朝鮮政策で選ぶならマケインか (島田洋一) | 日本のお姉さん

朝鮮政策で選ぶならマケインか (島田洋一)

ようちゃん、おすすめ記事。↓

▼北朝鮮政策で選ぶならマケインか (島田洋一
ジョン・マケインが、大統領選序盤の山場フロリダ州予備選(共和党)を制した。その直後、アメリカ「北朝鮮自由連合」(スザンヌ・ショルティ会長)で副会長を務める韓国系米人のナム・シヌ(南信佑)氏から、次のメールが来た。紹介しておこう。
(訳)金正日はヒラリー・クリントンのホワイトハウス入りを待っているが、代わりにマケイン上院議員を相手にすることになろう。マケイン上院議員は、金正日が邪悪であることを認識している唯一の候補だ。彼は、太陽政策も六ピエロ・ショーも信じておらず、金正日に狙いを定めている。誰を相手にすることになるか金正日が知ることになる11月を待ちきれない思いだ。私は六者協議のことを、しばしば「六者サル芝居」と呼んでいるが、ナム・シヌ氏は、「六ピエロ・ショー(6-Clown Show)」と表現している。さて、米保守派の間には、移民問題や政治資金規正その他におけるマケインの姿勢は許せないと、原理主義的な反対を述べる人もいるが、対北朝鮮政策では、おそらくマケインは最も信頼できるハードライナーの一人だろう。私も、いま大統領選に残っているメンバーで言えば、マケインに勝って欲しいと思っている。ジュリアーニは結局、失速脱落したようだ。 マケインは論争に強い。ユーモアを交えた当意即妙の対応で、マスメディアのあしらいもうまい。俳優シルベスター・スタローンがマケイン支持を表明したことについて感想を聞かれたマケインが、おどけたガッツ・ポーズをする面白い映像がある。米保守系誌『ウィークリー・スタンダード』の下記サイト参照。
The Rambo Vote

January 24, 2008 • By Matthew Continetti

http://www.weeklystandard.com/weblogs/CampaignStandard/2008/01/the_rambo_vote_1.asp

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▼国務省幹部 「福田は北のテロ指定解除を問題にしなかった」 (島田洋一)
今日の午前11時から(米東部時間で25日午後9時)のブッシュ一般教書演説は、北朝鮮に一切触れなかった。しかし、チャック・ダウンズによれば、ホワイトハウスと国務省の間で考えの相違があり、ブッシュは、北による核計画の「完全かつ正確な申告」は、最初から完全かつ正確でなければならない(当たり前のことだが)とクリストファー・ヒルに指示したという(ヒル氏は、北の申告が完全でなくとも、そこで争うのは建設的でないという態度だった)。なお、国務省の東アジア担当者らは、昨年11月のブッシュ・福田会談で、福田首相は北の「テロ指定」解除を問題にしなかった(すなわち特に反対しなかった)とワシントンの各方面に説明しているそうだ。
 日本政府は、事の次第を内外に向けて明確にすべきだろう。

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ようちゃんの意見。↓
★トンでもない間違ったシグナルを米国に与えた事は、福田ソラマメの失態ですね。

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▼王金平氏の逆襲 (マルコおいちゃんのシナにつける薬)

ご承知のとおり今回の台湾立法委員選挙では、中国国民党が圧倒的勝利を収めた。一院制の台湾では、日本の衆参両議院の与野党の「ねじれ」状況などというものよりよほど深刻な事態となった。これでもし、まもなく行われる総統選挙において国民党が勝利するようなことにでもなれば、台湾の命運は尽きてしまうかもしれない。
昨日の産経新聞【正論】、「台湾に鳴り響いた「天の声」」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/118849/
と題する伊原吉之助氏の論説は、以下のように結論付けておられる。
国民党は、なまじ大勢が当選しただけに、今後、党内の利権争いが激化する。現に立法院副院長を巡り6人が係争中だ。もし国民党本土派が30人党を割って出て民進党と一緒になれば立法院で多数派になり、政局の主導権を握れる。中道派が中道左派の民進党と国民党中国派を抑え、台湾の主流派として政局の主導権を握る機会が巡ってきたのである。これが台湾人にとって天佑でなくて何であろうか。」

伊原氏は、なにか特別の情報源をお持ちになりそのような予測を立てられたのかもしれない。もしそのような政界再編が行われれば台湾にも希望がある。また巷間ささやかれるように、総統選では、勝たせすぎた国民党に民意の逆風が吹くかもしれない。しかし、わたしが考えるのは、国民党の分裂ではなく国民党主導権をめぐる権力闘争の白熱化である。それが台湾にとり僥倖となるかもしれない。わたしは過去において国民党が分裂して総統選挙に臨むことを期待して、以下のようなエントリーをUPしてきた。

・王金平氏と謝長廷氏がなかよく同席  2007/06
http://marco-germany.iza.ne.jp/blog/entry/203632/

・【台湾政局】馬王破局  2007/06
http://marco-germany.iza.ne.jp/blog/entry/184167/

・国民党またも分裂選挙か?  2007/05
http://marco-germany.iza.ne.jp/blog/entry/163758/

それは、民進党が勝利して政権交代となった2000年の総統選挙が脳裏からはなれなかったからだ。それは、李登輝前総統の巧妙な、また李先生のことばをそのまま借用すれば「知略」に満ちた政治劇であった。あえていえば、李登輝先生は「中華民国」総統として、また与党・国民党の党首としてそのもたれる権力を存分に利用されて「台湾に生まれた悲哀」をくつがえそうと努力されたのだった。二つの巧妙な仕掛けが当時の選挙において実行された。

そのひとつが、1998年の台湾省の廃止であった。これは、二つの面で重大な歴史的エポックとなった。
1.「中華民国」は1949年以降も大陸に主権を持つ、という虚構に基づく台湾省であったが、その廃止は間接的に「中華民国」大陸主権の虚構を突き崩したこと。翌年、李登輝先生はドイツの放送局のインタヴューで「特殊な国と国の関係」というテーゼを提出された。それは台湾省廃止と密接な関係を有すること疑いもない。

2.台湾省廃止により、国と省とのだぶった行政が消滅し大幅な行政改革となった。なにより台湾省長として利権をその手ににぎっていた宋楚瑜がその地位と同時に利権を喪失したこと。それにより国民党指導部への不満がつのりついには親民党をつくり分裂したこと。この二つである。そして2000年の総統選に突入したのである。今から回顧すれば、それこそ李登輝先生の知略にもとづく国民党を負けさせ、より一層の台湾化をはかる智謀であったことがわかる。李登輝先生は、民進党への批判をひかえ、批判はもっぱら宋楚瑜へと集中された。その意とされるところは明瞭であった。その智謀は、選挙戦終盤になってより明確になった。

それが二つ目の仕掛けである。李登輝先生の身近で強力なサポートをつづけておられた李遠哲博士の民進党支持宣言である。また奇美企業集団をひきられる許文龍氏も民進党支持を明確にされた。このご両人の政治的発言の「意味」は台湾人にとってははっきりとしたものであったろう。李遠哲博士、許文龍氏ともに李登輝先生のいわば「人馬」である。そのお二人が民進党を支持するということは、李登輝先生のお気持ちが那辺にあるかが国民にはすぐさま理解されたのである。

選挙結果は、陳水扁があやうい勝利を収め、国民党候補・連戦は第三位であった。国民党内で李登輝先生を中心に台湾の民主化と台湾化を推進してきた国民党本土派とその支持者の票が民進党へと流れ込んだからであった。その結果、国民党は選挙結果にみずから責任をとられ総統を退いた李登輝先生を除名処分とした。国民党国際派(すなわち大陸派)は李登輝先生の智謀の巧みさを、負けて初めて理解したのである。ある国民党員の知人が、いかにも悔しそうにわたしにこういったことを今でもよく憶えている、「党首が他党を応援してどうして選挙に勝てるのか?」と。

さて今年の総統選では、当時のような分裂は起こりそうにもない。李登輝先生は国民党に直接影響力を行使できない。また立法委員選挙で大勝した党に分裂する理由はない。伊原先生の予測はどこから由来するものであろうか?興味は尽きない。しかし、わたしの考える予測ではまだ独立派にも希望がある。それはやはり敵陣営の内紛である。それは分裂ではなく国会の主導権をしっかり手にした王金平氏と総統候補・馬英九との権力闘争である。立法委員選挙結果にいちばんよく笑ったのが王金平氏であった。その笑いの意味をよく噛みしめよう。王金平氏は、馬英九と国民党党首と総統候補の席を争いともに敗退した。

まず結論からいってしまおう。馬英九が新総統になることをもっとものぞまない人は誰あろう王金平氏その人である。馬英九が破れれば、国民党の主導権は立法委員長の王氏が握ることになる。そして民進党総統とともに政局運営のキャステイング・ボードを握ることにもなる。その権力は大きい。総統候補になれなかった王氏にとっては次善の道である。だから立法委員選挙の大勝に大いに満足し腹の底から笑ったのである。
しかしもし馬英九が勝てば、王氏の出番はない。王金平氏は、国民党本土派を李登輝先生からひきつぎそれを束ねる実力者である。しかしどちらかといえば宋楚瑜型の利権をしっかりとつかむタイプの政治家である。

わたしは、伊原氏のように国民党本土派の理念にはあまり期待しない、しかし王氏のような現実的な利権がらみの判断で権力闘争を実行できる政治家に期待している。
その主観的判断、政治的野心はどうあれ、国民党の総統権力への復帰を阻める者ならば、とりあえず誰でもよい、と考える。王金平氏に期待する所以がそれである。王氏の今後の動向に注目しようではないか。投票まであと二ヶ月たらず。台湾ガンバレ!