北京に水を流すため、紅旗灘村と赤城村では、稲作を禁止され、野菜栽培の減反命令がなされた。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成19年(2007年) 12月10日(月曜日)
通巻第2023号
北京五輪の水不足を確保するために密雲ダム上流の村々の犠牲、さらに深刻
稲作を禁止され、野菜栽培も減反、農家の収入が激減している
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北京から北へ四時間。
河北省沽源県とその周辺は水に恵まれ、稲作、野菜栽培で農家も栄えてきた。
ここには白河、黒河、楽河の三大水系が合流する。古都・承徳の近くである。白河と黒河の水は54%が北京へ向かい、楽河水系は天津へ注ぐ。
異変は数年前からである。
北京五輪の水源確保のために、これら流域の農村に、水を大量に使う稲作ばかりか、野菜栽培の減反命令がでたのだ。
また井戸の使用が禁止され(それもこれも皆、共産党幹部のお住まいになる紫禁城のある北京へ水をおくるため)、とくに紅旗灘村と赤城村では村を流れる河の豊かな水を横目に、4-5キロ離れた井戸まで水くみに行かなければ行けない。
この両村では稲作を完全に禁止された。
季節の野菜も水不足により育たず、農家の収入は激減、稲作農家で20%の収入が減ったうえ、野菜農家は90%の出荷が出来ず、各戸の被害はことし1000元(付近の年収の三分の一に等しい)という(多維新聞網、12月10日付け)。
二年前に筆者は、逆コースで承徳からバスで5時間、万里の長城を超えて北京は入ったことがある。
古都・承徳市内を流れる河に水がなく、北京の水源「密雲ダム」の水量は底をつきかけていた。
北京の1500万市民はどうやって水を確保しているのか、当時ですら懸念された。
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(読者の声1) メルマガ配信不着の件。
毎度興味深く拝読しております。一読者より、このたび初めて評価をクリックいたしましたところ、以後の配信がストップいたしました。
一度解除、再登録いたしましたが復旧いたしません。結局melma!事務局に問い合わせすることにより復旧いたしましたが、原因は配信エラーが規定回数を超えた事による、排除だそうです。
配信エラー原因は
1 メールボックスの許容量による受信不可能(容量は2ギガ有るので考えられない)
2 DNSサーバーの受信拒否: 迷惑メール等みずから受信拒否と登録しないと、受信拒否にはならないはずです。
3,原因は今のところはっきりしませんが、受信者が発信者にアクセスすると、何らかの作用が働き受信拒否が起こるようです。
あくまで私個人の事例ですが。同じくメルマガ「頂門の一針」も配信されなくなりました。
今、ひとつの解決方法は、新たにアドレスを入手、そこに受信専用として登録することです。
私はInfoseekで開設現在順調です。
(秋月生)
(宮崎正弘のコメント) 貴重な技術情報を有り難うございました。
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(読者の声2) 現在、南京大虐殺肯定派は、夏淑琴の裁判の勝利に勢いづいているそうだ。
特にその判決文の一部「被告東中野の原資料の解釈はおよそ妥当なものとは言い難く、学問研究の成果と言うに値しない」を引用し、東中野氏の研究や著作はいい加減で信用できないと世界中に宣伝をし、南京大虐殺否定論を潰しにかかっているそうです。
また、肯定派は既に南京事件七十周年国際シンポジウム実行委員会(尾山宏代表)なるものを作り、アメリカ、カナダ、イタリア、フランス、ドイツなどで国際シンポジウムを開催しているそうです。
そしてこれらのシンポジウムで例外なく質問されたのが、否定論の横行に対して学者、特に歴史学者たちがどういう態度をとっているのか、というかことだそうです。
たかが裁判?されど裁判?
東中野先生は、夏淑琴の裁判に勝たなければ、自身の全著作全研究が否定されかねません。事態はそこまできてしまいました。裁判は弁護士できまります。昔から「医者は年配がよく、弁護士は若手がよい」と言われているそうです。沖縄集団自決の大江裁判はどうでしたか?
(TK生、目黒)
(宮崎正弘のコメント) あの判決を出した裁判官は札つきの左翼です。裁判所、とくに地裁レベルが、過去三十年の間に左翼の巣窟になっており、偏向判決は最高裁判所まで続きます。
行政に入りこんだ左翼は労働組合を組織し、教育現場では日教組をつくり、そして司法界に忍び込んで日本の法治制度を巧妙に利用して、思想戦争をしかけているのです。
いずれ自衛隊にも入りこみ、反軍運動を組織化し、すでに牛耳ったマスコミを複層的に政治利用して、あたらしい反日運動を展開するでしょう。
左翼の闘争戦術は地方裁判所、高等裁判所での法廷戦術と世論工作です。
そうやって日本の思想界に外国製の毒を撒き散らし、やがて十年以上かかった最高裁判所で「正当な判決」がでると、「不当判決」と言ってまた騒ぐ。
率直に言って東中野先生には最高裁判所まで闘って頂くしかありませんし、これが思想闘争の中核にあり、保守陣営は拉致問題のような、或いは教科書採択のような、支援態勢を組む必要があります。
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((( 書評 )))
福島香織 『危ない中国 点撃』(産経新聞社)
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産経新聞紙上で著者の福島香織・北京特派員は中国の奥地、砂漠の果て、荒野の闇を縦横無尽に旅して率直な目撃記事を旺盛に書かれている。
福島レポートが読者の意表を突く面白さ、斬新さを伴うのは、他紙の記者が見逃しがちな共産党幹部の汚職や、胡同の裏道の異臭漂う風景や、商店街のなかで本当にかわされている物騒な会話、露店の裏で実際に何が食材で使われているか、母乳の替わりにコーラを飲ませる母親は「だってコーラの方が高いから」(母乳より効き目がある?)などのけぞるような場面を活き活きと描くからだ。
嬰児のスープを食する秘密のレストランもある。食事と性欲に貪欲で、カネとなると目の色を変える人々が活写される。ゲテモノを含む食事に中国人が拘る理由は伝統的な「医食同源」という意識を越えて体制転覆の危機意識が強迫観念としてつねに金持ち階級にあるからだと、その潜在的心理を突く。
「百万の富を得ても、明日政権がかわれば没収される。だから財産を美味で栄養ある高価な食品にかえて自分の血と肉にすることに没頭した。フカヒレ、アワビ、熊の手」等々。ところが豚肉は化学薬品に汚染され、食塩には水銀、鉛が、上海蟹とフカヒレは偽物のオンパレード、抗生物質がはいった牛乳等々。数え切れない商道の無法!
こうした猛毒食品に関して欧米ジャーナリズムが四月頃から報道していても、日本のマスコミは福島報告以外殆んど無かった。彼女の報道姿勢の辛辣さと実直な筆圧は貴重だ。 ところで本書は産経外信報道の集大成に非ず。むしろ紙幅の関係で新聞に漏れた記事をおりおりに産経ブログ[IZA!」に綴り、そのなかの面白いエピソードを体系的に編んだものである。全編を通してスピード感があり、一見粗野に見える文体もブログ世代対象の媒体という特徴を勘案すれば、妙に納得できるのである。
(この書評は12月2日付け「産経新聞」からの転載です)
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((( 宮崎正弘の最新刊 )))
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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宮崎正弘の比較的入手しやすい本の一覧 ↓
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NHKでは、この村の現状を伝える番組を流していたが、
北京を優先させて二つの村の稲作と野菜の栽培を禁じた
チュウゴク政府を非難しないで、さらりと流して終わらせたそうだ。
NHKは、そんなにチュウゴクのことを擁護した番組を作りたいなら
日本人から受信料をとるのを止めて、
チュウゴク政府から受信料をもらえばいい。by日本のお姉さん