流出する」という危惧も和らぐというメリットもあるではないか。
さて以上素人の「円高肯定論」、どなたかぜひ適切な回答をご教示を賜りたい。
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<中村のコメント>
まともなことをまともに言ったら「クビ」というのが、この国家の有り様でした。西村真悟さんの「原爆論議」に触れただけで過剰反応した時よりは、最近少しはマシになったが、それでも陰に陽に(一部を除いて)「マスコミ=増すゴミ」の執拗な嫌がらせは続いています。
もともとこの「武器輸出3原則」は、共産国家に対する適用だったものが、三木内閣の時に、なぜか全面輸出禁止にすり替えられたものです。加えて日本の民需工業技術が、何時しか軍需に置き換えられるようになったこともあって、従来の枠組みでは対応できなくなったこともあります。
なお日本の防衛産業ですが、なぜ500ドルのアメリカのMー16ライフルを採用せずに、30万円という国産ライフルにこだわるのかという課題もあります。
年間予算5兆円弱と、GDP比1%を割り込んでいる防衛費、新たに総額1兆円というミサイル・ディフェンスを導入するという時、ここらで今の防衛関連製品のすべてをオープンにして、無駄を徹底的に洗い出し、よりよい道を選択する時期ではないでしょうか。
キャッスルゲイトHPの『平和に発した日本技術論』<第3章> 参照。
<http://
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「武器輸出禁止政策」を考える
トラネコ
「縄文塾通信1月特別号ー2」で、大礒正美さまの「防衛汚職を生んだ過度の武器輸出禁止政策」を読んで感じたことを書かせていただきます。
日本はたった1国で世界を相手にした世界大戦の大敗北で戦争アレルギーになってしまい、戦争に関するものはすべて禁止、タブー視する傾向が戦後顕著になりました。これは占領軍政策のウォー・ギルト・インフォメイション・プログラムの影響と、戦後の共産主義に絡んだ労働、平和、教育の各運動によって促進した側面が強いのです。この傾向は左翼勢力が衰退したとは言え、現在でも大きな思想的流れになっております。
武器輸出三原則に限らず、例えば大学で「軍事科目」が全くない国は世界的にも珍しく日本には防衛大学校以外には学部はおろか学科も講座もないと聞きます。国際政治における国家の力とは、「経済と軍事」であるのは世界常識です。しかも国防という国家の要にあたる重要な学問も「戦争に繋がる」からなのか、国公立大学から私立大学まで学部も学科も置きません。おそらく他の国々から見ると日本は実に奇妙な国に映るのではないでしょうか。
国家の防衛に重大な足枷をはめている「憲法9条」の改正についても、この10年くらいでようやくというか、やっとこさ憲法調査会という「話し合いの場」が国会に出来ました。以前は憲法改正を話し合うどころか、口に出しただけで大臣の首が飛んだことも何度かありました。
かなり前ですが、旧自由党の西村真悟議員が防衛庁長官就任時に週刊誌のインタビューで「日本も核武装についての議論をしてもいいのではないか。」と感想的意見をのべただけで、朝日という売国新聞や、半島人が党首の左翼政党などがヒステリックなまでに西村叩きを展開し、西村議員を長官の座から降ろしてしまいました。彼らは話し合うことも否定する反民主主義者だということがこれでわかります。左翼政党とは全体主義者、ファシストなのです。
左翼マスコミ(NHKも含む)は、既にミニ政党に堕し国民の影響力も殆どない左翼政党を未だに担ぎ出し、「国防=軍事=侵略戦争」というステレオタイプの主張を「世論の声」として撒き散らし国防を健全な視点でとらえることを否定しています。
国防を口に出来ない国民的な空気を醸成する機械がマスコミなのです。この「空気」が国会にも、省に昇格した防衛省にもいまだ濃厚に横たわっているのです。またこの前の「沖縄の11万人集会」も県民が批判の声を上げられない空気を地元の2大偏向マスコミが必死で作りだしているのです。まさに「増すゴミ」です。
深田祐介氏の小説「戦争商人」ではトヨタの営業マンが南米の軍事政権にランド・クルーザーを売り込みに行く苦労談が出てきます。ランクルなど4WD車は機関銃座や対戦車用ロケット・ランチャーを取り付ければ簡単に軍用ジープに変身します。実際大礒さまの論文にも出てきますが、民政品の軍事転用など日常茶飯事であります。以前アフガンのタリバンが秋葉原の電気店街で、時限爆弾用の部品などを購入しているというニュースをTBSの報道特集でみました。また直接武器にならなくても日本製のGPSや通信機器などは戦闘行動には大いに役立つでしょう。
さらに違った角度から考えますと、日本近海を航行する何百というフェリーは使用目的を軍事転用すれば、大量の軍用車両や兵員の輸送船に簡単に変身します。ある意味から日本の潜在的軍事能力は、半島国家を震えあがらせるに十分なものがあるのかもしれません。それゆえ半島人の左翼政党やそれに連動する平和団体や労働団体、さらに教育団体は、日本人の国防意識をゆがませたいのでしょう。
日本は軍事に関して、ハード面ではすぐに軍事大国になる能力は持っていますが、ソフト面では自国の国防すら不完全な、実にアンバランスな「先進国」です。私はこのような政治家からマスコミ、教育者などの不健全な軍事や国防に関する国民感覚のほうが、とても国家として危険だと思います。真面目に国防を考え、議論しあってこそ誤った戦争を回避できるのだと思います。
また武器輸出など大いにやるべしです。実際小国スイスが武装中立の「平和国家」でも、優秀な武器開発と輸出で莫大な外貨を稼いでいるの周知の事実です。飛行機搭載型の強力なガトリング・ガンや装輪装甲車「ピラーニャ」などは、アメリカ・カナダを始めNATO軍も輸入している「売れっ子商品」です。スイスを見習えといっていた左翼政党ですから、日本も大いに見習いましょう!
日本も優秀な武器開発と輸出をすることで、アメリカべったりのライセンス生産依存状態から脱し、優秀な武器を逆にアメリカへ輸出できれば経済的にも足元をすくわれることもなくなるでしょう。
日本は十分に世界トップの武器開発能力はありますし、現に90式戦車は世界戦車ランキング第2位という地位を世界の軍事専門家から貰っています。
さらに、あわせて軍事に真面目に国が、国民が取り組む意識を持てばアメリカとも対等な安保条約を持つことが出来るでしょう。そうなればお隣の常軌を逸した軍事大国や、まともな話し合いなど出来そうにない狂気の半島国家にも舐められずにすむでしょうね。
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<中村のコメント>
石川さんは著名総合商社からIターンして、岩手は民話の里「遠野」で農林業に従事しています。ブルーベリーは、ご当地一の耕作面積だと言われます。この度ブルーベリー と羊産業関連の視察にニュージーランドを訪問されました。さて「最後の楽園の一つニュージーランドの現状とは…。
中村のキャッスルゲイトHP『森と人の地球史』<第六章 移動していった西洋文明ー新大陸エレジー>
<http://
の最後の部分、『地上の楽園ニュージーランド…光と影』を併せてご覧下されば幸甚です。
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楽園ニュージーランドの現実
石川 洋
ブルーベリー、羊産業の見学を兼ねて、ニュージーランドに行って参りました。 さてニュージーランドですが、驚いています。一般に言われる楽園、とは違った印象でした。
緑ししたたる大地に無数の羊・・・・、
がイメージでしたが、夏なのに、放牧場は
枯れ草ばかり。グリーンのところは
スプリンクラーで放水している。
大地は、石ころだらけで、解りやすく言えば
「草しか生えない荒地」。
それもそのはず、降雨量が、年間400ミリ程度で、
バクテリアも繁殖せず、土地に有機質が乏しい。
(ただ、西海岸は少し違うらしいです。)
穀物に適していないので、食料確保が難しく、
人口:420万しかないのは、これが原因。
環境保持のために人口を押さえているのではなく、増やせなかった。
かって7千万頭居た羊は、今4千万に激減。
理由は羊毛の値下がり。一頭当たり、年間1200円程度。
羊の代わりに、酪農をオランダ人が持ち込み、かなり増えている。
オランダの酪農は周辺の海が排泄物で汚れ過ぎ、
継続が難しい?
自然保護は立派。原始林が残っているが、マウントクック周辺も含めて山には、樹木がほとんどない。
理由はわかりませんが、自然林に蔓類が少ない。
山が荒れる原因の一つは、これら蔓ものが、樹木を覆い
倒すことですが・・・。
現在の主産業は、ツーリズムと金融。
特に金融は、一日が最も早く始まることを利用して、
相場をリードをしている。例えば、朝一で、日本向けに
相場のフェイントを出す。日本人が下手に反応するとシンガポール、
ロンドンなどと協力して挟み撃ちにするなど。
HSBC など大手がヅラリと店を出していました。
楽園の話がとんでもないところに来てしまいました。
「ニュージーランドは楽園、夢の国」
と思って居られる方々のイメージを壊し、
貴重な貴誌が読者にネガティブな印象を与えないか、心配です。
楽園の要素も十分です。
治安は良く、ボランティア精神も発達していて、
遊ぶにはベストでしょう。
巨泉氏のみやげ物屋が繁盛していました。
ニュージーランドの荒野を車で移動しながら、
山々の樹木のお蔭で灌漑が、そして、稲作が可能になって、
人口が増え、国力がつき、今の日本があります。と同時に、
「村社会」も出来て自由な発想が困難になった・・・・。
ついこんな感慨が脳裏をかすめて過ぎ去りました。
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<縄文塾2月-1 編集後記>
またまた「毒入りギョーザ」。 毒入りダイエット食品、毒入りペットフード、パナマ毒入り咳止めシロップに毒入り歯磨き…。一体チャイナはどうなっているのか。我が家では、とっくに中国産食品はストップしたのだが、実際には加工品添加物やサプリなどまでは気が回らない。必ず日本人検査官を常駐させるのは…。今度は現地で毒殺事件が起きる!? 今回の事件では報道の遅れが被害を増大させた。最近の日本は何処も彼処もたるんでいる。
やはり朝青龍は強かった! 白鳳との一騎打ちは迫力があった! マスコミにしろ、いっぱしの識者顔をしてきた人たちにせよ、いろいろ勝手にほざいていたが、朝青龍のいない相撲なんて…、土俵上で迫力のある相撲が一番、観客が一番よく知っている。国技だと言っても、ガイジンさん抜きでは成り立たない以上、細かいことにいちいち目くじら立てて。お客様が一番よく知っている。
大阪府知事選、橋下さんが圧倒的な差で当選。まあタレントと言っても、横山ノックとは違うだろう。東国原さんの例もある。5兆円という負債を自ら背おった橋下さん、ここでも官僚の厚い壁がある。まずは健闘を祈りたい。
さて「ガソリン国会」とか「つなぎ法案」とか、「政策無くて政局有り」本当に困ったものだ。「造反者は議員離職せよ」と言った菅さん、さて拳の下ろしどころは…。25円引きか9000億円の地方交付か、貴方ならどっち?!
(中村)
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<縄文塾告知板>
鈴木秀子先生講演会
◎演 題:「本当の自分を生きる」
~変えられるものを変える勇気~
◎日 時:平成20年2月17日(日)PM14:00~15:30(開場 13:30)
◎講師略歴:
東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭を執る。
聖心女子大学教(日本近代文学専攻)国際文学療法学会会長。文学博士。国際コミュニオン学会の名誉会長。コミュニオン会のスピリチュアル・リーダー
著書:
「愛と癒しのコミュニオン」(文春新書)「愛と癒しの366日」(海竜社)、「9つの性格」(PHP研究所)「奇跡の人智ちゃんの光り」(講談社)…
◎場 所:広島工業大学(広島校舎)
501号会議室
広島市中区中島町5-7 Tel:082-249-1251
◎主 催:NPOコミュニオン広島支部
◎後 援:積極人間の集い・縄文塾・Plus Square
◎聴講券:2000円
◎連絡先: 佐藤博子 佐伯宏美
Tel:082-888-0476 Tel:082-271-0769
携帯:090-9467-8267 携帯:090-2000-1775
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「正かなづかひの會」趣意書と入会のご案内
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関心のある方はぜひご協力下さい (中村)
広島大学の町田 宗鳳先生(比較宗教学)は、イエローハット
会長鍵山秀三郎さんのトイレ掃除に共鳴され、この度
<第一回広島大学「世界平和はトイレ掃除から」運動>を開催する
ことになりました。
詳しくは以下アドレスへ、
佐伯 昌昭様 SaikiM@hai.co.jp
町田 宗鳳先生 soho@hiroshima-u.ac.jp