舐められる政治家:山堂コラム
ようちゃん、おすすめ記事。↓
メイル・マガジン「頂門の一針」 1063号から。
□■■□──舐められる政治家:山堂コラム 200──□■■□
「公務員は政治家と接触すべからず、とかなんとか・・・」訳の分から
ない議論が国会で進んでいる。バッカじゃないか。政治家と官僚が
接触 しなくて、この国の政治が動くとでも思っているのだろうか。
ここ数年、政治家が官僚をまったく統御できなくなったのは事実。その
最たるものが安倍晋三内閣であった。
「官邸主導」などと大見得切ってみたものの、威勢がよかったのは
最初 のうちだけ。
2~3ヶ月もせぬうちに晋三の意をうけた塩崎(官房長官)
が各省に号令しても官僚らは知らぬ顔の半兵衛で、牛丼カツ丼
御新香つ き。
「官邸人事で、事務の副長官に内務官僚のトップでなく大蔵の
中古品を 据えた」とか「各省から官邸に上げる秘書官・補佐官の
順番がズレてる」 とか。
各省の役人ら、そんな理屈をあげつらい、みんな不貞(ふて)寝
の大鼾。
自省にくる大臣なんか屁の河童。安倍内閣の閣僚が、次から次へ
と不祥 事で、槍玉に上がったのも官僚ら、密かに持ちたる
「黒手帳」。そこに 記したる政治家の、政治資金の誤魔化しや、
女や過去の醜聞を、野党・ マスコミにリークして、気の入らない
大臣潰すだけ。
安倍内閣よりも少し前、オラが目の当りにしたことは、郵政省の
事務方 の小泉郵政大臣(のちの総理)への不服従。
次官をはじめ審議官・官房 長、事務方トップら共謀して、大臣に
「情報」を上げぬゆえ、純ちゃん 逓信委員会で立ち往生。
さすがに問題にはなったものの当時の事務方ナンバー2、
「オラッチ郵 政省は小泉ではなくて小沢だ」と・・・しゃあしゃあ
嘯(うそぶ)くあ りさまに、純ちゃんさすがに鶏冠(とさか)にきて、
「郵政省なんかぶ っ壊す。民営にしてやる」―――
官僚が、時の総理以下政治家の、言うことを真摯にきいていた
時代は佐 藤まで。
党人派と呼ばれる実力者もいたにはいたが、本当に実力ある政
治家の多くが官僚出身で、総理なら岸も池田も佐藤もみな官僚。
現役の役人なんぞ「チンピラ・鼻くそ」「精液(ひとしずく)」のたぐ
い。事務次官以下の「鼻くそ」は、官邸のくしゃみ1つでも、金玉2個
が縮み上がった。
官僚上がりでない田中角栄という馬喰か、はたまた土建屋崩れの
政治家 が、「青天の霹靂」で官邸の主になったこと。
このころから政治家と官 僚の節度が怪しくなった。
角さんは大蔵省をはじめとする官僚の「操縦術に一番長けていた」・・
と言うむきもある。が冗談ではねえ。オラに言わせれば官僚に一番気
を使い、一番官僚を甘やかしたのが角さん、その人だ。
公務員の堕落の象徴とされる「特殊法人」「事業団」等、役人の天下り
先を、「まーあのう、えっパイ造ったのは私ですよ、そうでしょう、み
なさん!」と、官僚のご機嫌とりながらヨッシャヨッシャとやっただけ。
凄腕の角さんだってこの有様。ましてやこのごろの2世3世の坊ちゃん
議員・・・「大臣?アカギの孫?それがどうしたの絆創膏」。官僚らは
屁の河童。
政治家に向かって言うことは、「先生(政治家)さんよ、あんたらチン
ピラ・鼻くそ」で、「公務員制度改革?」、「特殊法人の見直し?」
「ミッチーの息子?」・・・・ちゃんちゃらおかしい小僧っ子よ、小便
して顔洗って出直して来いだ。
われらが権益、それにチョッカイ出す議員がいる?たちまちに「黒い手
帳」を紐解きて、閣僚なら不祥事更迭、議員なら次ぎ落選・・・
なにせテメエらには選挙とか、不信任案とか、そんなもの。弾劾される
もの何も無く、怖いもの知らずの聖域にいて、ノーパンしゃぶしゃぶ接
待ゴルフ、何をやっても屁の河童。
何人(なにびと)も手がつけられぬ公務員。宦官(かんがん)帝国全盛
も、アヘン戦争・義和団の植民地戦争はみなシナの惨敗で、
日清戦争も 「日の本」の新興倭寇に敗れたる。
19世紀の「清国」の、ように確実 に、なりつつあるわが日本。(了)
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民進党支持者の250万人が大量棄権
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宮崎 正弘
絶望するには早すぎる。次期台湾総統選挙も国民党が圧勝?
民進党支持 者の250万人が大量棄権したのが、総選挙の
番狂わせだった。
あの夜(12日)台湾総選挙は国民党が81議席(友党の5人を加えると
86)VS与党27。
あまりの大勝ぶりを国民党系の「連合報」と「中国時報」が「狂勝」と
書いた。この結果だけを単純に図式化して誤解すれば、北京に
寄り添う 中華思想、統一派が民衆の支持を得たかに見える。
とくに民進党の牙城だった台湾南部が、陳水扁同窓会の台南を
のぞいて 総崩れ、「濁水渓以南は国民党と半々となった」(台湾各誌)。
勝利集会で、馬英九、連戦、粛万長、呉伯雄、王金平が壇上にのぼり、
しかし、王金平いがいは「浮かぬ顔」をしていた。
勝利集会ではなく、まるで敗北集会のようだった。国民党幹部自身が、
この勝利を信じられない顔つきでみていたのだ。
小生は、この現場を見ていて、なぜか十数年前の都知事選挙でコメディ
アンの青島幸雄が当選したときの困惑しきった顔を思い出した。
本人自身が当選を期待してもおらず、おちゃらけで出たら受かってしま
って、困り切った表情。あの困惑顔が、とくに国民党主席の呉伯雄に現
れていた。
呉自身も本省人であり、粛副総統候補も本省人であり、外来政権に批判
的な人脈、国民党の「本土化」のために国民党に席をおいてきた政治家
たちである。
王金平がはしゃいだのは理由がある。81議席中、実に本省人が70人、外
省人が11という内訳。国会議長でもある王金平(本省人)が、これから
の議会政治の中心人物となるからである。
民進党惨敗直後、総統候補の謝長廷は、密かに李登輝邸を訪れて話し込
んだ。翌日は正式に訪問しなおした。次の鍵は李登輝前総統が握るから
である。氏が率いる台湾団結連盟が候補者を立てず、謝を支援してくれ
れば、民進党が逆転するチャンスが生まれる。
総選挙は投票率が58・5%。大量の民進党支持者が陳水扁を嫌気して、
投票に行かなかったのだ。その潜在票がおよそ250万票。
総統選挙では国家の左右、運命を決めるだけに国会議員選挙とは違う。
投票率は80%前後になるだろう。全有権者が1700万。もし、総統選挙で
投票率が20%前後上昇し、さらにそのうちの80%が民進党に流れた
場合、 実際には1%前後を巡る熾烈な攻防となる。
また勝利に酔う国民党は油断するだろう。党内の本省人脈が本気で
馬英 九に肩入れするかどうか、も大いに疑問とするところである。
逆転の可能性は大きくはないが、残っている。問題は残された
60日間で、 謝・蘇正副コンビが与党陣営をいかに立て直し、組織を
結束させうるか、 にかかっている。絶望するには早すぎるのである。
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空しい日本政治の評論
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渡部亮次郎
国会のみならず日本全体、政治がつまらない。いくら論評しても姿勢を
正す能力の無い連中と分かったから興味がすっかり薄れてしまった。
第一に福田康夫である。引退寸前だった彼を総理にしたのは小泉
純一郎 によって引退に追い込まれた野中広務である。
安倍辞任を先駆けて聞き つけ、京都の奥から駆けつけ、森喜朗や
青木幹雄を説得して福田の萎えていた野心を呼び戻すのに成功した。
しかし目的に前向きなものは何一つ無い。小泉への怨念だけである。ま
た福田本人にも抱負・経綸があるわけじゃない。用意された座布団に座
ってみたもののタネ一つ持たない噺家のようなもの。民心は日々離れて
行くのが自明の理である。
19日の施政方針演説にしたところで高い理想はどこにも無い。世論の反
発、野党の反撃を食らわない事ばかりを並べ挙げて見せただけ。これだ
け下手に出られれば、世間とは、却って馬鹿にして反発するものである。
支持率が上がる訳は無かろう。
他方の民主党小沢一郎。自民党を脱党してから既に15年の歳月が
流れた。 途中、細川内閣を成立せしめた事もあったが、概ね野党
生活を続けてい る。弟子と言いながらやって来た事は反角栄ばかりだ。
2007年夏の参院選挙で参院第1党となり、勢いに乗って衆院でも
第1党に なれば晴れて政権交代を実現できるわけだから、衆院の
早期解散を目的 にした国会運営を展開している。
少なくとも幹部たちの路線に乗った振 りをしている。
これは至極当然のように思えるが、私は裏目に出ると思う。山岡国対
委員長の戦術の低劣さから、政府与党に対する「反対」がすべて
「妨害」 と映り、戦う「勇者」ではなく、正義に抵抗する「悪者」になり
かかっ ている。
先の参院選の結果を民主党は「民主党の勝利」と言うが、これは違う。
安倍チョンボ内閣による「自民党・公明党の敗北」に過ぎない。
安倍に少 しの精神力と大いなる体力があれば負けなかった選挙
だった。
このことを一番気に病んでいるのが小沢であり、気付いていない風を装
っているのが鳩山、全く気付いていないのが菅直人。先日会って驚いた
が参院議長江田五月は恐るべき現実主義者。小沢に似ている。
小沢にしてみれば、参院が本当の勝利でなかったからこそ「大連立」で
自民党に「トロイの木馬」として乗り込み、庇から母屋を盗ろうとした
のに、幹部を名乗る素人、ガキども。この亀裂、何時顕在化するか。
国民が、先に支持した小泉路線。これを継続して行くには自民党にとっ
て安陪内閣ではあまりにも弱すぎた。地方への配慮を忘れて戦後
レジュ ームの解消ばかりを訴えると言う単純性脳膜炎が敗北した
だけで、民主 党の勝利では絶対、無い。
野中広務の企図した福田康夫内閣は参院をめぐる野党対策に苦慮
しなが らも「3分の2」の壁に守られて、しかし思い切った事は何も
できないま ま、のんべんだらりと任期満了まで待つだろう。
その時、自民党がすっかり国民の支持を失っている可能性のほうが大き
いが、憲政の「妨害者・民主党」の印象をもたれている危険性も大いに
あるのだ。
日本の政治にとって最も恐しい事は「判官贔屓」。弱いものの味方。自
民党と民主党。判官贔屓を受けられる方はいずれなのか、何時なのか。
嵩にかかると民主党は衆院総選挙で惨敗する。
いずれにしろ小泉改革の継続者と見た安陪晋三が隠花植物に似て
智恵不足は勿論だが力の全く無い、ただの優男だった事のショック
から立ち直 れないまま越年だけした。文中敬称略。2008・01・19