そもそも石油はどうやってできたのか | 日本のお姉さん

そもそも石油はどうやってできたのか

ようちゃん、おすすめ記事。
▼そもそも石油はどうやってできたのか「貯留岩には小さな隙間がたくさんあり、その中に石油が入っている 」
http://www.bund.org/opinion/20050905-1.htm
定価300円+税(6頁)/旬刊(毎月3回5の日)定期購読料/半年 4,100円(密封 6,000円) 1年 8,000円(密封 13,000円)
発行所 せんき社  これは有料メルマガです。会員のみ限定です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そもそも石油はどうやってできたのか。海中のプランクトンなどの有機物が海底に堆積し、それが砂や泥で覆われ、有機物が重なりあったケロジェンと呼ばれる物質になると考えられています。それが大陸の移動などの地殻変動によって、特殊な地層の中に閉じこめられ、圧力をかけられながら組成変化していきます。背斜構造というか帽岩という山形の蓋になっている岩の下で、根源岩と呼ばれる泥岩とか炭酸塩岩中で石油系炭化水素へと変化していくのです。  

このようにしてできた石油は地下の圧力で上へ上へと移動しますが、背斜構造という特殊な地形のもとにあるわけですから、上にはガスが溜まり、真ん中に石油、その下に水が貯まるという構造になるわけです。  

こうした構造からして、石油は上の地盤に穴をあけると、最初は油層に貯まった圧力で自噴します。これを石油業界では一次回収と言います。しかし、どこの油田でも、だいたい石油の層の中の20~30%ぐらいしか自噴しません。従来は自噴しなくなった時点でその油田はお終いだった。それではあまりに効率が悪い。20~30%しか回収されないわけですから、地中にはまだ何十%も石油が残っている。  

そこで二次回収が考えられるようになります。二次回収というのは、油田に水(海水)を注入したり、ガスを押し込んだりして回収率を高めようというものですが、この二次回収によっても30~40%しか回収できない。  

さらに石油の回収率を上げようと、三次回収も考えられています。三次回収の方法には、熱攻法とかケミカル攻法とかガスミシブル攻法とかいうのがあって、水蒸気を注入したり、界面活性剤を注入したり、炭化水素ガスや炭酸ガスを油層内に注入して、ガスと原油が完全に混ざった状態(ミシブル状態)になったものを回収する方法などがあります。  

さらには原油を汲み上げる井戸も、真っ直ぐに掘るだけではなくて、垂直に掘った後、さらに横に掘っていく水平坑井とか、それを何本も掘るマルチラテラル井などが試みられています。  

しかし、そうやって回収したとしても、結局人間が回収できる原油というのは、その油田の全埋蔵量の50%程度、最高でも60%程度にすぎない。三次回収までやっても、だいたい40~60%ぐらいしか回収できない。地中の油層から人間が人為的に採掘できる原油は最大でも60%であり、あとの40%は回収できずに残ってしまうのです。  

ここからオイル・リカバリー(回収)が問題になるわけですが、問題はコストです。残った原油を回収するのには、もの凄いコストがかかってしまい全く採算がとれなくなります。EPRで言えば、残った原油を回収するために必要なエネルギーと、回収される原油のエネルギーを比較するということになります。  

そこから石油の専門家は、「枯渇」ではなく「減耗」Oil Depletionと言うようです。油田の全埋蔵量の中で、資源として有効に回収できるものは限られている。「残っているけど、もう人間には利用できない」、これが一つの肝になることです。これが石油減耗ということの意味で、覚えておく必要があります。

  

次に、「『オイルピーク』が来た――EAGEパリ2004報告」と題した資料を見てください。この文章は、応用地質株式会社の相談役をやっている大矢暁という人が「エネルギーレビュー」の2004年11月号に書いたものです。昨年6月パリで開かれたヨーロッパ地球科学者・技術者会議(EAGE)の報告です。それによると、石油減耗、オイルピークは、業界ではすでに世界的な共通認識なのです。  

 この会議は毎年ヨーロッパ各国の都市で開かれるが、パリで開かれたのは12年ぶりである。今回のEAGEには『Sharing the Earth』というタイトルがつけられ、……まさにオイルピークに達した年になったこと、将来は世界的に重要なエネルギー源としての石油が不足するという未知の時代に入ることが強調された画期的な会議になった」「石油業界ではこれまで石油減耗(Oil Depletion)に関する議論がなされてこなかったわけではない。しかし石油・天然ガス開発にかかわる物理探査・資源調査の学会が石油減耗の危機を訴える話題での特別講演企画を立てたことは無かった」  

 この会議では「探査技術は発展したが過去25年間石油や天然ガスの新規大規模鉱床の発見には見るべきものがない」と報告されています。  

世界の石油需要は激増しているのに、この25年、新たな大油田が全く発見されていない。「カスピ海に油田があるじゃないか」という人もいますが、実際には大した埋蔵量はなかった。すでに石油メジャーは世界中で石油探査を行っていて、結局のところ大量の原油を効率よく回収できる大油田は、地質学的にいって中東にしか存在しないという結論なのです。中東以外の油田はそれよりは小規模なものです。  

「既に石油生産はピークに達しており今後生産量は減退する。減退の程度は年率4~5%に達すると予想される。一方石油の需要は、今後も中国・インドも含めて経済・産業が成長すると予想され、世界の需要は年率2%前後で進むと見込まれる。この結果、今後10年間の予想をすると需要と供給とは大きなアンバランスをもたらす。2015年における世界のエネルギー需要は石油換算日量で1億6000万バーレルに達すると予想され、これに対し従来型油田から従来型技術による生産量は日量8000万バーレルと需要の半分を満たす程度に減退するであろう」  

「10年後には、需要は1億6000万バーレルになるのに、供給の側は8000万バーレルになってしまう。これがパリの専門家会議で言われていることです」。  

ヨーロッパの科学者の会議ですから北海油田のことも話題になっています。「シュルンベルジェのチェアマンゴールドは、北海の石油生産を例に挙げ、北海油田もすでに最盛期を過ぎたこと、2000年には減退率(Decline rate)が40%に達したことから、回収率の向上に4D技術を適用し改善された採油計画を立てることが重要であり、それに答えることができる探査・モニター・解析技術は開発されていることを話した。しかし、2015年までに世界の総需要量の半分に相当する新規生産を可能にするためには、きわめて積極的な技術開発が必要であり、2030年までに6兆ドルの投資が必要であると指摘した」  

北海油田からの回収率を向上させるための6兆ドルの技術開発投資は、当然、石油価格に上乗せされます。北海油田はすでにオイルピークに達した。EUはもう北海油田の石油をあてにできない。だからEU諸国は石油に頼らない、自然エネルギーへの転換を国家的なプロジェクトとして進めているわけです。全エネルギーの20%以上を自然エネルギーでまかなうことを目標に掲げているのもそのためです。

「ハバートとキャンベル 」

ハバートとキャンベルという2人の学者の名がでてきます。「石油減耗についてはキャンベルなどが以前から指摘していたことである。キャンベルのまとめたハバートカーブは2004年にオイルピークが来ると分析している。そして、まさに、キャンベルが予想したようにオイルピークは今年2004年に来た。世界の石油エネルギーの大転換期が始まったといっても良い」  

『理戦』81号で石井さんはこう紹介しています。  「1956年、アメリカ、ヒューストンのシェル石油研究所の地球物理学者K・ハバートは、1970年代にはアメリカの石油生産がピークを迎えると主張した。当時は大変な反論に会った」。当時も、石油はまだまだある、経済成長は維持できるとする経済学者が多かったのです。ところが、現実はハバートが予測したとおり1970年にアメリカ48州の石油生産は頂点に達し、その後再び生産は上向くことはなかった。  

ハバートは石油生産量のピークは、埋蔵量を半分消費したときに訪れると分析しました。ハバートは石油の生産量は横軸を年代、縦軸を年生産量とすると「左右対称のベル型」を辿ると考えた。つまり石油生産はピークを越した後、急激に落ち込んでいく、減耗していくと予測したのです。先に述べた回収率の問題とこれは関連します。  

アメリカの場合、ハバートの予測した通りに国内の石油生産は1970年にピークを迎えて減耗期に入り、その後アメリカは石油輸入国に転換した。彼が1970年をアメリカ国内油田のオイルピークと予測したのは、その時点でアメリカ国内の全埋蔵量のだいたい半分が回収されると予測したからです。  

こうしたハバートの理論を世界の石油生産に適用したのがキャンベルです。フランスのTOTALなどで石油探鉱に長年従事した地質学者キャンベルは、ハバートカーブを世界の石油生産に適用、オイルピーク2004年説を提唱しました。キャンベルの予測がそう大きく外れることはないと言われています。2004年ぴったりがピークかどうかはともかく、21世紀の早い段階に世界の石油生産がピークを迎え、その後、急速に石油減耗の時代に突入していくのは間違いないのです。  

実際、世界最大の油田であるサウジアラビアのガワール油田でも、石油生産の減耗が始まっています。EAGE報告に「今年7月30日に刊行されたエネルギーブレティンに掲載されたグレンモルトンの記事によれば、ガワール油田の現在の生産は日量450万バーレルで世界の総石油生産量の約5・5%を占める。もちろん最大の生産量である。そのガワール油田で汲み上げている石油に水が相当量(30ないし55%)混入してきており、また、リザーバー中の液体の圧力を維持するために海水を日量700万バーレル注入している」とあります。  

ガワール油田でさえ、海水を注入してその圧力でなんとか原油を汲みだしている状態なのです。二次回収に入っているのです。にもかかわらずアメリカエネルギー省の報告では、2010年にサウジから日量約1400万バーレル、2020年には日量約2000万バーレルの生産が要請されているといいます。アメリカン・ウェイ・オブ・ライフを今までどおり続けるために、米政府はサウジアラビアに「ともかく石油を掘れ、もっと掘れ」と言い続けているのです。だけど、もはやガワール油田の石油生産量では、増大する世界の石油需要にこたえられない。  

するとどうなるか。ガワール油田に次ぐ規模の油田はメキシコのカンタレル油田で日量200万バーレル。その次にクエートのブルガン油田、100万バーレル。中国のダキン(大慶)油田、100万バーレルなどが続きます。しかしいずれも30年も掘ってる油田です。しかるにここ25年、新しい油田は見つかってない。ガワール油田は45年ぐらい生産を続けています。  

ここに次のような問題が発生します。「もし、ガワールが枯渇してくれば、それを補うために生産量を上げる他の油田もすぐに疲弊してくる」ということです。もしそうなれば、世界で使える石油はあと10年もすると、今の半分の量にもならないかもしれない。  

実際にエクソン・モビールが今年2月にまとめた『エネルギーのトレンド』と題する報告書では、2015年における世界の石油総需要を1憶6000万バーレルと予想し、そのうち既存の油田から供給できるのは僅か6000万バーレルで、需要の37%にしかならないとしています。エクソンの報告書では、どんなに頑張っても従来型の石油はもう無くなる、しかし代替エネルギーとして考えられている風力発電、太陽電池、ガソリンの代替として研究されている水素燃料電池や穀物から作るアルコール燃料などは、経済的に成り立つかどうか疑問だらけであり、結局お手上げ、といった内容になっています。  

 石油メジャーのエクソンが、石油はなくなる、代替エネルギー開発もおぼつかない、お手上げだと言ってる。これは大変なことなのが分かるでしょう。

「世界石油争奪戦争の始まり」

石油の減耗は石油価格の高騰だけでなく、国際的な石油争奪戦をも引き起こしています。EAGE2004パリ報告はその点にもふれています。「スタンフォード大学地球科学部のアモス・ヌル教授に会う機会があり、石油減耗のことを議論した。……アモスは湾岸戦争、9・11、イラク侵攻の3つの事件は石油減耗時代の最初の小競り合いであり、将来の石油をめぐる争いはもっと熾烈なものになるであろうと予想している。代替エネルギーは簡単には実現できないから、いろいろなパニックが起こるに違いない。油価はすでにバーレルあたり50ドルという高値をつけているが、さらに高騰するであろう」   この報告は2004年に書かれているから1バーレル50ドルとなっていますが、今や1バーレル65ドルにまで跳ね上がっています。そしてイラク戦争は最初の小競り合いだと言っている。  

『石油はいつも将来50年でなくなると昔から言ってきたではないか、半分残っているものを使っているうちにまた発見されるよ』と楽観的に考えている人が日本にはあまりにも多い。石油の100%を外国に頼りすべての生活が石油漬けになっている国に住んでいながらである」   こうした発想の下にいる人は、特に日本の左翼に多いように思いますね。原発推進のためにキャンペーンしてるんだとか、イデオロギー的に考えて言う。もしくは石油の値段が上がれば石油の採掘にコストをかけることができるようになり、石油の生産が増大すると市場原理で考える。しかしもうこれ以上石油生産を増やそうにも、投入するエネルギーに見合うエネルギーを取り出せないところまで、石油の減耗は進んでいるのが現状です。  

それでも無理に石油の増産を続けようとするならば、石油価格は天井知らずに高騰します。石油は庶民には手の届かない高価な商品になる。例えば車一台ガソリンを満タンにするのに1万円もかかったら、ちょっと車に乗れなくなる。そういう時代が、すぐそこまで来ています。  

次の資料は、英BBCニュースの「石油ピークがメジャーな論議に上がる」です。  「世界の石油生産はピークに向かっているのか。数年前にはほんの一握りの地質学者や研究者がそのような可能性を考えていただけだった。しかし今や政府さえもこの問題を重要視しているようである。この問題は世界中の関心をますます集めている。この問題はすぐに起こるかもしれないのである。世界の石油産業に関するフランス政府レポートでは、世界の石油生産が早くも2013年にピークに達すると予測している」  

 キャンベルはすでに2004年にピークを迎えたと言っているけれども、フランス政府はオイルピークは2013年だというんですね。あと8年です。  

「一年前には、政府省庁や金融機関でこの件(石油生産の停滞)が取りざたされるのを聞いたことさえなかった。今やゴールドマン・サックス証券やCaisse D,Epargen/Ixis, Simmons International 、モントリオール銀行などの銀行はこぞって、この問題を切り出している。『状況が、彼らをそう追い込んでいるのです』と、「石油ピーク」に関する著書Power Down、The Party’s Overの著者Richard Heinberg教授は言う。『彼らは、今まで楽観的な見方と楽観的なデータを信頼してきましたが、それは正しくないとわかったのです』」  

フランス政府ばかりでなく、アメリカの大手投資銀行ゴールドマン・サックス証券などの金融機関もオイルピークに注目している。石油が足りなくなり暴騰するようなことになれば、ガソリン代が上がるだけではなくて、電気代も上がる。あらゆる石油製品や輸送費も高騰する。   飽くなき経済成長を求めて国々が争っていくような経済成長主義の時代、功利主義の時代は終焉の時を迎えるということです。しかもそれは遠い未来の話ではない。もうあと10年や15年位でそうなる。日本政府はポカンとしているが、私達は人生設計も含めて考え直した方がいいかもしれない。

続く
~~~~~~~~~~~


日本のお姉さんの意見。↓
石油は生き物があっという間に、押しつぶされてできたんだよ。
ノアの大洪水の時にね。
海中のプランクトンなどの有機物が海底に堆積し、
それが砂や泥で覆われ、有機物が重なりあったケロジェンと
呼ばれる物質になると考えられているようだが、
そんな有機物は、石油に変化しないでただの泥になるだけだよ。
大きな体積の泥にぎゅっと潰されないと石油はできないんだよ。
だから、人類は石油を使うばかりで、作り出せないでいる。
新しい石油はできていないんだよ。
我々はノアの時代の遺物を使い切ろうとしているわけだ。
あと少しで使い切ると言われても、心の用意ができていないよ。
心の用意だけでなく、誰も何の用意もできてないと思うよ。
江戸時代に帰ろうという、標語でも作って、ホンキで時給自足の
日本に戻さないと、いけないね。でも、日本が弱いと、軍事国家に
なったチュウゴクに押さえられて、水もおいしい食べ物も、
根こそぎ奪われる時代になってしまう可能性だってある。
それに、木だって、根こそぎ切り取られて運ばれてしまうかも
しれないし、暮らしやすい日本に大量にチュウゴク人が
移住してくる可能性だって大アリ。
そういうことも考えて、準備しないといけない。
外国人に暮らしやすい日本を乗っ取られないように、地方を活性化して
もらいたいと思う。