「頂門の一針」 1054号 | 日本のお姉さん

「頂門の一針」 1054号

□■■□ 日本的経営破壊の結果は:宮崎正弘 □■■□


 やがて日本のワーキング・プアが就労人口の40%を超える日

  日本的経営(終身雇用、年功序列)が破壊されて、日本の存在が薄
くなった

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かくも軽き日本の存在!

李鵬が「やがて日本は消えてなくなる」と豪首相に放言したという逸話
がある。

原文を確かめようにも、中国の外交文書には存在しないため、正確に李
鵬がどういいう語彙を駆使して如何なる表現をしたのか、言語学的に興
味がある。

物理的に消えるのか、それとも強い存在としての「個」が希釈されるだ
けなのか?おそらく、後者に近い意味のことを言ったのだろう。

ヒラリー・クリントン上院議員が、『フォーリン・アフェアーズ』(0
7年11月12月合併号)に書いた「今世紀、もっとも重要な国は中国」と
する論文では、日本という単語が2回だけ、アジアの項目に一括して出
てくるが、インドより比重が軽く扱われていた。

日米同盟のパートナーに対して失礼千万という怒りの声が保守陣営から
あがった。

それもそうだろうけれども、それが現実なのである。日本は無視しても
いいほどに軽い存在に成り下がった。

米国にとって人権や法治の価値観が異なろうが、どうであれ、目前の世
界戦略の前に中国と絆を深めたほうが得策なのであり
、インド洋上の給
油も中断した日本には過度の期待をすることをやめた節が濃厚だ。

日本はどうやら政治的価値ばかりか経済的にも二流の国家に転落した。

通貨専門のバースタインともなると「円の時代は終わった。これからア
ジアでは人民元が世界的通貨に伍すほどになるだろう」といやな予測を
している。

株式と国際金融を見ても、日本のように我を張らない、「個」がない、
ロボットのようなトレィダーと投資家。自分で自分の国の相場をはれな
い国に魅力はなく、これまでは安い金利の円を借りて(キャリートレー
ド)、中国に投資するというメリットだけを外国人投資家は戦術をして
行使した。

国際金融ですら、メジャーなプレイヤーの位置から転がり落ちた日本。

国際競争力? ゆとり教育で競争を奨励しない国が、これまでの競争力
を維持できるとは考えないほうがいいだろう
。小学校の運動会で1等賞、
2等賞がないのである。しかし、一方では大学駅伝であれほど興奮する
のだから、競争心はスポーツでは残っているようだが。。。

技術開発力? 理工系に学生が少なくなり、優秀な学生はアメリカへ頭
脳流出、さらに言えば、アジアから優秀な頭脳は日本に留学に来ない。
だから日本の名だたる企業はR&D(研究開発センター)を中国やイン
ドに移転しつつある。

ベンチャー精神? 過去20年間で、世界に名だたるベンチャーの日本
での成功例はソフトバンクくらい。


創業精神さえ、これほど短時日に蝕まれている。明日のソニー、明日の
本田技研、明日の京セラの誕生は夢幻のごとくなのか。

大学を出ても、道徳を知らず言葉遣いを知らず社会常識を知らず、スキ
ルだけが一人前の人間は、その日暮らしの日雇い技術者か、派遣社員か、
はてはネット・カフェで寝泊りし、
救世軍の炊き出し弁当を食べ、将来
への野心さえない。

 「自分が存在しない」のである。


 ▲国際化という美名のもとで日本破壊が進んでいた

日本的経営が古きよき日本の伝統を守り、忠誠心をはぐくんで日本を強
くした。

それが徹底的に破壊された。壊したのは道徳教育の不在? 日教組教育?
 いや、おそらく主因はグローバリズムの攻勢と日本人の油断であろう。

もともとグローバリズムは日本人が咀嚼不能な考え方だった。

市場原理至上主義が日本的経営を破砕し、競争心の無い日本人が

慌てふ ためく間に、日本企業の「コクサイカ」が進み、果てしなき

泥沼にはま り込んだ。

個を前提としない国際化は、無国籍な、ロボットのような日
本人を大量に育ててしまった。


日本独自の系列という経営風土は、グローバルスタンダートという名の
アメリカの規則に当てはまらず、あたかも「悪」とされ、健全経営の銀
行まで破綻に追い込まれたのも、グローバルスタンダードのBIS規制
だった。

日本の経済力を弱めるためにプラザ合意をおしつけ、ローカルコンテン
ツ法を押し付け、それでもだめとなると年次改善要求の連発。同時に在
米の大和銀行を意図的に手入れし、S&Pなどを使って日本の金融企業
の社債格づけを劇的に下げさせた。

これで日本の金融機関は国際競争力を失った。

さらにはアメリカ的な方向への商法改正により乱暴なM&Aが解禁され、
ヘッジファンド、三角合併が日本を蝕み、地方都市の商店街を廃墟と化
し、所得格差を広げ、一方では悪しき平等主義に支えられた医療保険年
金などの諸制度、祝祭日の乱発などによって、日本人ははたらく生き甲
斐さえ喪失させつつある。

冒頭に紹介した李鵬の予測は悲しいほどに当たるのである。

全国に出現したワーキング・プアのおびただしさを見よ!

英誌『エコノミスト』(1月5日号)は、日本での特色だった「終身雇用、
年功序列」が壊れ、正社員が80年代の80%から2003年ごろ70%を割り込
み、いまや65%ほどしかなく、対照的にパートタイム(派遣社員を含む)
が80年代の10%台から、いまや40%に迫る勢いにあると警告している。



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第2期政治改革が必要だ
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            花岡 信昭

戦後最大級の汚職といわれたリクルート事件が表面化したのは、平成

の 時代を迎える前年の昭和63年だった。

多くの有力政治家を巻き込んだリ クルート事件が、その後の

政治改革の契機となった。平成20年というこ とは「政治改革20年」

でもある。

政治とカネの問題が問われ、中選挙区制が諸悪の根源とされた。細川

政権誕生で小選挙区制導入に着手したのが平成5年だから、それから

数えると15年だ。

国民1人当たり250円(コーヒー代1杯分と喧伝された)
を負担する政党助成法も成立した。

確かに膨大な政治資金をかき集めて手勢を養い、組閣人事にも

介入した 自民党の派閥は、かつてのパワーを失った。

政治とカネの問題は事務所 費のずさんな経理処理といった、

そういってはなんだが、ちまちまとし た次元のものとなった。

「1円以上の領収書」を求めることが本当に政 治資金の透明度を

高めることになるのかどうか。どうも方向が違うよう な気がする。

第2期政治改革が必要なのではないか。小選挙区制導入を盛り

込んだ第 8次選挙制度審議会の答申では、単純小選挙区制が

望ましいとしながら も、激変緩和のため、比例代表との

組み合わせを盛り込んだ。現在の並 立制は暫定的な措置であった

ことを忘れてもらっては困る。

政権交代可能な2大政党制を目指すのであれば、比例代表部分

をなくす のが望ましいのはいうまでもない。

小選挙区だけになれば、いやがおう でも2大政党に収斂していく。

その場合、それぞれの政党内部に政策や理念の違いが多少あっても

かま わない。絵に描いたような「対立軸」は現実政治では無理だ。

国会の採 決では厳格な党議拘束を排して、アメリカのようにクロス

ボーティング が行われるようにすればいい。

政権奪取を目指すとする民主党が本来やるべき最大の政治目標は、

完全 小選挙区制への移行ではなかったか。

自民党との連携なくして、それは 不可能だ。そこに大連立の

意味合いがあった。大連立推進論に中選挙区 制復帰願望が

あろうとも、そこまで付き合うかどうかは政治の現場が決
めることだ。

原油高、株安、テロ、主要国の政権交代などなど、国際社会の

緊張・波 乱要因は高まる一方だ。日本政治は「年金5000万件」の

処理に追われて いる。

大学で学生たちと接していると、年金の将来に希望を持っていない

こと に改めて驚く。「どうせ、われわれが老人になるころには破綻

している んでしょ」とこともなげに言う。

年金制度の再構築は消費税を避けては通れない。ドイツも大連立

によっ て消費税の引き上げが可能になった。

第2期政治改革で取り組むべき課 題がそのあたりに浮かんでくる。

【産経新聞連載コラム「政論探求」8日付】再掲

花岡信昭メールマガジン ★★★★518号[2008・1・9]転載

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西村議員の息子の死
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        平井 修一

1月9日の午前11時半、テレビをつけたら「西村眞悟議員の息子が

衆議員 宿舎から落ちた」と報じていた。続報によると自殺のようだ。

26歳の、 これからという若者の自死は悲しい。

親の嘆きはいかばかりか。

死神は「悪魔のように細心に」じわじわと心を蝕み、ある日、

ある一瞬、
「天使のように大胆に」どーんと背中を突き飛ばす。

直前まで本人だっ て自殺するなんて思っていないのだから、

周囲の家族だってまったく予 測できない。

異常行動してからようやく本人も周囲も「心の病か」と気 付く。

小生も3分前まで自殺をするなんて本気で思っていなかった。

一瞬、死神 がとりつき、「もういいか」と物置からロープを取り出し、

セッティン グして、「こんなものか」と実行してみた。

同じ頃に鬱病になった友人は、「気付いたら踏切の遮断機の

前にいた」 と言う。

カミサンはここ5年ほど精神病院のナースをしている。

最初の2年間は外 来だったが、「ナースの醍醐味はやっぱり

病棟勤務よ」と病棟へ行った が、最初の夜勤は「リスカ」の

歓迎を受けた。

リストカットだ。9時に消灯し、12時頃に見回ったら、患者も

ベッドも血 まみれ、大急ぎで止血して事なきを得たが、プロだって

予測できないの だから、一緒に暮らしている家族だって、まさか

息子が投身自殺をする なんて想像もしなかったろう。

「子供は親の背中を見て育つ」というのは大嘘で、「言って

聞かせ(教 える)、やらせてみせ(体験)、誉めなければ人は

動かず(子は育たず)」 が正しい。親の背中なんて子供は見ない。

テレビかソニーのPS、任天堂のDSしか見ていないのだ。

親がしっか り子供の目を見て、言葉で教え、やらせてみせ、

「よくできたね」「ず いぶんできるようになったね、もう少しだよ」と

誉めてやる気を起こさ せるしかないのだ。

西村眞悟は昔から「脇が甘い、お坊ちゃま」と言われていた。

言うこと は立派だが、やることは危なっかしい。人間の危うさやら

脆さ、悪意、 そねみ、妬みなど、世の中の有象無象を団欒のなかで

息子に伝えたのか。

人には、歯を食いしばって我が身と家族を養う勤めがある、親孝行と

社会への恩返しは人間としての義務だと教えたか。

小生も自殺(すべてを放棄)しておきながら偉そうなことは言えない。
ただ、自殺未遂したから分かったこともある。人は、遺された人を悲し
ませる権利はないのである。親は子にそれを伝
えよ。

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日本のお姉さんの意見。

ウツ病で自殺した人の家族に責任は無いですよ。

病院に入れても、自殺する人はするのです。

ウツ病とは、そこが恐い病気です。

単なる脳内物質の欠乏の問題なのに、ちょっと

元気になると自分で自分をあやめるから

死にいたる危険な病気なのですね。

だから、病気になったら、薬でコントロールして、

まわりが、薬の効き過ぎや、効かな過ぎに気をつけないと

いけないのです。気を付けていても、24時間、監視できないですから

親を責めるのはかわいそうです。

誰かが2週間ウツ状態が続いたら、ウツ病を疑って

病院に連れていった方がいいです。