おすすめ記事4  クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」 | 日本のお姉さん

おすすめ記事4  クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」

ようちゃんの、大のおすすめ記事。↓

▼オトナ帝国の逆襲 (外交と安全保障をクロフネが・・)
ALWAYS三丁目の夕日という映画が今、盛んに話題にされているらしい。私は残念ながらその映画を見ていないのだが、舞台は高度経済成長期まっさかりの昭和33年の東京下町で、大いに受けている理由は、映画を見ると人情あふれる昭和へのノスタルジーが強くかきたてられることにあるようだ。この映画が公開されたのは2005年だが、昨年11月に続編が公開され話題になっている。前述のように私はこの映画を見ていないので、その内容についてとやかく言う資格は無いが、すごく気になるのは日本社会に広がっていると言われるそうした空気、高度成長期を中心とした昭和への懐古ブームだ。現在、日本の政界・財界・マスコミ界など各界でリーダーとなっているのは、70~50才代の戦後第一世代である。昭和懐古ブームの対象となっている昭和30~40年代、この世代は若さあふれる青年期をおくり、日本の高度経済成長期は、そのまま自分たちの成長期でもあった時代である。現在日本で巻き起こっているとされる昭和懐古ブームは、この戦後第一世代を中心に強く支持され、彼らがそのブームの先導役だと考えられる。”ALWAYS三丁目の夕日”はマンガが原作だそうだが、昭和懐古ブームにからんだ映画で私がまっさきに思い浮かべたのが、”クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲”だ。
(長いので以下”クレヨンしんちゃん・オトナ帝国の逆襲”)数年前、友人から「決して子供だましのマンガじゃないから、だまされたと思って見たほうが良いよ」と勧められて見てみたのだが、私自身なるほど面白いと思ったし、いろいろなことを深く考えさせられた映画だった。(以下次の空白まで 映画の内容に言及あり注意)
クレヨンしんちゃん家の近所に、”20世紀博”という昭和レトロ・テーマパークができる。そこでは、四畳半の木造アパートや銭湯、夕暮れの商店街に自転車に乗った豆腐屋の「パ~プ~」というラッパの音が響き渡るような昭和30~40年代の町並みが忠実に再現され、しんちゃんの両親らオトナたちは、大阪万博で話題になった”月の石”が展示されているのを見て熱狂し、いい年をしたオヤジやオバサンが、特撮スタジオでウルトラマンなどの特撮ヒーローや魔法使い少女の衣装を着て、それになりきるのに夢中になっている。それを見てドン引きの、クレヨンしんちゃんら子供たち。ところがそれがだんだんエスカレートしていき、オトナたちは男も女も自分たちのやるべき仕事をほっぽりだして、昭和レトロ・テーマパークに入り浸りになってしまう。テーマパーク”20世紀博”は、日本各地に完成し、今や日本中のオトナたちが夢中になっていた。この”20世紀博”を仕掛けたのは、ベッツイ&クリスが歌う「花びらの白い色は 恋人の色~♪」のテーマソングとともに現れ、トヨタ2000GTを駆るボス”ケン”とその恋人”チャコ”が率いる秘密結社”イエスタディ・ワンスモア”(あの頃よもう一度)だった。この秘密結社の究極的な目標は「あの頃よもう一度」。(つまり”腐れきった現代の日本社会”を破壊し、国民に未来へ向かって進むことを放棄させ、昭和30~40年代の”古き良き日本”を復活させて”オトナ帝国”を建国することにある。)

オトナたちが自分たちのやるべき仕事を全部ほっぽり出して昭和レトロにハマっているため、家ではろくにご飯も作ってもらえず、幼稚園へ行っても先生すらいないので、途方にくれる子供たち、クレヨンしんちゃんと日本の運命やいかに!?というわけで、続きは映画を見てのお楽しみ、ということにする。この映画は一見子供向けのマンガだが「羊の皮をかぶったオオカミ」で、取り扱っているテーマはとても深くて重いと感じた。”クレヨンしんちゃん・オトナ帝国の逆襲”は21世紀最初の年、2001年に公開されたのだが、バブル崩壊によって始まった長期不況と日本社会の混乱いわゆる”失われた十年”がはじまってちょうど十年たったころに出来た映画である。十年に及ぶ長期不況と社会の混乱によって多くの日本人が自信を失い、つらい現実を直視したりそれに立ち向かって行くことを避け、日本のオトナが、日本が一番輝いていた昭和30~40年代・高度経済成長期という”過去の栄光”を振り返り、それにウジウジしがみついているだけで良いの?という「昭和懐古ブームに入り浸るオトナへのアンチテーゼ」が、この映画の隠されたテーマではなかろうかと私自身は解釈した。そういう本来なら説教くさくなる話を、見た人にそう感じさせないところに、この映画をつくった人たちの素晴らしい才能を感じたのだが、皆さんはどうだろうか。(映画の内容について言及終わり)

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冒頭でもふれたが日本は今、昭和懐古ブームなのだそうだ。別にそれを白か黒かのゼロサム論で全面否定するつもりは無い。時には過去を懐かしむのも良いだろうし、温故知新というのもある。しかし、物事には「変わってはいけないこと」と「変わらなくてはいけないこと」がある。古くても良いものは残しつつ、時代の変化にあわせて変えなくてはいけないところは勇気を持って変えていく。何かを捨てなければ新しいものを手に入れることは出来ないという状況は多々あるのであり、過去をひたすら美化し、現在地点で足ぶみをくりかえしつつ、古いものを何もかも抱え込んで未来永劫守っていこうとするなら、今は良くても後で必ず強烈なしっぺ返しを食らうことになるだろう。

記憶は往々にして過去を美化するということも忘れてはいけない。さて人間に少年期→青年期→壮年期と発展段階があるように、国家にも発展段階がある。昭和30年代の高度成長期は、人間で言えば青年期にあたるだろう。そして現在の日本はアブラの乗った、働き盛りの壮年期だろうか。しかし、青春時代という過去の栄光の思い出に入り浸って現実から逃避し、やるべきこともやらず現在地点で足ぶみをくりかえすなら、あっというまに日本は老いぼれ国家になってしまうだろう。青年期では多少の無理やムダがあっても、高度経済成長という若々しい体力がカバーしてくれたが、壮年期に入った現在の日本では、若いころにはやれた無理やムダを重ねれば、効果てきめんに体に響いてくる。

昭和30年代を中心とした高度経済成長期の政治・経済システムが老朽化し、それはバブル崩壊という形で強制終了させられた。 それから十年以上に及ぶ足踏み期間があって、小泉政権以後、日本は再び成長路線に入り現在へと至っている。やはり、変えるべきところは変えて現在の日本にあった、新しい時代にふさわしい経済・社会システムをつくりあげなければならない。それでは実際はどうか。

今の日本を見渡してみると、多くの人は失敗することにビクビクして守りに入ることばかり考えていて、勇気を持って新しい日本をつくろうという人は影が薄いように思える。昭和の想い出にしがみつき、”オトナ帝国”を復活させたい人たちによる”イエスタディ・ワンスモア”(あの頃よもう一度)だらけではないだろうか。有権者が参院選で民主党を勝たせ、それによって安倍政権が倒れて以降、日本の政治は昭和のいわゆる”55年体制”に逆戻りしたかのような錯覚をおぼえる。古賀・谷垣氏ら旧宏池会(旧宮沢派)が福田首相ら清和会に影響力を行使して、宮沢政権に代表されるような媚中・媚米の中道左派リベラル路線を復活させ、かたや野党はガチガチの売国左翼政党の民主党が旧社会党のゾンビのように蘇った。

与野党の大連立のために、昭和の腐敗政治の元凶・中選挙区制を復活させようとする人たちさえいる。平成20年度予算では、国によるバラマキ財政が復活しつつあるし、野党民主党もマニフェストで増税とバラマキを訴えている。そして昭和型の税金バラマキに群がる”権利”を脅かされたくないのか、バラマキを批判する人たちをヒステリックに売国奴呼ばわりし、「売国奴の正体はユダヤ金融資本の手先」などとワケのわからないことを言う一部世論。皮肉なことに、安倍政権退陣以後、株価は下落し雇用は縮小、企業の景況感は悪化している。

生活のためと言って参院選で安倍政権を倒しておいて、結果的に日本経済が悪化して生活が脅かされているのだから世話無い。70~50才代の戦後第一世代が日本の各界でリーダーとなる中で発生した、こうした社会の空気と、”ALWAYS三丁目の夕日”のヒットや昭和懐古ブームに関連があるのだろうか?華やかな昭和懐古ブームと、改革を放棄した与党・野党がかもし出す、現実の窒息しそうな行き詰まり感。オトナ帝国の逆襲に要注意である。
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ようちゃんの意見。↓
★クレヨンしんちゃんのストリーやアニメは見ないので知らなかった!「オトナ帝国の逆襲に要注意である。」のくくりは最高、今の政治の爺と婆の言う「生活が大事」「年金はどうなる」国会は本当に辟易してました。一番ブログですね!”

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日本のお姉さんの意見。↓

オトナ帝国の逆襲は観ました。

バカな民衆を支配者が洗脳していく様子には、恐さを覚えました。

作者は偉い!