最近考えていること
古本屋で「中国情報部」という古い本を買った。
1992年に出版された本で17年も前の古本だから
読む価値も無いと思ったが、安かったので買って
読んでみた。アメリカ人のFBIとかCIAなどの二つの
有名な機関に関係がある人の書いた本で、
中国は昔からスパイを使って戦争をするのが、味方の
損害を一番少なくする最善の方法だと思っているとか、
中国は、一般の中国人をリクルートしてスパイとして
アメリカに送り込んでいるとか、書いてあった。
中国人は、外交官や外国人を監視しており、行動や
交友関係の全てを把握している。また北京の主要なホテルは
全て監視カメラとビデオがついていて、過去に大勢が
会話まで記録されているとか、中国通のみんなが知っていることが
いっぱい書いてあった。逆に1992年も昔からアメリカは、
そんなことは知っていたのに、
シリコンバレーからたくさんのIT技術を中国人に盗まれているのは
アメリカの企業も、相当平和ボケしているのだと思った。
中国情報部という本には、中国軍は脅威とはならないし、
スパイたちは、アメリカのA級の機密をあまり盗まないが
B級の機密をすごい数で盗んでいると書いている。
15年前は、そうだったのかもしれないが、
今では、中国軍は脅威だし、アメリカのトップクラスの企業秘密を
盗んでいる。しょっちゅう、アメリカのニュースに
中国人のスパイが捕まったという記事が出ている。
中国は、中央に情報部門を持つだけでなく、省ごとに情報機関が
あって、スパイ活動にすごく人材も金も使っていると書いてあった。
外国に留学にいくことが決まった優秀な中国人に狙いをつけて
エージェントが接近し、学生にスパイになれと言うのだそうだ。
その時には、愛国心を刺激して「中国のために」とか、
断ると面倒が起こるぞとか、リクルートされたことを口外すると
将来が無いとか、留学させないとか、脅すので、
誰も断れないそうだ。断れば留学に行けなくなるからだ。
そして、学校を卒業したらまとまった退職金をやるとか、
よい情報があったら、どこに連絡するべきかとか、
二年に一度、香港やカナダに出てエージェントと接触するように
だとか、アメリカ政府はこんなに悪いのだとか、いろいろ
詰め込みで教え込むのだそうだ。
そして、スパイになった中国人留学生には、親友もくれないような
豪華なプレゼントを年に2回ほど家族に送りつけるそうだ。
アメリカで成功している中国人には、中国に残している家族を
酷い目にあわせるぞと脅してスパイにしたり、
仲間を増やすために、中国に家族がいる中国系アメリカ人の
家族の情報をさぐらせたり、いろんな仕事をやらせているそうだ。
そういう記事を最近も読んだので、中国の情報部は
ずっと同じことをしているらしい。
中国人留学生は、大使館が使わすエージェントによって
監視されているし、情報を収集している。中国人留学生の20パーセントは
リクルートされたスパイで、一人一人が集める情報はたいしたことが
無いが、広く浅く、数で勝負して必要な情報を集めているらしい。
15年前から、アメリカ人は、中国情報部のことを知っているのに、
それでも、相当中国人のスパイに情報を盗まれている。アメリカが
そうなら日本なんか、情報は全部、筒抜けだろうと思う。
企業が真面目に中国人スパイから自社の企業秘密を守らねば
誰も、守ってくれないのだ。スパイが特定されても、スパイ防止法も
無いから、特に罰することもできない。
15年前の本が、最近のニュースと内容がほとんど変わらないので
逆にびっくりした。15年前も、CIAに中国系アメリカ人が
スパイとして入り込んでいたし、中国に住んでいるアメリカ人の教師には
スパイとして中国人女性があてがわれていたのだ。
ハニートラップは、中国人のお得意ワザなのだ。
自殺した上海の領事館の人が、もっと気をつけていれば、
死なずに済んだのに。