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ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼中印陸軍、初の合同演習(iza)
インド国防省は19日、同国陸軍が中国雲南省昆明で20日から人民解放軍との間で初めての陸上合同演習を開始すると発表した。両国は国境問題が未解決で1962年には武力衝突したが、今回はテロ対策を中心とした両軍の信頼醸成が目的。中国はインド北東部アルナチャルプラデシュ州の領有を主張、インドは北部ジャム・カシミール州の一部を中国が不法に占拠しているとの立場。両国は国境問題で交渉を続けているが、最近は目立った進展はなく、両軍部隊の侵入事件も続発している。インド側は将校や兵士80人余りが参加し、空軍機で19日に現地に到着した。実際に本格的な演習が始まるのは21日で、敵対行動の制圧や家屋捜索、道路封鎖などの演習を行い、両国軍の混成部隊での行動訓練も行う。インド側メディアは、演習はあくまで表面的で、部隊の動きや対テロ作戦の詳細までは中国側に明かすことはないとしている。両国は海軍では既に信頼醸成のための訓練を行っている。(共同)
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ようちゃんの意見。↓
★印度は上海協力機構の準加盟国だから、別段驚くほどの問題ではない。
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▼怪走する中国経済、走れば走るほど「割拠」?・上 (チナオチ)
12月14日のことですからニュースとはいえませんが、深セン市のスーパーで将棋倒し事故が発生しました。事件そのものは他愛もありません。スーパー「人人楽」前海店が客寄せのためのセールを行ったところ、予想外の人数が殺到して大行列。これが開店と同時に一気に店内へとなだれ込んで誰かが転んだのをきっかけにバタバタとドミノになったものです。幸い負傷者3名を出したのみで死者はなし。何でそんなに人が集まったかといえばこのセール、時間限定・数量限定で鶏卵を1元3個で販売すると銘打ったものだからです。物価高を反映する話題ではないかと。これを報じた『南方都市報』も記事本文は一面ではありませんが、大見出しを一面に掲げています。編集部も「卵を買うために将棋倒しが起きた」ということの事故を「物価高=家計のやり繰り悪化」を象徴するニュース、と捉えたのだと思います。要するに中国の物価上昇は国家統計局長からみて「依然として受け入れられるレベル」を早くも越えてしまったことになります。
さて、物価高の牽引役は食品価格だとしましたが、最新統計(2007年11月)でもその傾向に変化はなく、CPI上昇率6.9%を分類してみると(▼=下降)、
●総合(CPI上昇率) 6.9%
食品価格 18.2%
非食品価格 1.4%
消費材価格 8.4%
サービス関連価格 2.3%
衣類価格 1.4%▼
交通・通信価格 1.4%▼
娯楽・文化用品・サービス価格 0.5%▼
18.2%高という食品価格の突出ぶりが目につきます。毎日三度口にするものが際立って高騰していることがよくかわるかと思います。庶民にとっては痛いことでしょう。
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その食品価格についての内訳は以下の通り。
●食品価格総合 18.2%
穀物 6.6%
油脂 35.0%
肉類・肉類加工品 38.8%
生卵 10.0%
水産物 6.8%
野菜 28.6%
果物 12.9%
調味料 4.0%
肉類・肉類加工品の中で目を引くのが豚肉で、11月は56.0%高。消費者にとって物価高が痛いのはもちろんですが、中国はジニ係数が4.8にも達しようかという超格差社会。
●貧富の格差はすでに警戒水準、指導部は高度に重視すべし(新華網 2005/09/19/16:54)
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現在の中国国民を収入や消費で5段階に分けた場合、最貧困層である総人口の20%が収入や消費で全体に占める割合はわずか4.7%。逆に最も金持ちな20%の収入・消費シェアは全体の50%に及ぶ。
要するに「超格差社会」であるために、「一人当たり平均」「1世帯平均」では実情を捉えにくいということです。そもそも統計自体に信が置けるかどうか、ということはとりあえず措くとして、一例として北京市が都市部住民3000世帯を対象に実施した調査をあげておきます。この調査によると、北京市都市部の1世帯平均可処分所得は2万185元で前年同期比14%増、物価上昇分を割り引くと実質11.5%増となります。
ところがこの3000世帯を収入を基準に五段階に分けて「格差」をみてみると、Eランク(収入が最も低い20%)の平均可処分所得は9530元で前年同期比15.7%増。これに対しAランク(収入が最も多い20%)の平均可処分所得は3万7522元で同14.7%増。AランクとEランクとの間の格差は3.94:1にもなります。つまり大雑把にいえば現在進行している物価高は「残り8割」にとって正に深刻な、文字通り台所を直撃するもの。しかもその勢いが来年も続く見通しとされていますので、社会の抱えるある種のリスクの高まりは避けられないところでしょう。
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そのリスクの高まりがもはや無視できない段階に入っていることを裏付ける調査も発表されています。「中国社会形成分析・予測研究班」が1998年から毎年行っている調査で、中央党校で研修している庁クラス幹部を対象にしたアンケート。いわば地方当局の前線指揮官レベルが現今の中国社会の状況をどう捉えているかをみるためのものです。調査対象は170名で有効回答が154。まずは2007年の中国社会情勢についての全体評価について。「非常に良い」「割と良い」という回答が87.6%を占め、これは2005年(79.0%)、2004年(69.1%)を上回る数字です。……ところが、「2007年の中国社会において存在する未だ解決されない深刻な問題は?」(4項目を選択)
になると、深刻度ナンバーワンに「物価高」が登場。「得票率」は実に42.1%にも達しました。過去の数字、例えば2003年(1.8%)、2004年(8.4%)、2005年(2.1%)などに比べると、ゴボウ抜きで突如トップに躍り出た観があります。「社会情勢の安定度のバロメータは何?」という質問でも「物価が安定しているかどうか」という回答が多数を占めた点が以前と比較した上での歴然たる変化。前線指揮官たちにとって「物価高」はこれまで1位と2位を定位置としていた「収入格差」問題と「汚職」問題を差し置いて、最も懸念されるテーマになっていることが明らかになりました。
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以前にも指摘しましたが、「汚職」というのはそれで潤う人と迷惑する人がある程度限定され、案件ごとに社会全体がグラグラ揺れるという性質のものではありません。そういう「局地戦」でも例えば都市再開発や農地収用問題にまつわるトラブルで連日のように暴動が頻発しています。 ところが、地方幹部がいまやそうした「汚職」や、「仇富心理」(金持ちへの反感)という言葉が定着するほど深刻になった「貧富の格差」よりも、「物価高」がまず懸念されると回答しているのです。これは「局地戦」ではなく、改めて大雑把にいえば「残り8割」の住民が迷惑を被る問題です。農村暴動のようにすぐ火がつくという可燃度の高さこそありませんが、もしいったん火がついてしまえば、「局地戦」とは比較にならないほどの炎上ぶりをみせることになるかと思います。
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……ちょっと時間的余裕がないので本日はここまでで御容赦の程を。主題に入る前にとりあえず現状紹介ということで。「物価高」が中国社会の不安定要因として急速に台頭し、いまや「貧富の差」「汚職」などよりも懸念されている問題だということは御理解頂けたかと思います。
これはひょっとすると、価格改革によってスーバーインフレが発生して趙紫陽・総書記(当時)が経済運営の主導権を手放さざるを得なくなり、保守派による引き締め政策に一転した1988年以来の事態かも知れません。ひとつ余計なことをいうと、この保守派の台頭に懸念した改革派の政治家や知識人が挽回を図って東奔西走したことが、翌1989年の民主化運動~天安門事件が生起する上での重要な伏線、いわば舞台づくりとなります。ハーフタイムです。m(__)m。